異世界に来たって楽じゃない

コウ

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第二百五十五話

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 思わぬ得たシチュエーションに心を揺さぶられ、僕は腰を揺さぶった。
 
 
 「良き人……」
 
 やっと起きたのか。まったく、いつまで寝てるのやら困った娘だ。寝てしまったイリスを起こそうと、何度も腰を揺さぶったのが悪かったかな。今度からは肩を叩いて起こすね。
 
 「イリスはドゥイシュノムハルトに行ってアシュタールとロースファーに報告を、僕は女王陛下に会ってくるよ」
 
 「は、はい……」
 
 ホットパンツは失敗だったかな。流れ出てくる白い液体が見えてしまいそうだよ。僕はイリスにブランケットをかけて神速で城に向かった。
 
 
 
 「好機じゃないか!    女王陛下、今こそアンハイムオーフェンを攻めるべきです」
 
 口は災いの元って誰かが言ってたね。沈黙は金なりとも言ってたね。正直者の僕は知り得た全ての情報を報告した。もちろん、アンハイムは罠である事も言ったし、イリスのホットパンツは脱がさないで、横から刺し込んだ事は言ってない。
 
 「罠だと言った筈だ。魔王軍は待ち構えている!」
 
 「現にアンハイムに配備された魔王軍の数は少ない。罠だとしても数が少ない今なら勝機もある!」
 
 「誘い込もうとしてるのが分からないのか!?    物資の量は他の都市と変わらないんだ!」
 
 「それだからこそ、集まる前に攻め落とす。罠を仕掛ける前に攻めれば良い!」
 
 「この情報だって……」
 
 「もういいです!」
 
 だからさ、僕が言い終わってから止めようよ。「この情報だって、昨日のものだ。今日にも軍勢が集まっていたらどうする!?    ハルモニアの騎士が進軍するまでに、どれくらいかかる!    もう少し先を見ろよ!    バーカ、アーホ、マヌケ!」と、取り敢えず心の中では言い切った。
 
 「アンハイムオーフェンはアシュタールの援軍を待ってからと決めたでしょ。罠であろうと無かろうと、今は打って出る事はなりせん!」
 
 「女王陛下!」
 
 謹慎、解雇、クビ、死刑。僕のアンネちゃんに逆らうなんて、市中引き回しのうえ、打ち首獄門、笑い死に。くすぐって、笑わせて、死ぬ事なんてあるのだろうか?    試してみたいよ、ユーマ君で。
 
 「今は自重しなさい。魔王軍とて二都市を落とされ守りに入っているようです。アンハイムオーフェンは罠だと思いますよ」
 
 最後に満面の笑みを終止符に、この話は終わった。ユーマバシャールも納得はしていない様だが、女王陛下の命令には背けないだろう。
 
 後は数の減った殲滅旅団の補充をマノンさんに任せて、シュレイアシュバルツに戻ろう。居ない間に勝手をされては困るからね。僕はアンネリーゼ女王陛下に別れのキスをし……    別れの挨拶をして部屋を出た。
 
 
 
 そして僕は空になった、お家にお邪魔させてもらってる。カビた部屋より城の冷たい壁より、暖かい家の温もりと、必死なくらいの形相のサキュバス達を断れなかったからだ。
 
 女王陛下の部屋を出た時に調整官として報告に来た五人は、いつの間にか増えだし、いつの間にかサキュバス達が居座っている部屋に連れ込まれ、いつの間にか脱がされた。
 
 神と崇め称えられる僕の話は通る筈も無く。神様の意向をまったく無視したパーティーが始まった。もちろん勇者としての仕事が優先だ。サキュバス達に仕事を与え連合軍が上手く機能するようにしないといけない。
 
 「しようよぅ……」
 
 「調整官としての仕事……」
 
 「そんなのしないよぅ。したいのは裸の突き合いだよぅ」
 
 お前、突き合いって言ったろ。調整官として付き合ってきてるのか?    必要なら肌も見せて抱かれて来いよ。それこそ、サキュバスって者だろ。色仕掛けで仕事をして来い!
 
