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第二十八話
しおりを挟む朝、起きると隣には可愛いオリエッタが。鳥のさえずりも心地よく聞こえる。
ゆっくりと寝れた。途中で起きる事もなく静かに寝れた事に感謝したい。昨日のオリエッタの可愛い姿を思い出してペティナイフも朝から元気が出そうだ。
「オリエッタ、朝だよ。そろそろ起きないと」
太陽はカーテン越しから昇っているのが分かる。首が少し痛いけど寝違えたかな? これから戦場に行くのには穏やか過ぎるかもしれないが、いい朝だ。僕は先に起きようと布団をまくり上げると下半身が血だらけだった。 ……静かないい朝だった。
「まだ眠いです~。もう少し眠らせて下さい~」
えっ、何で!? 怪我をしている痛みは無い。オリエッタの方までまくり上げるもオリエッタには血一つ付いてない。僕だけが血だらけなのか。
「オリエッタ、起きて下さい。 これを見て……」
まだ夢の中にいたいのか、眠そうに僕を見るとまた布団をかけて夢の中へと戻って行く、のを引き戻して肩を揺さぶった。
「それはルフィナちゃんです~。ちゃんと拭く様に言ったのに忘れたようです~」
あの悪魔の仕業か! 刺すのとか禁止にしたのに約束を破るとは許せん。でもオリエッタの輪番の時に何故に入ってくる。本人の許可が無い限り一人づつのはず。
「オリエッタが入れたの?」
「眠いです~。もう少し寝かせて下さい~」
低血圧なのか布団にくるまったまま出て来ようとも、話をしようともしないオリエッタは放っておいて、聞くならルフィナだ。いったい何をしたんだ!? 風呂の冷たい残り湯で体を洗い、ルフィナがいる部屋にノックもしないで乗り込んで行った。
「ルフィナ! 昨日、僕に何をしたんだ」
いきなり入って怒鳴った僕に一番驚いて起き出したのが、相部屋のアラナだった。が、そんな事は気にしていられない。ゴメンね、アラナ。
「僕は何もしてないッス」
アラナは何もしてないよ。朝から可愛いね。起こしてゴメンね。問題はこいつ。この布団で丸まってる悪魔が問題なんだ。
「ふわぁ、お早う御座います、団長。どうしたんですか?」
身体を起こし眠い目を擦りながら、右手は空に伸ばしアクビをしながら挨拶をするソフィアさん。薄い服から大きな膨らみが二つ。シルエット姿もなかなか見所がある今日はいい朝だ。
「二人共、起こしてゴメンね。ルフィナに聞きたい事があって…… ルフィナ、早く起きろ」
面倒臭そうに上半身を起こすルフィナは何も着ないで寝ていたようだ。ソフィアさんに服をレーザーで切られて、そこが火傷とか負ってなくて良かった。ルフィナの白い肌に傷が付いたら大変だから ……じゃねぇ!
「団長、朝から五月蝿いである。昨日は忙しくて寝るのが遅かったである」
その忙しさと血だらけの僕は大いに関係があるんじゃないかな!? 早く起きろ! それと服なんか着てるんじゃねぇ! もう少し見てからにして。どうせなら、手伝わせて欲しい……
「ルフィナ、昨日は遅くまで何をしていたんだ!?」
「もちろん団長を使っての実験である」
こいつ、悪びれもせず言い放ちやがった。人体実験を寝ている間にしやがったのか。と、言う事はオリエッタも共犯か。
「詳しく聞きたいですね。それにルフィナとは刺したりしないと約束したはずですよ」
「約束は破ってはいないのである。眠らせたのも刺したのもオリエッタである。実験もオリエッタがしたのである」
この悪魔のコンビめ! もしかしたら最初から寝かすつもりだったのか。あの首筋の痛みも、もしかしたら……
「ルフィナは何をしたの?」
「少しだけ血と記憶をもらったのである」
それも問題だろ。プライバシーとか僕には無いんですか。それより記憶の独り占めはソフィアさんの怒りを買う事にならないか?
ソフィアさんを見ると満足げに微笑んでいた。聞いたな、記憶の事を。みんなで聞いたのかよ、僕のプライバシーを。アラナを見たら目を背けた。お前も聞いたな!
