東京ネクロマンサー -ゾンビのふーこは愛を集めたい-

神夜帳

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第3章 星に願いを

第29話 浸食

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 ①

 千鶴はリビングルームのソファに寝そべって、スマホで色々なサイトを見て回る。
 画面の右上に表示されている時計が夜の10時を示している。

「大丈夫……かな……なんか……あった……かな……」

 台所で夕食の片づけをしていた愛が心配そうな声をあげる。

「大丈夫でしょー。ふーこちゃんがいるんだしぃ」
「でも……ふーこちゃん……女の人……しか……襲わない……よ?」
「自分からはねー。流石に、あいつが命令すればやるっすよぉ」
「うん……そう……だよ……ね……」
「心配しすぎだよぉ。愛はぁ。あいつはずっとこの街に一人で暮らしてきてるんだから。それに、絶対あいつ適当な建物でやってるっすよ」
「やってる……」

 愛が蛇口のハンドルを回してキュっと水を止める音がする。
 皿洗いで濡れた手をタオルで拭いて、エプロンを外し千鶴のそばに座った。

「暗い顔してどうしたっすかぁ?」
「ネクロさん……いるのが……あ……たりまえになって……たから……なんだか……おち……つかない……」

 千鶴がスマホの画面越しに愛を見ると、愛はしょんぼりと捨てられた子犬のような哀愁漂う暗い顔でぼーっと床を見つめていて、そのあまりに切ない様子に胸がきゅんと締め付けられる。

「愛ちゃん。かわいそうだねぇ。よ~しよし! よしよ~し!」

 千鶴が愛にがばっと抱きついて、愛の頭を身体を撫でまわす。まるで飼っている犬をあやすかのように。

「ちょ……ちょっと……いぬ……じゃないんだからっ……!」
「だぁ~って! かわいいんだもん! 恋する乙女?」
「こ、恋!?」
「違うんすか?」
「そも……そも……けしかけたのは……千鶴……あっーもう」
「うんうん。ドキドキする日々っすか? かわいいっすねぇ。よしよし」
「……だから……犬みたいに……なでないで……あーもう……口がうまく……まわらないからっ……!」

 千鶴は愛を撫でるのをやめるとぎゅーっと包み込むように抱きしめ続ける。

「うんうん。いいんだよ。ゆっくりで。かわいい。かわいい」
「……もうっ!……」

 千鶴の優しい抱擁はとても暖かくて、愛は不安と心配が溶けてなくなっていくように感じる。
 まるで母親に優しく包まれているかのような安心感に満ちた暖かさに愛は眠気を覚え、やがてウトウトと眠り始めた。

「ふふふ。可愛い子」

 千鶴は、ソファに愛を寝そべらせると上から毛布をかけて部屋から出て、玄関、外廊下、そして外へと躍り出る。
 欠けた月と生き残った街灯の明かりが、死んだ町を幻想的に照らしている。
 久しぶりの外だからだろうか、穴だらけの道路に瓦礫と化した家々の風景ですら、気分がすっと良くなっていくように思える。
 夜のやや冷たい風が頬を撫でて、千鶴の少し伸びてきたミディアムヘアーを揺らす。
 どこかでラベンダーが咲いているのか、鼻腔の奥を優しい甘い匂いがくすぐる。
 少し緊張してかたい歩みになっていることに自分で気づきながらも、夜の道を歩き出す。

「あいつ、ちゃんと仕事してくれたのね」

 千鶴が辺りを見回しながら歩いていると、曲がり角や分かれ道は車や瓦礫で封鎖されていて、ゾンビが入り込めないようになっていた。

「私のための散歩コース。かわいい。かわいい。ぶっきらぼうで何考えているかわからないくせに、変に優しくて、それでいて私のことを物を見ているかのような目で見ていたのに、ふふふ。あいつも少しずつ変わってきているのね。わんこ君になってくれるかしら。いや、無理かな。ふーこちゃんにべったりだもんね」

