東京ネクロマンサー -ゾンビのふーこは愛を集めたい-

神夜帳

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第3章 星に願いを

第31話 マニア

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 ①

 女ゾンビの耳をつんざく絶叫と、バリケードの向こうから聞こえてくる蠢くなにか。
 俺も含めて皆が女ゾンビに目を惹きつけられているなか、目の端で何かが動いた。
 反射的に視線をそちらに動かすと、隙をつく形ですかさず女ゾンビが俺に飛びついてくる。
 女ゾンビの圧倒的スピードと力に、か弱い女のようにあっさりと地面に転がされ、女ゾンビに上から覆いかぶさられる。
 女ゾンビの豊かな胸が円錐形にゆさりと目の前で揺れ、きゅっとした腰が俺のイチモツを少し反応させるが、洋服の下に着こんだプロテクターがギシギシと今にも砕けそうな音をたてていてそれどこではない。
 俺の顔の目の前に、もう少し顔を近づければ口づけができそうな距離に、目を赤く輝かせた美し女の顔がある。
 無表情で、少し眠そうに見えるその顔は、口をぱかっと大きく開けると俺の首筋に顔を近づける。

 ひんやりとする女ゾンビの体温とは裏腹に、ふぅふぅと首筋にかかる吐息は少し生暖かくて、ぞくぞくすると同時に脳が必死に振り払え! と命令を出してくる。
 しかし、成人男性の俺が、しかも、それなりに鍛えている俺が全身に激しく力をこめて女ゾンビの身体はびくともしない。
 首筋にぬるりとした唾液の感触と、歯がもう少しで食い込むであろう固い感触が伝わってくる。
 あと少し力をこめられれば、俺の首筋から一筋赤い血が垂れ流れるであろうタイミングで、女ゾンビがぱっと離れる。
 ふーこが、俺に近づいて払いのけるように手を横に振ったからだった。
 表情のない女ゾンビが、ふーこに対して訝し気な視線を送っているように見える。
 最初こそ、ふーこの背中を攻撃したように見えたが、ふーこが俺を庇っての結果だとするならば、この女ゾンビは一貫してふーこを敵として認識していないように思える。
 ゾンビ同士は共食いすることもあるが、共食いの条件も不明瞭でよくわかっていない。
 お腹が空いたときに目の前にいたからといって喰うわけでもなく、何か条件が合致しないと食べようとしないらしい。それが何か関係しているのか?

「てめぇえええええええええええ!」

 平野の絶叫が聞こえる。
 視線の端に動いたものを目で追ってから、ふーこが女ゾンビを追い払うこの一連の流れは、ものの1分も経っていないはずだが、視線の先には……。

 宮本に腹を刺される平野の姿があった。

「宮本ぉぉおおおお!! この馬鹿野郎がぁああああ!」

 平野の叫ぶが轟く。
 よく見ると平野の陰には多田の姿。
 突然飛び出してきた宮本の目標は多田で、それを平野が庇ったようだ。
 平野が振り払うように、しかし、力なくククリナイフを斬りつけるが、さっと宮本は軽やかに避け笑った。

「あははははは! 平野ぉおおおお! なんでそんなやつを庇うんだぁ?! そいつが何か役に立ったことがあったかぁ!?」
「う……るせぇ……。今のお前より有用だよぉ。ばかがぁ」

「平野さん! 宮本さん! もうこれ以上はやめてください!」

 多田が懇願するように宮本に叫ぶが、宮本はニヤニヤと笑いながら手に持った血に染まったアーミーナイフをちらつかせて牽制する。

「澪ぉ!! 何をしているんだ!! さっさと蹴散らせ!!!」

 宮本が女ゾンビに叫ぶ。
 なるほど。このゾンビは澪というのか。

 しかし、澪はというとふーことにらみ合った状態で静止してしまっている。
 二人の間でテレパシーでやりとりでもしているのか、まるで以前のふーこと愛の姿を見ているようだ。
 ふーこの顔をじっと見つめると、赤い瞳の奥で、金色に輝く砂粒のようなものがきらきらと輝いているように見える。
 たまに見えるこの現象。
 今までは、日の光の反射や見え方の問題だと思っていたが、何かがあるのだろうか?

