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第九十六話
しおりを挟むコアトテミテスの朝は早い。と言うより騒々しい、何かあったのか。でもその前に、昨日の夜の話を少し。
宿屋に帰って来た僕を玄関先で仁王立ちで、ハルバートを持っていたプリシラさんを裏から入る事でスルーし、僕は自分の部屋に戻った。
部屋にはソフィアさんが待っていて馬車での事を僕が謝り事なきを得た。二人でエールを飲み、少し桃色に染まったソフィアさんを押し倒そうとした時にドアをぶち破ってプリシラさんが雪崩れ込む。
ドアをぶち破っていいのはスワットぐらいなので止めて下さい。僕は犯罪者でもテロリストでも無いんです。
「ここにいたか!」
他にどこに行くんですか。僕はソフィアさんの胸に抱かれて眠りたい。そう考えていたのはソフィアさんも同じだったのか、容赦なくプラチナレーザーを喰らわせた。
プリシラさんは寸での所でハルバートの斧の部分で防いだが怒りは増すばかり。今のはヤバいでしょ。ハルバートで防げる位だから手を抜いているんだろうけど今のはヤバい。
「プリシラさん、今日は私の番なので邪魔しないで下さいね」
まず話そう! 最初に話をしてからレーザーでしょ。人の事を言えた義理じゃないけど順番は守りましょう。
「ソフィア、退きな!」
一触即発。怖い、逃げたい、立ち去りたい。プリシラさんはハルバートを構えソフィアさんはプラチナ色に輝いていく。もう僕は無関係で良くないか。
「団長~。影さんが来ました~」
ナイス、オリエッタ。いいタイミングの助け船。今度、何か買ってあげるね。僕はすっと、ベッドから立ち上がり「仕事で~す」と告げて命からがら部屋から脱出した。
宿屋から出た僕は周りを見渡すと暗い木立の中から手を振るダークエルフ。影の名は…… 誰だっけ? レイナちゃんの名は覚えているけど同じ顔だし、区別がつかない。僕とは一応は恋人、愛人の関係だし名前も分からないのは問題だよね。そんな時は……
「お疲れさま。影の仕事は大変だったでしょ。話を聞けるかな」
「はい、良き人。ロースファーの件ですが……」
僕は現状のロースファーの話を聞きこれからの事を考えた。ハルモニアの情報は次の影が持って来るのを待とう。
「なるほどね。かなり詳しく分かったよ。「君」の仕事は大したものだね」
僕は名前が分からない六姉妹を「君」と呼んでやり過ごす事にしたよ。キミと呼ぶのなら上品な感じで良いかと、だって男爵だし。
「ありがとうございます、良き人。それで…… あの…… ご褒美を…… 少し具合が悪いようで……」
待て、待て、待て! この恥ずかしそうに言う仕草は「あれ」か!? 夜のコミュニケーションか!? しないとダメか。別にしたくない訳じゃないんだ本当に、ただ今はマズイ。ソフィアさんは、たぶん怒ってる。プリシラさんは、いつも怒ってる。
プリシラさんのハルバートは避けれても、ソフィアさんのプラチナレーザーを交わす自信がないぞ。光の早さを避けるなんてニュータイプくらいだ。今じゃないとダメなのか。
それにしないとダメか? 恋人だからって映画を見て帰るとか、食事をして別れるとかあってもいいんじゃないか? だが、今は無理だ。これ以上、時間を引き伸ばすとソフィアさんのメテオが降ってくる気がする。
影さんには明日まで我慢してもらおう。明日は朝から買い物をしてプレゼントを買う。その後をコミュニケーションの時間にして……
「申し訳有りません。今、会合を抜け出して来たばかりなので戻らなければなりません。また明日、会うことは出来ませんか。今日の埋め合わせはしますから」
影さんはガッカリしたようだったが、埋め合わせの言葉を聞いて顔を赤らめて帰って行った。ただで帰すのも悪いので、帰り際にきつく抱き締めて左手をお尻へ回した。
そうなったら出すでしょ、超振動。新しい物好きだし、面白そうな機械って男心をくすぐる。今はお尻をくすぐる。
「あぁあひゃぁ…っ!あああぁ……!んん…」
面白~。この超振動の左手は使えるじゃないか。このままどこまで行けるのか試したくなる。だって男の子だもん。
だが、同じ事をしても進歩がない。僕は後に回した手を前に。そしてパンツ越しに割れ目に滑らす。大丈夫か? このパンツは以外と厚手だぞ。超振動が上から通るのか。
超振動!
