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第十一札 りくえすと!! =依頼=
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まえがき
サキの事が心配で帰ってきた利剣と流那が目にした光景とは…!!
血だまりの中に倒れるサキ。そしてその傍らにいたのは……
血に塗れた紫苑を片手に呆然と立ち尽くす静流。
「それでも私は…やってないんです…」
※嘘です。真相は本編をお読みください。
「急いで帰ってきてみれば、一体これはどういう事だ…」
館に戻ってきた俺は目の前の現状を見て驚きを隠せなかった。
サキが静流の横に浮いている。
「お帰りなさいませ」
「あ、お帰りー」
俺と流那に気付いた二人が呑気な声で出迎えてくれる。
「ほらぁ、やっぱり大丈夫でしたよ~っ♪」
隣にいた流那がニッコリと微笑んでくる。
「くっ…!急いで帰ってきたのに何という事だ!」
大事な事なので二回言ってみる。
「あの……もうお昼の三時なのですが……」
急いでないじゃん、ってツッコミのつもりだろうがいまいち弱いな静流。
「で、手に持ってるそれは何さっ?」
「都心で買ったお土産」
俺がドヤ顔で土産の入った紙袋をサキに向かって突き出してやる。
「全然急いでないよね!!」
「ありがとうサキ」
「何が……?」
ありがとうの意味が分からないサキが眉をひそめるが無視する。
いまいちツッコミ成分が足りないと思うのは俺が関西出身だからだろうか。
「静流さん、遅くなってしまってごめんなさいっ…。あちらでお昼ご飯も頂いてしまって~…」
「いえ、こちらは色々と楽しかったので大丈夫ですよ」
二人のやり取りを聞いたサキが俺に近づいてくる。
「お昼まで食べてたとか、急いで帰る気なかったよね?」
「腹が減ってつい!美味しかった!!」
「もー!色々あったんだからね!?別にいいけどさぁっ…」
拗ねたように顔を背けて静流の方をチラリと見る。
サキと目が合った静流が軽く頭を下げる。
「えぇ……。何か和解しすぎてて何か気持ち悪いんですけどぉ……」
「そんな事言う利剣には絶対教えてあげない~っ!」
俺の軽口にサキはべぇっと舌を出して飛んで行ってしまった。
「別にいいよ!静流に聞くし。なぁ静流?」
話を振られた静流が指を顎に当てて少し考え込む素振りを見せる。
「申し訳ありません。それはサキさんとの秘密という事で…」
何この連携プレー。
「うっわ気になる!!なぁ、流那も気になるだろっ?」
「そ、そうですねっ…。でも~、お二人が仲良くなられてお二人の秘密なのでしたら流那はそれでいいですっ♪」
「アー、ハイ」
味方に引き込む作戦は失敗した。
「まぁ……しゃーないか。本音はしゃーなくないけどさー」
「申し訳ありません」
「いやいや。でもさ、和解出来て本当に良かったな」
「…はい」
俺の言葉に、静流は少しだけ微笑んだ。
――――――
「って、サキの話なんてどうでもいいんだよ」
夕食時。
肉汁溢れるハンバーグを頬張り、飲み込んでから俺は口を開いた。
「……憎しみで人が殺せたらいいのに」
空いている椅子に座っているかのように浮かんでいるサキが俺を睨みつけてくる。
やだ、この子怖い。
「幽霊のお前が言うと洒落に聞こえん」
「サキね」
「はい、サキさん」
「よろしい」
呼び方を訂正させられる俺。
このやり取りも何度目だろうか。
静流も流那もサキの事をあなた、とかあんたとかお前とか言わないもんだから一度も注意された事がない。
まったくもって不公平だ。
「サキさんは呼び方にとてもこだわりがおありなんですね」
静流が俺たちの話に自然に入って来て疑問を投げかけてくる。
何だ、わだかまりが解けたのがそんなに嬉しかったのか。
「だって……サキは自分の名前くらいしか覚えてないから…。だから名前だけは大事にしたいの」
「そうですね。利剣さんが悪いと思います」
「ちょっ…静流さーん?サキさんの肩を持ちすぎじゃないですかねぇ?」
デレすぎだろ。
「いえ、双方の話を聞いたうえで客観的にそう思っただけですよ」
「俺、意見言ってないけど……なんか言っても敗訴する気がしたわ」
「ふふふっ」
俺と静流のやり取りを楽しそうに眺める流那。
あぁ、人がいる食卓って楽しいなぁ…。
「って、だから!!サキの話はどうでもいいんだってば!」
「憎しみで人が殺せたら」
「やめろ!ループさせるな!!」
「ちぇっ」
サキが小さく舌打ちする。
何がちぇっ、だよ。この話ループさせて誰が得するんだよ。
そんな事より。
「今日法術師の登録に行った時に宝玉に手をかざしたんだけどさ」
「ありますね。最初に」
静流も経験があるのでコクリと頷く。
「俺、すっげぇ弱弱しい光でこんなやつ初めてだって言われた」
「…そうですか……」
何て言葉を掛けたらいいのか分からなさそうに相槌を返す静流。
そんな神妙な顔して答えられたら何か辛いわ。
「でも色が五色で、五神の恩恵を受けてる人を見るのも初めてだって言ってた」
「え?」
静流の箸が止まる。
「ちなみに流那は法術師じゃなかった」
「あ、そうでしたか…。って、流那さんの話はともかく」
「流那、流那の話はどうでもいいって静流が」
「あははぁ……」
「あ!いえ、流那さん。決してそう言う意味ではなくっ…」
苦笑いする流那に対して慌ててフォローを入れようとする静流。
さっきの意趣返しだ。
「流那さんの話も気にはなりますが、利剣さん……五神の恩恵が…?」
「あるらしい」
「本当なら……凄い事ですね」
いや、本当なんだけどな?
