異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第六十七話

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 入った時から分かる、この異様な部屋が。一部屋、一部屋を区切る壁が無くて端から端まで遠くの方まで見える。正面には窓が有り、その下には大きなソファが置いてあった。部屋の仕切りはソファーの所に気持ち程度の衝立と、ドアから窓にかけて敷いてある絨毯の色が違うくらいか。
 
 
 ドアがいっぱいあるのに区切りの無い大部屋。まるでソファーに座れと絨毯の色が導く。せっかくドアが有るのだから一つ一つ部屋を区切ればいいのに。
 
 「こ、このような部屋に……   つ、連れ込んで……   な、なかなか良いぞ。はぁ、んっっっ」
 
 部屋も気になるが左の義手は今だに揉み止まらない。何とかメリッサ嬢の誤解を解かなければ。乳を揉みながら何処まで誤解が解けるか……    それが問題だ。
 
 解ける訳が無い。それにこの連れ込んだ部屋が問題だ。この部屋と言うか仕切りの無い大部屋。ここはパーティなどで、今風に言うと婚活して気の合った人達のヤリ部屋だ。
 
 胸だけで失神をしたメリッサ嬢を尻目に周りを見渡すと、ヤってる、ヤってるみんなヤってる。ドア近くにいる僕達からは、奥には居るて衝立が有るとは言えソファで「ヤってる」は良く見える。
 
 周りの目も声も気にしないのだろうか。ここはそう言う世界なのですね。貴族になったばかりの僕には刺激的過ぎて……    それと、そこのブタ!    いい女を抱いてるじゃねぇか!
 
 こいつら皆、頭おかしいんじゃねぇの!   パーティ会場の隣にそんな部屋を作るなんてイカれているとしか思えない。貴族の世界、世継ぎも大切だろうし情報の少ない世界で良縁を掴もうと生き急いでいるんじゃないか。
 
 その部屋に知らないとは言え準侯爵を連れ込んでしまった僕はどうすれば良いのか。しかも僕の左手は凄いらしい。
 
 とりあえずメリッサ準侯爵を奥のソファに座らせて回りから見られない様にしないと。左手を引き剥がそうとすると、反逆の左手は力一杯に乳房を握って離させまいとする。
 
 魔力を何とかすれば大丈夫か?    メリッサ嬢から回復の魔力も注入されてるから、あれをやるしかないか。メリッサ嬢と一緒にソファーに座り、僕は彼女の耳に顔を近付けて囁く様に言った。
 
 「この度の事は全て誤解でございます。この左手の義手は魔力の扱いの不得手な僕のせいで暴走しております。けっしてマロリー準侯爵様に下心があった訳では有りません」
 
 「メ、メリッサと呼んでください。    ……はあ!あ…あっぁんん……    ミカエル様がお望みとあれいつでも……」
 
 今、話が噛み合ったのだろうか?   やはり揉みながらの説得は厳しい物がある。しかし魔力の暴走を押さえる為に一振りの剣を振らなければならない。
 
 「マロリー準侯爵様。暴走を押さえる為に魔力を使わなくてはなりません。これは僕の特異体質で魔力を使うのですが他言無用、悲鳴無用でお願いします」
 
 「ミカエル様の事なら全てを受け入れられます」
 
 絶対に噛み合ってない会話。噛み合っていないが、いつまでも乳を揉んでる訳にもいかない。
 
 「■■■■、凝縮」
 
 白百合団以外の人前で使ったのは初めてだ。何せ対ライカンスロープの武器だからね。普通の人にはとても恐ろしい武器に見えたのだろうメリッサ嬢は、軽い悲鳴を上げたので慌てて口を塞いだ。右手で塞いだ。決してバスターソードを突き刺したりはしない。
 
 「■■■■、融解」
 
 瞬く間にペティナイフに変わり行く。これも驚きを隠せなかったのだろう。息を飲むような小さな悲鳴を上げたので慌てて強く口を塞いだ。右手で塞いだ。決してペティナイフを突き刺したりはしない。
 
 「このような姿で申し訳ありません。これを何回も行えば魔力も消費されますので左手の義手も取れると思います」
 
 もう何も言わない。メリッサ嬢が僕を見る目が違うよ。変態に見てくれた方がまだ良かったか。完璧に恋する乙女の目に見える。
 
 凝縮と融解は一回で済むことは無く、ましてや左手で抱いてる様な接近しているから、どうしても当たる。身体を離そうとすると意図してか左手の義手が腕ごと動かして身体を寄せる。
 