「あーあーあーあ。頭の悪いゾンビじゃ、しつけてもこんなものかぁ!!」

 宮本がいら立った様子で吐き捨てる。
 そして、多田を睨みつけながら言う。

「まぁ、でも。平野と雑魚をやれたのはよくやったと言わざるを得ないなぁ」

 不意にまだ名も知らぬ天国メンバーの男の最後の生き残りが宮本を後ろから無言で殴りかかる。
 格闘技の覚えがあるのだろうか。洗練された動きでまるでワープしたかのように素早く距離を詰めると、多田に集中している宮本のわき腹に右ストレートを叩きこもうとする。
 宮本は多田の方を見ていたにも関わらず、背中に目がついているかのようにさっと避ける、しかし、それを知っていたかのように男は左手に持っていたナイフを、避ける先に置くように突き出す。

 ぴっ。

 宮本の白い首筋にわずかに切れ込みがはいって、赤い血が飛び散った。
 しかし、それは少量。致命傷ではない。
 宮本が無言で男の鼻筋に拳を叩きこむ。わずかな間に何発も。
 男の華からどばっと鼻血が流れて、あまりの痛みとつーんとした感覚に思わず涙がこぼれる。
 涙で歪んだ視界は戦いにおいて致命傷だ。
 男は、宮本の挙動を読んで身体を左右に動かし攻撃をかわす素振りを見せたが、宮本は淡々と相手の膝を蹴り、バランスを崩させたところで、あっさりと首筋をナイフでかき斬った。

 赤く飛び散る血しぶき。
 倒れていく男の身体。

「なっ!?」

 宮本の視点では、崩れていく男の身体で視界がいっぱいであっただろう。
 油断したつもりはないのだろうが、この一瞬の間で何かをされるとは思いもしなかったのだろうか。
 まぁ、確かに、タカクラデパートの一戦で、宮本が最後に俺の姿を見たのは、無様にゾンビに薙ぎ払われて床を転げまわる姿だったかもしれない。
 戦力外通告でもされていたかな?
 俺は、倒れていく男の陰からさっと躍り出て、油断している宮本を斬りつける。
 宮本がそれでも、驚異的な反応速度を見せて、俺の斬撃を紙一重で避け、すかさず手に持った得物で俺の心臓を正確に突いてくる。

 だが、鈍い反応と共に前に出るのをやめない俺。
 いくらか驚きの表情を見せた宮本が叫ぶ。

「プロテクターかよ!! 卑怯だぞ!!!!」

 何が卑怯なのか?
 俺は自分が強いなどと思ったことは一度もない。
 弱いのならそれを補う努力はするものだ。
 胸にいくらか圧を感じながら、それをものともせずぐいっと身体を寄せる俺。
 距離が近すぎた。
 ナイフを振る余裕がない。
 構うものか!

 宮本の鼻にごしゃっと、俺の頭がめり込む。頭突き。
 格好なんて気にしていられない。
 前のめりの頭突き。
 しかし、体重が乗ったままの成人男性の突進の力を乗せた頭突きに、宮本の鼻がひしゃげる。
 やられた男のために意趣返しをしたつもりはないが、結果的に自分の行いが返ってきた宮本。
 鼻の軟骨が折れた強烈な痛みと、鼻が血でふさがれた息苦しさは、戦意をいくらか喪失させる。
 顔に手をやって痛そうに身体をくねらせながら宮本が叫ぶ。

「澪ぉおお! なんとかしろぉおおお!!」

 俺が止めとばかりに宮本の首筋にククリナイフの狙いを定めたところで、背中に凄い衝撃が走って吹き飛ばされる。
 地面に無様に転がりながら、背中のプロテクターがバキバキと硬化して割れていく。

「澪ぉおお! あいつを殺せぇぇえええ!」

 最初、自分のことだと思った。しかし、宮本が指さしたのは、多田。
 地面に無様に転がりながら、俺は叫ぶ。

「ふーこぉおおお!! そいつを止めろぉおお!!!」

 ふーこが無表情のまま、追いかけて澪に飛びつく。
 澪があと少しで後ろに下がろうとしていた多田の首をはね飛ばすというところで、ふーこが澪の足先をつかんで地面に叩きつける。

