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第2章 魔王覚醒編
第四話 遠足
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新学期が始まり、早一週間が過ぎた。
正直この一週間、色々あった。まず、リリアが転入生として、高人達のクラスへとやってきた。そのリリア目当てに高人達のクラスへと男子高校生が集まり、最終的にファンクラブまで作られたと聞く。その現象は以前リリスが転入生としてきた時もあったことで、高人は何の驚きも無かった。
なんだかんだで時間が過ぎていき、本日の授業も終盤の六時限目。
只今婚活中の三十代独身の綾野先生が現れた。
「LHRを開始するぞー。えーと、去年もやったと思うが、親睦を深める為の遠足が来週の木曜日にある。場所は去年とは違って、“うららサンシャインパーク”だ」
うららサンシャインパークとは、最近人気のあるテーマパークで、観覧車やお化け屋敷、小さなショーなどがある所である。
「そこで、今日は班を決めてもらう。一班五人までだからな。さあ、さっさと決めろ」
と言う担任の言葉でクラス中の男子がリリスとリリアに集まった。
「リリスさん、俺と一緒の班になりませんか?」
「リリアさん、僕たちと一緒の班になりませんか?」
まるで飴玉に群がる蟻のような光景だ。
「凄い人気だねー」
前の席にいる武山がリリス・リリアに群がっている男子の光景を見ながら話しかけてきた。
「てっきり、おまえも向こう側に行ってリリスとリリアに頼むのかと思ったが?」
すると武山は、ニヤリと笑った。
「まあ、最初はそうしようかなと思ったんだけどな、やっぱりお前といるのが一番かなと。それはそうと、お前はあの班が気になるんじゃないか?」
武山はそう言うと、ある班を指差した。それは女子だけが集まっている班だった。その中で一際目を引く女子がいた。
鈴木梨央。高人が気になっている人物である。
「てか、なんで知ってんだ?」
「一応幼馴染だぞ?お前の好みくらいわかるわ」
幼馴染と言うのは恐ろしいと、高人は再確認した。
「さてと、そろそろ班のメンバーを決めますか。とりあえず、こいつをメンバーに加える」
そう言って武山が連れてきたのは、黒の髪の長い大人しそうな女子生徒だった。
「俺と同じ魔法使いで、名前は高橋愛里紗だ」
「よろしく」
「お、おう。・・・で、あと二人は?」
「それなら大丈夫だ」
武山はニヤリと笑った。
「高人~。助けて下さ~い」
リリアとリリスだった。
「あいつら、しつこ過ぎなんだけど?」
「出来れば、一緒の班になりませんか?」
その瞬間、クラス中の男子が高人を睨んだ。
目が『断ると言え!』と言っていた。
仕方ないか、と高人は思った。
しかし、武山はそんな高人の心を読んだのか、先手をうった。
「歓迎するぜ、リリアちゃん、リリスちゃん。丁度二人分が余っていて、どうしようか相談していた所なんだ」
その言葉を聞いた高人はそう言うことかと、わざわざ高人の所に来たことの理由を知った。
武山は最初からリリスとリリアが高人の所へ来ることが分かっていたのだ。その為武山は、他の男子たちのようにリリアとリリスの所には行かなかった。
だが、ここで一つ問題がある。それは人数である。高人、武山、リリス、リリアだと、四人であと一人入ることができてしまう。其れが男子ならリリス、リリアのどちらかを取られてしまい、最悪高人とそのもう一人に二人を取られかねない。だとしたら、一層のこと、あらかじめ一人入れておけばいいと考えた。それも女子生徒でだ。しかし、ここで再び問題がある。其れはこのクラスの女子生徒で入ってくれる可能性だ。普通に考えれば男子は男子。女子は女子で固まるものだ。すなわち、男子の所に女子が来る可能性は少ない。そこで武山は考えた。
だとすれば、同じ魔法使いのしかも女子生徒である高橋愛里紗を使えばいい、と。
こうして考えられた計画は何の狂いもなく成功したのだ。
「ってな、感じだろ?」
「バレバレですか・・・。いや~、幼馴染とは恐ろしいなぁ」
武山は頭を掻きながら、ははははと笑ってみせた。
「おーい。そろそろ班が決まったか?だったら、次に移るぞ」
そう言ったのは綾野先生だった。
「じゃあ、今からプリントを配るから。配られた順番に積み上げるんだぞ」
綾野先生はそう言うと次から次へとプリントを配っていく。
「じゃあ、それを二つ折りにしてホッチキスで閉じろ」
先生の指示通りにプリントをホッチキスで止めた。
「出来たか?因みに、今渡したプリントが当日の行動を書いてあるから。ちゃんと持って来いよ。次に集合場所と時間は十時迄に現地だから」
「先生ー。おやつは幾らまでですか?」
誰だ、そんな小学生のような質問したのは。馬鹿である。
「別に幾らでもいい。ただ、ガムとチョコは買うなよ。・・・じゅるり」
ーーーじゅるり?もしかして食べる気ではないだろうか!
