転生したし気楽にヤろうよ

神夜帳

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第3話 快楽の蜜

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 夕食を済ませ、満月の青白い光が窓からさしこむころ。
 広い寝室のテーブルに置かれたワイングラスが2つ。
 レオンは懐かしそうに目を細めながら手に持ったワインボトルのラベルを眺めた。
 ラベルには、1st Anniversaryと書かれていた。
 レーヴァテインのサービス開始一周年記念にプレイヤーに配られたイベントアイテムだ。
 開けようと考えたところで、ベルがオープナーを持ってきてくれた。
 笑顔で受け取るレオン。

 ポンっ

 音と共にフルーティーな香りが室内を彩り、ベルのグラスが赤く満たされていく。

「大事にされていたワインをよろしんいですか?」

 グラスに注がれていく赤ワインを見つめ口を開くベル。
 ストレージを管理していたベルにとって、そのワインが主にとってどれだけ大事なものか痛いほどわかっている。
 眉尻を下げた戸惑いの表情には、自分なんかにいいのだろうかという戸惑いの色が浮かんでいる。

 レオンは爽やかににこっと笑う。

「あぁ。今日は特別な日だからな」

 最初からオーバーワーク前提の仕事量を無理やり押し付けられて、生きながらに死んでいた日々、ふと最期の瞬間が頭をよぎった。
 誰もいない一人だけの部屋、PCモニターに映ったレーヴァテインのプレイ画面。
 急に胸が苦しくなってきたかと思えば……。

(まぁ、過労だな……)

 本当にあった異世界転生。
 本当にあった最初から最強の状態。
 目の前には心血注いで生み出した獣耳の女の子。
 その女の子は、自分を愛しているという。

 赤く満たされたワイングラスは、シーリングライトの穏やかな光に照らされて、テーブルに揺らめく赤い影を映し出す。

 二人はグラスを手にとって、少し上に掲げる。

「新たな門出に」

 レオンが静かに言うと、ベルは微笑みで返した。

 ソファに二人で並んで座って、窓の景色を見つめながら今までの日々の様子をぽつぽつと語り合う。
 大きな満月の光の下には、よく手入れされた植物園のような庭が、そして、その先は似たようなデザインの白を基調とした家々、遠くには池の水面がきらめいている。

(なんか緊張するな……)

 気持ちより先に身体が結ばれた。
 あのときは、転生の混乱と勢いに任せてしまったが、落ち着いた今、理想の美女と並んで酒を酌み交わしているという夢のような状況。
 現実でこんなことは起きなかった。

(こっからどうしたらいいんだろ……)

 しかし、横に目をやれば、ワインを小さな口でちょっとずつ飲みながら、嬉し気に尻尾を揺らすベルの姿。
 揺られた尻尾は、時折、レオンの腕をさわさわと撫でていく。

「しっぽ……」

 光に照らされて、柔らかく、そして、さらさらと輝き流れる毛並みは、思わず撫でたくなる魅力にあふれている。

「あっ! ごめんなさい。しっぽ……。はしたないですよね」
「えっ!? あっ、いや、そういうつもりで言ったのではなく! な、撫でてもいいだろうか」

 レオンの言葉に、ベルは口に手をあてて目をまん丸にしている。
 そんなに、いけないことを言っただろうか。
 しかし、ベルはすぐに目を細めて、おずおずと口を開いた。

「ど、どうぞ……」

 ふぁさっとレオンの手の位置に差し出される狼のふさふさとした尻尾。
 お尻の付け根から先にかけてだんだん太くなっていくもふもふとした尻尾。
 ベルの顔を見れば、照れくさそうに目を細めながら、眉は穏やかなアーチを描いていてまんざらでもなさそう。

「じゃあ、遠慮なく……」

 無造作に尻尾の真ん中ほどから、尾先へゆっくりと手を滑らせる。
 さらさらと、しかし、わずかな反発。それは、まるで上等な絨毯や毛布のよう。

「どうですか? 私の毛並みは」
「あぁ、とっても触り心地がいい。病みつきになりそうだ」
「良かったです……」

 ベルの顔がほのかに上気しているのは、まるでジュースのように甘く口当たりの良いワインのお陰か……。
 レオンは毛を逆なでないように、尾の先端まで撫でると、また真ん中ほどに手を戻して繰り返し撫でる。

