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3章
3。記憶が飛んだようです
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「痛ってぇーー……本気で引っ叩かなくてもいいじゃんか」
「目の前にいきなり半裸の男がいたらしょうがないでしょっ?!」
ゼーハーと肩で息をしながら叫び返す。
うるさいなぁ、と耳を押さえたマゼンタの頬には、キレイな赤い手形が付いていた。
ーー初めて、全力で人にビンタをかましてしまった。
こう、ドラマで男の浮気がバレたシーンとかで良くあるけど。自分がやる日が来るなんて思ってなかったわ……
まあ今回はそういう色恋的な修羅場ではなくて、単純に露出がーーって、そこは思い出しちゃ駄目!
ちなみにマゼンタは今はしっかりと服を着ている。
あの後もう一回後ろを向いているうちに着替えてもらった。てか、服あるなら最初からそっち着なさいよ。
「だってさー、服全部着ようとしたらそれなりに時間掛かるじゃん? フィアを待たせるのも悪りぃかなーって思ったんだよ」
「……お気遣いどうも。でも、気遣う方向がズレてるわ」
一応これでも年頃の女なのだ。気を遣うならこっちの乙女心の方を気遣ってほしい。
「えー、朝方とか裸のオレを撫で回して、抱きついてきたくせに?」
「猫の姿だったからよ!」
ーー明け方の記憶に出てきたネコは、夢じゃなくてマゼンタだったらしい。
確かにあの時は夢だと思ったから遠慮なく抱きしめてたけど……冷静に考えると羞恥心で死ねる。
「今も猫じゃん。撫で回さないの?」
「ほとんど人間のカタチじゃない! できるわけないでしょ?!」
揶揄われて思わずもう一度振り上げた手は、あっさりマゼンタに握り込まれて止められてしまった。
あっぶねーなー、と全く危なげなんかなかったのに、そう言ってニヤニヤ笑われるのがまたムカつくわ。
うっ……それにしても、さっき叩いた手がもの凄くヒリヒリする……殴った方も手が痛いって本当なのね。
つかまれていた手を取り返してから、そっとため息をついた。
「で、これも今更だけど……ここは何処なの?」
「ん? ああ、病院だよ」
「……は?」
確かにそんな雰囲気の部屋ではあるけど、本当にここ病室だったの?!
私、まさか病院に担ぎ込まれてたの?
「フィア覚えてないの? オマエさ、酒飲んでぶっ倒れたんだぜ?」
「へ? ……あ。」
少しずつ、昨日の夜のことを思い出す。
マヤさんが急に部屋に来て、チーズとアルコールたっぷりのお茶会に巻き込まれて、色々とお互いに暴露話を繰り広げて、それからーー
あれーーそれから、どうしたんだっけ?
ダメだ、思い出せない。
「途中、までなら。でも、そのお酒を飲んだってあたりは全然覚えてないわ……」
「あー……フィア、飲んだら記憶飛ばす系か」
あちゃあ、という顔でマゼンタが頭をかく。
そう言ってざっくりかいつまんで説明される内容は。
私がマヤさんから何かしらびっくりすることを言われて、食べてたものを詰まらせて。
慌ててお水を飲んだつもりが、それは度数の高い蒸留酒だった、と。
そんな分かりやすいお酒の席での失敗談だった。
「うわぁ……なんか本当に申し訳ない……」
「いや、水が入ってたはずのコップにマヤが酒入れてたんだろ?マヤが珍しく殊勝に謝ってきてたぜ?『ソフィアさんに申し訳ないことをした』ってさ」
「……そう、なの」
どうしよう。その辺本気で覚えてない。
ついでに、飲む前のことも。
「えっと……そんな喉詰まらせるような何かを言われたんだっけ……?」
「その辺マヤも話してくれなかったってゆーか、明らかに誤魔化されたんだよなー」
うーん、なんだったんだろう。今度マヤさんに直接聞いてみるかな。
「それで、マヤさんは?」
「あっちも相当に飲んでたから、そのままシアンがリュウんとこに送りつけた」
ベロベロに酔ってるしテンパって言ってることもめちゃくちゃだしで、状況把握がめっちゃ大変だった、とマゼンタが深ーくため息をついたーーうん、申し訳ない……。
まさか今度は本当に倒れてしまうなんて。
「まー、今回のはマヤが悪いみたいだし? でも気ぃつけろよ」
「うん……そうする……」
確かに、今までまともに飲んだことなかったけど。
自分が下戸だったと言う事実と皆にかけた迷惑を思って、朝から凹みつつ深く深く反省したのだった。
「目の前にいきなり半裸の男がいたらしょうがないでしょっ?!」
ゼーハーと肩で息をしながら叫び返す。
うるさいなぁ、と耳を押さえたマゼンタの頬には、キレイな赤い手形が付いていた。
ーー初めて、全力で人にビンタをかましてしまった。
こう、ドラマで男の浮気がバレたシーンとかで良くあるけど。自分がやる日が来るなんて思ってなかったわ……
まあ今回はそういう色恋的な修羅場ではなくて、単純に露出がーーって、そこは思い出しちゃ駄目!
