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第四十話
しおりを挟む「僕達も殿に志願します」
ハイダ・クリーゼル男爵は驚き喜んだ。見捨てられたクリーゼル家を見捨てない者達がいた事に。
「しかし何故……」
「一身上の都合とでも思って下さい。我ら白百合団と第七部隊にいた有志が参加します」
「ありがとう、本当にありがとう…」
ハイダ・クリーゼル男爵は涙を流し言葉を無くした。この殿を進んで受けていないのだろう。覚悟を見せたのは強がりか、誰しも殿などやりたくはない。
「それで今後の指揮や段取りを決めて起きたいのですが」
「その事できたら段取りは私が、指揮は白百合団にお任せいたします」
普通だと指揮権は貴族にあって傭兵には余程の事がない限り指揮は取らない。余程の事態がおきているのか、それとも別の理由でもあるのかな。
「分かりました。後程、陣構えなどご報告に参ります」
「……聞かないのですか。指揮権の事は」
「ご信頼の証しと受け取っておきます」
余程の理由はきっと貴族ならではなんだろう。聞いても何も出来ないだろうし、何より下手な指揮を取られるよりはいい。
クリーゼル男爵は僕の胸にもたれ掛かり、何度も何度も感謝の言葉を伝え僕のパンツを下ろした…… えっ!?
「今の私にはこれくらいしか出来ません……」
スライムだった僕の相棒はハイダの口の中でペティナイフへと成長し、頭を押さえて何度も出し入れしたい衝動をギリギリで押さえた。
「ク、クリーゼル男爵! お止めください!」
と、心の中で叫び、僕は黙って考える。テントの外には屈強な騎士が護衛に立ち、品のある美しい女性が発情した牝の様に舐め回してる。
「ク、クリーゼル男爵! 先っぽが気持ちいい!」
と、心の中でまた叫び、僕は再び黙って考える。どうしたものか? おそらく「善意」か、無理な助力の「罪滅ぼし」か。どちらにしろ、この状況はマズい。
「 んぷっ…ずずっんちゅ…あむっ…… ちゅっんむんふ」
テントの中で卑猥な音が響いて僕の心も踊る…… 踊ってるか場合か!? 何とかしないと…… 何とか…… 踊るか……!
僕は踊る、スポットライトを浴びたステージで。僕は腰を振る、テントの外に騎士を居るのも関わらず。
……イマラチオとも言う。
「あがっ! えぅぅくっ…えぐ…っ!」
ヤり過ぎ御免。兎に角、早く出して終わらせようと、ハイダの口に向かって腰を動かす。が、こんな時に限って出ない物は出ない……
「えぐっぁ…… 若いですね、とても乱暴です」
口から離したペティナイフを握り、少し困った様に言うハイダは可愛い。でも、これで終わりにしよう。最後のまでイク事が出来なかったのは残念だが、これで終わりにしようよ。
「こちらなら乱暴にしても大丈夫ですよ」
ローブを脱ぎスカートを捲り上げ、ショーツを膝まで下ろしたハイダはお尻を突き出しテーブルに手を着いた。
「な、なんで……」
◯◯◯を出したまま、言う僕も変だが、ハイダ・クリーゼル男爵もおかしいだろ。ここまでしなくたって戦うのに……
「今は女を感じさせて下さい……」
スイッチオン! 既に濡れている蜜壷はすんなりペティナイフを受け入れた。僕は期待通り…… 期待以上の働きを見せねば!
■■■■、凝縮。
ハイダの中で膨らみ巨大化するペティナイフ。それは全てを切り裂くバスターソードとなってハイダに襲いかかる。
「あぁああ…っ 大…き…いぃいい」
腕の様に太いバスターソードがハイダの蜜壷を無理矢理に拡張しては突き進み、奥底を繰り返しもて遊んだ。
「壊っれぇえる……うぅっ」
さすがに外にまで聞こえそうな声だ。防音テントがある訳でも無く、これ以上は危険かもしれない…… 仕方がない。
僕はさらに深く突き刺し、ハイダの顔に手が届く距離までバスターソードを蜜壷に分け入らせ、口を手で被った。
「ふぅっ! …うぅうっ… んんぐぅう!」
これで声は外には届かない。口を押さえて可愛い鳴き声は聞こえなくなってしまうが、これで存分に動ける…… 仕方がない。
神速! 五十ミリ、キャノン砲!
僕のバスターソードが神速の速さで動き出す。もう誰にも止められない、全てを吐き出すまでハイダの蜜壷を真っ白にするまで!
