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3章
4。迷い子なことがバレたそうです
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「ま、酔ってやらかしたことならオレも良くあるからさ! そんな気にすんなよー」
「……そうなの?」
「こないだもキャットニップでヘロヘロになっちまったし?」
「それ、私がやらかした話でもあるじゃない……」
フォローになってないわよ、と睨むと、そうだっけと笑われた。
もう。変なとこで気を回してんじゃないわよ。
「気にするなって言うなら、今回迷惑掛けちゃったのと、さっきあなたの裸を見せられたのでチャラにしてくれない?」
「ヒトを露出狂みたいに言うなって! それにそんなにヒドい身体じゃなかっただろー!?」
「ちょっ、思い出させるようなことを言うの止めてよ!」
刺激の強い映像がフラッシュバックして、顔に血が集まる。
「なに、フィア顔赤くね? ヤラシーな、何想像しちゃったワケ~?」
「……マゼンタ。もう一発お見舞いされたくなかったら、今すぐその口を閉じなさい?」
……確かに細身なのに結構筋肉ついてるわね、とか結構鍛えてたんだなーって思ったけど!
あくまで見たまんまの感想であって、そんなヤラシイことなんて断じて考えてないからね?!
拳をつくって頭を小突くマネをしてみせると、おー怖っと、またマゼンタが笑った。
ま、オレはフィアにだったら色々想像されてもいーんだけど? なんて余計な一言もついてきたけど。
「さてと、もう体は大丈夫そ?」
「ええ。もう平気」
明け方の酷い頭痛も治ってるし、喉は少しかすれて痛いけど、水分を摂れば治るだろう。
「なら良かった。じゃ、起きたとこで悪いんだけどさ。ここ、早めに出た方がいいんだよな」
「ーー? そうなの?」
ベッドが足りていないとかかしら。それとも、何か急ぎの用事でもあったろうか。
「そうじゃないんだけどーーちょっとマズい事にフィアが迷い子だってコト、ここの看護婦の誰かにバレちゃったみたいなんだよねー」
あのオバちゃん達口軽いから、もうそこら中で話ばらまかれちまってると思う、と珍しく困った顔で言われる。
え、と。ーーそれってそんなにマズい事なの?
私がここで迷い子と呼ばれる存在なことは、エリザにはもちろんリュウおじ様にもマヤさんにもバレてるし。
ひょっとしたらクレイだって言わないだけで気づいているかもしれない。
でもそれで困ったこととか、今のところないのだけどーー
困惑が顔に出ていたのか、マゼンタが補足してくれた。
「女王様はもちろん、マヤとリュウもその辺は心得ているから誰かに漏れる心配はねーよ。けどここのオバちゃんらはそんなこと気にせず触れ回っちゃう人だから」
「ちょっと待って、そうじゃなくて。ーーそもそも、迷い子だって知られるのの何がマズいの?」
「んー。端的に言うと、狙われる可能性が出てくる」
「ーーはい?」
え、なにその物騒な話。
「言ったと思うけどさ、迷い子ってめちゃくちゃレアなワケ。珍しい、ってだけで商品価値は上がるからさ」
「しょ、商品価値って……」
「高値で売れんだよ。この国は比較的安全だけど、他の国まで含めればこの世界は結構ロクでもないところも多いんだ。奴隷制度だってあるし人身売買だって残ってる。珍しいもの好きの腐った貴族なら、迷い子が売られていれば金に糸目なんかつけずに手に入れようとするかんな」
「……うわぁ」
つまり異世界物あるあるの、ロクでもない貴族がここにもいるわけなのね?
「加えて迷い子は“知識と文化の伝承者”とも言われてる。で、その知識はうまくいけば商売のタネになるから」
「ええと、つまり囲い込み?」
「ーーそんな穏やかな表現で済めば良いですけどね」
後ろから声がしたと思ったら、窓からシアンが入ってきた。
……この世界って窓から入ってくるのがスタンダードなのかしら。
「シアン……ここ、一階じゃないわよね?」
「三階ですね。猫は高い所も平気なんですよ」
「はあ……言うと思ったわ」
「お酒は抜けました?」
「ええーー二日酔いは懲り懲りよ」
まさか病院のお世話になると思わなかった。
「ふふっ、過剰摂取は毒ですよ?」
「……知ってる」
ニヤリ、と笑われて思わず渋面になる。
ああもう、こんなとこで意趣返しを喰らう羽目になるなんて!