「さてと、もうそろそろ鳴るかな?」
と言う、綾野先生の言葉と同時に学校のチャイムが鳴った。
「んじゃ、終礼も面倒だし、もういいよ帰って」
そう言うと綾野先生は、教室を出て行った。
「それじゃあ、帰るか」
「だな」
「あの、高人。今更ですか、さっき迄何を決めていたんですか?」
「「「えっ・・・!?」」」
高人はリリスの言葉にドッと疲れが襲って来た。
正直この一週間、色々あった。まず、リリアが転入生として、高人達のクラスへとやってきた。そのリリア目当てに高人達のクラスへと男子高校生が集まり、最終的にファンクラブまで作られたと聞く。その現象は以前リリスが転入生としてきた時もあったことで、高人は何の驚きも無かった。
なんだかんだで時間が過ぎていき、本日の授業も終盤の六時限目。
只今婚活中の三十代独身の綾野先生が現れた。
「LHRを開始するぞー。えーと、去年もやったと思うが、親睦を深める為の遠足が来週の木曜日にある。場所は去年とは違って、“うららサンシャインパーク”だ」
うららサンシャインパークとは、最近人気のあるテーマパークで、観覧車やお化け屋敷、小さなショーなどがある所である。
「そこで、今日は班を決めてもらう。一班五人までだからな。さあ、さっさと決めろ」
と言う担任の言葉でクラス中の男子がリリスとリリアに集まった。
「リリスさん、俺と一緒の班になりませんか?」
「リリアさん、僕たちと一緒の班になりませんか?」
まるで飴玉に群がる蟻のような光景だ。
「凄い人気だねー」
前の席にいる武山がリリス・リリアに群がっている男子の光景を見ながら話しかけてきた。
「てっきり、おまえも向こう側に行ってリリスとリリアに頼むのかと思ったが?」
すると武山は、ニヤリと笑った。
「まあ、最初はそうしようかなと思ったんだけどな、やっぱりお前といるのが一番かなと。それはそうと、お前はあの班が気になるんじゃないか?」
武山はそう言うと、ある班を指差した。それは女子だけが集まっている班だった。その中で一際目を引く女子がいた。
鈴木梨央。高人が気になっている人物である。
「てか、なんで知ってんだ?」
「一応幼馴染だぞ?お前の好みくらいわかるわ」
幼馴染と言うのは恐ろしいと、高人は再確認した。
「さてと、そろそろ班のメンバーを決めますか。とりあえず、こいつをメンバーに加える」
そう言って武山が連れてきたのは、黒の髪の長い大人しそうな女子生徒だった。
「俺と同じ魔法使いで、名前は高橋愛里紗だ」
「よろしく」
「お、おう。・・・で、あと二人は?」
「それなら大丈夫だ」
武山はニヤリと笑った。
「高人~。助けて下さ~い」
リリアとリリスだった。
「あいつら、しつこ過ぎなんだけど?」
「出来れば、一緒の班になりませんか?」
その瞬間、クラス中の男子が高人を睨んだ。
目が『断ると言え!』と言っていた。
仕方ないか、と高人は思った。
しかし、武山はそんな高人の心を読んだのか、先手をうった。
「歓迎するぜ、リリアちゃん、リリスちゃん。丁度二人分が余っていて、どうしようか相談していた所なんだ」
その言葉を聞いた高人はそう言うことかと、わざわざ高人の所に来たことの理由を知った。
武山は最初からリリスとリリアが高人の所へ来ることが分かっていたのだ。その為武山は、他の男子たちのようにリリアとリリスの所には行かなかった。
だが、ここで一つ問題がある。それは人数である。高人、武山、リリス、リリアだと、四人であと一人入ることができてしまう。其れが男子ならリリス、リリアのどちらかを取られてしまい、最悪高人とそのもう一人に二人を取られかねない。だとしたら、一層のこと、あらかじめ一人入れておけばいいと考えた。それも女子生徒でだ。しかし、ここで再び問題がある。其れはこのクラスの女子生徒で入ってくれる可能性だ。普通に考えれば男子は男子。女子は女子で固まるものだ。すなわち、男子の所に女子が来る可能性は少ない。そこで武山は考えた。
だとすれば、同じ魔法使いのしかも女子生徒である高橋愛里紗を使えばいい、と。
こうして考えられた計画は何の狂いもなく成功したのだ。
「ってな、感じだろ?」
「バレバレですか・・・。いや~、幼馴染とは恐ろしいなぁ」
武山は頭を掻きながら、ははははと笑ってみせた。
「おーい。そろそろ班が決まったか?だったら、次に移るぞ」
そう言ったのは綾野先生だった。
「じゃあ、今からプリントを配るから。配られた順番に積み上げるんだぞ」
綾野先生はそう言うと次から次へとプリントを配っていく。
「じゃあ、それを二つ折りにしてホッチキスで閉じろ」
先生の指示通りにプリントをホッチキスで止めた。
「出来たか?因みに、今渡したプリントが当日の行動を書いてあるから。ちゃんと持って来いよ。次に集合場所と時間は十時迄に現地だから」
「先生ー。おやつは幾らまでですか?」
誰だ、そんな小学生のような質問したのは。馬鹿である。
「別に幾らでもいい。ただ、ガムとチョコは買うなよ。・・・じゅるり」
ーーーじゅるり?もしかして食べる気ではないだろうか!
「さてと、もうそろそろ鳴るかな?」
と言う、綾野先生の言葉と同時に学校のチャイムが鳴った。
「んじゃ、終礼も面倒だし、もういいよ帰って」
そう言うと綾野先生は、教室を出て行った。
「それじゃあ、帰るか」
「だな」
「あの、高人。今更ですか、さっき迄何を決めていたんですか?」
「「「えっ・・・!?」」」
高人はリリスの言葉にドッと疲れが襲って来た。
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