「病みつきになりそうだ」
「ふふっ。旦那様……撫で方がお上手ですね……」

 ベルの穏やかな微笑みは安らぎに満ちていく。

「あ、あの。私も旦那様の髪を撫でてもよろしいでしょうか?」

 おずおずと上目遣いのお願いにレオンは微笑んで少し頭をかがませる。
 本当に触ってもいいのか?
 そんな逡巡がみてとれるように、ベルの手はいくらか目の前で空を切った後にようやく髪に触れた。

「ふふっ。ふわふわでさらさら……まるでひよこみたい」
「ひよこ?」
「だって、綺麗なブロンドの髪なんですもの」
「それで、例えがひよこか?」
「おかしいですか?」
「ちょっとおかしいかも……」

 レオンの青い瞳、ベルの黒い瞳。
 二つの瞳は穏やかに見つめ合い、そして、くすくすと笑った。

 寝室の少しぴりっとした固い空気がほぐれていく。

「旦那様はお空みたいですね」
「空?」
「太陽みたいに綺麗なブロンドに、空みたいに澄んだ青い瞳。綺麗……」
「ひよこから太陽に出世したか」
「ひよこがお気に召してないようでしたので」
「そんなことないさ」
「本当ですか?」

 髪を撫でるベルの顔は自然とレオンの顔に近づいていく。
 ベルの小さく淡い唇にレオンの目が奪われるころ、二人は見つめ合ってから微笑み、やがて、唇は自然と重なった。


 淡い熱が交錯する。
 この感情は、幸せ、安らぎ、きっと安心が強い。

 わずかな熱の重なり、弛緩するからだ。
 じょじょに膨らむ色のある感情とペニス。

 永遠に感じて数秒の口づけ。
 互いに名残惜しそうに顔を離す。

 一瞬の間。
 見つめ合う青と黒。
 もう止められない。もっと熱を感じたい。

 レオンの感情を匂いで感じ取ったのか、ベルの目じりが緩む。
 愛おしい――。

 レオンはぐいっとベルの身体を寄せて、力強く抱きしめながら、その唇を貪った。
 舌をねじ入れ、抵抗されないとみるや、ベルの舌に絡める。
 ベルも応えて、互いに絡め合う舌。
 レオンの求めに必死に応じるベル。
 二人の間で熱は重なり合い、身体のあちこちがぴったりと張り付いていく。
 布越しに感じる熱は、女の甘い香りをレオンの鼻に運ぶ。

 ちゅぱっ。ちゅっ。
 探る舌。応える唇。
 しっとりと濡れていく二人の空気。

 淫靡な音の響きに頭が熱くなりながら、レオンの手は自然とベルのメイド服の背中のチャックを下ろさせた。

 ジッ、ジィー。

 ちゅっ、ぴちゃ……。

 二人以外誰もいない空間に響く音。
 露になる背中の肌を手で撫でる。

「うんっ……」

 ベルが小さくうめいて顔を離した。
 熱のこもった吐息がレオンの胸元をくすぐる。
 もう、ベルの顔に穏やかな表情はない。
 嬉しそうに上気した顔、その黒い瞳は妖しく、そして、目に見えない火がともっている。

 レオンがベルの首筋を甘噛みすると、びくびくと一瞬跳ねる女体。

「いやっ、恥ずかしい……んっ」

 甘えるようにくすぐったい声をあげると、レオンのシャツのボタンをはずすベル。
 それからは、二人で露出した肌を、まるで勝負かのように愛撫しながら、互いに服を脱ぎ捨てながらベッドに移った。

 カラスの濡れ羽色のような艶やかな長い髪が流水のように流れ広がり、穏やかな月光をうつした光はまるで銀河の星々をうつしとったかのよう。
 豊かな胸にきゅっとしまった腰、そしてすらりと伸びる手足。
 自分が作り出したものが、生きた人間として、熱をもって目の前にいる。



「綺麗だ……」

 レオンのつぶやきに、ベルは照れくさそうに顔を伏せ、片手で火照った頬を冷ますようにあてる。
 目はうれし涙だろうか、たまった涙がこぼれそうで、光をゆらめかしている。

