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第2章 居場所
8 一等星
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まだ日が登っていない明け方。
「今日からここでお過ごしください」
そう、言って案内されたのは王宮内にある1つの部屋。
「本当にここですか?」
確認をするがレグルスは頷くだけ。
疑いたくなるのも分かるだろう。
なぜなら、反逆罪はいくら王の子供でも死刑で先程まで地下牢なのに、一気に王族だけが住むことを許されてる部屋に案内されたのだ。
兄の真意がさっぱり分からない。
ただ、侯爵がまだ釈放されていないということは罪自体をなしにしたわけではなさそうだ。
「これより、あなたに侍女を数名つけますがここから出ないように」
つまり、軟禁ということだ。
それだけでも随分と好待遇なのは王の子だと証明されたからだろう。
「今日から王族として受け入れるそうです」
「え?」
耳を疑った。こんな訳の分からない娘を受け入れる?そんな事を虐殺を繰り返している暴君がいったのか?
益々意味が分からない。呆気にとられている私にレグルスは釘を刺す。
「今日からこの国の王族となりますが、いくら王族でも元々は侯爵の娘。変な気を起こさないように、身の程をわきまえて過ごすして下さい」
あくまでレグルスは皇女ではなく侯爵の娘として見ているため軽く睨みをきかせ去っていった。
そのままポツンと部屋に1人残されたカペラ。
「はぁー……なんでこうなった」
とため息をつく。
殺された相手の娘とか、なんて酷なのだろう。
これから、また“殺された原因”を探さなければならない。
あと……謀反から消息不明のラナスも。
****
『にぃさま!』
と銀髪で金色の瞳をキラキラさせながら木の後ろからピョコッと幼き少女は顔を出した。
王宮の外を囲むようにある森の中の1本の大木を中心に半径10mは木が生えず野花だけが咲き乱れている、いつものこの場所。
唯一敵がいないゆっくりと勉学(読書)に励むことができる今の時間、12くらいの大人びた金髪の少年は迷惑そうに少女を無視した。
それでも懲りずに銀髪の少女セレーナは金髪の少年シリウスの周りを、かまってほしいというようにピョンピョンと跳ね続ける。
『ねぇ!にいさま!にいさま!』
『・・・・』
『ねぇ!たら、ねぇぇー!!』
『……何?』
迷惑そうに答えたシリウスだったが、返事をしてくれたことが嬉しくて天真爛漫に笑って言う。
『私ね!気づいたんだけど!シリウスって星の名前と同じなんだって!しかも1等星の中でも一番すっっごく明るいんだって!』
『……それが?』
『他の一等星はカノープス、カペラ、アルタイル、スピカ、アンタレス、レグルスとかあるんだって!
お星さまってその場から離れないでしょ?だからね、にいさまもシリウスみたいに側を離れないような他の一等星みたいな人達ができたらいいね!』
『は?』
『はいっ!ということで第一号の一等星仲間で~す!この子はスピカっ!』
何を言っているのか分からない俺をよそに、白い子狐を抱えあげ、心底そう願うようにセレーナは太陽のように笑う。
なぜ、存在しているだけで邪魔で憎まれる俺にそんなことをほざくのか?
けやに腹立たしく苛立ち、戸惑い、それらの感情に気付きモヤモヤし、このままだと自分がおかしくなりそうで恐怖を感じた。
“またこの感情だ”
『あっ!スピカ待ってっ!』
と背を向けたセレーナに自分の中にあるものが急に殺気立った。
いなくなればこの鬱陶しい感情をなくせるだろうか?
気がつけば剣を握っていてそれを振り下ろしていた。
ガンキンっ!
その金属音に「ハッ!」と我に返った。
「陛下、私です。レグルスです」
目の前には近衛騎士のレグルスが自分の攻撃を剣で受け止めていた。
その金属音だったのだ。
ハァハァと荒くなった息を整えゆっくりと剣を下ろすとレグルスも同じようにゆっくりと下ろす。
そのまま脱力したように先程寝ていたソファに座る。
「ハァー。なんだ寝ぼけていたのか……なんとも後味の悪い。死んでもなお出てくるのか。」
10年以上経っているにも関わらず今だに夢に出てくる自分の弱さに呆れ小さく笑う。
こう、何度も何十回も何百回も呪いのように出てきては睡眠を妨げる。
これは妹を裏切った罰だ。そう思っては精々してギトギトし憂鬱になる。
その様子に慣れているのか、レグルスは疲れはててこめかみを押さえているシリウスに困ったように言う。
「侍医から処方された薬飲まれてますか?」
「………。用件は?」
この方は、本当に言うことを聞かない人だ。
弱いところを見せたくないのか、罪を償っているつもりなのか、それとももう会えない人に唯一会える方法を失いたくないのか。
本心は当事者しか分からないことだ。
「今日からここでお過ごしください」
そう、言って案内されたのは王宮内にある1つの部屋。
「本当にここですか?」
確認をするがレグルスは頷くだけ。
疑いたくなるのも分かるだろう。
なぜなら、反逆罪はいくら王の子供でも死刑で先程まで地下牢なのに、一気に王族だけが住むことを許されてる部屋に案内されたのだ。
兄の真意がさっぱり分からない。
ただ、侯爵がまだ釈放されていないということは罪自体をなしにしたわけではなさそうだ。
「これより、あなたに侍女を数名つけますがここから出ないように」
つまり、軟禁ということだ。
それだけでも随分と好待遇なのは王の子だと証明されたからだろう。
「今日から王族として受け入れるそうです」
「え?」
耳を疑った。こんな訳の分からない娘を受け入れる?そんな事を虐殺を繰り返している暴君がいったのか?
