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第3章 星に願いを
第28話 変わる世界
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①
夢は目が覚めると忘れてしまうことがほとんどだろう。
俺が目を覚ました時、頬が少し濡れていた。
何か大切なものを見た気がしたが、思い出そうとしても何も思い出せない。
無性にふーこを抱きしめたくなって、横に顔を向けたが、そこには誰もいなかった。
普段であれば、自分にぴったりと離れずくっついていて、眠ることのないゾンビらしく赤い瞳で一晩中自分をじっと見つめているはずなのに。
少し胸を冷たいものが駆け抜けていく思いを感じながら布団をめくると、ふわりとふーこの優しい匂いが香る。
簡単にシャツとズボンを身に着けて、リビングルームへ向かうと、扉の向こうから千鶴たちのきゃきゃと楽しそうな声が聞こえてくる。
がちゃりとリビングへのドアを開ける。
いっせいにこちらを見つめる3組の瞳。
ふーこ、千鶴、愛。
「おはよう! ちょっとふーこちゃん借りてるっすよ」
千鶴がジェラなんちゃらといった、少しもこもこした白いルームウェアに身を包んで小さな丸椅子に座って、正面のソファに座っているふーこにメイクを施している。
「化粧?」
「そうっす」
「急にどうした?」
「ふーこちゃんはなかなかの素材っすよ。メイク次第で美人系も可愛い系もいけるっす」
「そんで、今は?」
「可愛い小悪魔系を目指すっす!」
「ほぉ……」
ふーこは千鶴にされるがままといった様子でじっとしていて、しかし、視線は千鶴は見ておらず、何を見ているのか……。
これは、もしかして困っているのか? 目があちらこちらを見ていて、まるで生きた人間が追い詰められて目を泳がせているようだ。
俺が、ふーこに千鶴は襲うなと命令しているせいで、急にメイクをしてくる千鶴の手を振り払うこともできずに、フリーズしてしまっているのかもしれない。
「ふふん。どうっすか? なんか感想はないっすか?」
千鶴が得意げに胸をはってどや顔をする。
押し出された千鶴の胸がルームウェアごしでもはっきりと主張してくると、チリチリとした不思議な感覚が背筋を襲うが、やれやれという想いと共に改めてふーこの顔を覗き込むと言葉を失った。
いつもであればゾンビらしく透き通った白い肌といえば表現は良いが、実際は血色不良の顔は、メイクによって健康的な肌に見え、小さな可愛い唇はその艶やかなふくらみを顔のバランスを崩すことなく主張し、手を入れられたまつげと、薄く見えるか見えないかのギリギリな上品なアイシャドウは、その可愛くもミステリアスな赤い瞳を際立たせていた。
「綺麗だ……」
頭で考えるより先に言葉が出た。
ふーこの隣に座りこんで、しげしげとふーこの顔を見つめる。
元々整っていた可愛いふ―この顔が、急に良いところのお嬢様のように見えて、ふーこという存在の解像度を上げる。
少し呆けてしまった俺を、視界の端の千鶴がにやにやと勝ち誇った顔で見つめている。
ふーこは所在なさげだった赤い瞳を、隣に座った俺に向けて微動だにしない。
自然と俺の手はふーこの手をとった。
ゾンビらしい少しひやりとする体温が伝わってくるが、ふーこのしっとりとした手に触れた嬉しさでそんなものはかき消される。
自分の身体の中心に心臓とは違う、なにか別のものが躍動している感覚があって、やがてそれは弾けたように感じた。
顔がかぁっと赤くなって、手が汗でじんわりと濡れてくるのがわかる。
「おやおやおや」
千鶴がニヤニヤと勝ち誇った笑顔でいるのが少し腹立たしかったが、そもそもは俺が千鶴にこういったことを含めて世話をして欲しいと頼んだのだから、ちゃんとお礼をいわなくてはならない。
しかし……。
「ふーこ、可愛い。とても可愛いぞ」
ふーこの赤い瞳をじっと見つめて言った。
赤い瞳の奥で、きらきらと輝く金色の粒子のようなものがきらめいているように見えるが、窓から差し込む朝日のきらめきでそう見えるだけかもしれない。
「あらっ。笑った! ふーこちゃん笑ったっす!」
「……ほんとだ……ちょっと……笑ってる……かわいい……」
千鶴が大声で喜び、愛が愛しそうに微笑んでいるが、俺には表情が動いたようには見えなかった。
だけど、確かに笑っていると思って見つめてみれば、わずかにいつもよりは口角が上がっているようにも見える。
そう思ってみれば、不思議と胸が暖かくなるような心持がした。
「ふっふっふ。さぁ、ネクロ君。メイクの威力はわかってくれたかね?」
千鶴のドヤ顔、ここに極まれり。
「あぁ。ふーこを綺麗にしてくれてありがとう。いつもありがとうね」
「おや!?」
俺が千鶴に労いの言葉をかけると、千鶴は少し驚いてから一瞬フリーズする。
「どうしたの? なんかいつもと違って気持ち悪いっす」
「はい? 労いの言葉はちょくちょくかけていると思うが?」
「そうっすけど……。いつもはもっと事務的っす。なんか初めて感情が籠ってるように感じたっす」
「なんつう言いぐさ」
「いやぁ。だってだって」
「それで、なんかいいたことがあるんだろ?」
「あぁそうっす! もうこの終末世界でずっと部屋にこもりきりなのは嫌っす!! 化粧品も欲しいし、ちょっと外に出かけたいっす!!!」
「あぁ……そうね。ユニティマートくらいならいいかもな」
「デパコスも欲しいっすけどぉ」
「でぱこす?」
「デパートに置いてあるような化粧品っす」
「うん。よくわからんが、タカクラデパートは宮本が片付いたらな……」
「この辺のゾンビも減ってきたし、この辺りは一人で歩いても平気にして欲しいっす」
「えぇ……。うーん」
「鬱っす! ネトゲーがあるわけでもないし、TVが映るわけでもなし、ただ部屋にいて! 屋上と往復するだけの人生……! 鬱になってしまうっす!!!!」
「まぁ……いわんとすることはわかるけど……」
「これじゃあ、生きているけど活きていないっす!!!」
「うーん。そうだなぁ……じゃあ……」
ジリリリッリリリリ!
