異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第四十七話

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 普段通りです。白百合団では。
 
 「そろそろ暗くなって来ますし夜営しましょう」
 
 
 ほどよい所を見つけアラナとオリエッタが料理をし僕は馬に水や食べ物と強目にムチを一回与え、皆はテントを張った。
 
 防音テントはクリスティンさんが。今日はクリスティンさんの番だからベッドメイキングでもしてるのかな。大体、輪番の人が準備する事になってるし、楽しみだ。もちろんプリシラさんも準備するけど、殆ど斬り合いから始まるんだよね。
 
 この防音テント、かなりの優れもので本当に音が漏れない。プリシラさんのライカンスロープの状態での叫び声にも対応した優れもの。
 
 声の大きさならクリスティンさんも負けて無いが、声が大きく成れば成るほど心臓への負担が大きい。今のところ持ち堪えているけどね。
 
 クリーゼル男爵の所で黙ってもらったワインをみんなで飲んでほろ酔い気分でクリスティンさんの手を引いてテントに向かった。
 
 テントに入ると普段から着けている皮鎧を取り服を脱ぎ始めるのを止めた。服を脱がすのも好きなんだよね。
 
 二人で脱がしっこしていると、ほのかに赤らめている白い肌のクリスティンさんは、潤んだ目をして僕を見つめている。
 
 これは凄いぞ。スーパーモデルが目の前で裸になっているんだから。流れる様な金髪が胸の大事な所を隠している。ああ、その髪になりたい。
 
 「……バスターソードって凄いんですか」
 
 おっと、いきなり確信を付いて来た。見せましょうバスターソード。突き上げましょうバスターソードで。
 
 「■■■■、凝縮」
 
 ペティナイフからバスターソードに変化した僕の武器は反り立ち破壊力はさらにアップ。
 
 「……さすがに大きすぎると思います」
 
 そうですよね。このバスターソードは対ライカンスロープ様の武器だからね。人型の時のプリシラさんと身長は変わらないとはいえ、無理ですよね。ちょっとだけ残念です。
 
 「あっ……  でも、少しなら……」
 
 優しいクリスティンさん。ペティナイフでも大丈夫です。ペティナイフでも耐久力は変わりませんから。前からペティナイフでしていたじゃないですか。
 
 バスターソードを舐め上げるクリスティン。正に「舐め上げる」が相応しいほど、直下立つ肉棒。
 
 「れろ…むちゅっん……ちゅっ……」
 
 悪くない気持ち良さだが、物足りない。やはり口の中の暖かさを感じたいところだ。と、言ってもバスターソードを口に入れたら窒息しかねない。    ……どうしたものか?
 
 凝縮と融解は魔力があってこその力だ。それだったらコントロールも出来るんじゃないか!?    凝縮しても魔力を押さえてショートソード並みの普通より大きいくらい。
 
 「■■■■、融解」
 
 瞬く間にペティナイフへと変貌を遂げる肉棒を名残惜しく見るクリスティン。このまま入れてもいいんだけど、せっかく貰った力を使わなくてどうする!
 
 「■■■■、凝縮」
 
 魔力を押さえろ。だが、押さえ過ぎない様に慎重に魔力を流せ。自分でも感じる魔力の流れ。目を閉じて集中……    あっ!    そこは気持ちいい。
 
 「ずぶっ…ずぶっ…んぷっん、んんぐぅっ」
 
 クリスティンの口技に集中出来ない。でも止めてもらうのには惜しい!   目を開ければペティナイフより少し大きくなった肉棒をクリスティンは口いっぱいに頬張っていた。
 
  ここで間違ってバスターソードにしては大変だ!    それに出すなら中に出したい。僕はクリスティンを四つん這いにさせ、肉棒を刺し込んだ。
 
 「……もう、いきなりなんですね。    ……でも、こういうのも好きです。    ……あぁぁ」
 
 この好き者め!    僕も好きです……    一刺しで流れ出すクリスティンの愛液に乾いた肉棒が潤い腰の動きも早くなる。
 
 だけど、これは実験も兼ねてるんだ。バスターソードに代わる武器を見付ける為、クリスティンの蜜壷を使ってのね。
 
 心の中で「凝縮」を唱える。魔力の流れを感じ、クリスティンの肉壁を感じ……    ヤバい、これは実験なんだから。
 
 「あ…ぁあ!は…ぁう…ぅふう…ぅ!あぁっんんんっ」
 
 感じろ、肉……    魔力を!    そして少しずつだが分かって来る魔力と肉棒の関係。だが、漏れ出で来るクリスティンの喘ぎ声が集中力を途切れさせる。
 
 「突い…てぇ…もぉぉ…とおぉ…!」
 
 魔力制御には集中が大事だ!    このくらいの事で百戦錬磨の傭兵団の団長なんて勤まらない!
 
