転生したらポメガバースの悪役令息だったので逃げたはずが、大きな愛に捕まりました

恋白もも

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「――殿下、俺が責任を持って彼の資格を奪います」
「っ!?」


 予想外の人物に僕は目を見張る。
 攻略対象者の一人、辺境伯令息のハルトムート様が声を上げた。銀髪をひとつに結び、海のように深い青の瞳、通った鼻筋、がっしりとした体躯はこんな時なのに見惚れてしまうほど格好いい。



「そうか――これを使うといい」

 ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて、第一王子がハルトムート様に何かを投げ渡した。シャンデリアの灯りに照らされて、キラキラ光りながら、ハルトムート様がそれを受け取る。


「――ご配慮、痛み入ります」


 ピンク色の液体の入った小瓶の蓋を開ける音が、かすかに響いた。ハルトムート様が僕に近づき、顎に手をかける。

(えっ!? 何……!?!?)

 上を向かされて深い青の瞳と、ダークブラウンの自分の瞳が見つめ合ったと思ったと同時に口を塞がれた。



「――っ!?」

 ぬるりとした舌が僕の唇をこじ開け、とろりとした液体を無理やり流し込まれた。息もできず、思わず飲み込んでしまったのを確認すると、ハルトムート様の唇がゆっくりと離れていく。

(今……キスされた!? ぼ、僕の初キス……!)

 そんなことを考えている余裕も束の間、身体が熱くなってきた。息が浅くなり、衣擦れをするたびに甘い刺激が全身を震わせる。

(これ、もしかして媚薬……?)


「んっ…………」
「――殿下、失礼いたします」
「ああ、たっぷり可愛がって、オレの前に二度と現れられないようにしてやれ」
「お任せください。二度と殿下の前に顔を出させることはありません――では」


 ハルトムート様が第一王子と会話を交わしているが、何を話しているのか耳に入る余裕がない。


「レイ、少しの我慢だ」



「んぁ……っ」

 突然の浮遊感に驚き、思わず変な声が漏れた。
 ハルトムート様にお姫様抱っこされている。その事実に羞恥が一気に襲ってくるのに、洋服越しに伝わる体温がお腹の奥をむずむずと疼かせて仕方ない。
 たまらずハルトムート様の太い首に腕を巻き付けてやり過ごそうとするのに、歩き始めた振動で衣擦れが起こり甘い刺激が止まらない。


「んっ……はぁ、ぁん……」


 甘い吐息しか漏れてこない。お腹の奥が疼き、何かを強く欲しがっている。
 どれだけ時間が経ったのかもわからないまま、ふわふわと揺られながら、どこかへ運ばれていく。ハルトムート様の腕の中で、熱い体温と鼓動だけ感じていたら、柔らかなベッドの上に下ろされる。その動きで、僕の黒髪がシーツに広がって乱れた。
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