「それでさ、静流に法術とか教えてもらえればなーって思ってたのをさっき思い出した」
「教える、と言いましても私自身も不得手でして…」
申し訳なさそうな顔で教える事をやんわりと拒否してくる雰囲気が伝わってくる。
「えー?今日は二階からダンッ!って跳んで風でビューンってやってドサーッてしてたじゃん!」
「さ、サキさんっ…」
サキの横やりに対して慌てて両手でサキを制止しようとする静流。
お前ら二人、俺のいない間に一体何やったんだよ。
擬音が多いが何となく分かるような分からないような。
「サキの発言から静流が法術を使った事は分かった」
「は、はい……」
観念したのか静流がしゅんと肩を落とす。
「だから俺にちょいと法術を教えて欲しいなぁ、なんて」
「はぁ…、ただ私は青龍の恩恵しかありませんので風系統くらいしかお教え出来ませんよ…」
ふわぁぁ、何かカッコええ!!ファンタジーっぽくなってきた!!
静流が風系統なのに対して俺は五系統使えるってことか?
これは夢にまで見た無双?!
夢が、妄想が止まらない!!
「おら、わくわくすっぞ」
「利剣さん、頑張ってくださいねっ♪」
流那のエールで俺の気分がますます高揚する。
「ありがとう流那、頑張るよ!」
「でも……お二人とも冷めないうちにご飯を先に食べてほしいですっ」
「あ、はい…」
「申し訳…ありません…」
俺のボルテージと場の温度が一気に下がっていく。
主婦っぽいってか、オカンっぽいわ流那……。
いつもは食べ終わるのが一番遅い流那が、今日に限っては最初に食べ終わったというのはどうでもいい話だ。
あとがき
いよいよ利剣が静流から法術を教わるみたいですね!
次回「法術師、始めました!」
お楽しみに♪
※タイトルは仮です。実際の作品とは大きく異なる場合がございます。
サキの事が心配で帰ってきた利剣と流那が目にした光景とは…!!
血だまりの中に倒れるサキ。そしてその傍らにいたのは……
血に塗れた紫苑を片手に呆然と立ち尽くす静流。
「それでも私は…やってないんです…」
※嘘です。真相は本編をお読みください。
「急いで帰ってきてみれば、一体これはどういう事だ…」
館に戻ってきた俺は目の前の現状を見て驚きを隠せなかった。
サキが静流の横に浮いている。
「お帰りなさいませ」
「あ、お帰りー」
俺と流那に気付いた二人が呑気な声で出迎えてくれる。
「ほらぁ、やっぱり大丈夫でしたよ~っ♪」
隣にいた流那がニッコリと微笑んでくる。
「くっ…!急いで帰ってきたのに何という事だ!」
大事な事なので二回言ってみる。
「あの……もうお昼の三時なのですが……」
急いでないじゃん、ってツッコミのつもりだろうがいまいち弱いな静流。
「で、手に持ってるそれは何さっ?」
「都心で買ったお土産」
俺がドヤ顔で土産の入った紙袋をサキに向かって突き出してやる。
「全然急いでないよね!!」
「ありがとうサキ」
「何が……?」
ありがとうの意味が分からないサキが眉をひそめるが無視する。
いまいちツッコミ成分が足りないと思うのは俺が関西出身だからだろうか。
「静流さん、遅くなってしまってごめんなさいっ…。あちらでお昼ご飯も頂いてしまって~…」
「いえ、こちらは色々と楽しかったので大丈夫ですよ」
二人のやり取りを聞いたサキが俺に近づいてくる。
「お昼まで食べてたとか、急いで帰る気なかったよね?」
「腹が減ってつい!美味しかった!!」
「もー!色々あったんだからね!?別にいいけどさぁっ…」
拗ねたように顔を背けて静流の方をチラリと見る。
サキと目が合った静流が軽く頭を下げる。
「えぇ……。何か和解しすぎてて何か気持ち悪いんですけどぉ……」
「そんな事言う利剣には絶対教えてあげない~っ!」
俺の軽口にサキはべぇっと舌を出して飛んで行ってしまった。
「別にいいよ!静流に聞くし。なぁ静流?」
話を振られた静流が指を顎に当てて少し考え込む素振りを見せる。
「申し訳ありません。それはサキさんとの秘密という事で…」
何この連携プレー。
「うっわ気になる!!なぁ、流那も気になるだろっ?」
「そ、そうですねっ…。でも~、お二人が仲良くなられてお二人の秘密なのでしたら流那はそれでいいですっ♪」
「アー、ハイ」
味方に引き込む作戦は失敗した。
「まぁ……しゃーないか。本音はしゃーなくないけどさー」
「申し訳ありません」
「いやいや。でもさ、和解出来て本当に良かったな」
「…はい」
俺の言葉に、静流は少しだけ微笑んだ。
