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第四十六話
しおりを挟む貴族様の食べ物はやっぱり庶民とは違うね~。
肉、何の肉か分からないけど柔らかくて肉汁が溢れ素晴らしい。この世界で「上手い肉」と言うのを初めて食べた気がする。
魚、たぶん川魚かな。料理の説明が出来ないのが悔しい。塩釜焼きも出てるけど鯛ではないね。鯛かもしれないけど、白身魚だった。
果物も出てるし飲み物はワインと来たもんだ。ビールに似たエールしか飲んだ事しかないよ。しかも温いエールだよ。温いビールを飲みたくなる日本人はいないだろ。水よりも衛生的だから飲んでる感じだからね。冷たいビールと枝豆が欲しい。
いや~、食べた。みんなも食べた。プリシラさんがフォークとナイフを使うのにはビックリ。てっきり投げるの専門かと思ってた。
アラナは困っていたけどクリスティンさんがフォローしていたね。食べる姿も美しい。笑えたのはオリエッタだ。あれは借りてきた猫って言うのかな、当分は笑える。笑ってやる。
場所を変えるとクリーゼル家、お抱えの騎士達が加わりダンスを所望し白百合団は大人気。これだけ可愛くて強くて美しくて邪悪な女の子達なんていないからね。
僕は壁に寄りかかりワインと白百合団の普段見れない顔を楽しませてもらいました。ただクリスティンさん、ゴミを見る目で騎士達を見ないように。
プリシラさん、アラナ、オリエッタは踊ってるね。踊っているより振り回されてる感じかな。なかなかのチャレンジャーだ。クリスティンさんは穏やかに断っているよ。きっと触りたく無いんだろう。殺さなければオーケーです。
「私と踊って頂けませんか」
声を描けてきたのはアウレリア嬢。てっきりハイダ男爵が来るかと思っていたのに、もしかして僕に……
「私が女としていられる時間は少ないですわ。少しの時間をご一緒して下さい」
こう言われて断れる男は男じゃねえ。この可憐なアウレリア嬢に言われてホールに立った訳だけど社交ダンスを出来る日本人がどれくらい居ると思う。
「ぼ、僕は踊れないのですが……」
「大丈夫ですよ。ゆっくりしますから簡単に合わせて下さい」
チートが役に立つか?! 反射神経なら神速だ。
役には立った。命がけの戦場で磨きをかけた神速なんだから。ただ速すぎて優雅さが無い。まるでロボットダンスのようなメリハリ有り過ぎるダンスしか踊れなかった。僕にダンスは似合いません。
気を効かせてくれたのかスローな音楽に。これならチートを使うまでもないが、腰に手を回して改めて向かい合うと、少し恥ずかしい。
「面白いダンスをなさるのですね」
「お恥ずかしい限りです」
「でもスローになれば一段と変わりますね」
「ありがとうございます。僕は冷や汗が出ていませんか」
「大丈夫ですよ。面白いお方ですね」
こんな会話をダンスの時間で話していたが、腰に回した手からアウレリア嬢の細さを感じる。こんな人が影武者として十年を生き、その後はどこかの貴族に側室として入る人生が決まっているなんて。
涙を流したのだろうか、この年で決められた人生を歩む事に。笑える日が来るのだろうか、いつか全てが報われた日に。
貴族の生き方なんて知らないよ。僕らの生き方だって理解されない。でも戦場はいい。シンプルだ。人を殺すのは良くない事だろうけど、敵を殺す。この事だけに集中すればいい。ダメなら死ぬだけだ。
アウレリア嬢とはその後も話をした。行ってみたい所があった事、美味しい物を食べてみたい事、夢があった事。白百合団以外の女の人と、こんなに話すなんて新鮮だ。そして頭の天辺がチリチリする。
若ハゲは嫌だな、せめてハゲるならハリウッドの俳優の様にハゲたいね。スキンヘッドも考えないと。