俺が言葉をつづけようとしたところで、スマホが鳴った。
画面を見ると、平野からのメッセージアプリ経由の着信だった。
「もしもし?」
『おぅ! ネクロ野郎! 今日も元気か!?』
「なんのようだ?」
『ちょこちょこ宮本を探してるんだけどよぉ。痕跡すら見つからねぇんだわ。そっちにいってねぇかなぁ?』
「どこかでゾンビに喰われて死んでいるとは思わないのか?」
『仲間だからなぁ。そうだとしても、遺品くらいは回収して墓に葬ってやりてぇ』
「へぇ。そうなんだ。わりとそう思われるだけの人間ではあったんだな」
『ちゃかすなよ。それで、そっちにいってそうか?』
「近くに来ている気はする。痕跡も見つけている。ただ、見つからない」
『そっかぁ。まぁ、そりゃそうだろうなぁ。その辺、1つのマンションだけでも何十って戸数があるんだ。そもそも金森町は、人口15万人の町で、お前のいる付近の地区だけでも2万人は住んでいた。それだけの戸数があるんだからよぉ。なかなか見つけるのは至難の業だろうなぁ』
「あぁ……。だが、あいつは必ず千鶴の前に現れる」
『んだなぁ。それでよぉ、提案なんだが、ちょっとうちらも捜索させてくれねぇかぁ? 嫌かもしれねぇけどよぉ。うちらも少し規模が大きくなってきて、色々出来ることが増えてるんだわぁ。俺達に貸しを作って損はねぇぞぉ?』
「あぁ。そうだな。そうしよう」
5秒くらいの沈黙が流れた。
『はぁ!? どうしたネクロ野郎ぉぉお!?!?!? 何事だぁ!? なんだおまえぇえええ!? まさか、お前怪我してんのかぁ!? 死にそうなのかぁ!?』
「ケガもしてない。死にそうでもない」
『えぇぇええ……。こんなに素直に提案を受けるとは思わなくてよぉ。ちょっと驚いたぞぉ。なんかあったぁ?』
「別になんにもないよ。ただ、千鶴のことを良く思わない奴らがウロウロするのは気分がよくないな。人数は絞ってくれ」
『……お前……? 本当にネクロ野郎か? まぁ、確かにネクロ野郎は根は素直な奴に見えなくもなかったがよぉ』
「なんだ? 断って欲しかったのか?」
『あっ、いやいやいや。わかったぁ! わかったってぇ! とりあえず、俺と多田と千鶴のことは知らない新人2人の計4人で向かうわぁ。それならいいだろぉ?』
「そうだな。とりあえずは、それでいいだろう」
『あぁ、驚いたぁ。まぁ、じゃあ、明日そっちに行くからよぉ。待ち合わせは、駅でいいのかぁ?』
「駅の方はゾンビがまだウロウロしてるが、それでいいなら」
『あぁ、新人がびびるかなぁ……」
「ちょうどいいや」
『は?』
「千鶴が安全に歩ける散歩コースを作ろうとしていたところだ。座標を後で送るからそこで集合にして、そっからうちまでのゾンビの掃討とバリケード設置を頼むわ」
『はぁ?』
「それで、貸しはなしでいい。どちらにせよ、多田が俺らと交流を求めている以上、いつかは安全なルートは必要だと思うが?」
『……はぁ。まぁ、しゃーねぇなぁ。じゃあ、準備と人員が必要だろぉ。1週間後にそっちに向かうわぁ。それまでにもし宮本を見つけたら、すぐに連絡をくれやぁ』
「わかった。必ず」
『ふぅ。おまえ、本当に何があったんだ?』
「別に、なにも?」
『ふっ。俺は選択を間違えたかな?』
「なんの話だ?」
『べっつにぃいいいい!?』
平野が妙にふてくされたように捨て台詞を残して通話は一方的にきれた。
千鶴が不思議そうに問いかけてくる。
「どうしたっすか?」
「あぁ、いや。宮本の捜索を天国メンバーと合同でやることになった」
千鶴の表情が曇る。
それはそうだろう。天国メンバーが千鶴憎しで闇討ちしてくるかもしれないのだから。
「大丈夫だ。メンバーは多田と平野、あとは千鶴を知らない新人メンバーで構成すると約束させた」
「新人がそんなにいるんすか。この短い間で、あいつらも随分増えたんっすね」
「そうだなぁ。文化的な暮らしを向こうはしているかもなぁ」
「ふん。私のこと奴隷にする気満々なくせに! 文化もくそもないっす」
「そうだな。あっちはあっちで歪んでいるかもな」
「だいたい、私が罰せられるのなら……」
「ん?」
「いや、なんでもないっす」
千鶴はぷいっと顔を背けて、ベランダに出て外を眺める。
背中がなんだか随分切なそうに、そして小さく見える。
それを、愛は切なそうに見つめている。
強気な姿勢でごまかされているが、千鶴もまた年相応な女の子なのだと思わされた。
「やれやれ。せめて気晴らしの散歩ができるくらいにはしてやるか」
俺はふーこの手をとって歩き出す。
さぁ、装備を整えて……。狩りの時間だ。
②
ゴキャァ!
ゴリン!
ビシャアアアアアア!
バキン!
