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11,米田優平
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夜の8時を過ぎた頃にトントンと部屋の戸をノックされる音に気づいた。食堂でご飯を済ませてテレビを見ていた時の事だった。
勝田くんかな。
正直、朝見た時の顔色が良くなくて心配していた。話しやすい雰囲気にしようと、少し茶化してみても余計に血の気が引いて行くのが怖くて柄になく慌てた。
時間も経ったし、全部言っちゃったほうが楽な事もあるんだけどな。
なんて思いながら扉を開けて、顔を見た瞬間にバタンと戸を閉めた。
「なぁに〜?!??!優ちゃん酷くない?!」
そいつは少し地の声でそう言ってドンドコドンと扉を叩き始める。幼馴染で腐れ縁の岐矢部俊和だ。何故かこいつとは幼稚園から大学までずっと一緒。そっちの気があるものの、話しやすいし楽な人間だ。パッと見金髪の細マッチョ優男だから第一印象はそれなりにモテる。彼の良いのは大学にほど近いマンションに部屋を借りている事、入学祝いで買ってもらった車を持っていることだ。女との面倒の後は泊めてもらったりと、ちょくちょく厄介になっている。
「お前だと分かってたら居留守したわ!」
「ひどいひどい!!アンタが惚れたって子見に来たんじゃない!見せなさいよ!!」
扉に背を付けて知らんぷりをしていると、ドア越しに「あの…」という遠慮がちな声がした。低い、聞いてて安心する勝田くんの声だ。どうやら俊に話しかけているらしい。
「米田先輩、忙しいんですか?ならまた…」
「あら……優ちゃん?」
「忙しくない!!!!僕忙しくないよ!!!!」
バンっと扉を開ければ、勝田くんの上から下までじーっと見つめている俊と、その視線に居心地悪そうにしてる勝田くんがいた。困ってるじゃん!可哀想に。
僕が出て来てホッとした顔になった気がするが、勝田くんただでさえあんま顔変わらないから分かりづらい。
俊は俊で顎に手をつけて「なかなかね」と値踏みしていた。彼は筋肉フェチだ。
「昨日渡そうとしていて忘れてました…すみません。お土産というか…実家の近くで有名だったお菓子屋のなんですが…」
そう言って彼は紙袋を差し出してきた。覗けば、なんか高そうなガラスの瓶入りプリンが4つ入っている。
「俺が好きなんで買ってきてたんですが、甘いの大丈夫ですか?」
少し眉を下げながらそう言ってきた。
「えー!!全然大丈夫!!!ありがとう!」
普段甘いのはほとんど食べないが、勝田くんが美味しいって思うなら美味しいんだろう。横から覗いてきた俊が
「あらーー!!これ人気の奴じゃない!アナタなかなかいいセンスしてるわ!」
と貰った訳でもないのにキャッキャと喜んでいる。………あげないからな?
「良かったらお二人で食べて下さい。じゃ、おやすみなさい」
「え、ちょっ待ってよ」
そう言って彼は部屋に下がろうとしたが、慌ててその手を引っ張る。一瞬その手がビクッと震えた気がした。
目を大きく見開いている勝田くんに僕はニコリと笑う。
「良かったら君も食べない?」
「え、でも…」
「そーよそーよ!アタシもアナタともっと喋ってみたいし!」
お前も来る気か、俊。でもまぁ先輩二人相手には断りづらかったらしく「失礼します」と言って折れてくれたから良しとしよう。
ただしプリンはやらん!
勝田くんかな。
正直、朝見た時の顔色が良くなくて心配していた。話しやすい雰囲気にしようと、少し茶化してみても余計に血の気が引いて行くのが怖くて柄になく慌てた。
時間も経ったし、全部言っちゃったほうが楽な事もあるんだけどな。
なんて思いながら扉を開けて、顔を見た瞬間にバタンと戸を閉めた。
「なぁに〜?!??!優ちゃん酷くない?!」
そいつは少し地の声でそう言ってドンドコドンと扉を叩き始める。幼馴染で腐れ縁の岐矢部俊和だ。何故かこいつとは幼稚園から大学までずっと一緒。そっちの気があるものの、話しやすいし楽な人間だ。パッと見金髪の細マッチョ優男だから第一印象はそれなりにモテる。彼の良いのは大学にほど近いマンションに部屋を借りている事、入学祝いで買ってもらった車を持っていることだ。女との面倒の後は泊めてもらったりと、ちょくちょく厄介になっている。
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「ひどいひどい!!アンタが惚れたって子見に来たんじゃない!見せなさいよ!!」
扉に背を付けて知らんぷりをしていると、ドア越しに「あの…」という遠慮がちな声がした。低い、聞いてて安心する勝田くんの声だ。どうやら俊に話しかけているらしい。
「米田先輩、忙しいんですか?ならまた…」
「あら……優ちゃん?」
「忙しくない!!!!僕忙しくないよ!!!!」
バンっと扉を開ければ、勝田くんの上から下までじーっと見つめている俊と、その視線に居心地悪そうにしてる勝田くんがいた。困ってるじゃん!可哀想に。
僕が出て来てホッとした顔になった気がするが、勝田くんただでさえあんま顔変わらないから分かりづらい。
俊は俊で顎に手をつけて「なかなかね」と値踏みしていた。彼は筋肉フェチだ。
「昨日渡そうとしていて忘れてました…すみません。お土産というか…実家の近くで有名だったお菓子屋のなんですが…」
そう言って彼は紙袋を差し出してきた。覗けば、なんか高そうなガラスの瓶入りプリンが4つ入っている。
「俺が好きなんで買ってきてたんですが、甘いの大丈夫ですか?」
少し眉を下げながらそう言ってきた。
「えー!!全然大丈夫!!!ありがとう!」
普段甘いのはほとんど食べないが、勝田くんが美味しいって思うなら美味しいんだろう。横から覗いてきた俊が
「あらーー!!これ人気の奴じゃない!アナタなかなかいいセンスしてるわ!」
と貰った訳でもないのにキャッキャと喜んでいる。………あげないからな?
「良かったらお二人で食べて下さい。じゃ、おやすみなさい」
「え、ちょっ待ってよ」
そう言って彼は部屋に下がろうとしたが、慌ててその手を引っ張る。一瞬その手がビクッと震えた気がした。
目を大きく見開いている勝田くんに僕はニコリと笑う。
「良かったら君も食べない?」
「え、でも…」
「そーよそーよ!アタシもアナタともっと喋ってみたいし!」
お前も来る気か、俊。でもまぁ先輩二人相手には断りづらかったらしく「失礼します」と言って折れてくれたから良しとしよう。
ただしプリンはやらん!
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