パーティが終わり各自が案内された寝室で眠る事になった。こんなにフカフカなベッドがあるんだね。真っ白なシーツに暖かい布団。こんな生活にも憧れるよ。
さて、寝るかと、布団に潜り込めばドアをノックする音が。出でみれば使用人が裸で待っている、事も無く、クリーゼル男爵からの呼び出しだった。僕は服を着た使用人の後に続いてハイダ・クリーゼル男爵の執務室に向かった。
「単刀直入に言います。このクリーゼル家に使えませんか?」
貴族に使える事が出来るなら傭兵としては出世コースに乗ったと言ってもいいだろう。それに使えるべきは美しきハイダ様、男としては申し分無い就職先。フリーの傭兵から正社員へ。
「僕も正直に言いますと、お断りさせて頂きます。僕にはやらなければならない事がありますので」
僕のやらなければならない事。白百合団に輪番と戦時報酬を払う事では無い。僕は白百合団と共に魔王を倒して神様の望む面白いエンディングを迎える事だ。
本当に魔王なんて者がいたらの話だけど、前世と同じなら魔王は世界を相手に戦争を挑んで来る。そして最後には相討ちで果てるけれど、今度は最初から神速持ちだ。必ず生き残って余生はハッピーライフだ。
「やらなければならない事ってなんです? 傭兵として生きるよりクリーゼル家の騎士として生きる方が安寧ではないですか」
安寧なんて白百合団に捕まった時から忘れたよ。確かに魅力的な誘いだよ。ハイダ様も魅力的だし、このまま押し倒して…… このままクリーゼル家に使えるのも悪くない。
「話はこれで…… 今の話は忘れて下さい」
席を立つ僕の後ろ髪が引かれる。いい話なのに、魔王なんているか分からないのに、こんないい話を断るなんて勿体ないかな。
席を立つ僕の服が引かれる。振り返れば、うつ向いて何かを言っている様だが聞こえない。呪文とかじゃないですよね。
「せめて…… もう一度……」
クリティカル! ダメージ極大! ハイダ様は歳を重ねての美しさは、まさに妖艶。クリスティンさんさえ出せてない大人の魅力。そして侵食系の呪文を言われた時には…… ヤるでしょ!
僕はハイダの服の上からでも分かる豊満な胸をまさぐる。神官が着る様な服は厚手で感触が薄いのが欠点だ。そして脱がしにくい。
「大胆なんですね」
人様の家で、未亡人とはいえ当主様の胸をまさぐるのは背徳感を刺激する。僕も刺激をさせたいが、この服がとても邪魔だ。
「服を……」
カッコ悪いかもしれないが、自分から脱いでもらわないと、脱がし方が分からないくらい複雑だ。ハイダは分かった様に服を脱ぎ始めた。
ちょっと待て! 全部脱いでしまっては勿体ない。いや、脱ぐのはいいんだけど、もう少し着てるくらいが丁度いい。
半分くらい脱ぎかけた所で僕は止めた。今なら服の上からでも分かる柔らかい胸を揉みたいから。
「も、もう…… わ、若い娘には負けてしまいます……」
何を言うやら! 女の人に年齢は聞けないが、ハイダの歳は三十前半くらいかな。肌の張りなんか十代にも負けないくらいだ。揉んでる僕が一番良くわかる。
唇を交わし、ハイダは僕の首に手を回して来た。僕は胸から細い腰に手を回してから、お尻の方へ。すでに服は薄いティーシャツにほっとパンツの様な物。この世界では、これが下着になるからね。
パンツ越しからでも柔らかく引き締まったお尻は、乳と違って揉み堪えは充分だ。ハイダはキスをしながらも声が漏れてくる。
ソファーに寝かせ上着を捲れば、二つの膨らみが大きく揺れる。イチゴちゃんを頂きます。舌を這わせて軽い甘噛み
「ううぅん…… あは……っ! ん…ん…!う…!ううんんんっ」
顔は背けながらも、悶える身体は性欲を隠せない。僕はイチゴを舌で転がしながらショーツを脱がせた。
「あ……ぁ、まってえぇ……」
ショーツを脱がしきると、僕は両足を広げて舌を動かす動作をしながらハイダの顔を見た。
「あっ……」
