異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第三十六話

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 絶賛逃走中。
 
 
 森に逃げ込んだ僕達に追っ手がかかっていた。人手はないが小型のゴーレムが人より速い速度で迫って来ている。だけどチート持ちの速さとライカンスロープに追い付ける訳もなく、入り組んだ森の中で少しずつ距離を離して行った。
 
 プリシラさんは器用に足だけをライカンスロープ状態にし上半身は人型になって、どこかで見つけたローブを纏っていた。
 
 う~ん。残念です。
 
 時おり見えるプリシラさんの体は傷を受け殿の無理な戦いの跡が見える。プリシラさんの体に傷付けたヤツは後で殺す。特に土魔法を使っていたヤツは皆殺し。
 
 戦いにおいて降服した魔法使いが殺される事はない。貴重な魔法使いは殺すより服従させて味方にするのがセオリーだ。魔法使いもそれが分かっているだけに不利になればすぐに降服する。
 
 プリシラさんの傷と貴重な魔法使い。天秤に掛ければどちらに傾くか考えるまでもない。
 
 ……ただし、美人を除く。  嫌、美人でもだ!
 
 「プリシラさん、息が切れてますよ。少し休みましょう」
 
 「大丈夫だ。もう少し行こう」
 
 いつもの覇気は無い。おそらくライカンスロープ状態も体の半分しか維持が出来ないのであろう。プリシラさんの戦闘力に頼り過ぎたか。後で慰めてあげないと。
 
 「もういいでしょう。ここまでは来ないと思いますよ」
 
 走り続けて一時間、予定通りなら半分くらいは大回りしたくらい。僕が止まって振り替えるよりも早くプリシラさんは後ろから覆い被さり地面に伏せた。
 
 て、敵か!?    それともプリシラさんの限界が来ていたのか!?    プリシラさんが声を出さないでいるから僕も静かに周りの状況を観察した。
 
 「戦時報酬を今くれ……」
 
 何故そうなる。今の状況を考えてみよう。僕達は先陣を切って戦い、他の部隊より先んじ、あまつさえ殿までやった上での逃走中。どう考えたら「今」になるの?
 
 「プリシラさん落ち着いて、まだ本陣には戻って無いんですよ。敵が迫って来ているかもせれません」
 
 敵が来たと伏せて隠れたつもりだったけど、もしかして僕は押さえつけられているのかな。こんな時に?    敵に追われている時に?
 
 「大丈夫だ。今がいい」
 
 何をもって大丈夫なのか分からん。あの小型のゴーレムはやっかいなのに。第一、そんな簡単に立つ訳がないよ。男の子はデリケートなんだから。
 
 「大丈夫だ。■■■■、凝縮」
 
 え、魔法?    僕を始めプリシラさんやクリスティンさん、アラナは魔法なんて使えないのに詠唱したの?
 
 僕の下半身は重いプリシラさん……   重くは無いプリシラさんを乗せたままムクムクと反り返った!?    そんな馬鹿な!    そして張り裂けそうに痛い!
 
 「見ていたぞルフィナとクリスティンの事を。二人きりになって逃げられるとでも思ったか」
 
 良く見ていましたね、あの乱戦の中を。これなら帰ってからソフィアさんが何て言うかとても不安です。
 
 そうじゃなくて!    反り返った物がいつもより大きい。自慢じゃないが普通か人並み以下だと思っていたのに肉が張り裂けそうになるくらい大きく痛い!
 
 「何をしたんですか!?」
 
 「オリエッタが入れた血だよ。色々と役に立つ。詠唱しだいでご覧の通りだ」
 
 つまり詠唱する事で血が集まっていつもより大きくなったのか!?    だけど普段の大きさ以上でキャパシティを超えている。
 
 「かなり痛いんですけど」
 
 「初めはそんなもんだ。慣れれば気持ち良くなる」
 
 男女の意見が反対の様な気もするが……
 
 「どうする?   爪で剥いでもいいんだぜ」
 
 まったく逆転している。ここでパンツを裂かれたら本陣に戻れない。しかも益々、巨大化している、尋常じゃない大きさ、仕方がないのか……
 
 「脱ぎます、脱ぎます。乱暴にしないで」
 
 仕方がない無いだろう。こんな状況で走って逃げれないし、もうパンツの中に収まりきれない。前屈みでも走れやしない。
 
 背中から降りたプリシラさんに背を向けたまま、痛みを堪えてパンツを降ろすと、そこには見たこともない大きさの◯◯◯が生えていた。バナナ?    そんな可愛い物じゃない、ゴブリンなら武器に出来るくらいの◯◯◯がそこにはあった。
 
