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1章
28。おみやげを買いました
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えっと、猫ってポップコーン食べるの?
……食べる、のよね。勧められるってことは。
まあ、ポップコーンってとうもろこしだし、玉ねぎみたいに有害とは聞いたことがないから、多少なら平気そう?
でも塩分とか油分とかも心配になるけど、いいのだろうか。
「大丈夫、猫用のが売っているの!たまになら問題ないわ!」
猫用があるんだ……そうなんだ。
まあ塩分や油分の摂りすぎが良くないのは人間も同じだものね。たまに食べるくらいなら良いのかしら。
「お、お嬢さん方いらっしゃい!お決まりならーーってマヤさんじゃねぇか」
久しぶりだな、そっちのお連れさんは?と顎をしゃくってきた屋台のお兄さんは、普通に人間だった。
かなりパンク?な外見で、耳にピアスがいくつもぶら下がっているし、指にはゴツい指輪が嵌っている。
他にもアクセサリーがジャラジャラついてるし、髪には鮮やかな黄色のメッシュも入っているけど、獣耳やしっぽはない普通の人間。
うん、一安心。さっき不動産屋さんが犬だった事を考えれば、全然普通だわ。
ーー私ったら、普通のハードルがだいぶ下がってきたわね……。
いえ、気にしたら負けだもの。気にしない気にしない。
「ほんとお久しぶりね~!こっちはお友達のソフィアさん。彼女、昨日から猫を飼いだしたのよ!ここには猫用のも置いてあったわよね?」
とりあえず二袋お願いね!と、マヤさんはもう買う気満々で注文しはじめてしまった。
「へぇ、そうなのか!お嬢ちゃん、猫を飼うのは初めてかい?」
「いえ、昔飼ってたことはあるのですが……かなり前のことなのと、なんだか今回は勝手が違ってて、戸惑っているところです」
何たって、以前家では飼っていた猫たちは所謂普通の四つ脚の猫だったのだ。
ニャーニャー鳴いているのにアテレコをして遊んだりはしたけど、本当の意味で会話が成立したりなんかしない普通のにゃんこ。
「ははっ、まぁ猫にも個性があるからな。前回と同じとはいかねえさ」
「そりゃそうよねぇ。しかも彼女の飼い猫はあの届け物屋の兄弟だもの!一筋縄で行くはずもないわぁ~」
「うおっ?!そりゃ本当か?!そいつはマジで凄えな……」
お兄さんがまじまじと私の方を見つめてくる。
あ、なんかデジャブ……。
「あいつらがノラ猫を辞める日が来るとはねえ……天変地異でも起こらなきゃいいが。ーーほれ、猫用のポップコーン2つな。他のもどうだい?」
マヤさんに何がいい?と聞かれてじゃあキャラメルで、とお願いする。
「じゃあ彼女用にキャラメルと、私はガーリックチーズね!あとコンソメの犬用のもひとつお願い!」
あ、ここはアタシに奢らせて頂戴ね♪大人に遠慮なんてするんじゃないわよ!とパチリとウインクされ、ご馳走様です、と頭を下げた。
この屋台で、さっきの金貨を出すのがマズいんですよね。分かっておりますとも。
ーー今度おじ様に、マヤさんの好きなものを教えてもらおう。お返し大事。
「まあ、なんだ。あいつらはクセは強いが、悪い奴等じゃねぇよ。頑張んな!」
そう言ってお兄さんから残りのポップコーン3袋と、小さな瓶を渡された。
ーー?これ、何が入っているんだろう?
ぱっと見は乾燥ハーブのような……セージ?タイム?でもなんで?
「ええと、これは?」
お兄さんの方を見ると、人懐っこい笑みでパチリ、とウインクされる。……ここのみんなウインク好きだな。
「サービスだよ。俺、ガイって言うんだ。今後ともご贔屓に!」
「わあ、ありがとうございます!」
オマケしてくれたらしい。なかなか感じの良いお兄さんだ。
そいつは猫の好きなハーブだから、お茶にでもして出してやりな!と説明された。
「お茶で飲むなら小さじ1くらいな、蒸らしは5分。あと、もう少し砕いて料理の飾りとして振りかけてもいいぜ!」
蓋を開けてみるとハッカのような、爽やかな匂いがした。
うん、これならハーブティーにブレンドして使えそうね。ミントティーでもカモミールにも合いそう。
「あら、良いわね!抗不安作用なんかもあるハーブだから、ぴったりじゃないかしら」
「そうなんですね、試してみます!」
あの二人、少しは元気になると良いけど。
「ああそうだ、飼い猫に与えると絆が深まる、なんて話もあるのよ!」
ソフィアさんにもぴったりよねっ!あ、これ人間も問題なく飲めるから大丈夫よ!と続けるマヤさん。
うーん、そっちは要らないかな。
私はすぐにこの世界から居なくなる予定なのだから。
必要以上に絆を深めても仕方ないものね。
……食べる、のよね。勧められるってことは。
まあ、ポップコーンってとうもろこしだし、玉ねぎみたいに有害とは聞いたことがないから、多少なら平気そう?