何をするのか分かったのだろう。僕はハイダの蜜壷に顔を寄せて神速の舌使いで秘部を掻き回す。
「いい!や…… あぁあ… ゆぅる…!し……!てぇえっ ダ…アァ!メ…」
悶える身体は逃げようとするが、僕の頭を秘部に両手で押さえ付けハイダは絶頂を迎えた。
「シ、シン…… わ、わたしは……」
何か言い掛けた言葉を遮って、僕は蜜壷にペティナイフを突き刺す。そして肉壁が僕の形になるほど突きまくった。
「ひ…ううぅっあ…ふううは…ああぁ!ん…んっ!あ…」
漏らした様に溢れ出る蜜液に肉棒は加速していく。だが神速は使わない、あれを使ったら悶えるハイダを見れないから。ペティナイフの先まで当たる。子宮が降りて来たのか…… 白濁液を流し込んでやる。
「は………ん…んあぁ…あっ…ひ…!」
安易な失神は許されず、ハイダは朝まで白濁液を出され続けた。
朝から頭がチリチリする。チリチリよりヂリヂリ、昨日より悪くなったのかな。気分的には何か落ちて来るような……
朝食をご馳走になりながらクリーゼル家に身を寄せないかとの話をやんわりと断り、アウレリア嬢の悲しそうな顔を見た。僕達は王都のギルドに行って報償金をもらわないと。
挨拶もそこそこに僕達は馬車に乗ってクリーゼル家を出る。もちろん運転は僕です。免除期間は修了したので今日から輪番をしなければ。
「貴族の飯って、あれほど豪華なんッスね」
「食べた事の無いものがいっぱいです~」
「クリーゼル家に身を寄せる話、断っても良かったのですか?」
何故か頭のビリビリ感が増す。
「あんな所で飼われてたまるかっての。そうだろ、団長」
「少し惜しかった気もしますがね」
「でもミカエルはあのアウレリア嬢に惚れられていたんじゃないか? 顔を赤らめて見ていたぞ」
さらに増すビリビリ。病院に行った方がいいのかな。それともカツラを作ってくれる所を探すか。
「メテオスト……」
「それは違うのである。アウレリア嬢はプリシラを見ていたのである」
「へっ?」
「えっ?」
「そうですね~、アウちゃんはプリちゃんが好きだったみたいです~」
そうなの!? てっきり僕かと思っていたのに。
「……百合ですね」
「あたしゃあダメだな。あんな弱っちいのに興味はねえな」
アウレリア嬢はプリシラさんが好きだったのか。僕を見ていたんじゃなくてプリシラさんなのね。
「あたいを抱けるぐらいじゃねえとな。な、団長」
「そうですね。大好きですよプリシラさん」
「な、生意気な事を言ってるんじゃねえ」
頭を叩かれました。 ……おや? 頭のビリビリも無くなったみたいだ。どこか具合でも悪かったんでしょうか。隣に座っていたアラナに席を譲ってもらいソフィアさんが来るとは珍しいですね。
「そんで、これからどうするんだ」
「これからギルドに行って報償金をもらいます。その後はアシュタール帝国に行きたいと思います」
「あんな所で稼げるのか?」
「ある方に招待されてますので」
「まあ、団長に任せるぜ。それはそうと今日から輪番だな。誰からだ?!」
恥ずかしそうにクリスティンさんが手を挙げた。
「ちっ、あたいは最後か。でも団長の休みは戦時報酬に変わるんだろ。あたいは二回連続だ」
「ちょっと待って下さい。僕の戦時報酬はどうなるのですか」
「輪番停止してただろ、それだ」
輪番は停止してもいちゃラブでお腹いっぱいだよ、短い戦時報酬でしたね。落ち込んでる僕の横に座っているソフィアさんが肩を小さくつついて来た。
「私には無いんですか……」
潤む目で見つめられる。
「ソフィアさんも大好きですよ」
ソフィアさんは腕を組んで体を寄せた。今は、いちゃラブ禁止ですよね。そして僕の耳元で
「私、メテオストライクが撃てる様な気がします……」
僕の体は固まった。
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