……一秒経たずにハイダから全身の力が抜け、全身をピクピクと痙攣させテーブルにうつ伏した。口から手を離しても声さえ上げない。その手をハイダの首に当て脈拍があるかを確認したくらいだ。
これで終わった…… クリーゼル男爵が何を思って僕に抱かれたのか、本心は彼女にしか分かるまい。僕がそれを利用したのか、同情したのかも彼女に取ってはどうでもいい事だろう。
まだ終わってない…… 僕の方はイって無いんだよ。一人で先にイかれて、眠られたんじゃ僕はどうすればいいんだ。
■■■■、融解。
バスターソードよりペティナイフの方が被害は少ないだろう。僕は気を失って眠るハイダにチェーンガンを撃ち込み、溶けたホワイトチョコを蜜壷に吐き出し果てた。
何事も無かった様に周りを片付け、何度も無かった様にクリーゼル男爵に服を着せてソファーに眠らせた。
「後は任せて下さい」
僕は寝ているクリーゼル男爵の頬にキスをしてテントを出た。彼女には生きて帰って欲しい。僕はテントを出て近くの騎士を呼んだ。
「おい! クリーゼル男爵が心労で倒れた。治癒魔法使いを呼んで来い! それとクリーゼル軍団の指揮官もだ! 急げ!」
さて、僕達の戦力はっと…… クリーゼル男爵には約五十の騎兵が居たが先に撤退してもらった。当主では無いがハイダ・クリーゼル男爵が倒れてしまっては戦えないからだ。
僕達にはクリスティンさんに着いてくる命知らずの傭兵が百、白百合団が七人。軍団までは行かないけど旅団クラスだ。オーガ相手じゃなければ時間稼ぎは出来そうだけど、どこまでやれるか……
何度か往復し、陣を構え、配置に着き、最後の部隊が撤退を始めた頃にオーガさんが隊列揃えてピクニック気分でやって来た。
「相手がオーガじゃ戦時報酬も割りに合わねえな」
「普通のオーガより手強いと思って下さいね」
「それだよ、それ。割り増し料金をもらわねえと」
「何ですかそれ?」
「おおぃ、割り増しだ! 一殺一回な!」
何を勝手に決めてるんですか。それに一殺一回って、どんだけ暴利なんですか。異議あり!
「却下だ。相手はオーガだぜ。命が掛かってるんだから、それくらいいいだろ」
ハメられたか。最初からこのつもりだった気がする。みんなが期待の目で見てる。ダメとは言えないこの状況。策士め!
「一殺一回。殺せ!」
この状況では、こう言うしかないだろう。違う事が言えるヤツがいたら、何時でも勝負してやんぞ!
「ふふっ。一殺一回とは気前がいいのである。オーガは二十か、二十リットルは我のものだ。■■■■、死者の大息……」
ルフィナが詠唱を終わる前に僕達の後方からプラチナ色の光の線が空気を燃やし、オーガを薙ぎ払い真っ二つになったオーガを爆散させる。
「誰だ!?」
ルフィナは自分が一番槍と思っていただけに驚きを隠せなかった。僕もビックリ! 左上の離れた所をプラチナ色の光の線が出たと思ったらオーガが真っ二つ。離れていても熱量がスゴかったから近くで撃たれたら火傷しそうだよ。
「おのれソフィアか! よくも人の獲物をとったのである」
僕達の後方、ソフィアさんには援護や回復を任せていたのに、いきなり放つなんて。ゴーレムをやったのとは違って、爆発を伴っていたし威力が上がったのかな? 短期間の努力の成果か、報酬に目が眩んだか。
ソフィアさんはこちらに向かってニコッと、笑いブイサインを出していた。それはブイサインですか? それとも二十匹のオーガを倒した数ですか?
もしかして…… もしかしなくてもヤバい状況かな。ソフィアさんの戦時報酬は満足するまでのバスターソード。プリシラさんと同じだけど、プリシラさんは簡単だ。なぜなら一回すれば以外と満足するから。
ソフィアさんは? ソフィアさんが満足したと思うのは、回数か? それとも心の繋がりとか、面倒臭い事を言い出すのか?
ソフィアさんとの輪番は、いちゃラブをずっとしている。ベッドに入る前から始まって一、二回戦して寝て起きてからも、いちゃラブしてる。部屋を出るギリギリまでしてるから、いつ満足してくれてるのだろう。
満足なんて曖昧な約束はソフィアさんが満足してないと言えば、ずっと続くんじゃないか。ソフィアさんはもう二十回分の戦時報酬を貰う権利がある。満足してないと言えば数は減らない。これはヤバい!
「次も来たであるな。オーガが十か。■■■■、死者の大息……」
今度のオーガは胸を一瞬膨らませ血を吐き絶命した。こんな力を使える人は世界に一人だけ……
「クリスティン! 我の獲物だ!」
怒りを隠せないルフィナさん、恐怖を隠せない僕。クリスティンさんは決めてない事を戦時報酬にした。それを十回! ヤバい。ヤバいぞ、僕。まるで危ない人の空手形に判を押したのか。
「おぅおぅ、みんな、やるじゃねえか。トロールまで来たぞ。トロールは五倍なぁ!」
勝手に決めるなプリシラ! 喜ぶなみんな! 五倍なんて冗談じゃない。オーガ五体にトロール一体。こいつは僕がもらう。
神速全開でオーガを片付けトロールは大きいから手間取ったが倒せない事はない。戦時報酬は僕がもらう。
「おう、団長自らが行くなんて派手でいいぜ。全員突撃、殺しちまえ!」
あぁ指揮が、あぁ作戦が…… こうなったら仕方がない。
「殺ってやるぞ! 各個自由戦闘、突撃!」
もう、どうしようもない。こうなったら一匹でも多く倒して戦時報酬を軽くする。
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