 そうなれば興味が湧いてくる。瞬間的に異常な大きさまで膨らみ、間髪入れずに縮むこれを何度も繰り返して見ていると、どうなっているのか知りたくなるのが人情か、乙女心か。
 
 見せろ!    見せない!    準侯爵だぞ!    知るかそんなの!    最後には侯爵様相手に敬語も忘れ、左手で乳を揉みながらも背中を見せこちら側を見れないように。違う意味で絡み合ったこんな二人を、他人が見たらどう思うのだろうか。
 
 だがもうすぐ終る。バスターソードになるのも鈍くなってきたのは、魔力が少なくなってきた証拠だ。僕は魔力を振り絞って凝縮した。
 
 僕の肉棒はバスターソードになる事も無く、ショートソードの大きさまでで収まった。魔力が無くなって来てるのは確実だ。これをもう少し繰り返せば左手の暴走も治まる。
 
 「良い物を持って……    それが私の中に入るのですね……」
 
 左手の暴走も収まり掛けたお陰で自由になったメリッサ嬢は僕の肉棒に吐息が掛かりそうなほど、近づいている。
 
 チャンスだ!    左手が乳から離れた以上、メリッサ嬢をこれ以上、拘束する事は無い。神速を使って逃げ出せば、近くにいるメリッサ嬢を傷付けるかもしれないが、このままよりいい。
 
 僕は神速でメリッサ嬢の頭を押さえ、無慈悲に肉棒を口を押し込んだ。    ……あれ?    左手えぇぇ!    何してくれるんだよ!?
 
 ショートソードより小さくなった僕の肉棒に、左手はメリッサ嬢の後ろ髪を掴んで無理矢理に咥えさせ上下運動を繰り返してる。
 
 もう……    ダメだ……    死刑確実だ……    皇帝陛下の親戚の娘さんにイマラチオして、この後の人生を考えると……
 
 「ん…ぐぅう……ぅ、ん…ぐううぅ」
 
 肉棒の先で喉奥を感じる。口から滴る唾液の量が凄い事になってる。ここで凝縮で魔力を使ったら大変な事になるし、融解の魔法は気分的に使いたくない。
 
 本当にどうしよう?    魔力を浪費する手段が無くなり、暴れん坊の左手はメリッサ嬢の扱いに容赦がない。本当に無茶しやがる。
 
 「ん…ん!ぐ…ぅうん…っぐううぅ…    あっぐぅぅ!」
 
 一分か十分か……    メリッサ嬢は左手の蛮行により、顎が外れそうな勢いで肉棒を喰らってるし、右手は左手を止められない。心なしか魔力が戻ってるような……
 
 「ああ…あ…あがぁあ…あががぁ…がああぁ…」
 
 もう話す事も出来なくなってるメリッサ嬢。白眼を向きそうなくらいのイマラチオは人生初体験だろう。僕もこんな事は初体験だよ。
 
 だが、終わった。左手は満足したのか、メリッサ嬢を奥まで肉棒を突き込んでから、無造作にソファーに投げ捨てた。
 
 死刑決定。
 
 投げ捨てられたメリッサ準侯爵様は、ドレスのスカートを間繰り上げ身体を震わせている。僕は何て事をしてしまったのか!?    何て……    この世界ではドレスの下はノーパンか……
 
 僕の肉棒はペティナイフまで縮こまって、ズボンの中に入らないサイズじゃない。もう左手の事は放っておいて逃げよう。せっかく男爵になったのに一日で終わりか……    メリッサ嬢の秘部から愛液が流れ出るのが見えた。
 
 逃げるぜ!    神速!
 
 ズブッ……
 
 逃げる方向を間違ったのか、魔力の暴走か、メリッサ嬢の魅力か……    僕はメリッサ準侯爵様に肉棒を突き立ててしまった。
 
 「ああぁぁあぁっ……」
 
 悶え声による、拷問での死刑決定!
 