とりあえず家の周り半径500mの安全は確保しようと、ゾンビを狩り始めたが、それはまぁ、スプラッタ映画顔負けの光景が眼前に広がっている。
女ゾンビをふーこがバラバラにして捕食しながら戦っているからだ。
いや、戦いですらない。
もはやエネルギー切れ間近で息も絶え絶えの女ゾンビなぞ、エネルギー満タンのふーこからしたら赤子の手をひねるより容易い。
俺が、別の女ゾンビに手を出そうとすると、怒り狂うふーこの習性を利用したわけではない。
むしろ、ふーこには傷ついてほしくないので、ひっこめようとしているのだが、俺にぴったりとくっついてきて、女ゾンビを狩ろうと近づけば、他の女ゾンビに俺をとられまいとして襲ってしまうのだから仕方がない。
実際問題、ちょっと好みの女ゾンビがいて、ふーこがいなければ、押し倒して犯してやりたいのがいたのも事実だ。
なぜか、そういう空気は敏感に察知するのか、ふーこは、そういう女ゾンビに限って、これでもかとバラバラのミンチにしてしまう。
今も損傷が少ない社長秘書のような雰囲気のスーツをびしっと着こなした女ゾンビが歩いていたが、俺が近づこうと足の向きを変えただけで、猛然とつっこんでいき、首をへし折り、もぎとると、溢れ出す血の雨を美味しそうに飲み干して、道路にたたきつけ、腸を引きずり出して食べながら、手足をもぎりとっている。
こうなるだろうと思ってレインコートを着せてきたが、顔や手は真っ赤な鮮血で染まって……。
「あーあ。せっかくのメイクが……」
非情に残念なことになっていた。
大きめのため息を一つついてから、周りを見渡す。
狩りを始めてから3時間。
30分に1回ゾンビを見るかどうかといった様子になってきた。
そして、出会うゾンビは全部女型。
タカクラデパートで戦ったような男ゾンビは今のところ見ない。
まぁ、それはそうだろう。
男ゾンビの戦闘力は女ゾンビの数倍と凄まじいが、その代わり、消費カロリー、ややこしいからもうエネルギーと統一しようか。消費エネルギーも比ではない。
何もしていなくてもその戦闘力を維持するために、大量にエネルギーを消費し、足りなくなってくると身体は崩壊をはじめ、最後は餓死する。
それに比べて、女ゾンビの戦闘力も生身の人間に比べればすさまじいものではあるが、エネルギーが減ってくると、省エネモードになるのか、途端に大昔のゾンビ映画のゾンビのように、ゆっくり動くようになり、やがて身体を崩壊させながらも、個体によっては休眠状態のようになり、獲物がくるまで眠っているやつもいる。
共食いする個体もいるが、共食いする個体だからといって、目の前に例えば3体ゾンビがいたとしても、3体全部食べるということは滅多になく、どんなに身体が崩壊しても1体だけ食べて、そのまま死ぬ個体もいる。
一体何が条件となっているかはさっぱりわからない。
どうも、ゾンビはグルメである。そうとしかいえない。
「ふーこぉ。もう次に行くぞぉ」
ガリガリと秘書ゾンビの骨を歯で齧ることに夢中だったふーこであったが、俺が本当にその場から離れはじめると、ばっと動きを止めて、一生懸命走って追いついてくる。
なんだか、大型犬でも飼っているような気分になってくる。
クリアした道や場所は、動きそうな車があれば、バッテリーをなんとか復活させて動かし、車でとりあえずのバリケードを作った。
ふーこは別であるが、本来ゾンビにはドアを開ける知能すらないし、映画のゾンビのように嗅覚や聴覚が鋭いということもなく、戦闘力以外の能力は、人間と変わらないかそれ以下である。そのうえ、今いるゾンビ達は省エネモードになって動きがのろく、何かをよじ登って超えることなんてできないやつらばかりだ。
「雑なバリケードだけど、まぁ、これなら流れてくるゾンビはせき止められるし、制圧したはずの内部にゾンビがいても、千鶴の足でも逃げられるだろう……」
それから、俺とふーこは4時間くらいかけて、なんだかんだで拠点から半径約800mを制圧しバリケードで塞いだ。
もうだいぶ物資はなくなっているだろうが、ユニティマートも範囲内に確保できた。
4階建てのユニティマートの内部を探索したが、もうゾンビは見つからなかった。
「ふぅ」
ユニティマートは、薬以外ならなんでも売っていた総合マーケットだった。
地下は食料品、1Fは自転車類、2Fは洋服や化粧品、3Fは生活雑貨やバッグ、時計など、4Fはベッドやキャンピング用品。
トイレのフタからダンベルなども網羅していて、それを激安で売っていた。
食料品はもう何もないが、それ以外のものは割と残っていた。
それだけ、ゾンビクライシス発生当時は、まるで魔法のように、突然ゾンビが大量に発生し、その驚異的な戦闘力で人類は駆逐され始めた。
周りの物資を奪い合う暇もなく、必死に逃げ続け、そのダチョウにも劣る知能のお陰で、なんとか勝機を見出して……、やがて電気や水道が止まらなかったこの地区は、わずかな生存者が集まるようになって、教団もどきを作った教祖一派と派閥争いからの戦争ごっこになった。
ひたすら戦いの記憶。
最終的に、タカクラデパートが拠点となったために、この辺は、食料品こそ大分なくなったとはいえ、それ以外の物資は結構残っているし、そもそも、食料品、つまりは保存食群も、食べる人間が短期間で激減したために、大分なくなったとはいえ、今でも割と残っていた。
3Fで綺麗にパッケージされていたタオルを水で濡らして、ふーこの血で染まった顔を拭いてやる。
血がぬぐい取れていくとともに、朝見た化粧を施された美人タイプの顔は消えていき、すっぴんのふーこが顔を出す。
まるで、絵画で描かれた人物のようで現実感のない透き通った存在感であったものが、可愛らしい日常の一部の存在にまでなって、親しみやすいいつものふーことなった。
窓から見える太陽はオレンジに染まって、ビルやマンション群の彼方に沈んで行こうとしている。
「今日はもうここで朝を迎えるか……」
ふーこと二人きりで過ごすのも久しぶりな気分だ。
千鶴や愛が心配するだろうか?