「まぁ、記憶の方は役に立つ事だけなら大目にみましょう。プライベートの事は程ほどにお願いしますよ。ですが、血は問題ですよ。下半身が血まみれなんて、どれくらいの血を取ったんですか」
「我がもらったのは少量であるが、抜いたのは五リットルくらいである。取った分は継ぎ足したから、仕事にも問題ないのである」
五リットルは問題だろう。確か三リットルくらいでヤバかったと思うぞ。それに継ぎ足しって何を足したんだよ。緑色の血とかは嫌だぞ、ちゃんと血液検査した血だよね。
「詳しい事はオリエッタに聞いて欲しいである。働きすぎて眠いである」
言い終わると布団に包まって、また寝てしまった。血と記憶を返せドロボー。それは横に置いて、オリエッタに何を継ぎ足したか聞かないと。人間の血がどれくらいあるか知らないけど、もしかして全部入れ換えたとか……
部屋に戻るとまだ布団を被っていたオリエッタを起こし、いきなり濃厚なキスをした。叩き起こすよりこっちの方が早いんだよ、本当に。
「朝のキスは格別です~」
「目が覚めたところで、僕の中に何を継ぎ足したんですか」
「もっとキス~」
それはいいから、さっさと答えろ。オリエッタの顎をくしゃり上げ、頬を潰してタコ唇にしてやった。キスより答えが欲しい。
「何を継ぎ足したか言ったら続きをしますよ」
「大した事じゃないですよ~。 ちゃんと無くなった分の血を入れただけですよ~」
入れたって五リットルの血をか。全部入れ替えてるんじゃないのか。いったい何処からそんなに大量の血を持って来たんだ。血液型はあってるの? 合併症とかは大丈夫?
「大丈夫です~。特別製の血液なんです~。元々は私の血を培養したんです~。これで何時でも一緒です~」
最後に怖い事を言ってなかったか。もしかして、メンヘ…… 言う事で認めてしまうような気がしてならない。オリエッタはいい子だ。多少、周りとは違う事もあるたろうけど、ゴスロリ、美少女、柔肌、サイコ、イカれた錬金術師、BC兵器、周りを巻き込む……
あぁ、もう考えたくない…… でも一つだけ釘を刺しておかないと。
「僕の血がオリエッタと同じ特別な血になった事は理解しました。この事を知ってるのは誰ですか?」
「私と団長だけです~」
「この事は絶対に秘密にして下さい。特にソフィアさんに知られたら八つ裂きにされますよ。僕は全身の血を抜かれます」
「ソフィアちゃんは怖いから他の理由を考えます~」
マジに殺されるからね。ルフィナの事を間近で見ていて良く出来るね。ある意味、関心するよ。
「それじゃ続きです~」
目が完全に覚めてしまったのかオリエッタは戦闘体制に入った。僕の首に腕を廻して熱いキスを重ねたけれど、僕は血の事で頭がいっぱいだった。
「こっちに集中して下さい~」
そう言われても、全身の流れる血が変わってしまったと思うと、集中も出来ない…… 頭の方は集中出来ないが相棒は集中しているようだ。
「後でもう少し詳しく話して下さいね」
「大丈夫です~。 オリちゃんが団長に変な事はしないです~」
それなら、このベッドの回りに落ちている拘束具はなんだろうね。どうやって使うのか分からない物まで落ちてるが、分かる物は活用しないと。
僕は革手錠を持ち出してオリエッタの両手を拘束してベッドにくくりつけた。これで動けまい! このまま放置してしまいたいが、それは勿体ない。
「舐めて……」
と、言うより無理矢理、口の中へ押し込むペティナイフ。昨日のお返しのつもりで僕は容赦しないで腰を振る。
「ずぶっじゅ… ずずっんぷっ… ずずっんぷっ」
可愛いオリエッタの顔が歪む。僕って悪い人だ。でも血液の交換とかはしてないよ。ちょっと乱暴なエッチだけ。
我慢するよりも早く口の中に出してしまったが、どうやら精子の色は白の様だ。これで血の色や変な色が出たら困るからね。
「まだまだ元気だよ。続けていくからね」
衰えの知らない相棒を、僕は無造作にオリエッタの秘部に刺し込む。もう濡れてたんなら遠慮はしないぜ。
僕達は皆の朝食に間に合わず、馬車で残り物を食べながら集結地に向かった。
あぁ、もう一度オリエッタの中へ…… あぁ、早く戦場に行きたい。
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