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12.命がけの戦い
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気を失っていた時に夢を見ていたのでしょうか?
それは辛い私の過去の体験でした。これは死ぬ前に見るナントカというものなのでしょうか?
私は既に死んで、死後の世界に旅立ったと思いました。
そして死後の世界がどのようなものだろうと周りを見回したのですが・・・。
どうやら私はまだ生きているようです。
先程入った洞穴に倒れていたのでした。
私は気を失っただけのようです。少し体は痛みますが大きな怪我はないようです。
負傷は右腕だけのようです。ええ、これは転んだ傷だと思います。でもそれだけでした。怪我自体は軽いものです。ええ、問題なさそうです。
でも魔物は私を殺せたはずなのに・・・。
何が起こったのか全くわかりません。
他に魔物が興味を惹くモノがあったのかもしれません。魔物の習性を知る者はいないのですから。
まだ頭がぼんやりとしていますが考えないといけません。動かないと。
そう思っている所でした。何やら騒がしさを感じます。
・・・・何か出口方向が騒がしい気がします。
一体何でしょうか?
もしかして護衛官達が追いついてきたのでしょうか?彼らがあの魔物と戦っているのかもしれません。
私はふらつく足を叱咤しながら音の方向に向かいます。
近づくにつれ徐々に音がはっきりしてきました。
やはり魔物がいるようです。荒々しい咆哮やら唸り声が聞こえます。その声は周囲に反響して耳が痛くなりそうです。そして恐ろしと感じます。
時折何かが崩れる音がします。凄い音です。おそらく洞穴の壁が崩れている音でしょう。魔物が暴れているのでしょうか。
そうなると魔物が相対している相手がいるという事になります。
護衛官?もしくは考えたくありませんが盗賊?
誰かが魔物と戦っているのは確かなようです。
まだ体はふらつきますが私は慎重に近づきます。魔物の咆哮で足が竦んでいますが勇気を出して進みます。
聞こえてくるのは魔物の唸りが殆どです。
後は壁にぶつかるような音でしょうか。人の声はしません。話す余裕が無いのでしょうか?それとも一人?
別の可能性があると私は考えました。
護衛官でも盗賊でもない可能性です。でも、一体誰がいるのでしょう?我ながら突飛な発想です。
この岩場は誰も住んでいない事は確認済みと聞いていましたし。
そうなると魔物同士で争っているのかもしれません
勝利したほうが私を食べる。その争いの最中なのかもしれません。
その想像に至った時に私は前に進むのをためらいました。
魔物同士の争いであればいずれ私は食べられるでしょう。逃げましょう。
洞穴の奥までは進んでいないのです。
もしかしたら出口があるのかもしれません。
もしかしたら隠れる穴があるかもしれません。
奥に逃げた方が良いはず。そのように考えていました。
そんな迷いも次に聞こえてきた声で我に返ってしまいました。
悲鳴に近い男性の声が聞こえてきたのです。掠れたような、力が尽きたような、力があまり無い声でした。
魔物と戦っている?のは男性のようです。もしかしたら襲われているかもしれません。
この声は護衛官達の声とは違います。また、覚えている限りではですがあの盗賊の声でもありませんでした。
一体誰なんでしょう?
奥に逃げるという選択をいつの間にか私は放棄していました。
ゆっくりと戦いの場と思われる方向に近づきます。
暫く進んだ先に魔物の姿が見えてきたのです。
そして魔物と戦っている男性を。
全身を朱に染めていました。体のバランスがおかしいのが私の目にも分かります。相当な負傷をしているのは明らかです。
その男性は護衛官ではありませんでした。あの盗賊でもありませんでした。
身長は高そうです。その割には体が細いように感じます。邑にいる男性は目の前の方より体は太いのです。
あまり見ない体つきと思いました。一瞬女性かとも思ったのです。それ程細い方です。
でも・・・瞬間的に見えた体つきは筋肉質な感じでした。
・・・・男性です。
こんな状況下にはしたないのですが男性の肌を見たのは初めてでした。何故か体の中心が熱を持つように感じます。
そして・・・暫く見続けていたからでしょうか。男性の動きがおかしいのが私にもわかりました。
左腕が力なく垂れ下がっているのです。腕に棒のようなものを添えています。大怪我をしているようです。
よく見れば右眼が開いていません。酷い・・・右半分が血まみれです。ああ、なんとういう怪我をしているのでしょう。
このような怪我をしている人を私は見たことがありません。魔物の攻撃を受けてしまったからなのでしょうか。
そして息がとても荒いです。相当消耗している様子です。
あのような怪我をして平静でいられるわけがありません。
でも、私は動けませんでした。あのような怪我をしたら例え勝利しても・・・・。
何故そこまで戦っているのでしょう?