ふーこの手を握って無人で動き続けるエスカレーターに乗って、5Fへ行く。
展示されているベッドのそばに荷物を置いて、ふーこのレインコートの前ボタンを外していく。
流石に、5月の陽気の中、レインコートを着て戦い続けたのは、よほど暑かったのだろう。
ボタンを外していき、ふーこの白いTシャツとジーンズ姿がレインコートの陰から見えると共に、むわっと汗の匂いがわずかにする。
レインコートを脱がせて、その辺に放り投げる。
露になったふ―この姿を見て、自分の陰茎に血が集まっていく迸りを感じた。
汗で白いTシャツ湿って中に身に着けている白いブラがどういったデザインかわかるまでに透けている。
店内の電灯の明かりに照らされて、ふーこの白い肌がてかてかと薄く光っていて、二の腕を触ってみると、普段ひんやりと冷たい肌は、いつもより生暖かかった。
ゾンビだからだろうか、人間と比べて汗臭さはあまり感じないが、それでもなおわずかに感じ汗の匂いが新鮮で、ふーこを抱きしめて首筋に鼻を近づけて、くんくんと嗅ぎ続ける。
決して不快ではない汗の匂いの向こう側に、確かにふーこの優しい甘い匂いがして、ぎゅっと抱きしめる力を強める。
ふーこが自分を弟のように見ていて、男としては見ていないことはわかっている。
だけど、今日はメイクをした綺麗なふーこを見たからだろうか、なんだかたまらなく胸が熱くなる。
汗で胸の形に張り付いたTシャツと、透き通ったブラがとても扇情的で、そのままベッドに押し倒した。
ふーこの栗毛色の長い髪が、乱れ髪となってベッドに広がる。
そして、ジーンズのボタンを外し、チャックを下す。
「ふーこ。腰を浮かせて」
指示通り腰を浮かせたところで、ジーンズとショーツを脱がせた。
未だにふーこの唇に口づけをすることは憚られた。
永遠にハマりこんで抜け出せなくなる想いが湧き上がってくる。
代わりに、現れたふーこの女の繁みをかきわけて、クリトリスにキスをした。
何度かキスをして、舌を這わせたところで、ふーこは何も反応はしない。
自分ひとりで勝手に興奮している。
そのまま、脚を、腰を、首筋を、頬を、口づけしていく。
ちゅっ
ちゅっ
わざと音が鳴るように大げさに口づけをしていくが、ふーこはじっと赤い瞳で俺を見つめるだけだ。
指で膣穴に指を入れて、指をピストンさせながら、中の壁をこするようにかき乱す。
ジワジワと愛液で湿っていくが、ふーこの表情は変わらない。
ゾンビとは言え、膣がある以上、身体を保護するために、防御能力として体液を分泌しているにすぎないのだろう。
それは、わかっている。
俺も今、自分のモノをスムーズにいれるために、やっているだけだ。
ふーこに感じて欲しいなどと考えてもいない。
俺は、俺が気持ちよくなりたいだけだ。
ぴちゃぴちゃと音がする。ふーこの膣が十分に湿ったところで、自分のモノを突き入れた。
ぬるん
血が集まって固く大きくなった自分の陰茎が、ふーこの中に飲み込まれていくと共に、粘液のぬらぬらした感触と、膣の中の柔らくそして快楽を大きく伝えてくる凹凸の感触が、脳に刺激を一気に叩き込んでくる。
何かを抜き取られるようなスーッとした刺激と共に、一気に精を吐き出してしまいそうな衝動に襲われたので、動きを止めて必死に耐える。
入れただけで果ててしまっては、なんだかもったいない。
しかし、今まで何のうねりを感じなかった、ただの穴としか感じなかったふーこの中が、今日はややうねりのような圧を感じる。明らかに、今までより気持ちよく、ぎゅっと自分のモノを咥え込んでいる、そういう表現が思い浮かぶような圧を感じた。
初めてふーことしたときは、濡れもしなかったものが、世話をしていくうちに防御とはいえ濡れるようになり、そして、メイクをしてもらった今、ややうねるを感じるまでになった。
少しずつだがレベルアップしているふーこ。
このままいけば、最後は人間みたいになるのだろうか?
少し快楽の波が落ち着いたところで、ゆっくりと腰を前後に動かし始める。
ギシギシとベッドがきしむ音がして
じゅぽっっと、ふーこの女の秘所から愛液のしたたる音が聞こえる。
汗ばんで張り付いたTシャツをめくって、白いブラをずらし、露になったふーこの程よい大きさの胸を揉む。
手から程よい弾力が伝わる。
陰茎を前後に動かすたびになる淫靡な音と、陰茎の筋をこすられる圧の感触を感じていくうちに、もっと快楽を、もっとふーこを味わいたくなって、段々とピストンのスピードが速くなっていく。
パンパンと乾いた自分の腰をふーこに必死に打ち付ける音が響く。
正常位の形でふーこのきょとんとした赤い瞳を見つめながら、右手でふーこの胸を握りつぶし、左手で自分の体重を支えながら必死の腰を振る。
自分の頭の中で、白い明るい光があふれていく……。
そんな感覚にとらわれながら、もっと刺激を! もっと快楽を! と、ふーこのゾンビである頑丈な身体に信頼を寄せて、構わず力強く腰をうちつける。
すると、唐突にふーこの可愛いソプラノの声が、吐息と共に漏れた。
「……ふっ……はっ……」
表情に変化はない。相変わらずきょとんとした表情のまま、小さく可愛らしい口がわずかに開いて、そこから息が漏れている。
わかっている。
これは、感じているわけではない。
喘ぎ声ではない。
お腹を圧迫されれば空気は押し出される。
単純に、身体への圧、身体への振動から、息が漏れているだけに過ぎない。
しかし、そうだとわかっていても、チリチリとした熱いなにかが首筋に走っていく。
腰に熱いゾクゾクとした刺激がかけぬけて、打ち付ける腰のスピードを嫌でもあげさせる。
「……はぁ……あぁ……ふぅ……」
「はっ、はっ、はっ……」
ふーこのただ漏れる吐息の音と、自分の荒い呼吸の音が混ざり合う。
耳にはパンパンと乾いた音と、その度にジュプと愛液の音、そしてぬるりと自分のモノを刺激するヒダの感触。
「うっ、くそっ! 出るっ!」
背中をぞくぞくしたものが駆け巡って、もう抑えきれないといった強烈な崩壊感と共に、俺のペニスから多量の精がふーこの中に吐き出される。
びゅっ びゅっ びゅぅ
男の快感はなんて短く儚いのか、一番の快楽は、こみ上げてきた精が亀頭の尿道口を勢いよく通り抜ける時だけだ。
数回強烈な快感に襲われる。
吐き出し終わったと共に、不思議な多幸感が自分を見たし、身体からは力が抜けて、ふーこの身体に身体を預けてのしかかる。
ふーこは、そのゾンビとしてのフィジカルのせいで、俺の重さなどまるで感じないかのように、そのまま受け止め、胸が俺の胸筋でおしつぶされて、やわらかさを俺の身体に伝えた。
不意に、ふーこの腕が俺の身体を抱きしめた。
初めてのことだ。
「ふーこ?」
俺がふーこの顔を見つめると、ふーこは何かを囁いたが、あまりに小さな声で聴き取れなかった。
もしかしたら、口をランダムに動かしただけかもしれない。
「ふーこは、俺のこと愛してないんだもんね」
やることはやっているというのに、自分はふーこをオモチャとして拾ってきたというのに、俺は一体何をふーこに求めているのだろうか?
