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第二十七話
しおりを挟むヌーユの仕事が入った。
いよいよな感じもするが、何をすれば正解なのか分からない。傭兵ギルドに行くとマクジュル王国でヌーユ方面への傭兵の募集があり僕はこれを受ける事にした。
「ヌーユでの仕事があります。白百合団はマクジュル王国軍の一員として、これに参加します」
「どう言った感じなのか分かっているのかい」
「はい。現在、ヌーユにはハリヌーク帝国のステフォン城を落とさんとプロメリア王国が出陣しています。マクジュル王国は漁夫の利を得る為にプロメリアを叩くかステフォン城を落とすかになります」
「そんな都合良く行くのですかね?」
「行かないでしょうね。ステフォン城は出来てから一度も落ちた事が無い難攻不落だそうですし、プロメリアとマクジュルを合わせた位のハリヌークの軍事力がプロメリア一国だけで何とかなるとは思えません」
「ステフォン城の前でプロメリアとやり合うのは嫌だねぇ」
「マクジュルが出遅れてるので着く前に勝負が決まっているか三つ巴で睨み合って長引くのがいいですね。何もしないでお金が入りますからね」
「長引くのも嫌だねぇ」
何もしないでお金が入るのだから、楽でいいと思うんですけどね。プリシラさんとしては戦いたいところか。
「私も一戦交じりたいです~」
「BC兵器は禁止ですよ」
オリエッタが戦いたいとは珍しい。否、ヤバそうだ。屋敷での前科持ちは釘を刺しておかないと、味方も巻き込んで使いかねない。
「大丈夫ですよ~。まだ完成してませんから~。作ったのは鎧です~」
鎧と聞いても、いい予感がしないのはなぜだろう。不思議だ。人間不振になっているのかな。
「それは味方を巻き込んだりしないものですよね?」
「ただの鎧ですから~」
今は信じる事にしよう。疑い始めたら切りがないし戦の準備をしなければならないから。
「出発は明日になります。それまでに準備を整えて下さい」
「チッ、今日は オリエッタの番か。つまんねぇ。クリスティン、飲みに行こうぜ」
「……行きましょう」
準備をするように言ったのに……。 クリスティンさんが一緒なら大丈夫かな。何か怒ってる様な気もするけど。ヌーユの途中の駐屯地まで行ってから合同で出陣になるから、早めに準備はしておいて欲しい。
「アラナ、僕の買い出しに付き合って下さい」
「ぼ、僕が行ってもいいッスか……」
ソフィアさんのに確認するように振り返らなくても大丈夫だよ。ソフィアさんはそんな人じゃないから…… たぶん…… レーザー撃てるけど……
「いってらっしゃいな、アラナ。私も用事があるから」
黙って頷くだけのアラナ。ほら、大丈夫だろ。今日だってオリエッタの番なんだから、ダメだったら今頃は全員が真っ二つに焼き切られてるよ。
買い出しの時のアラナはまるでデートを楽しむかの様だった。こっちの方では亜人は人間と同じ扱いを受けていたので、一緒に買い物をしている者や店を出してる者もいる。
アラナが不意に止まりると、亜人と人間が仲良く腕を組んで歩いていた。二人は幸せそうに見つめ合って笑っていた。アラナはそんな二人を羨ましそうに見ていた。
「アラナ、僕達も腕を組んで歩こうか」
急に声を掛けられて驚いたのかトラウマを思い出したのかアラナは周りを見渡してから
「ダメッスよ。不味いッスよ」
恥ずかしながら、恐怖を押さえながら、囁く様に答えるだけだったが、僕が無理やり腕を組んでみると顔を少しだけ赤らめて嬉しそうに笑っていた。
アラナのこういう所が好き。変な話に聞こえるかもしれないが今だに恥ずかしがる。裸も見てるんだけどね。乙女なアラナが大好きだ。
買い出しの仕事から買い物デートに代わって、必要な物を揃えきれなかったけど、この時間は何物より変えがたい。こんなラブラブもいいよね。