――――――
「って、サキの話なんてどうでもいいんだよ」
夕食時。
肉汁溢れるハンバーグを頬張り、飲み込んでから俺は口を開いた。
「……憎しみで人が殺せたらいいのに」
空いている椅子に座っているかのように浮かんでいるサキが俺を睨みつけてくる。
やだ、この子怖い。
「幽霊のお前が言うと洒落に聞こえん」
「サキね」
「はい、サキさん」
「よろしい」
呼び方を訂正させられる俺。
このやり取りも何度目だろうか。
静流も流那もサキの事をあなた、とかあんたとかお前とか言わないもんだから一度も注意された事がない。
まったくもって不公平だ。
「サキさんは呼び方にとてもこだわりがおありなんですね」
静流が俺たちの話に自然に入って来て疑問を投げかけてくる。
何だ、わだかまりが解けたのがそんなに嬉しかったのか。
「だって……サキは自分の名前くらいしか覚えてないから…。だから名前だけは大事にしたいの」
「そうですね。利剣さんが悪いと思います」
「ちょっ…静流さーん?サキさんの肩を持ちすぎじゃないですかねぇ?」
デレすぎだろ。
「いえ、双方の話を聞いたうえで客観的にそう思っただけですよ」
「俺、意見言ってないけど……なんか言っても敗訴する気がしたわ」
「ふふふっ」
俺と静流のやり取りを楽しそうに眺める流那。
あぁ、人がいる食卓って楽しいなぁ…。
「って、だから!!サキの話はどうでもいいんだってば!」
「憎しみで人が殺せたら」
「やめろ!ループさせるな!!」
「ちぇっ」
サキが小さく舌打ちする。
何がちぇっ、だよ。この話ループさせて誰が得するんだよ。
そんな事より。
「今日法術師の登録に行った時に宝玉に手をかざしたんだけどさ」
「ありますね。最初に」
静流も経験があるのでコクリと頷く。
「俺、すっげぇ弱弱しい光でこんなやつ初めてだって言われた」
「…そうですか……」
何て言葉を掛けたらいいのか分からなさそうに相槌を返す静流。
そんな神妙な顔して答えられたら何か辛いわ。
「でも色が五色で、五神の恩恵を受けてる人を見るのも初めてだって言ってた」
「え?」
静流の箸が止まる。
「ちなみに流那は法術師じゃなかった」
「あ、そうでしたか…。って、流那さんの話はともかく」
「流那、流那の話はどうでもいいって静流が」
「あははぁ……」
「あ!いえ、流那さん。決してそう言う意味ではなくっ…」
苦笑いする流那に対して慌ててフォローを入れようとする静流。
さっきの意趣返しだ。
「流那さんの話も気にはなりますが、利剣さん……五神の恩恵が…?」
「あるらしい」
「本当なら……凄い事ですね」
いや、本当なんだけどな?
「それでさ、静流に法術とか教えてもらえればなーって思ってたのをさっき思い出した」
「教える、と言いましても私自身も不得手でして…」
申し訳なさそうな顔で教える事をやんわりと拒否してくる雰囲気が伝わってくる。
「えー?今日は二階からダンッ!って跳んで風でビューンってやってドサーッてしてたじゃん!」
「さ、サキさんっ…」
サキの横やりに対して慌てて両手でサキを制止しようとする静流。
お前ら二人、俺のいない間に一体何やったんだよ。
擬音が多いが何となく分かるような分からないような。
「サキの発言から静流が法術を使った事は分かった」
「は、はい……」
観念したのか静流がしゅんと肩を落とす。
「だから俺にちょいと法術を教えて欲しいなぁ、なんて」
「はぁ…、ただ私は青龍の恩恵しかありませんので風系統くらいしかお教え出来ませんよ…」
ふわぁぁ、何かカッコええ!!ファンタジーっぽくなってきた!!
静流が風系統なのに対して俺は五系統使えるってことか?
これは夢にまで見た無双?!
夢が、妄想が止まらない!!
「おら、わくわくすっぞ」
「利剣さん、頑張ってくださいねっ♪」
流那のエールで俺の気分がますます高揚する。
「ありがとう流那、頑張るよ!」
「でも……お二人とも冷めないうちにご飯を先に食べてほしいですっ」
「あ、はい…」
「申し訳…ありません…」
俺のボルテージと場の温度が一気に下がっていく。
主婦っぽいってか、オカンっぽいわ流那……。
いつもは食べ終わるのが一番遅い流那が、今日に限っては最初に食べ終わったというのはどうでもいい話だ。
あとがき
いよいよ利剣が静流から法術を教わるみたいですね!
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