ちなみにマゼンタは今はしっかりと服を着ている。
あの後もう一回後ろを向いているうちに着替えてもらった。てか、服あるなら最初からそっち着なさいよ。
「だってさー、服全部着ようとしたらそれなりに時間掛かるじゃん? フィアを待たせるのも悪りぃかなーって思ったんだよ」
「……お気遣いどうも。でも、気遣う方向がズレてるわ」
一応これでも年頃の女なのだ。気を遣うならこっちの乙女心の方を気遣ってほしい。
「えー、朝方とか裸のオレを撫で回して、抱きついてきたくせに?」
「猫の姿だったからよ!」
ーー明け方の記憶に出てきたネコは、夢じゃなくてマゼンタだったらしい。
確かにあの時は夢だと思ったから遠慮なく抱きしめてたけど……冷静に考えると羞恥心で死ねる。
「今も猫じゃん。撫で回さないの?」
「ほとんど人間のカタチじゃない! できるわけないでしょ?!」
揶揄われて思わずもう一度振り上げた手は、あっさりマゼンタに握り込まれて止められてしまった。
あっぶねーなー、と全く危なげなんかなかったのに、そう言ってニヤニヤ笑われるのがまたムカつくわ。
うっ……それにしても、さっき叩いた手がもの凄くヒリヒリする……殴った方も手が痛いって本当なのね。
つかまれていた手を取り返してから、そっとため息をついた。
「で、これも今更だけど……ここは何処なの?」
「ん? ああ、病院だよ」
「……は?」
確かにそんな雰囲気の部屋ではあるけど、本当にここ病室だったの?!
私、まさか病院に担ぎ込まれてたの?
「フィア覚えてないの? オマエさ、酒飲んでぶっ倒れたんだぜ?」
「へ? ……あ。」
少しずつ、昨日の夜のことを思い出す。
マヤさんが急に部屋に来て、チーズとアルコールたっぷりのお茶会に巻き込まれて、色々とお互いに暴露話を繰り広げて、それからーー
あれーーそれから、どうしたんだっけ?
ダメだ、思い出せない。
「途中、までなら。でも、そのお酒を飲んだってあたりは全然覚えてないわ……」
「あー……フィア、飲んだら記憶飛ばす系か」
あちゃあ、という顔でマゼンタが頭をかく。
そう言ってざっくりかいつまんで説明される内容は。
私がマヤさんから何かしらびっくりすることを言われて、食べてたものを詰まらせて。
慌ててお水を飲んだつもりが、それは度数の高い蒸留酒だった、と。
そんな分かりやすいお酒の席での失敗談だった。
「うわぁ……なんか本当に申し訳ない……」
「いや、水が入ってたはずのコップにマヤが酒入れてたんだろ?マヤが珍しく殊勝に謝ってきてたぜ?『ソフィアさんに申し訳ないことをした』ってさ」
「……そう、なの」
どうしよう。その辺本気で覚えてない。
ついでに、飲む前のことも。
「えっと……そんな喉詰まらせるような何かを言われたんだっけ……?」
「その辺マヤも話してくれなかったってゆーか、明らかに誤魔化されたんだよなー」
うーん、なんだったんだろう。今度マヤさんに直接聞いてみるかな。
「それで、マヤさんは?」
「あっちも相当に飲んでたから、そのままシアンがリュウんとこに送りつけた」
ベロベロに酔ってるしテンパって言ってることもめちゃくちゃだしで、状況把握がめっちゃ大変だった、とマゼンタが深ーくため息をついたーーうん、申し訳ない……。
まさか今度は本当に倒れてしまうなんて。
「まー、今回のはマヤが悪いみたいだし? でも気ぃつけろよ」
「うん……そうする……」
確かに、今までまともに飲んだことなかったけど。
自分が下戸だったと言う事実と皆にかけた迷惑を思って、朝から凹みつつ深く深く反省したのだった。
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