3 / 12
3
「――殿下、俺が責任を持って彼の資格を奪います」
「っ!?」
予想外の人物に僕は目を見張る。
攻略対象者の一人、辺境伯令息のハルトムート様が声を上げた。銀髪をひとつに結び、海のように深い青の瞳、通った鼻筋、がっしりとした体躯はこんな時なのに見惚れてしまうほど格好いい。
「そうか――これを使うといい」
ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて、第一王子がハルトムート様に何かを投げ渡した。シャンデリアの灯りに照らされて、キラキラ光りながら、ハルトムート様がそれを受け取る。
「――ご配慮、痛み入ります」
ピンク色の液体の入った小瓶の蓋を開ける音が、かすかに響いた。ハルトムート様が僕に近づき、顎に手をかける。
(えっ!? 何……!?!?)
上を向かされて深い青の瞳と、ダークブラウンの自分の瞳が見つめ合ったと思ったと同時に口を塞がれた。
「――っ!?」
ぬるりとした舌が僕の唇をこじ開け、とろりとした液体を無理やり流し込まれた。息もできず、思わず飲み込んでしまったのを確認すると、ハルトムート様の唇がゆっくりと離れていく。
(今……キスされた!? ぼ、僕の初キス……!)
そんなことを考えている余裕も束の間、身体が熱くなってきた。息が浅くなり、衣擦れをするたびに甘い刺激が全身を震わせる。
(これ、もしかして媚薬……?)
「んっ…………」
「――殿下、失礼いたします」
「ああ、たっぷり可愛がって、オレの前に二度と現れられないようにしてやれ」
「お任せください。二度と殿下の前に顔を出させることはありません――では」
ハルトムート様が第一王子と会話を交わしているが、何を話しているのか耳に入る余裕がない。
「レイ、少しの我慢だ」
「んぁ……っ」
突然の浮遊感に驚き、思わず変な声が漏れた。
ハルトムート様にお姫様抱っこされている。その事実に羞恥が一気に襲ってくるのに、洋服越しに伝わる体温がお腹の奥をむずむずと疼かせて仕方ない。
たまらずハルトムート様の太い首に腕を巻き付けてやり過ごそうとするのに、歩き始めた振動で衣擦れが起こり甘い刺激が止まらない。
「んっ……はぁ、ぁん……」
甘い吐息しか漏れてこない。お腹の奥が疼き、何かを強く欲しがっている。
どれだけ時間が経ったのかもわからないまま、ふわふわと揺られながら、どこかへ運ばれていく。ハルトムート様の腕の中で、熱い体温と鼓動だけ感じていたら、柔らかなベッドの上に下ろされる。その動きで、僕の黒髪がシーツに広がって乱れた。
「っ!?」
予想外の人物に僕は目を見張る。
攻略対象者の一人、辺境伯令息のハルトムート様が声を上げた。銀髪をひとつに結び、海のように深い青の瞳、通った鼻筋、がっしりとした体躯はこんな時なのに見惚れてしまうほど格好いい。
「そうか――これを使うといい」
ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて、第一王子がハルトムート様に何かを投げ渡した。シャンデリアの灯りに照らされて、キラキラ光りながら、ハルトムート様がそれを受け取る。
「――ご配慮、痛み入ります」
ピンク色の液体の入った小瓶の蓋を開ける音が、かすかに響いた。ハルトムート様が僕に近づき、顎に手をかける。
(えっ!? 何……!?!?)
上を向かされて深い青の瞳と、ダークブラウンの自分の瞳が見つめ合ったと思ったと同時に口を塞がれた。
「――っ!?」
ぬるりとした舌が僕の唇をこじ開け、とろりとした液体を無理やり流し込まれた。息もできず、思わず飲み込んでしまったのを確認すると、ハルトムート様の唇がゆっくりと離れていく。
(今……キスされた!? ぼ、僕の初キス……!)
そんなことを考えている余裕も束の間、身体が熱くなってきた。息が浅くなり、衣擦れをするたびに甘い刺激が全身を震わせる。
(これ、もしかして媚薬……?)