 「お前なぁ……」
 
 「ウソ、ウソ。ちゃんとしてきたよぅ。人間の男なんて他愛もないよぅ」
 
 仕事をして来たのなら良しとしよう。この連合軍を影でまとめているのは、サキュバスの力が大きい。これからも役にたってもらわないとね。
 
 僕も勇者としての仕事をしないと。ここでは、サキュバスの中では神様扱いなのに、不遇に感じるのはなぜなのだろう。
 
 マウントを取られ両手に華、これはいい。少し冷たいが肌の、特に胸の感触が心地よい。両足ににも華。これも、まぁ、いいだろう。股間を擦り付けて来るのには参ったが……
 
 首の華。この後ろのサキュバスさん。締めてますよ~。少し力を入れすぎじゃないですか~。だが、問題はそこでは無い。背中に当たる二つの感触が乏しい事なんだ……
 
 「リアさん……    後ろの方は……」
 
 「男にも色んな趣味がいるんだよぅ。貧乳好きもいるんだよぅ」
 
 それもいるだろう。だが、僕は違う!    僕はふくよかな胸がいいんだ。顔を埋められるくらいの胸が、僕は欲しい。
 
 「と、とりあえず。神様扱いには程遠い様な気がするんですけど……」
 
 「ミカエルは全サキュバスの神だよぅ。普通の人間なら一人でも殺せるのに二十人のサキュバスを相手に生き残るなんて神様だよぅ」
 
 「雑……    ですよね。それに後ろの人もですけど、何人か見慣れないサキュバスがいますけど……」
 
 「呼んだんだよぅ。全てのサキュバスはミカエルに使える為に存在するんだよぅ」
 
 呼ばないでくれ、頼むから。調整官として雇ったサキュバスは二十五人。ここに見知らぬサキュバスが四人。大陸中のサキュバスを呼ぶ気か!?    今度こそ死ねそうだ……
 
 「勝手な事をして……    給料は出ませんからね!」
 
 「大丈夫だよぅ。お給料なんて出さなくても……    ミカエルが出すのは別物だよぅ」
 
 別物と聞いてゾッとする。お前ら一回で満足しないだろ!    何回出せば満足するんだよ!    出し過ぎて干からびて、死ぬ事はあるのだろうか。
 
 「リアさん……    こうやって押さえ付けなくて、もっと愛のある様にしませんか?」
 
 「愛よりも硬くしてくれれば、ミカエルはいいんだよぅ」
 
 サキュバスは既に脱いで全裸だ。それはとても魅力的で襲いたくなるくらいだ。だが、それには着エロという至高の存在がいないんだ。
 
 僕としては、着たまましたい。脱がす所は脱がし、合意の元に破る所は破る。そういった、過程を僕は楽しみたいんだよ。脱いで、刺して、腰を振って、出して、そんなのなんて色気が無さ過ぎだよ。
 
 リアが覆い被さって濃厚なキスを求めてきた。もちろん僕も反撃をする。唇を閉じて歯を食いしばって我慢の限界を待つより、迎撃するのが一番だ!
 
 二人で舌を絡めて酔いしれる。リアの唾液には何か秘密があるのだろうか、相棒さんも起き出した。
 
 「これ、これだよぅ」
 
 濡れているのか分からぬまま、リアは相棒を握ると自分の秘部に宛がって、そのまま腰を降ろした。
 
 「あっあぁ…    これだよぅぅ……」
 
 四肢の自由は奪われ、首さえも後ろから羽交い締めされ、僕は成すすべき事も無くヤられまくらない!    バカめ!    神を侮る不届きものめ!    神罰を受けるがよい!
 
 僕は悪魔の血を使って、突き刺さるペティナイフをバスターソードにトランスフォームさせた。
 
 「あっ、がっ…    あっあぁぁ」
 
 動けなくても僕は戦えるんだ!    そそり立つバスターソードに幾重にも「カリ」を作った。その数は五個。きっと素で見たら先端以外はリング状に相棒の周りを膨らんでいるのだろうが、僕はこれを前後に動かせるんだ!
 
 いくぜ!    神速で動き出すリングカリ。大きさも自由自在、中を抉り倒してやる。それと同時に左手にまとわりついている先にねには触手義手を伸ばして秘部に五本とも突き刺した。
 
 突き刺したリングカリは通常の神速の五倍の攻撃力を示し、触手義手に至ってはショットガンの様に中で散らばったりスポットを神速で連打した。
 
 「あっ…  あっ…  あっ…」
 「がっ…  がっ…  がっ…」
 
 先に倒れたのはショットガンをもらった方か……    耐えた方だと思うよ。中からショットガンで撃たれて、ぐちゃぐちゃになった所を五指の連打だったからね。
 
 「ミ、ミカエル……」
 
 さすがはサキュバスをまとめているだけの事はある。五倍の神速に当たるリングカリの攻撃を受けて意識があるとはね。
 
 「天国に行きな」
 
 神速、モード・ツー。五本のリングカリ十倍の神速モード・テンと、同等の破壊力をリアの中で発揮した。
 
 「……ぁ」
 
 微かな言葉を発して口から泡を吐き出すリア。昔、歯磨きの最後に「うがい」をして、上を向いて限界までと泡を出したら親に怒られたっけ。今は誰も怒ったりしないから、気の済むまで泡を出すといいよ。
 
 倒れ行くリアに刺さった相棒をペティナイフサイズに戻せば、ヌルリと抜け落ちベッドから落ちていく。上の口も下の口も泡立ってるよ。触手義手の餌食になったサキュバスも降ろして……
 
 間髪入れずに食い付く、左足にまとわり付いていたサキュバス。舐めだし、吸い付き、サイズアップを謀っているのか。
 
 安心して下さい。魔力はありますから。触手義手を伸ばして頭を押さえ付け詠唱を開始。今度はサイズはバスターソードだけれど、太さは無い。だが、リングカリは健在だ。
 
 神速、リングカリ!
 
 まるでイマラチオを、喉の奥までバスターソードサイズで喰らったサキュバスは白目を向いて絶命した。喉の奥の奥に出した液体で溺れなければいいけど。
 
 左足でベッドの下に払い落とし、触手義手は僕の背中に回っている、貧乳サキュバスを抱き締める様に僕の上に乱暴に乗せた。
 
 「新顔さんかな?    お名前は?」
 
 「あ……    レヒニタと言い……    あっ!」
 
 最後まで聞く事も無く突き刺さるバスターソード。レヒニタちゃんのサイズには無理過ぎるサイズのバスターソード、リングカリ付き。
 
 神速、モード・ツー!    リングカリ!
 
 モード・テンと同様の威力に一秒と持たなかったレヒニタちゃん。初めての、しかもサイズが合ってない相棒に興奮を覚えるより先に気を失った。
 
 
 さて、後は何人だ?    全員、無事にこの部屋を出れるとは思うなよ。お前らはここで死ぬまで刺し殺す。    ……あれ?    愛はどこにいった?
 
 
 
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