「くそっ!!」

 宮本の悔しそうな声を耳にしながら、すぐさま宮本に斬りかかる。

「ねくろやろぉおおおおおおおお!!!!!」
「みやもとぉおおおおお!! いい加減うっとうしいんだよぉ!! きえろおぉおおお!」

 宮本は鼻を潰され口呼吸だけでは息苦しいのか動きが鈍い。
 繰り出されるナイフや蹴り、ボクシングのような打撃を時にかわし、時にプロテクターに被弾しながら、俺は必死に宮本に喰いかかる。
 こちらの攻撃は、致命傷にはならずとも、少しずつ宮本の肉をそいでいく。

 後ろで何かが激しくぶつかり合う音、崩れるコンクリート塀の音、何かが弾けるような音がBGMのように轟いている。

「宮本さん! もうやめましょうよ! 何の意味があるんですか!!」

 多田が仲裁しようと叫ぶが、的外れだ。
 宮本が俺のナイフを捌きながら叫ぶ。

「どうせぇ! 僕は死刑だぁ! だから、千鶴をぉおお! 連れて逃げるんだぁあああ!」
「千鶴はお前のこと嫌だってさ!」
「嘘だぁ!!! 僕を受け入れてくれたぁああ! 僕を中に入れてくれたんだぁ!!」
「それは、お前が犯しただけだろぉ!! いつの話だ!!」
「違う! 千鶴は僕を愛してくれるって言ったんだ!!!」
「お前と千鶴の間に何があったから知らないが! お前は色々間違ってるんだよ! 勘違い野郎が!」
「違う! 違う! お前に何がわかる!? ネクロ野郎が!! ゾンビしか愛せない変態がぁ!! お前に僕の何がわかるっていうんだぁ!! 僕は尽くしてきたんだ! 千鶴に! なのに、最後に僕を選ばなかったんだ! ずるいだろう!」
「なんの話だ!!」
「お前は何なんだ! ネクロ野郎!! 千鶴と一緒に暮らして! やったのか!? 千鶴とやったんだな?!」
「やってない!!!」
「千鶴がゾンビになったら抱くんだろう!!!」
「それはわからん!!!」
「この変態がぁ!! 愛も知らない憐れな獣がぁ!!!!」
「お前だって!!!! お前のそれは愛じゃないだろうがぁあああ!」
「愛だよ! これも愛だ!!」
「お前は自分が可愛いだけだ!!」
「それの何が悪い!? 僕は千鶴のために死ぬような想いをしながらつくしてきたんだぁ!! ご褒美をもらって何が悪い!?」
「哀れなやつめ。千鶴にも報いを受けさせる必要はあるかもしれないが、だが今は俺にはあいつが必要だ。千鶴も! 愛も! ふーこも! だから、お前は哀れでも消す!」
「ネクロやろぉおおお! 本当は僕がお前のはずなんだぁ! 千鶴と一緒に暮らして、千鶴と毎晩愛し合うんだ! 子供だって作ってぇ!!!」
「妄想はやめろ!!」
「違う! 僕とお前で何が違う!? なぜ、お前の場所に僕がいない!?」
「知るか!!!」

 時間にしては5分も戦っていない気がするが、男と男の全力の殺し合いは濃密で、互いに息を激しく切らし合い、膠着した。にらみ合う俺と宮本。
 たまに聞こえる平野の呻き声と多田の的外れな静止する声。
 何かが連続で破裂するような音が繰り出されて、俺と宮本の間に何かが落ちてくる。互いにそれを避けて空く距離。

 澪が上から落ちてきて、ふーこがそれを追撃するように澪の腹を踏んづけるように蹴りを噛ます。
 澪の口から赤い血が噴き出されて、ぐったりとする。
 ふーこはふーこで全身血まみれになっていて、どこまでが返り血なのか、どこまでが傷によるものなのか窺い知れない。

「澪……」

 ぐったりとした澪に宮本が力なくつぶやく。

「ごめんな。澪。僕は君のことを知ることができなかった……。だから……」

 全く、宮本の情緒は不安定か!? 知ってたけど!
 急に泣きそうな子供のようになっている。
 ふーこが無表情のまま俺の顔を見たかと思うと、俺の傍に歩み寄った。
 なんだかまるで褒めて! と犬が寄ってくるような印象で、思わず戦いの最中だというのに俺はふーこの頭を優しく撫でた。