 自分で自分の物に驚いた。バット?    棍棒?    具体的な事はプライベートで誤魔化すけど凄いぞこれ。凶器扱いされても文句は出ない。
 
 大きい事を少し自慢したいけどプリシラさんが「ガバッ」と僕の◯◯◯を握った。ライカンスロープ状態になって掴むものだから爪が食い込む。腰が引ける。
 
 「グフフフッ、これだ、これ」
 
 「ちょ、ちょっと待って下さい」
 
 手を出して押さえようとしたのが不味かった。◯◯◯を捕まれたまま、空いている手で両手を押さえられ押し倒された。両手を頭の上での押さえられ片手で◯◯◯を捕まれ押し倒されている状態。これって……
 
 「扱いなれない武器は苦手だろう。安心して任せろ」
 
 まったく逆だよね。仕方がないので任せました。    ………合掌。
 
 
 
 
 チートを使えない様に押し付けられ、凝縮により反り返り、手も足も出ないが◯◯◯は出てる。こんな状態が一時間も続き精も根も尽きたプリシラさんが崩れ落ちてきた。ライカンスロープの時には体重も増えているのでかなり重いです。
 
 「大丈夫ですかプリシラさん」
 
 半分放心状態のライカンスロープだが、心配して欲しいのはこちらの方だ。
 
 「ああ、満足だ」
 
 「満足している所を悪いのですけど、◯◯◯を何とかしてもらえませか?」
 
 ライカンスロープん下から突き刺し、いつも以上の長さを味わった僕だが、今だに反り返る棍棒を仕舞わない事には歩く事も出来ない。
 
 「任せておけ。■■■■、融解」
 
 おお、みるみるうちに元の懐かしい大きさに。よぉ、久し振り。
 
 「しかし凄い魔法なんですね。誰にでも出来るんですか?」
 
 「おう、これは魔法と言うよりサインみたいなもんだ。凝縮や融解の魔力自体はミカエルから出てるんだ」
 
 「どういう事ですか?   僕は魔法なんて使えない……」
 
 「魔法じゃなくて魔力だよ。オリエッタが入れた血、あれが魔力をもたらしてくれてるんだ。それが詠唱によってミカエルの魔力を使って反り返るってもんだ。みんな知ってるぞ」
 
 よく分からないがあの血のせいでこんな風になったのか。誉めてやりたい、この大きさにしてくれた事を。叱ってやりたい、詠唱を他の人に教えた事を。
 
 「■■■■、凝縮」
 
 不意に詠唱を唱えられ「また反り返りやがった」と笑われ自分で唱えた「融解」で元通り。人の◯◯◯で遊ぶのは止めて下さい。
 
 遊びもそこそこに、僕達はまた歩き出した。そう、僕達は逃走中。覚えている地図の通りだともうすぐ着くだろうと言う時に、人型になっていたプリシラさんに僕が覆い被さるようにして二人で倒れた。
 
 「どうした!?    大丈夫か?」
 
 覆い被さっている僕に心配してくれてありがとう。プリシラさんは優しいね。でもねプリシラさん、やられっぱなしってのは好きじゃない。
 
 「■■■■、凝縮」
 
 パンツを脱ぎ捨て棍棒を密着させた。
 
 「おい、おい、サインは知ってるんだぜ。■■■■、融解」
 
 凝縮で血が集まって反り返り、融解で溶けて元に戻る。誰がそんなのに従うか!   デリケートな男の子を舐めるなよ!
 