魔物を見たら逃げるというのが常識です。それは勝てないからです。武家の熟練者が十人以上いないと対処できないと文献にはありました。
あの方はそれを理解した上で戦っているのでしょうか?
何故?
もしかして・・・。
・・・いえ、そのような事はありません。
・・・私を助けるために戦っている?・・・そんな事はあり得ません。
お会いもした事がない方です。そんな方が自らの命を顧みないで戦う事は無いと断言できます。
他に目的があると考えるしかないです。その目的は残念ながら私には分かりません。
でも、あの方は命を懸けて戦われています。
私は呼吸をするのも忘れていたようです。
息苦しさを自覚しました。それ程夢中であの方を応援していたのです。
凄いと感じました。
武芸は全くできない私です。ですが通常の人ができる動きというのは理解しているつもりです。護衛官達の訓練を見たこともありますので。
あの方は異常な速度で魔物の接近や攻撃を躱しています。
暗い洞穴ではありますが私の目に映らない速度で動いています。片目で見ていることを差し引いても尋常な速度ではありません。
・・・・これは人のできる動きなのでしょうか?
魔物はこの速度についていけないようです。
荒々しい咆哮が怒りと焦りを表しているのではないかと私は思いました。
それでも完全には躱せていないようです。いくつか魔物の攻撃も当たっているようなのです。私は悲鳴を飲み込みながら見ているしかありませんでした。
一瞬だったのか。相当な時間がかかっていたのか分かりません。
両者とも体力の限界にきたのでしょうか?
唐突にお互いの動きが止まりました。
魔物の唸り声も心なしか小さい気がします。あの方もフラフラしているように見えます。あんな速度で動けば疲れは相当あるはずだと思います。
それでも両者引く気はないようです。
私は見ているしかできませんでした。
そこからの動きは全く見えませんでした。魔物の動きですら見えませんでした。
その位にお互いがとても早い動きだったのです。本当に何が起こったのかわかりませんでした。
両者の叫び声が洞穴内に響きます。
叫び声が止んだ頃。私は両者が重なるように倒れたのを確認しました。
どうやら決着がついたようです。
後は無音の静かな世界でした。
どちらの唸り声も呼吸音も聞こえません。
聞こえるのは私の呼吸音だけでしょうか。
気になるのは戦いの結果です。これは相討ちでなのしょうか?
私は怖々と近づきます。両者とも気絶しているだけかもしれないからです。
近づいている内に魔物はゆっくりと霞がかってきました。そして霧になって散っていきました。これは魔物が絶命した証である事を私は書物から知っています。
魔物の構造は詳細には伝わっておりません。それでも絶命すると消え去ると伝わっているのです。
伝わっているというだけなので見るのは初めてでした。
なんということでしょう。
少なくてもあの方は負けなかったのです。
あの方は魔物に勝利したのです。
獣を屠る者(ペートーバスター)。
私の知識の中で出てきた言葉が出てきました。
魔物を狩る者の称号でもあり敬意の言葉でもあります。
通常魔物と一対一で勝利できる者はいないのです。それを成し遂げた人のみに与えられる称号なのです。
あの方は間違いなく一対一で魔物を倒しました。
暗くてはっきりと確認できませんが周囲に魔石と呼ばれる宝石があるはずです。
それが魔物を倒した証となるのです。
その称号もあの方が生きていればです。
そうです、あの方は生きていらっしゃるのでしょうか?
私は素早く存命を確認します。
未婚の男女が必要以上に近づくのは本来”はしたない”行為です。禁じられている事です。少なくても蔑視の視線を浴びる事は覚悟しないといけません。
でも今はあの方の生死がかかっています。それは禁じられた行為ではないはずです!
