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外伝 レオンハルト編
ルカテリーナ=バークレイという麗人(あにうえ)3
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「おい、何と言う事をしてくれたのだ! これではもう、婿は望めん。お前はこの侯爵家をどうしようというのだ! 潰すのが目的か!? オーティス王の命なのか!?」
「いいえ、侯爵様、違いますわ。あの者達はフローラにふさわしくありません。だから追い出したまで。オーティス王は全く関係ございませんし、侯爵家を潰すつもりもありません。それに私は嘘をついておりません。侯爵様の長生きも、魔力に耐性のない者が魔力に当てられて死ぬのも本当の事なのです。もう一つ付け加えるなら、魔力の差が過ぎると子も出来ません」
「そんな・・・嘘だ、嘘に決まってる! そうだ! お前はわしの魔力が高いと言ったが、わしは魔法が使えぬ。試した事もあるぞ。これはどう説明するつもりだ」
「簡単な事ですわ。この辺りは魔力のエネルギーとなる魔素が少ない地域ですの。魔法を発動させるにはかなりの訓練を要します。ポルト国で魔法を操るのは、大変な事なのですよ? この国に強大な力を持つ魔法使いが居ないのも、魔法の技術が発達しないのも同じ理由。だからフローラも魔法が下手だって気にする事はないのよ? レノルドみたいな魔素の濃い地域に行けば、はるかに上手く操れるはずだから」
「そうなの? 初めて聞いたわ。魔法学校の先生はそんな事一言も言ってなかったもの」
「ああ、それは仕方がないわ。この国における魔法学校の先生レベルじゃあ、感知出来ないもの」
悄然と立ち尽くす侯爵に、兄上は優しく言った。
「侯爵様、ご心配にはおよびません。フローラには、あの者達よりずっとふさわしい伴侶が近々現れますの。本当ですのよ?」
侯爵は兄上の言葉を聞いても、顔色は未だに冴えない。
真実ではなく、おそらく自分を慰めるための気休めと捉えたのだろう。
侯爵を心配した様子で、友人と思われる初老の男が近付いて来た。
親しげに肩を抱いて励ます。
「そうだよ、チャド。私も実は反対だったんだ。いくら侯爵家の存続のためとはいえ、あんな己の私欲ばかりの奴らにフローラと侯爵家をくれてやることはないんだ。このお嬢さんの言葉を信じるなら、いい婿が現れるみたいじゃないか。焦らずもうしばらく様子を見てはどうだ」
「そんな都合よく現れるものか! わしが今までどれだけ苦労を・・・ぐっ」
「分かったから、まあ、落ち着け。こっちでゆっくり話そう」
初老の男が侯爵を抱えて連れて行くのを見送っていると、フローラがおずおずと兄上に礼を言った。
「あの、ルカ、今日はいろいろとありがとう。本当はね、おじい様に今日のパーティーの出席者の中から一人を選ぶようにって言われてたの。でも、良かった。ルカの言う通りなら、あやうく私達、人殺しになるところだったのね。もう、婿に入りたいって人はいなくなるだろうけど、もともと男性は苦手だし、私が功をあげて、オルランドを盛り立てれば、名前を継いでくれる養子くらいは見つかるわよ、きっと。そうすればおじい様だって、」
始めは口調もしっかりとしていたのに、どんどん不安げなものになり、最後には聞き取れないほどの呟きになっていた。
兄上はフローラの落ち込んだ気持ちを引き上げるために、わざと明るい口調でフローラを茶化す。
「フローラも信じていないのね。あなたの運命の相手が現れるって言ってるのに」
運命の相手と聞いて、フローラは顔を思い切り顰める。
「男は嫌い。裏切られるのはもう、イヤなの」
俺はポケットから這い出て、兄上に催促するために、上着の胸の辺りにその存在を誇示するように張り付いた。
二人きりだし、俺の話題を切り出すにはいい頃合いだと思う!
俺は最初からずっとポケットから顔を出しているのに、他の人間もだけど、フローラも全然気付いてくれなくて、非常につまらなかった。
それに、これ以上兄上にばかり活躍されては、俺の存在が霞んでしまう!