益々意味が分からない。呆気にとられている私にレグルスは釘を刺す。
「今日からこの国の王族となりますが、いくら王族でも元々は侯爵の娘。変な気を起こさないように、身の程をわきまえて過ごすして下さい」
あくまでレグルスは皇女ではなく侯爵の娘として見ているため軽く睨みをきかせ去っていった。
そのままポツンと部屋に1人残されたカペラ。
「はぁー……なんでこうなった」
とため息をつく。
殺された相手の娘とか、なんて酷なのだろう。
これから、また“殺された原因”を探さなければならない。
あと……謀反から消息不明のラナスも。
****
『にぃさま!』
と銀髪で金色の瞳をキラキラさせながら木の後ろからピョコッと幼き少女は顔を出した。
王宮の外を囲むようにある森の中の1本の大木を中心に半径10mは木が生えず野花だけが咲き乱れている、いつものこの場所。
唯一敵がいないゆっくりと勉学(読書)に励むことができる今の時間、12くらいの大人びた金髪の少年は迷惑そうに少女を無視した。
それでも懲りずに銀髪の少女セレーナは金髪の少年シリウスの周りを、かまってほしいというようにピョンピョンと跳ね続ける。
『ねぇ!にいさま!にいさま!』
『・・・・』
『ねぇ!たら、ねぇぇー!!』
『……何?』
迷惑そうに答えたシリウスだったが、返事をしてくれたことが嬉しくて天真爛漫に笑って言う。
『私ね!気づいたんだけど!シリウスって星の名前と同じなんだって!しかも1等星の中でも一番すっっごく明るいんだって!』
『……それが?』
『他の一等星はカノープス、カペラ、アルタイル、スピカ、アンタレス、レグルスとかあるんだって!
お星さまってその場から離れないでしょ?だからね、にいさまもシリウスみたいに側を離れないような他の一等星みたいな人達ができたらいいね!』
『は?』
『はいっ!ということで第一号の一等星仲間で~す!この子はスピカっ!』
何を言っているのか分からない俺をよそに、白い子狐を抱えあげ、心底そう願うようにセレーナは太陽のように笑う。
なぜ、存在しているだけで邪魔で憎まれる俺にそんなことをほざくのか?
けやに腹立たしく苛立ち、戸惑い、それらの感情に気付きモヤモヤし、このままだと自分がおかしくなりそうで恐怖を感じた。
“またこの感情だ”
『あっ!スピカ待ってっ!』
と背を向けたセレーナに自分の中にあるものが急に殺気立った。
いなくなればこの鬱陶しい感情をなくせるだろうか?
気がつけば剣を握っていてそれを振り下ろしていた。
ガンキンっ!
その金属音に「ハッ!」と我に返った。
「陛下、私です。レグルスです」
目の前には近衛騎士のレグルスが自分の攻撃を剣で受け止めていた。
その金属音だったのだ。
ハァハァと荒くなった息を整えゆっくりと剣を下ろすとレグルスも同じようにゆっくりと下ろす。
そのまま脱力したように先程寝ていたソファに座る。
「ハァー。なんだ寝ぼけていたのか……なんとも後味の悪い。死んでもなお出てくるのか。」
10年以上経っているにも関わらず今だに夢に出てくる自分の弱さに呆れ小さく笑う。
こう、何度も何十回も何百回も呪いのように出てきては睡眠を妨げる。
これは妹を裏切った罰だ。そう思っては精々してギトギトし憂鬱になる。
その様子に慣れているのか、レグルスは疲れはててこめかみを押さえているシリウスに困ったように言う。
「侍医から処方された薬飲まれてますか?」
「………。用件は?」
この方は、本当に言うことを聞かない人だ。
弱いところを見せたくないのか、罪を償っているつもりなのか、それとももう会えない人に唯一会える方法を失いたくないのか。
本心は当事者しか分からないことだ。
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