「んっ…………」
「――殿下、失礼いたします」
「ああ、たっぷり可愛がって、オレの前に二度と現れられないようにしてやれ」
「お任せください。二度と殿下の前に顔を出させることはありません――では」
ハルトムート様が第一王子と会話を交わしているが、何を話しているのか耳に入る余裕がない。
「レイ、少しの我慢だ」
「んぁ……っ」
突然の浮遊感に驚き、思わず変な声が漏れた。
ハルトムート様にお姫様抱っこされている。その事実に羞恥が一気に襲ってくるのに、洋服越しに伝わる体温がお腹の奥をむずむずと疼かせて仕方ない。
たまらずハルトムート様の太い首に腕を巻き付けてやり過ごそうとするのに、歩き始めた振動で衣擦れが起こり甘い刺激が止まらない。
「んっ……はぁ、ぁん……」
甘い吐息しか漏れてこない。お腹の奥が疼き、何かを強く欲しがっている。
どれだけ時間が経ったのかもわからないまま、ふわふわと揺られながら、どこかへ運ばれていく。ハルトムート様の腕の中で、熱い体温と鼓動だけ感じていたら、柔らかなベッドの上に下ろされる。その動きで、僕の黒髪がシーツに広がって乱れた。
あなたにおすすめの小説
ハードモードな異世界で生き抜いてたら敵国の将軍に捕まったのですが
影原
恋愛
異世界転移しても誰にも助けられることなく、厳しい生活を送っていたルリ。ある日、治癒師の力に目覚めたら、聖堂に連れていかれ、さらには金にがめつい師によって、戦場に派遣されてしまう。
ああ、神様、お助けください! なんて信じていない神様に祈りを捧げながら兵士を治療していたら、あれこれあって敵国の将軍に捕まっちゃった話。
敵国の将軍×異世界転移してハードモードな日々を送る女
-------------------
続以降のあらすじ。
同じ日本から来たらしい聖女。そんな聖女と一緒に帰れるかもしれない、そんな希望を抱いたら、木っ端みじんに希望が砕け散り、予定調和的に囲い込まれるハードモード異世界話です。
前半は主人公視点、後半はダーリオ視点。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
もちもちほっぺ
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件
りわ あすか
恋愛
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
以後、
寝室は強制統合
常時抱っこ移動
一秒ごとに更新される溺愛
妻を傷つける者には容赦なし宣言
甘さ過多、独占欲過剰、愛情暴走中。
さらにはリーリアを取り戻そうとする実家の横槍まで入り――?
自己評価ゼロの健気令嬢と愛が一分も我慢できなかった最強騎士。
溺愛が止まらない、契約結婚から始まる甘すぎる逆転ラブコメ
拝啓、聖騎士様。もうすぐ貴方を忘れるから離縁しましょう
花虎
恋愛
「はぁ?嫁に逃げられたぁ!?」
世界を救った召喚聖女リナリアと彼女を守り抜いた聖騎士フィグルドは世界に祝福されて結婚した。その一年後、突然リナリアは離縁状を置いてフィグルドの元を去った。
両想いで幸せだと思っていたフィグルドは行方不明になった妻を探し出すが、再会した彼女は、自分に関する記憶を全て、失っていた。
記憶を取り戻させたいフィグルドに対して、リナリアは困惑する。
「……でも、私は貴方のことを忘れたくて忘れたのかもしれないですよ?」
「もし君が、俺のことを忘れたくて忘れたとしても……、記憶を取り戻せなくても……俺は君に心を捧げている」
再び愛する彼女と共に生きるため、記憶の試練が始まる――――。
夫のことだけ記憶を失った妻の聖女リナリア(21)×両想いだと思い込んでいた夫の聖騎士フィグルド(24)のすれ違い追いかけっこラブコメ
番が逃げました、ただ今修羅場中〜羊獣人リノの執着と婚約破壊劇〜
く〜いっ
恋愛
「私の本当の番は、 君だ!」 今まさに、 結婚式が始まろうとしていた
静まり返った会場に響くフォン・ガラッド・ミナ公爵令息の宣言。
壇上から真っ直ぐ指差す先にいたのは、わたくしの義弟リノ。
「わたくし、結婚式の直前で振られたの?」
番の勘違いから始まった甘く狂気が混じる物語り。でもギャグ強め。
狼獣人の令嬢クラリーチェは、幼い頃に家族から捨てられた羊獣人の
少年リノを弟として家に連れ帰る。
天然でツンデレなクラリーチェと、こじらせヤンデレなリノ。
夢見がち勘違い男のガラッド(当て馬)が主な登場人物。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
世話焼き幼馴染と離れるのが辛いので自分から離れることにしました
小村辰馬
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢、エリス・カーマインに転生した。
幼馴染であるアーロンの傍にに居続けると、追放エンドを迎えてしまうのに、原作では俺様だった彼の世話焼きな一面を開花させてしまい、居心地の良い彼のそばを離れるのが辛くなってしまう。
ならば彼の代わりに男友達を作ろうと画策するがーー
義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。ユリウスに一目で恋に落ちたマリナは彼の幸せを願い、ゲームとは全く違う行動をとることにした。するとマリナが思っていたのとは違う展開になってしまった。