「あ、ルカ! 何かポケットから出てきたわよ? リボン? え? 何?」
フローラが驚いた声を上げる。
「あれ、あなた白くなってるわよ? 上着の保護色になってリボンが付いてなきゃ分かんないわね。フローラ手を出して」
兄上はそう言って俺を掴み、上着から引きはがすとフローラの手の平に乗せる。
白? ああ、カメレオンの習性で俺は知らず知らずのうちに体表を保護色に変化させていたみたいだ。
鮮やかな緑に戻れ戻れと念じてみる。
初めての対面だから、やっぱり華麗なる姿でフローラデビューを果たしたい。
「これは?」
「カメレオンの、そう、レオンよ。この国にはいなかったかしら? トカゲの仲間よ。色も綺麗だし、なかなか愛嬌があって可愛いのよ?」
「カメレオンのレオン・・・」
目を輝かせて食い入るように眺めるフローラに、くるくる尻尾をフローラの指に絡ませたり、二股に分かれた手を使ってにぎにぎしてみたり、頭を手の平に擦りつけたりして、俺は全力で可愛さアピールに努める。
「え? ルカ、これって私に甘えてるの? すごく可愛い!」
「気に入った? レオンもあなたが好きみたい。欲しければあげるわよ?」
「え? 本当に? あ、でも、」
「飼うっていっても特別にしなきゃいけない事は何もないのよ? ポケットにでも入れて持ち歩いていればいいの。餌は勝手に取りに行くし、ケージも必要ないわ」
そして兄上は周りに聞こえないよう声をひそめて、秘密を打ち明けるように話す。
「それにね、実はこのカメレオン、普通のカメレオンじゃないの。この世で最強の魔法使いが飼ってたカメレオンでね、魔力を持ってて、魔法も使えるの。この魔素の薄い地域で、あなたの魔法の手助けをしてくれるはずよ」
フローラはぎょっとしたように俺をまじまじと見た。
「試してみて? そうね、あなたが苦手な魔法がいいわね。レオンとあなたの魔力はとても相性がいいから、びっくりするほど上手くいくはずよ」
フローラは半信半疑の様子で戸惑いながらも、それでも好奇心からか、やってみると言った。
「えっと、じゃあ、水を出してみようかしら。普段はコップ一杯くらいが限界なのだけど・・・」
フローラが手を突き出すと、手の平から水が勢いよく飛び出し、辺りが水浸しになった。
フローラは目を剥いて無言で手の平を凝視している。
「じゃあ、火は・・・」
同じくフローラの手の平から火炎放射のように炎が噴き出し、自慢の庭が一部黒焦げになった。
「・・・・・・」
兄上にばかりいいカッコをさせるのが癪に障って、張り切ってしまったけど、ちょっとやり過ぎたかな?
「いいえ、侯爵様、違いますわ。あの者達はフローラにふさわしくありません。だから追い出したまで。オーティス王は全く関係ございませんし、侯爵家を潰すつもりもありません。それに私は嘘をついておりません。侯爵様の長生きも、魔力に耐性のない者が魔力に当てられて死ぬのも本当の事なのです。もう一つ付け加えるなら、魔力の差が過ぎると子も出来ません」
「そんな・・・嘘だ、嘘に決まってる! そうだ! お前はわしの魔力が高いと言ったが、わしは魔法が使えぬ。試した事もあるぞ。これはどう説明するつもりだ」
「簡単な事ですわ。この辺りは魔力のエネルギーとなる魔素が少ない地域ですの。魔法を発動させるにはかなりの訓練を要します。ポルト国で魔法を操るのは、大変な事なのですよ? この国に強大な力を持つ魔法使いが居ないのも、魔法の技術が発達しないのも同じ理由。だからフローラも魔法が下手だって気にする事はないのよ? レノルドみたいな魔素の濃い地域に行けば、はるかに上手く操れるはずだから」
「そうなの? 初めて聞いたわ。魔法学校の先生はそんな事一言も言ってなかったもの」
「ああ、それは仕方がないわ。この国における魔法学校の先生レベルじゃあ、感知出来ないもの」
悄然と立ち尽くす侯爵に、兄上は優しく言った。
「侯爵様、ご心配にはおよびません。フローラには、あの者達よりずっとふさわしい伴侶が近々現れますの。本当ですのよ?」
侯爵は兄上の言葉を聞いても、顔色は未だに冴えない。
真実ではなく、おそらく自分を慰めるための気休めと捉えたのだろう。
侯爵を心配した様子で、友人と思われる初老の男が近付いて来た。
親しげに肩を抱いて励ます。
「そうだよ、チャド。私も実は反対だったんだ。いくら侯爵家の存続のためとはいえ、あんな己の私欲ばかりの奴らにフローラと侯爵家をくれてやることはないんだ。このお嬢さんの言葉を信じるなら、いい婿が現れるみたいじゃないか。焦らずもうしばらく様子を見てはどうだ」