でも塩分とか油分とかも心配になるけど、いいのだろうか。
「大丈夫、猫用のが売っているの!たまになら問題ないわ!」
猫用があるんだ……そうなんだ。
まあ塩分や油分の摂りすぎが良くないのは人間も同じだものね。たまに食べるくらいなら良いのかしら。
「お、お嬢さん方いらっしゃい!お決まりならーーってマヤさんじゃねぇか」
久しぶりだな、そっちのお連れさんは?と顎をしゃくってきた屋台のお兄さんは、普通に人間だった。
かなりパンク?な外見で、耳にピアスがいくつもぶら下がっているし、指にはゴツい指輪が嵌っている。
他にもアクセサリーがジャラジャラついてるし、髪には鮮やかな黄色のメッシュも入っているけど、獣耳やしっぽはない普通の人間。
うん、一安心。さっき不動産屋さんが犬だった事を考えれば、全然普通だわ。
ーー私ったら、普通のハードルがだいぶ下がってきたわね……。
いえ、気にしたら負けだもの。気にしない気にしない。
「ほんとお久しぶりね~!こっちはお友達のソフィアさん。彼女、昨日から猫を飼いだしたのよ!ここには猫用のも置いてあったわよね?」
とりあえず二袋お願いね!と、マヤさんはもう買う気満々で注文しはじめてしまった。
「へぇ、そうなのか!お嬢ちゃん、猫を飼うのは初めてかい?」
「いえ、昔飼ってたことはあるのですが……かなり前のことなのと、なんだか今回は勝手が違ってて、戸惑っているところです」
何たって、以前家では飼っていた猫たちは所謂普通の四つ脚の猫だったのだ。
ニャーニャー鳴いているのにアテレコをして遊んだりはしたけど、本当の意味で会話が成立したりなんかしない普通のにゃんこ。
「ははっ、まぁ猫にも個性があるからな。前回と同じとはいかねえさ」
「そりゃそうよねぇ。しかも彼女の飼い猫はあの届け物屋の兄弟だもの!一筋縄で行くはずもないわぁ~」
「うおっ?!そりゃ本当か?!そいつはマジで凄えな……」
お兄さんがまじまじと私の方を見つめてくる。
あ、なんかデジャブ……。
「あいつらがノラ猫を辞める日が来るとはねえ……天変地異でも起こらなきゃいいが。ーーほれ、猫用のポップコーン2つな。他のもどうだい?」
マヤさんに何がいい?と聞かれてじゃあキャラメルで、とお願いする。
「じゃあ彼女用にキャラメルと、私はガーリックチーズね!あとコンソメの犬用のもひとつお願い!」
あ、ここはアタシに奢らせて頂戴ね♪大人に遠慮なんてするんじゃないわよ!とパチリとウインクされ、ご馳走様です、と頭を下げた。
この屋台で、さっきの金貨を出すのがマズいんですよね。分かっておりますとも。
ーー今度おじ様に、マヤさんの好きなものを教えてもらおう。お返し大事。
「まあ、なんだ。あいつらはクセは強いが、悪い奴等じゃねぇよ。頑張んな!」
そう言ってお兄さんから残りのポップコーン3袋と、小さな瓶を渡された。
ーー?これ、何が入っているんだろう?
ぱっと見は乾燥ハーブのような……セージ?タイム?でもなんで?
「ええと、これは?」
お兄さんの方を見ると、人懐っこい笑みでパチリ、とウインクされる。……ここのみんなウインク好きだな。
「サービスだよ。俺、ガイって言うんだ。今後ともご贔屓に!」
「わあ、ありがとうございます!」
オマケしてくれたらしい。なかなか感じの良いお兄さんだ。
そいつは猫の好きなハーブだから、お茶にでもして出してやりな!と説明された。
「お茶で飲むなら小さじ1くらいな、蒸らしは5分。あと、もう少し砕いて料理の飾りとして振りかけてもいいぜ!」
蓋を開けてみるとハッカのような、爽やかな匂いがした。
うん、これならハーブティーにブレンドして使えそうね。ミントティーでもカモミールにも合いそう。
「あら、良いわね!抗不安作用なんかもあるハーブだから、ぴったりじゃないかしら」
「そうなんですね、試してみます!」
あの二人、少しは元気になると良いけど。
「ああそうだ、飼い猫に与えると絆が深まる、なんて話もあるのよ!」
ソフィアさんにもぴったりよねっ!あ、これ人間も問題なく飲めるから大丈夫よ!と続けるマヤさん。
うーん、そっちは要らないかな。
私はすぐにこの世界から居なくなる予定なのだから。
必要以上に絆を深めても仕方ないものね。
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