 右手に握ったスマホの画面が時折明るく輝く。何かの通知が来ているようだ。

「はいはい。わかってますよー。向かってるでしょー? うーん。待てないのかなぁ? 可哀そうな捨てられたわんこ君」

 ふと隣に気配を感じて、千鶴は視線を左にすべらせる。
 ゾンビかと思ったが、それは、自分そっくりの容姿でこちらを感情の無い目で見つめてくる。

「残念。化けて出ても知らないよぉ。私はね。取り戻したかっただけなんだもん。そうだよ。あんたばっかりずるいから、あんたはちっとも私に譲ってくれないから、だから奪っただけなんだ。だってさ、こんな終末世界だよ? 奪って何がいけないの? あーあ、そしたらあんたの罪まで着せられちゃった。でも、いいんだ。それが私の償いだから。なんにも考えてないあんたと違ってね、私はちゃんと人間だから、最期まで人間でいたいから、ちゃんと罪は償うの。偉いでしょ? でもね。納得できないよね」

 千鶴は視線を正面にもどして、ため息一つ。

「許せないよね。天国崩壊は私だけのせいなのかな? 私は自分の身を守るためにしたことなんだよ? そもそもが、みんな私を大事にしなかったから、復讐する権利があるんだよ。だいたい、多田がね。多田が、ちゃんと統治していればこんなことにはなってないんだよ。そうでしょ?」

 左を見なくても、自分そっくりの姿をしたなにかが感情の無い瞳で自分を見つめているのがわかる。

「私も無能だけどさ。能力が足りない人がトップになっちゃだめだよねぇ。なんであの人は責任をとらないの? 小川の反乱を許してさ、多くの犠牲を払わせて、私を助けてくれもしないで。私が引き金をひいたとして、銃に弾をこめて渡したのは多田だよね? なのに、私だけ悪者ってなんか違くない?」

 千鶴はふと夜空を見上げる。
 欠けた月が綺麗に輝いている。

「そうよ。多田がいる限り、私は悪者で、私が悪者なのに多田が正義の味方なんておかしいわ」

 千鶴はそれから時折スマホの画面で何かを確認しながら歩き続ける。
 歩いている間、ゾンビを見かけることは全くなく、気配すら感じない。
 そして、周りに比べて豪華なつくりの洋風の一戸建てが目に入る。
 窓は真っ暗で、誰かがいる気配は感じない。

 千鶴はつかつかと玄関まで行くと、ドアをノックした。
 1回。
 間をあけて2回目。
 3回目のノックを考え始めたところで、ガチャリと鍵をまわす音がしてゆっくりドアが開く。
 すると、にゅっと白い腕が伸びると千鶴の手を掴んで、凄い力で引きこんだ。

 千鶴は声をあげる間もなくドアの中に吸い込まれると、何者かに抱きしめられた。
 後ろで自分を引っ張った腕がカギをかけている音がする。
 細身ながらゴツゴツとした男の身体、顔をあげるとギラギラした瞳が自分を見つめている。
 宮本だ。

「来てやったっすよ。よく私のスマホにメッセ―ジ送れたっすね」
「千鶴。ちづる。ちづるぅ!」
「質問に答えて?」

 宮本は千鶴の首筋に自分の顔をうずめて匂いをかぎまわる。
 荒々しく匂いを嗅ぐときに首筋にあたる鼻息が生暖かくてこそばゆくて不快だ。
 宮本の手が胸に伸びてきて、千鶴のブラウス越しに主張する胸を荒々しく揉んだ。

「いたっ! 痛いって!」

 力加減など忘れたかのように宮本が揉むというよりはぎゅっと握りつぶすかのように手に力を入れる度、千鶴の胸が無残に変形する。

「あーあ、一発ぬかないと話ができないっすかね?」

 千鶴は宮本の顔を引き寄せて唇を重ねる。
 ふわっと匂う鯖の匂い。
 宮本の下唇を甘噛みして、驚いたからなのか開いた唇に自分の舌を入れる。それに宮本も応えて、まるで愛し合っている恋人同士のように、互いに舌を絡ませ合った。
 次第に宮本の股間からズボン越しに熱と、徐々にせり上がって固くなってるモノを千鶴は優しく手で擦る。