宿屋に着く遥か前にアラナは腕を振りほどいてしまったのが残念だったが、人気の少ない路地裏で軽いキスをすると恥ずかしがりながら
「僕、頑張るッス……」
と、消え入るような声で答えてくれた。やっぱりアラナは可愛い。
宿屋に着くと飲んだくれ二人組とソフィアさんは帰って来ず、悪魔のコンビが密談しているのに気が滅入る。僕の記憶で遊ぶの禁止ですよ。
開口一番
「今日は私の番です~。明日から戦場に行くのでゆっくりしたいです~」
おお! オリエッタ、いい事を言う。さっきの悪魔の件は訂正しよう。明日の夜には駐屯地で夜営してその後は揃い次第ヌーユまでの行軍。三つ巴の戦いで忙しくなるのは必定。こんな時こそ英気を養って戦場で名を上げよう。
「それはいいですね。ゆっくりするのも必要な事ですから」
僕達はソフィアさんが揃ってから夕ご飯を食べ、終わったら各自の部屋に行き、僕は一人でお風呂に入って待つ事にした。明日からは、お風呂なんて贅沢になるし日本人なら暖かいお風呂が恋しくなるからね。
こんな時にオリエッタが一緒に入ればと思うけど、一人でゆっくりもいい。こっちの世界の人は暖かいお風呂に入る事が少ないらしいから仕方がないしね。
お風呂から出るとオリエッタはベッドで服を着たまま待っていた。この世界でも高価なシルクで作られ、フリルが「これでもか!」と満載でシースルーなオリエッタに似合ったネグリジェだった。
「待ちくたびれてしまいます~。今日はゆっくりと休みます~」
それはねぇだろうよ…… そこまで見せておいて、「ゆっくり休みます~」だと! これって何もしないで寝ちゃうのかな? その姿で縛るのはとかは遠慮したいが、普通にしたいよ、普通に。
だが、これはこれで問題がある。オリエッタのネグリジェ姿は可愛い。これはネグリジェの魔力と言っても過言では無い。そして僕はその魔力に勝てない。
勝てないなら無理に戦う必要は無い、負けたって良いじゃないか。そのネグリジェ姿のオリエッタが座っているベッドに僕は引き寄せられて行った。
「ゆっくり眠るです~」
寝ましょ、寝ましょ、キスをしてからね。僕はオリエッタの頬に手を当て、唇を寄せた。目を閉じ待っていてくれるオリエッタ。寝るって言ってたのに、いいのかな?
「んちゅっ…… あむっんふ……」
柔らかい唇から声が漏れる。このまま押し倒して、首筋も。けっして大きくは無いが形のいい胸をネグリジェの上から優しく触った。
「あっあぁっ…… っんんっ! ぁあっあ……」
寝るって言ってたのに、いいみたいだ。今日は手を縛ったりしない普通のエッチにしよう。でも今度は縛るのもいいかな。
左手は胸に、右手はショーツの中に手を入れ、柔らかい蜜壷は硬い指を受け入れた。
「ぁあっああっ…… ああっぁぁあっ……」
オリエッタは身体を小刻みに振るわせ、悶えた。それに合わせて指で腟壁を刺激する。
「もお…おぅうダアァ……メェ…エェ……」
オリエッタの準備は出来てる様だ。ペティナイフも鋼鉄化している。せっかくのネグリジェを脱がすのは勿体ない。着たまま、ショーツをずらして差し込んだ。
「入…っっ…てえ……くぅるぅ…… あっ……あっあはっぁあっっんんっ!」
オリエッタは身体を激しく痙攣させ、一瞬止まったかと思えば、息を切らせて崩れ落ちた。 ……え!? 何もしてないんですけど、入れただけなんですけど。
「オ、オリエッタ、もう少しいいかな? 僕はまだなんだけど……」
「もう、もう無理ですぅぅ~。それに時間も無いです~」
オリエッタの素早い手刀が僕の首筋を襲って、僕はそのまま崩れた。もしかして、こんなプレーなのか!? それは嫌だ、叩くのも叩かれるのも趣味じゃないんだ。
僕はオリエッタの少ない胸の谷間に顔を埋めて眠った。
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