しかし、自分の背中で感じる、ふーこの腕と手のひらの感覚は、なんだか胸を熱くさせる。
多量に精を放ったせいか、脱力感を感じながら、やや眠たくなってくる。
ほどよいふーこの抱きしめる圧が余計にそうさせた。
意識が闇に落ちる前に、なぜか、千鶴と愛の顔が浮かぶ。
俺に変化が訪れている。
ふーこが変化していくように。
夢は目が覚めると忘れてしまうことがほとんどだろう。
俺が目を覚ました時、頬が少し濡れていた。
何か大切なものを見た気がしたが、思い出そうとしても何も思い出せない。
無性にふーこを抱きしめたくなって、横に顔を向けたが、そこには誰もいなかった。
普段であれば、自分にぴったりと離れずくっついていて、眠ることのないゾンビらしく赤い瞳で一晩中自分をじっと見つめているはずなのに。
少し胸を冷たいものが駆け抜けていく思いを感じながら布団をめくると、ふわりとふーこの優しい匂いが香る。
簡単にシャツとズボンを身に着けて、リビングルームへ向かうと、扉の向こうから千鶴たちのきゃきゃと楽しそうな声が聞こえてくる。
がちゃりとリビングへのドアを開ける。
いっせいにこちらを見つめる3組の瞳。
ふーこ、千鶴、愛。
「おはよう! ちょっとふーこちゃん借りてるっすよ」
千鶴がジェラなんちゃらといった、少しもこもこした白いルームウェアに身を包んで小さな丸椅子に座って、正面のソファに座っているふーこにメイクを施している。
「化粧?」
「そうっす」
「急にどうした?」
「ふーこちゃんはなかなかの素材っすよ。メイク次第で美人系も可愛い系もいけるっす」
「そんで、今は?」
「可愛い小悪魔系を目指すっす!」
「ほぉ……」
ふーこは千鶴にされるがままといった様子でじっとしていて、しかし、視線は千鶴は見ておらず、何を見ているのか……。
これは、もしかして困っているのか? 目があちらこちらを見ていて、まるで生きた人間が追い詰められて目を泳がせているようだ。
俺が、ふーこに千鶴は襲うなと命令しているせいで、急にメイクをしてくる千鶴の手を振り払うこともできずに、フリーズしてしまっているのかもしれない。
「ふふん。どうっすか? なんか感想はないっすか?」
千鶴が得意げに胸をはってどや顔をする。
押し出された千鶴の胸がルームウェアごしでもはっきりと主張してくると、チリチリとした不思議な感覚が背筋を襲うが、やれやれという想いと共に改めてふーこの顔を覗き込むと言葉を失った。
いつもであればゾンビらしく透き通った白い肌といえば表現は良いが、実際は血色不良の顔は、メイクによって健康的な肌に見え、小さな可愛い唇はその艶やかなふくらみを顔のバランスを崩すことなく主張し、手を入れられたまつげと、薄く見えるか見えないかのギリギリな上品なアイシャドウは、その可愛くもミステリアスな赤い瞳を際立たせていた。
「綺麗だ……」
頭で考えるより先に言葉が出た。
ふーこの隣に座りこんで、しげしげとふーこの顔を見つめる。
元々整っていた可愛いふ―この顔が、急に良いところのお嬢様のように見えて、ふーこという存在の解像度を上げる。
少し呆けてしまった俺を、視界の端の千鶴がにやにやと勝ち誇った顔で見つめている。
ふーこは所在なさげだった赤い瞳を、隣に座った俺に向けて微動だにしない。
自然と俺の手はふーこの手をとった。
ゾンビらしい少しひやりとする体温が伝わってくるが、ふーこのしっとりとした手に触れた嬉しさでそんなものはかき消される。
自分の身体の中心に心臓とは違う、なにか別のものが躍動している感覚があって、やがてそれは弾けたように感じた。
顔がかぁっと赤くなって、手が汗でじんわりと濡れてくるのがわかる。
「おやおやおや」
千鶴がニヤニヤと勝ち誇った笑顔でいるのが少し腹立たしかったが、そもそもは俺が千鶴にこういったことを含めて世話をして欲しいと頼んだのだから、ちゃんとお礼をいわなくてはならない。
しかし……。
「ふーこ、可愛い。とても可愛いぞ」
ふーこの赤い瞳をじっと見つめて言った。
赤い瞳の奥で、きらきらと輝く金色の粒子のようなものがきらめいているように見えるが、窓から差し込む朝日のきらめきでそう見えるだけかもしれない。
「あらっ。笑った! ふーこちゃん笑ったっす!」
「……ほんとだ……ちょっと……笑ってる……かわいい……」
千鶴が大声で喜び、愛が愛しそうに微笑んでいるが、俺には表情が動いたようには見えなかった。
だけど、確かに笑っていると思って見つめてみれば、わずかにいつもよりは口角が上がっているようにも見える。
そう思ってみれば、不思議と胸が暖かくなるような心持がした。
「ふっふっふ。さぁ、ネクロ君。メイクの威力はわかってくれたかね?」
千鶴のドヤ顔、ここに極まれり。
「あぁ。ふーこを綺麗にしてくれてありがとう。いつもありがとうね」
「おや!?」
俺が千鶴に労いの言葉をかけると、千鶴は少し驚いてから一瞬フリーズする。
「どうしたの? なんかいつもと違って気持ち悪いっす」
「はい? 労いの言葉はちょくちょくかけていると思うが?」
「そうっすけど……。いつもはもっと事務的っす。なんか初めて感情が籠ってるように感じたっす」
「なんつう言いぐさ」
「いやぁ。だってだって」
「それで、なんかいいたことがあるんだろ?」
「あぁそうっす! もうこの終末世界でずっと部屋にこもりきりなのは嫌っす!! 化粧品も欲しいし、ちょっと外に出かけたいっす!!!」
「あぁ……そうね。ユニティマートくらいならいいかもな」
「デパコスも欲しいっすけどぉ」
「でぱこす?」
「デパートに置いてあるような化粧品っす」
「うん。よくわからんが、タカクラデパートは宮本が片付いたらな……」
「この辺のゾンビも減ってきたし、この辺りは一人で歩いても平気にして欲しいっす」
「えぇ……。うーん」
「鬱っす! ネトゲーがあるわけでもないし、TVが映るわけでもなし、ただ部屋にいて! 屋上と往復するだけの人生……! 鬱になってしまうっす!!!!」
「まぁ……いわんとすることはわかるけど……」
「これじゃあ、生きているけど活きていないっす!!!」
「うーん。そうだなぁ……じゃあ……」
ジリリリッリリリリ!