「よく見せて……」

 ベルの頬をおさえる手を優しく握りしめ、露になった顔をじっと見つめる。
 長いまつ毛の向こうの黒い瞳のさらに奥を……。

 この人の全てが欲しい――。

 レオンの唇が、照れるベルの唇を再び奪い、頭の後ろにびりびりしたものを感じながら、そのままベッドに押し倒す。

「あぁ、旦那様……」

 レオンの手がベルの胸の大きな双丘を下から優しくもむ。
 柔らかな弾力と、大きさに見合った重さは、レオンの手の動きに合わせて柔軟に形を変える。
 その頂には桃色のつぼみ。
 レオンは本能に赴くままに、そのつぼみをそっと口に含んだ。

「あっ……」

 ベルから漏れる桃色の吐息。
 そっと優しく、ゆっくり転がす。
 左手はもう一方の胸を優しく揉みながら。

「あぁ、やさしい……」

 少し呼吸が荒くなり、胸が上下する女体。
 それでも、舌を這わせ、時に吸う。

「あんっ!」

 びくっと一瞬跳ねる肢体。

「んっ……!」

 二、三度跳ねたところで、口を離す。
 桃色のつぼみは、ぷっくりと、そしてつんと膨らんだ。
 そのまま、あらゆるところをキスしながら、時に舌を這わせた。

 ベルの弱い首筋から、わきの下、そして、そのまま下腹部にうつって、やがて鼠径部に舌を這わせる。
 手で足を静かに開かせる。

 レオンの目の前には、女の秘部。
「いゃぁ……」

 ベルが恥ずかしそうに両手で顔を覆う。
 その姿がレオンの嗜虐心を刺激する。

 ここを舐めたらどんな姿を見せてくれるのだろう?

 レオンの舌は、その恥裂の肉ビラから優しく舐めていった。

「だんなさまぁ……そこは、汚いですよぉ……」

 言いながらも抵抗する様子を見せず、肉花弁をひくつかせる。
 もっと恥ずかしい姿を見たい。
 舌がその輪郭をなぞっていったとき、小さくすえられたつぼみ、クリトリスに行き当たった。

「ひゃぅっ!」

 つぼみをひとなめすると、またびくびくと小さく跳ねる肢体。
 じょじょにそれは膨らんで、やがて花開いた。
 淫靡なメスの香りを立ち込めさせて……。

「旦那様、そこはだめです。そこは刺激が強すぎます」

 ベルの甘く切なそうで、消え入っていく声には耳を貸さず、優しく優しく舐め続ける。

「あん……あぁっ……!」

 なめるたびに顔を真っ赤にして、手で口を押させても漏れ出てしまう淫靡な声。
 溶けきった表情と、快楽にふけって細めた目からは、きらきらと涙がこぼれていく。
 必死に声をかみ殺そうとしているのに、けれど、言うことをきかない体に悶えているようだった。

 もっと……もっと!
 ベルに気持ちよくなってほしい、その一心で舐め続けるレオン。

「はぅ! あぁ……あぁ! イキっ……そぅ……!」

 肉つぼからはあふれんばかりの蜜がしたたり流れて、さらさらとした愛液はさらにメスの香りを運ぶ。
 その熱いぬめりすら舐めつくす勢いで舌を必死に転がすレオン。

 熱く悶える身体は少し汗ばみ、汗のにおい、その奥の女の甘い香り、そして、蜜と共にメスの匂いを二人の間を満たし、白く透き通るような肌は汗によってたおやかに明かりを反射する。

 荒くなっていくベルの吐息。
 眉間にしわを寄せ、眉尻は下げ、熱く潤んだ瞳は大きく見開かれて、中空を見つめる。

 やがて……。

「あっ、あっ、あっ……イク……イキますぅうう!!」

 一瞬、大きく跳ねる女体。

 もはや、ベル自身では抑えきれない腰のひくつき。
 恥ずかしがっていたのにだらしなく口を開いて、そのあふれんばかりの快楽の波に身を任せている。
 恥肉の中からだらだらとしたたる快楽の蜜は、シーツにシミを作ってもなおじわりと垂れていく。

 静寂。
 静かな二人だけの空間に満たされる甘い吐息の音と香り。
 呼吸と共に上下にわずかに揺れる双丘。
 乱れたベルの姿になんともいえない満たされた気持ちが広がる。

 やがて、呼吸が落ち着いてきたころ、顔を真っ赤にして潤んだベルの瞳はレオンに熱い劣情をぶつけることを許していた。
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