「くっ、うっ……」

 宮本の口から漏れる聞きたくもない喘ぎ声。

「私の中に入れたい?」

 千鶴は宮本の耳元に甘く甘く囁く。
 それに対して、童貞のようにブンブンと首を縦に振る宮本。
 千鶴は宮本の身体に自分の重さを預けて、徐々に廊下に寝そべるよう身体で促した。
 やがて、廊下にこてんと寝転がる宮本のズボンのチャックを開き、固くそそりたったそれを取り出す。
 宮本のギラギラとした瞳ながら、モノ寂しそうに自分を見つめる子犬のような表情に、千鶴は小悪魔的にニヤリと挑発的な微笑みで応えると、口から唾液を亀頭に向けてたらす。口から垂れた唾液そそりたった亀頭に垂れると、どろっと陰茎にそって流れていく。
 いくらか垂らしたところで、千鶴の手が宮本のモノを優しくしごきはじめる。
 上下に優しく動かされる千鶴の手に、気持ちよさそうに時折目をシパシパと開閉する宮本。

「入れたい? ん? 入れたいの?」
「入れたい……」

 宮本の懇願するような声を聞くと、千鶴は宮本に上から覆いかぶさる。
 宮本と千鶴の顔がすぐ目の前にある状態で、千鶴は囁いた。

「だったら、多田を殺すと約束しなさい。そしたら、入れてあげる」
「え……」

 理性など吹き飛んだとばかり思った宮本の顔に戸惑いの顔が浮かぶ。

「できないの?」
「なんで?」
「なんで? 私が一方的に罰を受けて、多田が何もおとがめなしなのが許せないからよ」
「そう……なのか……?」
「そうでしょう? 私を助けてくれないの? あの時のように私を犯して終わりかしら? あなたは私の身体が欲しいの? 心が欲しいの?」
「全部……欲しい……」
「なら、多田を殺しなさい。そしたら、あなたのものになってあげる」
「本当に?」
「本当よ。さぁ、どうするの? 殺すの? 殺さないの?」

 宮本の胸元は千鶴の胸の弾力の感覚が、そして、モノは千鶴の太もものすべすべとした肌の感触が伝わってきていた。千鶴が少し身じろぐたびに、モノが太ももにこすられ、殺せと言われ少し縮んだモノは、言われる前以上に大きく固く屹立する。

「殺す! 殺す! 多田を殺す!!!!」

 宮本の絶叫のような宣言を聞くと千鶴は満足そうに小悪魔的に微笑むと、上体を起こして自分の膣に宮本のモノを誘う。
 自分の唾液まみれでぬるぬるした宮本のモノは、千鶴が腰をゆっくり下ろすと、ぬるんと中にはいった。

「うぁ……」

 千鶴の中は暖かくて柔らかなヒダにこすりつけられる感触が宮本の頭を快楽でいっぱいにする。

「くっ……ふっ……久しぶりだからっ……うんっ……」

 最初ゆっくりと、やがて宮本の形に慣れてきたところで、勢いよく腰を上下させる。
 脳裏に浮かぶのはあいつの顔。
 あいつの冷めきった瞳が自分の淫らな姿を物を見るように見つめる姿を想像する。

「はぁ。うん。あっ……」

 千鶴は目をつぶって、あいつの顔を思い返すことに集中する。
 自分を貫いているのは宮本の身体だというのに、ふわふわとした感覚が頭を包み始める。
 普段ろくに身体を動かしていない千鶴の筋肉が、腰の上下運動に悲鳴をあげ始めたころ。

「うおぉおあああ!」

 宮本の野獣のような叫び声と共に、千鶴の中で宮本のモノは脈動し、その度に精を吐く。
 宮本の表情からギラギラしたものが抜け去り、途端に一回りも二回りも小さな男の子のように見えてくる。
 千鶴は千鶴で、ポワンとした表情のまま宮本の顔をじっと見つめていた。