俺が言葉をつづけようとしたところで、スマホが鳴った。
画面を見ると、平野からのメッセージアプリ経由の着信だった。
「もしもし?」
『おぅ! ネクロ野郎! 今日も元気か!?』
「なんのようだ?」
『ちょこちょこ宮本を探してるんだけどよぉ。痕跡すら見つからねぇんだわ。そっちにいってねぇかなぁ?』
「どこかでゾンビに喰われて死んでいるとは思わないのか?」
『仲間だからなぁ。そうだとしても、遺品くらいは回収して墓に葬ってやりてぇ』
「へぇ。そうなんだ。わりとそう思われるだけの人間ではあったんだな」
『ちゃかすなよ。それで、そっちにいってそうか?』
「近くに来ている気はする。痕跡も見つけている。ただ、見つからない」
『そっかぁ。まぁ、そりゃそうだろうなぁ。その辺、1つのマンションだけでも何十って戸数があるんだ。そもそも金森町は、人口15万人の町で、お前のいる付近の地区だけでも2万人は住んでいた。それだけの戸数があるんだからよぉ。なかなか見つけるのは至難の業だろうなぁ』
「あぁ……。だが、あいつは必ず千鶴の前に現れる」
『んだなぁ。それでよぉ、提案なんだが、ちょっとうちらも捜索させてくれねぇかぁ? 嫌かもしれねぇけどよぉ。うちらも少し規模が大きくなってきて、色々出来ることが増えてるんだわぁ。俺達に貸しを作って損はねぇぞぉ?』
「あぁ。そうだな。そうしよう」
5秒くらいの沈黙が流れた。
『はぁ!? どうしたネクロ野郎ぉぉお!?!?!? 何事だぁ!? なんだおまえぇえええ!? まさか、お前怪我してんのかぁ!? 死にそうなのかぁ!?』
「ケガもしてない。死にそうでもない」
『えぇぇええ……。こんなに素直に提案を受けるとは思わなくてよぉ。ちょっと驚いたぞぉ。なんかあったぁ?』
「別になんにもないよ。ただ、千鶴のことを良く思わない奴らがウロウロするのは気分がよくないな。人数は絞ってくれ」
『……お前……? 本当にネクロ野郎か? まぁ、確かにネクロ野郎は根は素直な奴に見えなくもなかったがよぉ』
「なんだ? 断って欲しかったのか?」
『あっ、いやいやいや。わかったぁ! わかったってぇ! とりあえず、俺と多田と千鶴のことは知らない新人2人の計4人で向かうわぁ。それならいいだろぉ?』
「そうだな。とりあえずは、それでいいだろう」
『あぁ、驚いたぁ。まぁ、じゃあ、明日そっちに行くからよぉ。待ち合わせは、駅でいいのかぁ?』
「駅の方はゾンビがまだウロウロしてるが、それでいいなら」
『あぁ、新人がびびるかなぁ……」
「ちょうどいいや」
『は?』
「千鶴が安全に歩ける散歩コースを作ろうとしていたところだ。座標を後で送るからそこで集合にして、そっからうちまでのゾンビの掃討とバリケード設置を頼むわ」
『はぁ?』
「それで、貸しはなしでいい。どちらにせよ、多田が俺らと交流を求めている以上、いつかは安全なルートは必要だと思うが?」
『……はぁ。まぁ、しゃーねぇなぁ。じゃあ、準備と人員が必要だろぉ。1週間後にそっちに向かうわぁ。それまでにもし宮本を見つけたら、すぐに連絡をくれやぁ』
「わかった。必ず」
『ふぅ。おまえ、本当に何があったんだ?』
「別に、なにも?」
『ふっ。俺は選択を間違えたかな?』
「なんの話だ?」
『べっつにぃいいいい!?』
平野が妙にふてくされたように捨て台詞を残して通話は一方的にきれた。
千鶴が不思議そうに問いかけてくる。
「どうしたっすか?」
「あぁ、いや。宮本の捜索を天国メンバーと合同でやることになった」
千鶴の表情が曇る。
それはそうだろう。天国メンバーが千鶴憎しで闇討ちしてくるかもしれないのだから。
「大丈夫だ。メンバーは多田と平野、あとは千鶴を知らない新人メンバーで構成すると約束させた」
「新人がそんなにいるんすか。この短い間で、あいつらも随分増えたんっすね」
「そうだなぁ。文化的な暮らしを向こうはしているかもなぁ」
「ふん。私のこと奴隷にする気満々なくせに! 文化もくそもないっす」
「そうだな。あっちはあっちで歪んでいるかもな」
「だいたい、私が罰せられるのなら……」
「ん?」
「いや、なんでもないっす」
千鶴はぷいっと顔を背けて、ベランダに出て外を眺める。
背中がなんだか随分切なそうに、そして小さく見える。
それを、愛は切なそうに見つめている。
強気な姿勢でごまかされているが、千鶴もまた年相応な女の子なのだと思わされた。
「やれやれ。せめて気晴らしの散歩ができるくらいにはしてやるか」
俺はふーこの手をとって歩き出す。
さぁ、装備を整えて……。狩りの時間だ。
②
ゴキャァ!
ゴリン!
ビシャアアアアアア!
バキン!
