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4章
31。占い師にでもなれそうです
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「お姉ちゃん、おかえりなさい」
「ソフィー……あなた、それ……」
「勝手に取り出してごめんなさい。でも、これは私のものなの。……返してもらってもいいかな?」
その日の夜、仕事から戻った姉を玄関で出迎えた。
胸元にはエリザにもらったペンダント、ポニーテールにした髪にはシアンからもらったリボンを結って。
姉は私の姿を見て目を見開いていたが、確かめるように言葉を紡いだ。
「ソフィー……覚えてるのね? 自分が見つかる前のこと……」
私は黙ってコクリと頷く。
「そう……何があったか、私にも話せないの?」
「……ごめんなさい。言いたくないの」
いくら相手がお姉ちゃんとはいえ、異世界に迷い込んでいたなんて話を信じてもらえると思えない。
例え問い質されたとしても黙っておくしかーー
「……分かったわ」
「! 良い、の?」
「良いとは言えないわね、皆んな何があったのか知りたがっているもの。覚えているなら話すのが義務だと思うわ。……でもね」
俯きながら姉の言葉を聞いていると、背中にふわりと腕が回される。
驚いて顔を上げると、少し困った顔の姉が頬に手を当てて撫でてくれた。
「話したくないと言っているのを無理強いしてまで知りたいわけじゃないの。辛い想いをするくらいなら言わなくて良いわ」
「ーーお姉ちゃんは、それでも困らない?」
「私はあなたのことを信じてるもの! 言わなくても誰かが傷つくわけではないのでしょう?」
「ーーうん」
「なら大丈夫よ。そうねぇ、警察の方達は多少は困るかもしれないけれど……一応は解決済みの事件なんだし、真相までは分からなくてもさして問題にはならないでしょう」
何より私は自分の可愛い妹の方が大事ですもの! と吹っ切ったように明るく宣言する姉には感謝しかない。
「お姉ちゃん、ごめんなさい……でもありがとう」
「いいのよ! 私の方こそごめんなさいね。ソフィーに荷物のことを黙って隠してしまったし……忘れているなら、思い出すようなものを見せない方が良いと思ったのよ。ーーそれ、大切な物なのね?」
「ーーうん。私を、助けてくれた人たちからの贈り物なの」
半ば騙された形ではあったけど。
あちらの世界での居場所をくれたことには間違いはない。
「そう……大事な人ができたのね。ひょっとして男性かしら?」
「えっ、えぇ?! そこ性別関係ないでしょ!?」
「関係なくないわよ? 重要なとこじゃない! ふふっ、その反応だと少なくとも気になってはいる、ってとこかしら?」
「べっ、別に全部がそうってわけじゃなくて、このペンダントは仲良くなった女の人からーー」
「ならそのリボンは男性からのプレゼントなのね」
「~~~~?!」
だ、ダメだ……全然逃してくれない。
そういえば、お姉ちゃんこの手の話題が大好物だったわ……。
帰ってきてすぐの固まった表情と対照的に、すごく嬉しそうに生き生きしている。
「うふふ、青春ね! ソフィーのこんな初々しい顔を見れるなんて、長生きするものだわ!」
「お姉ちゃん私と十歳しか違わないよね?!」
「それで、あんな可愛らしい格好だったってことはひょっとしてデートもしたのかしら? 手とか繋いだ? キスは?」
「ちょっ、勝手に話進めないでよお姉ちゃんっ!」
何なの、ウチの姉ってエスパーか何かなの?!
私が顔に出すぎなのかもしれないけど、なんでこんなにバシバシ当ててくるの!? 怖いんだけどっ!
「ソフィー……あなた、それ……」
「勝手に取り出してごめんなさい。でも、これは私のものなの。……返してもらってもいいかな?」
その日の夜、仕事から戻った姉を玄関で出迎えた。
胸元にはエリザにもらったペンダント、ポニーテールにした髪にはシアンからもらったリボンを結って。
姉は私の姿を見て目を見開いていたが、確かめるように言葉を紡いだ。
「ソフィー……覚えてるのね? 自分が見つかる前のこと……」
私は黙ってコクリと頷く。
「そう……何があったか、私にも話せないの?」
「……ごめんなさい。言いたくないの」
いくら相手がお姉ちゃんとはいえ、異世界に迷い込んでいたなんて話を信じてもらえると思えない。
例え問い質されたとしても黙っておくしかーー
「……分かったわ」
「! 良い、の?」
「良いとは言えないわね、皆んな何があったのか知りたがっているもの。覚えているなら話すのが義務だと思うわ。……でもね」
俯きながら姉の言葉を聞いていると、背中にふわりと腕が回される。
驚いて顔を上げると、少し困った顔の姉が頬に手を当てて撫でてくれた。
「話したくないと言っているのを無理強いしてまで知りたいわけじゃないの。辛い想いをするくらいなら言わなくて良いわ」
「ーーお姉ちゃんは、それでも困らない?」
「私はあなたのことを信じてるもの! 言わなくても誰かが傷つくわけではないのでしょう?」
「ーーうん」
「なら大丈夫よ。そうねぇ、警察の方達は多少は困るかもしれないけれど……一応は解決済みの事件なんだし、真相までは分からなくてもさして問題にはならないでしょう」
何より私は自分の可愛い妹の方が大事ですもの! と吹っ切ったように明るく宣言する姉には感謝しかない。
「お姉ちゃん、ごめんなさい……でもありがとう」
「いいのよ! 私の方こそごめんなさいね。ソフィーに荷物のことを黙って隠してしまったし……忘れているなら、思い出すようなものを見せない方が良いと思ったのよ。ーーそれ、大切な物なのね?」
「ーーうん。私を、助けてくれた人たちからの贈り物なの」
半ば騙された形ではあったけど。
あちらの世界での居場所をくれたことには間違いはない。
「そう……大事な人ができたのね。ひょっとして男性かしら?」
「えっ、えぇ?! そこ性別関係ないでしょ!?」
「関係なくないわよ? 重要なとこじゃない! ふふっ、その反応だと少なくとも気になってはいる、ってとこかしら?」
「べっ、別に全部がそうってわけじゃなくて、このペンダントは仲良くなった女の人からーー」
「ならそのリボンは男性からのプレゼントなのね」
「~~~~?!」
だ、ダメだ……全然逃してくれない。
そういえば、お姉ちゃんこの手の話題が大好物だったわ……。
帰ってきてすぐの固まった表情と対照的に、すごく嬉しそうに生き生きしている。
「うふふ、青春ね! ソフィーのこんな初々しい顔を見れるなんて、長生きするものだわ!」
「お姉ちゃん私と十歳しか違わないよね?!」
「それで、あんな可愛らしい格好だったってことはひょっとしてデートもしたのかしら? 手とか繋いだ? キスは?」
「ちょっ、勝手に話進めないでよお姉ちゃんっ!」
何なの、ウチの姉ってエスパーか何かなの?!
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