もう絶対酒飲みと夜中にお茶会なんてしないと、私は心の中で誓ったのだった。
「……そうなの?」
「こないだもキャットニップでヘロヘロになっちまったし?」
「それ、私がやらかした話でもあるじゃない……」
フォローになってないわよ、と睨むと、そうだっけと笑われた。
もう。変なとこで気を回してんじゃないわよ。
「気にするなって言うなら、今回迷惑掛けちゃったのと、さっきあなたの裸を見せられたのでチャラにしてくれない?」
「ヒトを露出狂みたいに言うなって! それにそんなにヒドい身体じゃなかっただろー!?」
「ちょっ、思い出させるようなことを言うの止めてよ!」
刺激の強い映像がフラッシュバックして、顔に血が集まる。
「なに、フィア顔赤くね? ヤラシーな、何想像しちゃったワケ~?」
「……マゼンタ。もう一発お見舞いされたくなかったら、今すぐその口を閉じなさい?」
……確かに細身なのに結構筋肉ついてるわね、とか結構鍛えてたんだなーって思ったけど!
あくまで見たまんまの感想であって、そんなヤラシイことなんて断じて考えてないからね?!
拳をつくって頭を小突くマネをしてみせると、おー怖っと、またマゼンタが笑った。
ま、オレはフィアにだったら色々想像されてもいーんだけど? なんて余計な一言もついてきたけど。
「さてと、もう体は大丈夫そ?」
「ええ。もう平気」
明け方の酷い頭痛も治ってるし、喉は少しかすれて痛いけど、水分を摂れば治るだろう。
「なら良かった。じゃ、起きたとこで悪いんだけどさ。ここ、早めに出た方がいいんだよな」
「ーー? そうなの?」
ベッドが足りていないとかかしら。それとも、何か急ぎの用事でもあったろうか。
「そうじゃないんだけどーーちょっとマズい事にフィアが迷い子だってコト、ここの看護婦の誰かにバレちゃったみたいなんだよねー」
あのオバちゃん達口軽いから、もうそこら中で話ばらまかれちまってると思う、と珍しく困った顔で言われる。
え、と。ーーそれってそんなにマズい事なの?
私がここで迷い子と呼ばれる存在なことは、エリザにはもちろんリュウおじ様にもマヤさんにもバレてるし。
ひょっとしたらクレイだって言わないだけで気づいているかもしれない。
でもそれで困ったこととか、今のところないのだけどーー
困惑が顔に出ていたのか、マゼンタが補足してくれた。
「女王様はもちろん、マヤとリュウもその辺は心得ているから誰かに漏れる心配はねーよ。けどここのオバちゃんらはそんなこと気にせず触れ回っちゃう人だから」
「ちょっと待って、そうじゃなくて。ーーそもそも、迷い子だって知られるのの何がマズいの?」
「んー。端的に言うと、狙われる可能性が出てくる」
「ーーはい?」
え、なにその物騒な話。
「言ったと思うけどさ、迷い子ってめちゃくちゃレアなワケ。珍しい、ってだけで商品価値は上がるからさ」
「しょ、商品価値って……」
「高値で売れんだよ。この国は比較的安全だけど、他の国まで含めればこの世界は結構ロクでもないところも多いんだ。奴隷制度だってあるし人身売買だって残ってる。珍しいもの好きの腐った貴族なら、迷い子が売られていれば金に糸目なんかつけずに手に入れようとするかんな」
「……うわぁ」
つまり異世界物あるあるの、ロクでもない貴族がここにもいるわけなのね?
「加えて迷い子は“知識と文化の伝承者”とも言われてる。で、その知識はうまくいけば商売のタネになるから」
「ええと、つまり囲い込み?」
「ーーそんな穏やかな表現で済めば良いですけどね」
後ろから声がしたと思ったら、窓からシアンが入ってきた。
……この世界って窓から入ってくるのがスタンダードなのかしら。
「シアン……ここ、一階じゃないわよね?」
「三階ですね。猫は高い所も平気なんですよ」
「はあ……言うと思ったわ」
「お酒は抜けました?」
「ええーー二日酔いは懲り懲りよ」
まさか病院のお世話になると思わなかった。
「ふふっ、過剰摂取は毒ですよ?」
「……知ってる」
ニヤリ、と笑われて思わず渋面になる。
ああもう、こんなとこで意趣返しを喰らう羽目になるなんて!
もう絶対酒飲みと夜中にお茶会なんてしないと、私は心の中で誓ったのだった。
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