とりあえず家の周り半径500mの安全は確保しようと、ゾンビを狩り始めたが、それはまぁ、スプラッタ映画顔負けの光景が眼前に広がっている。
女ゾンビをふーこがバラバラにして捕食しながら戦っているからだ。
いや、戦いですらない。
もはやエネルギー切れ間近で息も絶え絶えの女ゾンビなぞ、エネルギー満タンのふーこからしたら赤子の手をひねるより容易い。
俺が、別の女ゾンビに手を出そうとすると、怒り狂うふーこの習性を利用したわけではない。
むしろ、ふーこには傷ついてほしくないので、ひっこめようとしているのだが、俺にぴったりとくっついてきて、女ゾンビを狩ろうと近づけば、他の女ゾンビに俺をとられまいとして襲ってしまうのだから仕方がない。
実際問題、ちょっと好みの女ゾンビがいて、ふーこがいなければ、押し倒して犯してやりたいのがいたのも事実だ。
なぜか、そういう空気は敏感に察知するのか、ふーこは、そういう女ゾンビに限って、これでもかとバラバラのミンチにしてしまう。
今も損傷が少ない社長秘書のような雰囲気のスーツをびしっと着こなした女ゾンビが歩いていたが、俺が近づこうと足の向きを変えただけで、猛然とつっこんでいき、首をへし折り、もぎとると、溢れ出す血の雨を美味しそうに飲み干して、道路にたたきつけ、腸を引きずり出して食べながら、手足をもぎりとっている。
こうなるだろうと思ってレインコートを着せてきたが、顔や手は真っ赤な鮮血で染まって……。
「あーあ。せっかくのメイクが……」
非情に残念なことになっていた。
大きめのため息を一つついてから、周りを見渡す。
狩りを始めてから3時間。
30分に1回ゾンビを見るかどうかといった様子になってきた。
そして、出会うゾンビは全部女型。
タカクラデパートで戦ったような男ゾンビは今のところ見ない。
まぁ、それはそうだろう。
男ゾンビの戦闘力は女ゾンビの数倍と凄まじいが、その代わり、消費カロリー、ややこしいからもうエネルギーと統一しようか。消費エネルギーも比ではない。
何もしていなくてもその戦闘力を維持するために、大量にエネルギーを消費し、足りなくなってくると身体は崩壊をはじめ、最後は餓死する。
それに比べて、女ゾンビの戦闘力も生身の人間に比べればすさまじいものではあるが、エネルギーが減ってくると、省エネモードになるのか、途端に大昔のゾンビ映画のゾンビのように、ゆっくり動くようになり、やがて身体を崩壊させながらも、個体によっては休眠状態のようになり、獲物がくるまで眠っているやつもいる。
共食いする個体もいるが、共食いする個体だからといって、目の前に例えば3体ゾンビがいたとしても、3体全部食べるということは滅多になく、どんなに身体が崩壊しても1体だけ食べて、そのまま死ぬ個体もいる。
一体何が条件となっているかはさっぱりわからない。
どうも、ゾンビはグルメである。そうとしかいえない。
「ふーこぉ。もう次に行くぞぉ」
ガリガリと秘書ゾンビの骨を歯で齧ることに夢中だったふーこであったが、俺が本当にその場から離れはじめると、ばっと動きを止めて、一生懸命走って追いついてくる。
なんだか、大型犬でも飼っているような気分になってくる。
クリアした道や場所は、動きそうな車があれば、バッテリーをなんとか復活させて動かし、車でとりあえずのバリケードを作った。
ふーこは別であるが、本来ゾンビにはドアを開ける知能すらないし、映画のゾンビのように嗅覚や聴覚が鋭いということもなく、戦闘力以外の能力は、人間と変わらないかそれ以下である。そのうえ、今いるゾンビ達は省エネモードになって動きがのろく、何かをよじ登って超えることなんてできないやつらばかりだ。
「雑なバリケードだけど、まぁ、これなら流れてくるゾンビはせき止められるし、制圧したはずの内部にゾンビがいても、千鶴の足でも逃げられるだろう……」
それから、俺とふーこは4時間くらいかけて、なんだかんだで拠点から半径約800mを制圧しバリケードで塞いだ。
もうだいぶ物資はなくなっているだろうが、ユニティマートも範囲内に確保できた。
4階建てのユニティマートの内部を探索したが、もうゾンビは見つからなかった。
「ふぅ」
ユニティマートは、薬以外ならなんでも売っていた総合マーケットだった。
地下は食料品、1Fは自転車類、2Fは洋服や化粧品、3Fは生活雑貨やバッグ、時計など、4Fはベッドやキャンピング用品。
トイレのフタからダンベルなども網羅していて、それを激安で売っていた。
食料品はもう何もないが、それ以外のものは割と残っていた。
それだけ、ゾンビクライシス発生当時は、まるで魔法のように、突然ゾンビが大量に発生し、その驚異的な戦闘力で人類は駆逐され始めた。
周りの物資を奪い合う暇もなく、必死に逃げ続け、そのダチョウにも劣る知能のお陰で、なんとか勝機を見出して……、やがて電気や水道が止まらなかったこの地区は、わずかな生存者が集まるようになって、教団もどきを作った教祖一派と派閥争いからの戦争ごっこになった。
ひたすら戦いの記憶。
最終的に、タカクラデパートが拠点となったために、この辺は、食料品こそ大分なくなったとはいえ、それ以外の物資は結構残っているし、そもそも、食料品、つまりは保存食群も、食べる人間が短期間で激減したために、大分なくなったとはいえ、今でも割と残っていた。
3Fで綺麗にパッケージされていたタオルを水で濡らして、ふーこの血で染まった顔を拭いてやる。
血がぬぐい取れていくとともに、朝見た化粧を施された美人タイプの顔は消えていき、すっぴんのふーこが顔を出す。
まるで、絵画で描かれた人物のようで現実感のない透き通った存在感であったものが、可愛らしい日常の一部の存在にまでなって、親しみやすいいつものふーことなった。
窓から見える太陽はオレンジに染まって、ビルやマンション群の彼方に沈んで行こうとしている。
「今日はもうここで朝を迎えるか……」
ふーこと二人きりで過ごすのも久しぶりな気分だ。
千鶴や愛が心配するだろうか?