充分な魔力から発せられる左手の超振動は、パンツもショーツも貫通してダークエルフの一番敏感な所へ。
「は…っあぁぁ!あああっんんっ」
声がデカい! 暗がりとは言え街中だぞ! 右手は腰に回して忙しい。口を押さえるならキスだ! 躊躇う必要は見付からない。だって男の子だもん。
「ふぅ…っうぅん、ふぅ…ぅん…んんん」
絡み合う舌、容赦の無い秘部への超振動…… ここまでする必要なんて無かったのに、どうしてこうなったかな? 人生、色々あるもんだ。
「続きは明日ね」
不意に止めてしまった僕に名残惜しかったのか、キスだけは十分ほど続いた。街中でキスするようなリア充は僕だけど、代わりたい人はいるだろうか。
別れ際、「明日を楽しみにしています」とハードルを上げてくれた。そう言えば具合が悪いとかも言ってたね。これってもしかして……。
ソフィアさんに会う前にルフィナかオリエッタに聞かないといけないのかも。僕は宿屋に隠密で入ると宿屋の主人にルフィナを呼び出してもらった。ルフィナが来ると人通りの少ない所に、また連れ出した。
「ルフィナ、影の事を聞きたいのですが体が腐るのは本当ですか。定期的に体液を注入しないとダメとか」
「そうである」
そうじゃねぇんだよ。ぶり返す様だけど人の体を腐らせちゃダメだろ。しかし、あの場合は仕方がないか。殺されるか、拷問で殺されるか、真っ二つになって殺されるか、奴隷にしてから殺されるかの四択だったからね。
「定期的にって言いますけど期間はどれ位あるんですか一ヶ月とか一年とか」
「この前の時は六人で分け合っていたである。それなら二ヶ月くらいである。体液が濃かった場合でも半年くらいで腐り始めるのである」
今日、会った影さんに体液を注入したら半年は持つのか。その他の五人は近いうちに注入しないと腐るってことね。本当に腐ったのが好きなだけあるね。このゾンビ好きめ!
聞くことは聞いたから帰ろうとしたら、誘って来やがった。お前の順番はまだ先だ! 超振動喰らわすぞ! 今はソフィアさんの怒りを収めないと命に関わる。
またしても裏口から入って僕の部屋のドアを開けるとガタンと音がしてドアが部屋の方へ倒れた。そういえばスワットの突入があったんだっけ。
中に入るとプリシラさんとソフィアさんがベットに座って仲良く話をしている。この状況に戸惑いを隠せないが、このまま入ってもいいのだろうか。ここは死地だろうか。
「遅かったな、仕事は終わったのか」
笑顔のプリシラさんが怖ぇ。ハルバートは壁に立て掛けてあるから斬られる事はなさそうだけど。プリシラさんが部屋から立ち去る際に「ホドホドにな」と肩を叩いて言っていたが、心当たりが有りすぎて思い付かない。
「色々とすみません、もう何も無いですから」
「大丈夫ですよ。分かってるつもりですから」
何を分かっているのか、もちろん聞けない。僕はニトログリセリンを運ぶより優しくソフィアさんをベッドに押し倒し、軽く胸に触れた。
超振動!
やらない、やらない。左手には服越しでも伝わる胸の柔らかさ。このまま脱がすのが勿体ない。時間をかけてゆっくりと脱がしたい自分と、無理矢理にでも脱がしたい自分との、せめぎ合いが僕の心を惑わす。
クリスティンさんほどスタイルがいい訳でも無く、プリシラさんほど鍛えられている訳でも無いが、この心を引き寄せる物は何だろう。
言うならば「肉欲」とも言えるのか。抱き心地の良さそうな肉付き、愛くるしい顔、つぶらな瞳、貪り喰い尽くしたくなる。
胸を触っても服の上からでは頂点は見付からない。それならば探しに行こう、女体と言う森の中へ。
脱がすと、決めれば迷い出す心。脱がすのが勿体ない、脱がさないでヤりたい、着エロしたい、言い出せない。
「ソ、ソフィアさん……」
「いいんですよ。分かってますから……」
激しい振動を与えたら爆発するニトログリセリンは、僕を倒して覆い被さり、無造作にパンツを脱がせて引っかけた。
いつの間に大きくなっていたんだ、相棒は。ソフィアさんは力強く左手で握ると、これまた無造作に口に含んで舐め始める。
「う…ふぅぅん… うぅ!ううん…ん」
出来ればもう少し脱がしてからしたかったが、下半身だけを脱いだ僕の方が着エロをしているみたいだ。気持ちいいから構わないけどね。
その後、僕達は何も無かったの様に結ばれたが、ソフィアさんの全身がプラチナ色に輝いた時はあまりの美しさに見いってしまったよ。
神々しいとはソフィアさんの事を言うのだろう。ただ、プラチナ色に輝く時はレーザーの前触れの時が多い。このままソフィアさんという鞘に収まった僕のバスターソードが消し炭になるのではないかと、内心ヒヤヒヤしていた。
コアトテミテスの朝は早い。と言うより騒々しい。何かあったのか。 ……あれ?
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