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3章
14。餌付けは楽しくて危険です
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気づかないうちにマゼンタが嫌がることでもしたんだろうか? と段々焦ってきて、我慢できずに再度声を掛ける。
「マゼンタってばどうしたの? ひょっとして食べたくない?」
「んーそうじゃなくてさ。せっかくだからフィアが食べさせてくんない?」
「は?」
「だからさー。オレ、ちゃんとフィアの役に立ったじゃん? またご褒美ほしいなーって」
そう言ってベンチに手をついて、上目遣いをしてくるマゼンタ。相変わらず仕草があざとい。
「ここ外よ? 人目もあるからそういうのは嫌だって……」
「あ、キスしてくれてもいいぜ?」
「しないわよ!」
なんでそこでハードル上げてくるの! 交渉のセオリーとしては、そこは要求を下げて言うことを聞かせやすくするもんじゃないの?!
「えー、ご褒美ないとやる気出ないなー。もう家帰っちゃおうか?」
その場合はフィアも一緒に帰んなきゃだからね? とニマニマ笑われる。
うっ……それを言われたら断るって選択肢がなくなってしまうのだけど……
飼い主は私なのに、立場が弱過ぎて悲しくなる。まあでもしょうがないか……
「ーー分かったわよ。普通に食べさせるだけだからね?」
その後食べさせた指を舐めるとかは禁止だから! と釘を刺すと、バレてたかーと笑われた。
やっぱりそういうつもりだったのね……全く、油断も隙もあったもんじゃないわ。
マゼンタは下から見上げるような姿勢のままで、口をあーんと開けてくる。
ため息をつきながら、袋の口に手を入れてポップコーンをいくつか掴み、そのまま口に押し込んだ。
ーーパリパリ、もぐもぐーー
前回おみやげで渡した時よりはゆっくりとしたスピードで、袋の中身が減っていく。
ひとつ食べ終わると「もっと」とでも言うように口を開けてくるので、またポップコーンを放り込む、の繰り返し。
たまにパタパタと耳が震えて、マゼンタのしっぽがご機嫌に揺れている。
あ、これ、何か楽しいかも? 動物に餌付けしてるっぽい。
それに、食べさせられるよりは食べさせる方がそんなに照れないというか、気が楽だ。
思ったよりも恥ずかしくなかったので、私も調子良く次々とポップコーンを入れていくと……
ーーパクリ。
タイミングがズレてしまったのか、食べさせているうちに私の指ごとマゼンタの口に入ってしまった。
「!? ひゃっ、ごめんなさーー」
慌てて謝罪をして手を引こうとするとーー
くちゅっーーぺろり
マゼンタに手首を掴まれて抜けなくなってしまった指先が口の中で吸われて、摘んでたお菓子を舌で外された。
「ひっ、ちょ、ちょっと! やめてっ‼︎」
咄嗟に空いている方の手でマゼンタの頭を力任せに押すと、チュパっと湿った音をたてて指が抜ける。
「な、なんてことすんのよ!?」
「あれ、食べていいって意味じゃなかったの?」
「~~!? 違うに決まってるでしょ!?」
真っ昼間から人目のあるとこで何してくれてんのよ!?
テンパって真っ赤になっているのを見られるのが嫌で、バッと反対側に顔を逸らすとーー
「えーと、お邪魔だった?」
ちょっと苦笑いをしているガイさんが立っていた。
「! い、いえ、大丈夫です!」
「ならいいけど。ほれ、これ地図な。お高めな店だが、味は保証するぜ!」
「あ、ありがとうございます。じゃあ私たちはこれで……」
「あー……まあなんて言うか……広場はチビっ子達もいるから、程々にな?」
「ーー! し、失礼しますっ!」
み、見られてた! 多分全部ッ!
私は渡された地図を引っ掴んで、慌ててそこから逃げ出したのだった。
「マゼンタってばどうしたの? ひょっとして食べたくない?」
「んーそうじゃなくてさ。せっかくだからフィアが食べさせてくんない?」
「は?」
「だからさー。オレ、ちゃんとフィアの役に立ったじゃん? またご褒美ほしいなーって」
そう言ってベンチに手をついて、上目遣いをしてくるマゼンタ。相変わらず仕草があざとい。
「ここ外よ? 人目もあるからそういうのは嫌だって……」
「あ、キスしてくれてもいいぜ?」
「しないわよ!」
なんでそこでハードル上げてくるの! 交渉のセオリーとしては、そこは要求を下げて言うことを聞かせやすくするもんじゃないの?!
「えー、ご褒美ないとやる気出ないなー。もう家帰っちゃおうか?」
その場合はフィアも一緒に帰んなきゃだからね? とニマニマ笑われる。
うっ……それを言われたら断るって選択肢がなくなってしまうのだけど……
飼い主は私なのに、立場が弱過ぎて悲しくなる。まあでもしょうがないか……
「ーー分かったわよ。普通に食べさせるだけだからね?」
その後食べさせた指を舐めるとかは禁止だから! と釘を刺すと、バレてたかーと笑われた。
やっぱりそういうつもりだったのね……全く、油断も隙もあったもんじゃないわ。
マゼンタは下から見上げるような姿勢のままで、口をあーんと開けてくる。
ため息をつきながら、袋の口に手を入れてポップコーンをいくつか掴み、そのまま口に押し込んだ。
ーーパリパリ、もぐもぐーー
前回おみやげで渡した時よりはゆっくりとしたスピードで、袋の中身が減っていく。
ひとつ食べ終わると「もっと」とでも言うように口を開けてくるので、またポップコーンを放り込む、の繰り返し。
たまにパタパタと耳が震えて、マゼンタのしっぽがご機嫌に揺れている。
あ、これ、何か楽しいかも? 動物に餌付けしてるっぽい。
それに、食べさせられるよりは食べさせる方がそんなに照れないというか、気が楽だ。
思ったよりも恥ずかしくなかったので、私も調子良く次々とポップコーンを入れていくと……
ーーパクリ。
タイミングがズレてしまったのか、食べさせているうちに私の指ごとマゼンタの口に入ってしまった。
「!? ひゃっ、ごめんなさーー」
慌てて謝罪をして手を引こうとするとーー
くちゅっーーぺろり
マゼンタに手首を掴まれて抜けなくなってしまった指先が口の中で吸われて、摘んでたお菓子を舌で外された。
「ひっ、ちょ、ちょっと! やめてっ‼︎」
咄嗟に空いている方の手でマゼンタの頭を力任せに押すと、チュパっと湿った音をたてて指が抜ける。
「な、なんてことすんのよ!?」
「あれ、食べていいって意味じゃなかったの?」
「~~!? 違うに決まってるでしょ!?」
真っ昼間から人目のあるとこで何してくれてんのよ!?
テンパって真っ赤になっているのを見られるのが嫌で、バッと反対側に顔を逸らすとーー
「えーと、お邪魔だった?」
ちょっと苦笑いをしているガイさんが立っていた。
「! い、いえ、大丈夫です!」
「ならいいけど。ほれ、これ地図な。お高めな店だが、味は保証するぜ!」
「あ、ありがとうございます。じゃあ私たちはこれで……」
「あー……まあなんて言うか……広場はチビっ子達もいるから、程々にな?」
「ーー! し、失礼しますっ!」
み、見られてた! 多分全部ッ!
私は渡された地図を引っ掴んで、慌ててそこから逃げ出したのだった。
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