 ドサッ

 急に背後で何かが倒れこむ音がした。
 宮本から視線を外すのは危険だ。しかし……。

「ゾンビ!」

 多田の叫び声がそれが何かを告げる。
 澪の叫び声の後から、ずっとバリケードの向こうで蠢いていたそれらは、本来ならもうそのような力は残っていないし、そもそも障害物を乗り越えようという知能はないはずだが、ちらりと一瞬だけ視線を横に滑らせると、わらわらと車で塞いだバリケードを登って、着地に失敗しどさっと地面に転がると、ゆっくり起き上がってこちらへ向かって歩み寄り始めていた。

「くそっ」

 俺が忌々しそうに舌打ちする。
 それが合図になってしまったのか、よろよろと力なく澪が立ち上がると宮本をお姫様だっこで抱きかかえると、その驚異的なスピードを支える脚力で、地面を勢いよく蹴り上げると、空を跳んだ。
 家々の屋根に飛び乗って、次から次へと屋根を跳んで、走って、こちらから離れていく。

「逃げるのか!!」

 俺は叫びながらも、それは違うとすぐさま脳が否定する。
 宮本は、拠点としているマンションからこんな近くの家で潜伏していた。
 こちらの家は把握済みだろう。

「千鶴か!!!!」

 千鶴の元へ行ったと考えるのが妥当だろう。
 追いかけようにも、こちらは寄せてくるゾンビの波、負傷して動けない平野。
 役に立つのかわからない多田。

「平野重いからなぁ……」

 平野はスリムに見えつつも、その肉体は鋼のような筋肉で覆われている。
 身長も相まって体重は70㎏は超えているだろう。
 平野を抱えながらここから脱出、かつ、宮本に追いつくのは不可能だ。
 くそ……。
 平野達は見捨てて行くか。
 千鶴と愛と平野達では、俺にとって命の重さは違う。
 今は、平野達を見捨てて行くべきだろう。

 ちらりと多田を見る。
 多田は和やかな声で言った。

「今、助けていただいたら、これは天国側への大きな貸しです。将来絶対役に立ちますよ?」
「しかし、千鶴達が」
「ふーこさんは使えないのですか?」

 くそ。
 ふーこは人間同士の戦いには使いたくないんだ。
 ふーこは、そういう存在じゃないんだ。
 しかし……。

 迷っている暇はなかった。
 平野達を見捨てていったとしても、もう間に合わない。
 スマホで千鶴に電話をする。

『うん? どうかした? 宮本やっつけたの?』

 千鶴の呑気な声がする。

「宮本がそっちに逃げた! しっかり戸締りしておけよ!!」
『え? 戸締りはしてあるけど……』
「すぐにいく!」

 あのゾンビならドアなんて簡単に壊して開けそうだ……。
 目を閉じて一瞬悩む。
 とはいえ、答えは決まっている。
 俺はふーこの赤い瞳をじっと見つめて言う。

「ふーこ。千鶴と愛を守るんだ」

 ふーこは、きょとんとした表情で俺をまじまじと見つめると……。

「イイヨ……」

 明確に返事をした。
 ここまで、ハッキリと意思疎通ができたのは初めてじゃないだろうか!?
 刹那、ふーこが跳ぶ。
 以前、千鶴達と出会った時、空からふーこが降ってきて屋上に降り立った時から、ふーこの力は規格外だとは思っていたが、あっさりと空を跳ねると、屋根を蹴り上げて、拠点へと文字通り跳んで行った。

「頼む……」

 残された俺と多田、そして蹲る平野。
 押し寄せるゾンビ達。

「なぁ。多田。お前はどれくらい戦えるんだ?」
「あんまり期待しないでください。でも、こんな弱ったゾンビくらい遅れはとりませんよ」
「そうか、なら平野のククリナイフ使えよ。それと、平野をひきずって物陰に隠れろ。手榴弾が一発ある」
「それは助かります……」

 そう言って、まだ無事なコンクリート塀の向こうへ平野をひきずっていく多田。

「さぁ、来いよ。好みのゾンビがいたら飼ってやる」

 どんどんとバリケードを超えて増え続けるゾンビの群れに俺は誰が聞くともなくつぶやいた。
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