俺と彼女と彼女と俺の出会いは少し違っている

毛穴翔太

文字の大きさ
1 / 20

プロローグ

しおりを挟む
 何なの…。アイツは…。

 強すぎる…。今度は…。

 惜しかった…。あと少し…だったのに…。

 ダメだ。勝てない……。何で…!?

 あの人と会わずに逃げても、結局は同じ事になるのか……。惜しい事したかな。だったら……

『あと一回だが……?』

 分かってる!こんな事になるのだったら!


 俺、国井拓真くにいたくまは、今日から福井県の高校へと通う、高校生である。
「おーす!国井!」
 そう言って話しかけて来た野球少年のような五厘刈りの青年は、神田愛夢かんだあいむだ。
「おはよう。まさか、中学の時と同じように一緒に登校出来るとは思っていなかったな」
「確かにそうだな。俺たちが出会ったのって、幼稚園の頃だから、かれこれ十年くらいか…。長いような短いような…」
「更にそこにあと三年プラスされるとは……」
 拓真は「はあ~」とため息を吐いた。
「別にため息を吐かなくてもいいだろ?」
 そんな神田の言葉を無視して俺は、新しく学園生活を送る学び舎へと入っていった。
 何年生かわからない先輩たちの案内で俺たちは誘導される。誘導された先は体育館。
 ピカピカの制服を身に纏う一年生がごった返しになっている。理由は、体育館前にクラスと自分たちの名前が書かれている紙が貼り出させているからである。
「どれどれ?」
 神田はこの人混みをするりと避けていき、気づけば神田の姿が消えていた。
 数分後。神田は息を切らしながら、人混みから出てきた。
「あっつ!」
「で、どうだった?」
 神田はその言葉を聞くと、ポケットから携帯を取り出し、俺に画面を見せてきた。画面には、張り紙の写真が写っていた。
 俺は神田から携帯を奪い取り、自分の名前を探した。
「げっ!」
 俺は携帯の画面を見ながら、小さな声でそう言った。
「また一緒だな!」
 神田はニコッと笑いながらそう言った。

 次に案内されたのは、教室であった。
 教室に入ると黒板に机の配置と同じマス目が書かれており、中に名前が書かれていた。
「マジかよ…」
 まさかの席が前後に配置されていた。
 俺は渋々その席に座った。その直後、教室に先生が入ってきた。年齢は二十代前半の女性の先生だ。
「おはようございます。今から入学式をしますので、廊下に出席番号順に並んでください」
 透き通るような声に促され、次々と廊下に出て行く。
 廊下に出ると、他のクラスの生徒も同じように並んでいた。
「其れでは、列をはみ出したりしないで付いてきてくださいね」
 俺たちは先生の指示の元、先生の後ろを付いていった。
 案内されたのは、先程までいた体育館の前であった。
 体育館の中から音楽が聞こえており、男の人の声で一年一組から呼ばれていた。
 俺たち一年六組も呼ばれて、体育館に入ると、盛大な拍手が俺たちを迎えた。
 クラスは計八クラスで、八クラス全員が入り終わると、司会進行役の男の人号令で起立と礼、そして着席した。
 式は何事も無く進んで行き、式は終了した。
 …いや、式の最中に一度だけどよめきの声が聞こえたか。その場面というのは、新入生代表の挨拶の時であった。新入生代表の女子生徒が壇上に上がった時、男子と女子から何やら話し声が聞こえてきた。
「あの子可愛くね?」
「綺麗な髪の毛だね」
 などなどの声が聞こえてきた。
 その女子生徒は、黒く長い髪の毛で、瞳は青と黄色のオッドアイで、とても印象強い女子生徒であった。
 式が終わった俺たちは、自分のクラスに戻り、先生からプリントが配られ、その日は家へと帰った。

 土日の二日を家で過ごし、月曜日となった今日、初登校を迎えた。その道中予想もしていなかった奴と出会ってしまった。
「おはよう。どうも、はじめまして」
 声をかけてきたのは、入学式の時の新入生の挨拶の時の黒髪ロングの青と黄色のオッドアイの女子生徒であった。
「あ、おはよう。は、はじめまして。で、俺になんの用なんだ?」
「国井拓真君。私と付き合ってください」
 その言葉に俺は一瞬固まってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

没落貴族とバカにしますが、実は私、王族の者でして。

亜綺羅もも
恋愛
ティファ・レーベルリンは没落貴族と学園の友人たちから毎日イジメられていた。 しかし皆は知らないのだ ティファが、ロードサファルの王女だとは。 そんなティファはキラ・ファンタムに惹かれていき、そして自分の正体をキラに明かすのであったが……

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】お父様の再婚相手は美人様

すみ 小桜(sumitan)
恋愛
 シャルルの父親が子連れと再婚した!  二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。  でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。

処理中です...