 ②

 壁時計が夜の11時半を示している。
 あれからいくらか正気を取り戻した宮本がリビングでテーブルを挟んで千鶴と向かい合っている。

「武器がなにもないんだ、どうやって多田を殺せばいい?」
「あんたを捕まえるために、近々、天国のメンバー何人かとうちのやつが共同でこの周辺を捜索するはずよ」
「それに多田が参加するっていうのか?」
「そうよ」
「武器は?」
「その辺にいっぱいいるじゃない」
「え?」
「ゾンビよ」
「ゾンビをけしかけるってこと? 映画みたいにうまくいくと思えないけど」
「違うわ」
「違う?」
「あんたにだけ秘密を教えてあげる」
「ん?」
「ゾンビはね。生前されて嬉しかったことをしてあげるとね。しもべになるのよ」
「まさか……そんな話聞いたことない。いや……ゾンビ妻と仲良くやってるってスレッドあったっけ……でも、まさか……」
「あんた、タカクラデパートで、あいつの傍に襲わない女ゾンビがいるの覚えてる?」
「あぁ……まさか」
「そうよ。あの女ゾンビもそう。誰かに世話されて人を襲わないまでに成長していたところをあいつがゲットして、さらに世話をしていうことを聞くようになったの」
「……そうだとして。生前のことを知らない女ゾンビを捕まえたところで……どうやって?」
「そこは、まずはご飯を食べさせてあげて、身体を洗ってあげて、綺麗な洋服でも着せてみなさいよ。人として基本的なことをしてあげるだけでも、ある程度のしもべにはなると思うけどね」
「実は……」
「何?」
「地下に……」
「地下?」
「あぁ……。来てくれるか?」

 そう言って、宮本は席から立ち上がると地下への階段を下りていく。千鶴も宮本の背中を追う。
 だだっ広い地下空間の奥にぽつんと業務用冷凍庫が置かれている。

「え? まさか?」

 千鶴が宮本を追いかけながらつぶやくと、宮本は冷凍庫の取っ手に手をかけ、千鶴の顔にちらりと視線を送る。
 視線が、覚悟はいいかと聞いている。
 千鶴はそれに、神妙な顔で頷いて応える。

 ガチャ

 扉は開かれ、ひんやりとした空気が流れ込んでくる。
 そして、千鶴は見た。
 冷凍庫の中に、直立不動で目を開けたまま固まっている美しい女ゾンビを。
 ピクリとも動かないそれは、千鶴から見ても羨ましくなるほど美しい均整の取れたスレンダーな肢体に男を魅了するに十分な女性らしい胸。そして、可愛いというより美しい整った顔、うらやましくなる長いまつ毛。
 赤い瞳。
 赤い瞳でなければ、ただの死体だと思ったことだろう。
 二人でじっとそれを見つめていると、ピクリとそれの肩のあたりが動いたように見えた。
 それを見て、宮本が慌てて扉を閉める。

「ふっふっふ……」
「千鶴?」
「あーはっははははっははははは」
「え?」
「最高じゃない! 何の損傷もなく! 温まって来ればすぐに反応するほどの身体! それでいて、澪? こんなメモ帳を張り付けられるくらい大切にされていた存在! まるで、ふーこちゃん! あんた最高の武器を手に入れたじゃない!!!」

 千鶴は一しきり笑うと、ふーっとため息一つ。

「ふふふ。暴れたときのために四肢をしっかり拘束して、それからご飯をあげなさいよ。あんたのことを味方と認識したら、いうことを聞くくらいレベルアップするまで、しっかり世話してやることね……」
「世話って……ど、どうしたら……」

 宮本が戸惑いの声をあげると、刹那、千鶴の平手が宮本の頬をはたく。
 パーン! と乾いた音。そして、ジンジンとした熱い感覚が宮本を襲う。

「さっき言ったでしょ! あとは、あんた考えなさいよ!! そんなこともできないから!!!!」

 フーフーと千鶴が鼻息荒く鬼のような表情で宮本を睨みつける。

「痛い……」

 いくらか睨みつけたところで、今度は急に哀しそうな表情で千鶴は自分の平手で痛めた手をもう片方の手でさする。

「もう帰るわ……。多田が来る時がわかったら連絡する」
「え……いっちゃうの?」
「ここにずっといるわけにはいかないでしょ? 馬鹿なの?」
「うん……」
「ねぇ。あんた」
「うん?」
「千夏ちゃんって覚えてる?」
「え、だれ? 知らない」
「そう……。じゃあね」

 哀しそうで寂しそうな千鶴の背中を、宮本は追いかけることはできず、じっと見つめて見送った。
 やがて、階段をゆっくりと昇っていき、視界から千鶴の姿は消えた。
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