ふーこの手を握って無人で動き続けるエスカレーターに乗って、5Fへ行く。
展示されているベッドのそばに荷物を置いて、ふーこのレインコートの前ボタンを外していく。
流石に、5月の陽気の中、レインコートを着て戦い続けたのは、よほど暑かったのだろう。
ボタンを外していき、ふーこの白いTシャツとジーンズ姿がレインコートの陰から見えると共に、むわっと汗の匂いがわずかにする。
レインコートを脱がせて、その辺に放り投げる。
露になったふ―この姿を見て、自分の陰茎に血が集まっていく迸りを感じた。
汗で白いTシャツ湿って中に身に着けている白いブラがどういったデザインかわかるまでに透けている。
店内の電灯の明かりに照らされて、ふーこの白い肌がてかてかと薄く光っていて、二の腕を触ってみると、普段ひんやりと冷たい肌は、いつもより生暖かかった。
ゾンビだからだろうか、人間と比べて汗臭さはあまり感じないが、それでもなおわずかに感じ汗の匂いが新鮮で、ふーこを抱きしめて首筋に鼻を近づけて、くんくんと嗅ぎ続ける。
決して不快ではない汗の匂いの向こう側に、確かにふーこの優しい甘い匂いがして、ぎゅっと抱きしめる力を強める。
ふーこが自分を弟のように見ていて、男としては見ていないことはわかっている。
だけど、今日はメイクをした綺麗なふーこを見たからだろうか、なんだかたまらなく胸が熱くなる。
汗で胸の形に張り付いたTシャツと、透き通ったブラがとても扇情的で、そのままベッドに押し倒した。
ふーこの栗毛色の長い髪が、乱れ髪となってベッドに広がる。
そして、ジーンズのボタンを外し、チャックを下す。
「ふーこ。腰を浮かせて」
指示通り腰を浮かせたところで、ジーンズとショーツを脱がせた。
未だにふーこの唇に口づけをすることは憚られた。
永遠にハマりこんで抜け出せなくなる想いが湧き上がってくる。
代わりに、現れたふーこの女の繁みをかきわけて、クリトリスにキスをした。
何度かキスをして、舌を這わせたところで、ふーこは何も反応はしない。
自分ひとりで勝手に興奮している。
そのまま、脚を、腰を、首筋を、頬を、口づけしていく。
ちゅっ
ちゅっ
わざと音が鳴るように大げさに口づけをしていくが、ふーこはじっと赤い瞳で俺を見つめるだけだ。
指で膣穴に指を入れて、指をピストンさせながら、中の壁をこするようにかき乱す。
ジワジワと愛液で湿っていくが、ふーこの表情は変わらない。
ゾンビとは言え、膣がある以上、身体を保護するために、防御能力として体液を分泌しているにすぎないのだろう。
それは、わかっている。
俺も今、自分のモノをスムーズにいれるために、やっているだけだ。
ふーこに感じて欲しいなどと考えてもいない。
俺は、俺が気持ちよくなりたいだけだ。
ぴちゃぴちゃと音がする。ふーこの膣が十分に湿ったところで、自分のモノを突き入れた。
ぬるん
血が集まって固く大きくなった自分の陰茎が、ふーこの中に飲み込まれていくと共に、粘液のぬらぬらした感触と、膣の中の柔らくそして快楽を大きく伝えてくる凹凸の感触が、脳に刺激を一気に叩き込んでくる。
何かを抜き取られるようなスーッとした刺激と共に、一気に精を吐き出してしまいそうな衝動に襲われたので、動きを止めて必死に耐える。
入れただけで果ててしまっては、なんだかもったいない。
しかし、今まで何のうねりを感じなかった、ただの穴としか感じなかったふーこの中が、今日はややうねりのような圧を感じる。明らかに、今までより気持ちよく、ぎゅっと自分のモノを咥え込んでいる、そういう表現が思い浮かぶような圧を感じた。
初めてふーことしたときは、濡れもしなかったものが、世話をしていくうちに防御とはいえ濡れるようになり、そして、メイクをしてもらった今、ややうねるを感じるまでになった。
少しずつだがレベルアップしているふーこ。
このままいけば、最後は人間みたいになるのだろうか?
少し快楽の波が落ち着いたところで、ゆっくりと腰を前後に動かし始める。
ギシギシとベッドがきしむ音がして
じゅぽっっと、ふーこの女の秘所から愛液のしたたる音が聞こえる。
汗ばんで張り付いたTシャツをめくって、白いブラをずらし、露になったふーこの程よい大きさの胸を揉む。
手から程よい弾力が伝わる。
陰茎を前後に動かすたびになる淫靡な音と、陰茎の筋をこすられる圧の感触を感じていくうちに、もっと快楽を、もっとふーこを味わいたくなって、段々とピストンのスピードが速くなっていく。
パンパンと乾いた自分の腰をふーこに必死に打ち付ける音が響く。
正常位の形でふーこのきょとんとした赤い瞳を見つめながら、右手でふーこの胸を握りつぶし、左手で自分の体重を支えながら必死の腰を振る。
自分の頭の中で、白い明るい光があふれていく……。
そんな感覚にとらわれながら、もっと刺激を! もっと快楽を! と、ふーこのゾンビである頑丈な身体に信頼を寄せて、構わず力強く腰をうちつける。
すると、唐突にふーこの可愛いソプラノの声が、吐息と共に漏れた。
「……ふっ……はっ……」
表情に変化はない。相変わらずきょとんとした表情のまま、小さく可愛らしい口がわずかに開いて、そこから息が漏れている。
わかっている。
これは、感じているわけではない。
喘ぎ声ではない。
お腹を圧迫されれば空気は押し出される。
単純に、身体への圧、身体への振動から、息が漏れているだけに過ぎない。
しかし、そうだとわかっていても、チリチリとした熱いなにかが首筋に走っていく。
腰に熱いゾクゾクとした刺激がかけぬけて、打ち付ける腰のスピードを嫌でもあげさせる。
「……はぁ……あぁ……ふぅ……」
「はっ、はっ、はっ……」
ふーこのただ漏れる吐息の音と、自分の荒い呼吸の音が混ざり合う。
耳にはパンパンと乾いた音と、その度にジュプと愛液の音、そしてぬるりと自分のモノを刺激するヒダの感触。
「うっ、くそっ! 出るっ!」
背中をぞくぞくしたものが駆け巡って、もう抑えきれないといった強烈な崩壊感と共に、俺のペニスから多量の精がふーこの中に吐き出される。
びゅっ びゅっ びゅぅ
男の快感はなんて短く儚いのか、一番の快楽は、こみ上げてきた精が亀頭の尿道口を勢いよく通り抜ける時だけだ。
数回強烈な快感に襲われる。
吐き出し終わったと共に、不思議な多幸感が自分を見たし、身体からは力が抜けて、ふーこの身体に身体を預けてのしかかる。
ふーこは、そのゾンビとしてのフィジカルのせいで、俺の重さなどまるで感じないかのように、そのまま受け止め、胸が俺の胸筋でおしつぶされて、やわらかさを俺の身体に伝えた。
不意に、ふーこの腕が俺の身体を抱きしめた。
初めてのことだ。
「ふーこ?」
俺がふーこの顔を見つめると、ふーこは何かを囁いたが、あまりに小さな声で聴き取れなかった。
もしかしたら、口をランダムに動かしただけかもしれない。
「ふーこは、俺のこと愛してないんだもんね」
やることはやっているというのに、自分はふーこをオモチャとして拾ってきたというのに、俺は一体何をふーこに求めているのだろうか?
しかし、自分の背中で感じる、ふーこの腕と手のひらの感覚は、なんだか胸を熱くさせる。
多量に精を放ったせいか、脱力感を感じながら、やや眠たくなってくる。
ほどよいふーこの抱きしめる圧が余計にそうさせた。
意識が闇に落ちる前に、なぜか、千鶴と愛の顔が浮かぶ。
俺に変化が訪れている。
ふーこが変化していくように。
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