 もう、どうしたらいいですか?    ここまでしてしまって、何故に反対側でも窓を突き破ってでも逃げなかったのか……
 
 胸を無造作に揉み上げ、あまつさえ無理矢理のイマラチオ。レイプしてると思われても仕方がないよ。準侯爵をレイプ……    死んだな……    しかし思い出す一筋の光。彼女は言った「ミカエル様の事なら全てを受け入れられます」と……
 
 第一印象は悪いけど話して見たら意外と良い人だった。なんて都合のいい話はあるのだろうか?    レイプから始まって恋愛に変わる。    ……マンガの話だよ。無理かもしれないが、彼女の言葉とマンガを信じて僕は腰を振る。    
 
 「あっああぁあっ、気…!持…!ちいぃっ!」
 
 メリッサ嬢の機嫌を取ると言うより、自分の女にするくらいの勢いでなければダメだ。受け入れてくれ!
 
 「入ってる!    中でどんどん熱く、入ってくるぅぅ」
 
 神速を使って仕留めるのは容易いが、時間を掛けて馴染ませないと。僕の肉棒無しには生きられないくらいに。
 
 「いやらぁ、気持ちいぃぃ、もっと…ほひしぃの…」
 
 左手の悪魔と右手の天使が動く。胸元まで開いている服を下にずり下ろし実った胸を引きずり出し、ピンクの乳首が舐めて欲しいと立っていた。
 
 「胸は……    あぁぁ、もっと舐めてぇぇ…」
 
 神速の饒舌は、神の速さで乳首を舐め回す。下からはショートソードが貫き腰の動きも忘れない。
 
 「あひっ、んっぎもぢいぃ…もっと、もっとしてぇぇ」
 
 時間が無いのが悔やまれる。もっとヤってあげたいが、遅れればプリシラさんが城を攻めるとか言ってたし、ルフィナも待たせてるんだ。
 
 「メリッサ、中に出すぜ。受け止めてくれよ」
 
 「いっぢゃう…中で出されたら、いっぢゃうぅぅ」
 
 どちらが早かったか。僕がイクのと、上層の階から突き破り、隣のブタ貴族を押し潰し、抱かれていた女を弾け飛ばした何十トンもありそうな巨石が落ちて来るのと。
 
 メリッサ嬢が僕の下で白眼を剥いている。こんな物が落ちてくれば失神もするよ。取り敢えず最後まで出しておくか……
 
 幸いメリッサ嬢は眠っているだけだ。ブタは死んだかも知れないが気に止める事もない。女の方は部屋のドアを真ん中まで飛ばされているが大丈夫だろう。
 
 メリッサ嬢の服を直し僕は部屋の外に出た。部屋の外は大騒ぎで逃げ惑う人ばかりで真っ直ぐに進めない。小さいルフィナを探そうにもと思ったら、ロッサ骸骨バージョンが迎えに来てくれて、道が割れて進みやすくなった。子爵じゃなかったらヤバいだろ。
 
 「ルフィナ、ロッサを戻して。ここから早く帰りましょう」
 
 「いったい何事であるか。団長を探すのに邪魔でロッサを出したであるが」
 
 「殺してはいませんね?」
 
 「大丈夫である。   ……分からぬ様にやったである」
 
 もう、ここに用はない。黒刀もあるし帰ろう。時間にも余裕がある。十二時前には帰れそうだ。シンデレラにはなりそうもない。
 
 僕とルフィナは十二時を三十分も前に約束の城門の前に来たが、遠くからでも分かるぞオリエッタ。その巨大な装甲服、本当に着て来たんだね。
 
 本当に全員が待ってました、完全武装で。城門の騎士はとても恐くて話しも出来なかったのだろう。お咎めが無かったのは良かったかな。
 
 この人達、本当に十二時まで待っただろうか。先ほどの巨石はソフィアのメテオストライクの一発なのじゃないか。
 
 約束の時間までは余裕があった。だけどメリッサ嬢との事に余裕があったとは言えない。それを見越して打ち込んだのだろうか。わざと外した?    偶然外れた?
 
 前にソフィアさんは言っていた、メテオストライクを撃てるかもと。撃てるとは言っていない。これは警告なのか?    次は当てると。
 
 
 城は巨大な隕石の直撃で大変な事になっている。僕達は大人しく帰るとしよう。帝都の夜は騒がしくとも静かに更けていく。   
 

 
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