 「何で元に戻らねえんだよ。■■■■、融解。■■■■、融解。■■■■、融解」
 
 何度も詠唱をしようとも元には戻らなかった。僕には自信があった。ライカンスロープならともかく人型のプリシラさんなら。
 
 「プリシラさん、無駄ですよ。融解はしません」
 
 「サインが効いて無いのか」
 
 「効いてると思いますよ。ですが無駄です。こんなのは気合と根性と美女しだいで何とでもなります」
 
 ライカンスロープを抱くのは伊達じゃない。それが今は人型の機能美を持った女性がローブ一枚でいるんだ。
 
 「使い方は何とかなりますし、諦めてくれたら優しくしますよ」
 
 「ふざけるな!」
 
 無理矢理決定!    しかし、プリシラさんの日頃の鍛え方が僕とは違うのか、それとも慣れない大きさに戸惑ったか、プリシラさんの太腿で僕の巨大なペティナイフが止まる。
 
 「どうした!?    その程度か!?」
 
 本当の棒じゃないんだから……    それに無理して折れたりしたらどうすんの!?    筋肉の壁で進まない巨大なペティナイフ。     ……撤退か?    今さら「ごめんなさい」が通用する相手とも思えない。
 
 長期戦になれば僕が不利だ。ここは短期戦で決着を付けたいが、僕のペティナイフが言うことを聞かない。まるで教習所を卒業した人が戦車に乗ろうと言うものだ。主砲はさっき撃ったけどね。
 
 この大きさが……    そうか!?    僕は心の中で融解とライカンスロープに喰われかけた事を思い出して通常のペティナイフまで戻した。プリシラさんの太腿の筋肉の隙間にナイフを当て、神速のチェーンガンを撃ち始めた。
 
 素股で終らせる。な、訳が無いだろ!    チェーンガンで狙ったのは洞窟前のインターホン。小さなポッチだ。これを連打すればドアが空く。
 
 プリシラさんの筋肉を抉じ開け、最初は微かに届いているだけのチェーンガンも少しずつだが確実にポッチを叩き始めた。
 
 「てぇ…っめぇ…ぇ…!    あぁふ ふ…うぅ……    ざ…ぁけ………っんんな……    ぁ  あ…ぁひ…!」
 
 声が可愛くなってきてるぞ、プリシラ!    力が入らなくなって来たと見た僕は、すかさず両足を間に身体を入れて股を開かせた。そしてペティナイフのまま、僕はプリシラさんの中に突っ込んだ。
 
 「てめ…ぇえ…いぃきなぁり……」
 
 チェーンガンは健在だ。プリシラさんにも効いてる。問題はこの先……    本当に僕に扱えるのだろうか?    この五十ミリ機関砲が。
 
 「■■■■、凝縮」
 
 僕のペティナイフがプリシラさんの中で大きくなる。それはまるでバスターソード!   腰の動きを止め、奥の方まで差し込んだペティナイフは余りの大きさに僕の身体が押され、中に入っているのは半分も無い……
 
 「てめぇ!    デカくしてんじゃねえよ!」
 
 ライカンスロープの時より身体付きが小さくなるプリシラさんにはキツイのか!?    締め付け具合も今までに無いくらいだ。
 
 「どうですか、僕のバスターソードは……    全部は入ってませんよ」
 
 これは凶器だろ。これは人にはやってはいけない凶器だ。だが、僕の小さなエスっ気がムクムクと沸き上がる。
 
 神速!    五十ミリ、キャノン砲!
 
 自分でも分かる。今までのストロークより四倍はありそうな僕のバスターソードは、先の方から付け根までを使ってプリシラさんの蜜壷を抉り倒した。
 
 「ううぅぐぁ…がぁぎゃぐふっがぁ…あ!」
 
 喘ぎ声より悲鳴にも似た声を出し、プリシラさんの身体は大きく揺れていく。僕も肉圧をバスターソード全てに受け絶頂を迎え果てた。
 
 
 ……南無。 
 
 本陣に戻った僕達はどちらもフラフラでとても心配された。
 

 
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