それに・・・今は誰も見ていません!ああ、なにかドキドキしてきます。
私はあの方に近づきます。
殆ど密着するようにして存命を確認します。何やら胸が苦しくなります。
・・・・ああ、まだ生きてらっしゃいます。
呼吸は弱いですが規則的です。本当に弱い呼吸音です。対して私の呼吸は深く・・・荒いです。それがうるさく聞こえます。
心音は・・・こちらも弱いです。・・・聞こえます。私の心音は早鐘のようです。これもうるさいです。早く静めないと。
私はこんな時に何を考えているのでしょう。
でも生きておられるのがわかりました。
ああ・・・なんとしても生きて頂かなくては。
でも私には治療をする能力がありません。看病の方法は知っています。でも実践をしたことはありません。ましてや手元に道具も無いのです。
今の私ができる事で何かできないかと考えます。
咄嗟に異能を所持していないか確認しようと思いました。私にできる事はそれだけです。それしか無いのです。
可能性は低いかもしれません。あの方の隠された異能を発現できれば助かるかもしれません。そのような都合のいい異能があればですけれど。
異能の確認はすぐできます。それで異能が見つからなければ他の手段を考えましょう。
私は”啓示”の異能をあの方に使います。
穢れを負うと巫女の資格を失う。それは形だけのものです。
実際に異能を使うのは全く問題は無いのです。外見で酷い火傷や目が潰れていますが能力を失ったわけではないのですから。
異能の有無を探ります。
これは・・・・・。
・・・驚きました。
あの方は驚くほどの数の異能を潜在的に所持しているのです。
驚いたことにそれぞれの異能にはロックがかかっているようです。そのため何の異能であるかまでは見極める事ができません。
天眼の位階の”啓示”を持っている私が分からないという事は過去の文献でも皆無です。私も初見です。
今まさにその例外ともいうべき存在がいるのです。
今まで何百人の異能を視てきました。このような潜在能力を持つ人を私は知りません。
異能のロックについて興味が湧いてきましたが今はどうにもできません。他に何か発動できる異能はないのか私は更に視ます。
このような異能を潜在的に持っている方を視るのは初めてです。私は疲労してきました。これも初めての経験です。
あの方は既に二つの異能を発現していました。
”加速集中”と”遅延の眼”という異能を持っていたのです。
”加速集中”。これで見えないほどの速度で動けたのかもれれません。
”遅延の眼”。もしかしたらこちらも使っていたのかもしれません。相手の動きが鈍くなる異能のようです
これらの異能を使ったという事を考えれば先ほどの異常な速度の説明がつきそうです。
なんて素晴らしい才能でしょう。
よかった。
ロックがかかっていない潜在的異能を見つける事ができました。その中に現状の状況を解決できそうな異能を見つけました。
見つけたのは”快癒”という異能です。
これは治癒能力を高める異能です。体の欠損も治癒できそうです。今のあの方には最適な異能です。
何しろ左腕は殆ど形を残していません。顔もかなりの範囲を失っています。右手も手首から先は形を成していないません。
この異能を使えばあるいは回復できるかもしれません。
これが発動状態であれば戦いながら治癒もできたのかもしれませんね。
心の中では驚きと興味が湧いてきます。でも今はあの方をお救いするのを優先します。
見つけたこの異能を迷うことなく即発動します。
発動には私の隠したもう一つの異能である”祝福”を使います。
”祝福”は私が視た異能を強制的に発現できるという異能です。
これを使うと私は最低二日は”祝福”を使えなくなります。また、”啓示”の位階も人眼まで落ちるという反動もでます。巫女としての能力がしばらく落ちるのです。
あの方を救うためなら、全くなんの問題にもなりません。
”祝福”を使う事に私には何の迷いもありませんでした。
あっさりと”快癒”が発動します。これは異能の相性が良い証拠でもあります。後はあの方が異能を意識して使って頂けるかです。
私はあの方の体を揺すりながら起こします。声をかけるのも忘れません。
「起きてください!起きて怪我を直したいと強く願ってください!早く願わないと間に合いません!負傷が酷すぎるのです!頑張って起きてください!そして怪我を直したいと強く願ってください!お願いです!」
私は夢中で声をかけます。あの方は私の命の恩人でもあります。なんとしても生きて頂かなければ。
唯唯、声をかけ続けます。
お願い。生きていたいと願ってください。戻ってきてください。
そしてお礼を言わせてください。
私は強く願います。
最高神よ!
あの方をこの世に留まらせてください!
どうか・・・どうか、あの方を連れて行かないでください。
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