 「奥っま…っ……    当たぁ…るうぅっ!    はあ…あ…うぅっあぁ…あぁうぅ」
 
 僕が後ろを取ってペティナイフを突き上げているとクリスティンの大き過ぎるくらいの声がテントに響くが防音テントのお陰で外に聞こえる事はない。
 
 そして死亡確定が入って来た。
 
 「団長、敵襲ッス!」
 
 二度目か……    あの状態でいきなり人が入ってくると、「うっと!」突き刺したまま固まって動けない。自前の心臓マッサージも止まります。
 
 クリスティンは最後に突き刺されたまま、とても大きな声を上げて崩れ落ち、すぐに立て直しアラナの方を睨んだ。
 
 「ク、クリスティン姉さん。ご、ごめ……。てきし……」
 
 心臓押さえて苦しみだし膝から崩れおちるアラナ。僕が刺し抜くと、「あんっ」と声を出し僕の方を睨んでいる。睨む瞳も素敵だ。
 
 「クリスティンさん。敵襲です。アラナのを止めて!」
 
 服をクリスティンさんに放りアラナに駆け寄ると、やっと解放されたのか荒い息をしてクリスティンさんに謝るアラナ。
 
 「敵襲って何ですか。誰が攻めてくるの」
 
 「オリ姉ぇが……。見つけたって……」
 
 まるで死にそうだぞアラナ、大丈夫か?    そのまま休んでいてね。僕がその辺りに落ちていたタオルを腰に巻きテントを出ようとしたらオリエッタが入って来た。
 
 「終わりましたか~」
 
 こいつ入ればどうなるか分かっててアラナを先に行かせたに違いない。
 
 「敵襲ってなんですか?」
 
 「たぶんゴブリンとオークが来てます~。数は三十ほどです~」
 
 「何でわかるの?    数まで分かるなんて……    いや、取りあえず敵なんですね。すぐに行きます」
 
 鎧は要らないだろうが服は着て、ショートソードは馬車に置いてきたか。ゴブリン、オークなら大した事はない。だけど、何で分かったんだ。服を持ってオリエッタを押し出して行こうとしたら、腰に回したタオルが引かれる。
 
 「クリスティンさん敵襲です。行かないと……」

 腰に回したタオルが引かれて落ちそうになる。引っ張らないで!    クリスティンさんに見つめられると断りずらい。だけど敵襲はまずい。
 
 タオルを引き戻しテントを出ようとすると「ドクンッ!」と心臓の鼓動を感じだ。すぐに心臓マッサージで対応したけど速度が上がる。こちらもマッサージの速度を更にあげたが、今回のクリスティンさんは真剣にヤバそうだ。
 
 「オリエッタ、指揮はプリシラさんに任せますから終わったら教えて下さい」
 
 今は、戦時だ。この妥協点で飲んでくれ!    さらに高まる心臓の鼓動を全力で押さえ込む。
 
 「オリエッタ、朝まで誰もテントなの近づけるな。どんな用があろうともだ!」
 
 これでどうだ!    妥協しまくりの団長だけど一応、団長だ。クリスティンさんは少しは満足してくれたのか鼓動が収まってきた。
 
 オーガと戦う時よりキツい。テントの中で仰向けになって荒く息をしているとクリスティンさんが覆い被さる様に僕の胸に頭を預ける。
 
 「……ごめんなさい。アラナと分かってからも、思わず心臓を握り潰そうとしてしまいました」
 
 「そうですか、後でアラナに謝っておいて下さいね。大事な仲間なんですから」
 
 「……はい。    ……それで……」
 
 「朝まではまだ時間が有りますね。ゆっくり行きましょう」
 
 「……はい」
 
 こんな事の後にも顔を赤らめて答えるクリスティンさんは可愛くて食べちゃいたい。
 
 
 さて、ラブラブするのはゆっくりでも、心臓マッサージは全力を出さないと。

 
 
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