「そんな都合よく現れるものか! わしが今までどれだけ苦労を・・・ぐっ」
「分かったから、まあ、落ち着け。こっちでゆっくり話そう」
初老の男が侯爵を抱えて連れて行くのを見送っていると、フローラがおずおずと兄上に礼を言った。
「あの、ルカ、今日はいろいろとありがとう。本当はね、おじい様に今日のパーティーの出席者の中から一人を選ぶようにって言われてたの。でも、良かった。ルカの言う通りなら、あやうく私達、人殺しになるところだったのね。もう、婿に入りたいって人はいなくなるだろうけど、もともと男性は苦手だし、私が功をあげて、オルランドを盛り立てれば、名前を継いでくれる養子くらいは見つかるわよ、きっと。そうすればおじい様だって、」
始めは口調もしっかりとしていたのに、どんどん不安げなものになり、最後には聞き取れないほどの呟きになっていた。
兄上はフローラの落ち込んだ気持ちを引き上げるために、わざと明るい口調でフローラを茶化す。
「フローラも信じていないのね。あなたの運命の相手が現れるって言ってるのに」
運命の相手と聞いて、フローラは顔を思い切り顰める。
「男は嫌い。裏切られるのはもう、イヤなの」
俺はポケットから這い出て、兄上に催促するために、上着の胸の辺りにその存在を誇示するように張り付いた。
二人きりだし、俺の話題を切り出すにはいい頃合いだと思う!
俺は最初からずっとポケットから顔を出しているのに、他の人間もだけど、フローラも全然気付いてくれなくて、非常につまらなかった。
それに、これ以上兄上にばかり活躍されては、俺の存在が霞んでしまう!
「あ、ルカ! 何かポケットから出てきたわよ? リボン? え? 何?」
フローラが驚いた声を上げる。
「あれ、あなた白くなってるわよ? 上着の保護色になってリボンが付いてなきゃ分かんないわね。フローラ手を出して」
兄上はそう言って俺を掴み、上着から引きはがすとフローラの手の平に乗せる。
白? ああ、カメレオンの習性で俺は知らず知らずのうちに体表を保護色に変化させていたみたいだ。
鮮やかな緑に戻れ戻れと念じてみる。
初めての対面だから、やっぱり華麗なる姿でフローラデビューを果たしたい。
「これは?」
「カメレオンの、そう、レオンよ。この国にはいなかったかしら? トカゲの仲間よ。色も綺麗だし、なかなか愛嬌があって可愛いのよ?」
「カメレオンのレオン・・・」
目を輝かせて食い入るように眺めるフローラに、くるくる尻尾をフローラの指に絡ませたり、二股に分かれた手を使ってにぎにぎしてみたり、頭を手の平に擦りつけたりして、俺は全力で可愛さアピールに努める。
「え? ルカ、これって私に甘えてるの? すごく可愛い!」
「気に入った? レオンもあなたが好きみたい。欲しければあげるわよ?」
「え? 本当に? あ、でも、」
「飼うっていっても特別にしなきゃいけない事は何もないのよ? ポケットにでも入れて持ち歩いていればいいの。餌は勝手に取りに行くし、ケージも必要ないわ」
そして兄上は周りに聞こえないよう声をひそめて、秘密を打ち明けるように話す。
「それにね、実はこのカメレオン、普通のカメレオンじゃないの。この世で最強の魔法使いが飼ってたカメレオンでね、魔力を持ってて、魔法も使えるの。この魔素の薄い地域で、あなたの魔法の手助けをしてくれるはずよ」
フローラはぎょっとしたように俺をまじまじと見た。
「試してみて? そうね、あなたが苦手な魔法がいいわね。レオンとあなたの魔力はとても相性がいいから、びっくりするほど上手くいくはずよ」
フローラは半信半疑の様子で戸惑いながらも、それでも好奇心からか、やってみると言った。
「えっと、じゃあ、水を出してみようかしら。普段はコップ一杯くらいが限界なのだけど・・・」
フローラが手を突き出すと、手の平から水が勢いよく飛び出し、辺りが水浸しになった。
フローラは目を剥いて無言で手の平を凝視している。
「じゃあ、火は・・・」
同じくフローラの手の平から火炎放射のように炎が噴き出し、自慢の庭が一部黒焦げになった。
「・・・・・・」
兄上にばかりいいカッコをさせるのが癪に障って、張り切ってしまったけど、ちょっとやり過ぎたかな?
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