無限のスキルゲッター! 毎月レアスキルと大量経験値を貰っている僕は、異次元の強さで無双する

まるずし

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第8章 英雄の育成

第386話 既視感?

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「着いたぜ。ここがアタシたちが通う学院だ」

 先頭を歩いていたランゼがクルリと振り返って、前方の建物を手で指し示す。
 サイファたちに案内されて、僕は英雄養成学院へと到着した。
 私立の学校ということだけど、巨大な複合施設かと思うほど立派な校舎が建ち並び、敷地も途方もなく広かった。
 まさにマンモス校、僕が通っていた学校の数倍の規模はあるだろう。
 どうやらファーブラ中のめぼしい子供たちが集まっているらしい。
 そして比較的裕福な生徒が多いとのことだが、サイファたち3人はその限りではなかった。

 実はサイファたちは孤児院出身で、本来はこの学院に入れるような身分ではないんだとか。
 では何故入学したかというと、それには深い理由があったのだ。
 なんと、この学院の新しい施設を作るため、孤児院が取り壊されることになってしまったらしい。
 だが、そんなことはサイファたちは到底受け入れられず、断固として孤児院の明け渡しを拒否した。
 しかし、すでに土地は買収され、借金のカタに孤児院の権利書も押さえられていてどうにもならなかった。

 藁にもすがる思いで行政機関に訴えたところ、もし孤児院の子が学院で優秀な成績を収めることができれば、取り壊しを保留にしてもよいと告げられた。
 優秀な子を育てられる施設なら、保護対象にしてもいいという判断らしい。
 それは学院側にも伝えられ、国からの支援もあり、渋々サイファたちの入学が許可されたようだ。
 つまり、我が家同然の孤児院を救うため、分不相応ながらも入学したということ。

 ただ、学院側はどうにも非協力的で、これまでにもサイファたちはさんざん邪魔をされてきたらしい。
 冒険者のパートナーが見つからなかったのも、学院側から横槍が入ったからという噂もあるほどだ。
 もはや手詰まり状態だったところに僕が現れ、そして今に至っている。
 結構可哀想な境遇だから、僕にできることはなるべく協力してあげたいところだ。

 単純な金銭だけの問題であれば僕が援助してあげるという手もあるんだけど、どうも学院長は孤児院のある土地が目的じゃないかということ。
 孤児院の場所はここより少し遠くて、立地条件もよくないらしい。
 施設を建てたいならもっといい場所はいくらでもあるはずで、何故そんな場所に固執するのかが謎なんだとか。

 要するに施設拡張はただのこじつけで、その場所をなんらかのことに利用したいのではないかと。そのために孤児院を取り壊そうとしている。
 もし本当にそうだとしたら、たとえ僕が借金を肩代わりしても、すんなりと諦めてはくれないような気がする。
 それに、一国の王である僕としては、他国内の問題に首を突っ込むこともあまりしたくはない。
 サイファたちで解決できるなら、それが最善だろう。 


「ヒロさん、こっちです」

 学院の敷地内に入ってみると、すでにたくさんの生徒たちがグラウンドに集合していた。
 その周りには、生徒たちのパートナーであろう冒険者たちも集まっている。
 凄いな、全部で1000人以上いそうだけど、これ全部今日のテストを受けに来た人たちなのか?
 ファーブラ中から、いや他国も含めて、優秀な冒険者が集められた感じだ。

 おっと、せっかく来たんだ、ナンバー0の子供らしき存在がいるのかチェックしないとな。
 エリートが集まってるようだから、捜すにはもってこいだ。生徒たちは冒険者よりもさらに多く、3000人くらいはいる。
 ここに来てよかった。街なかを漠然と捜すよりも、圧倒的に効率がいい。
 これだけいれば、ひょっとしたら見つかるかも……?
『真理の天眼』を使って、それらしいスキルを持ってる子がいないか周りを見渡す。

 なるほど、英雄を育てようとする学校なだけに、ホントに優秀な人が多いな。
 ただ、エーアストの僕たち――いわゆる対魔王軍世代よりかは、残念ながら劣っているけどね。
 まあ僕らと比べちゃ申し訳ないか。
 とりあえず、ナンバー0の子供ならそれなりにいいスキルを持ってる気がするので、該当者を絞ることができると思う。
 もしこの中にいるとしたら、だけど。

「おい兄ちゃん、何さっきからキョロキョロしてんだよ!」

「うわあああっ」

 ランゼが突然僕に顔を近づけてきたから、ビックリして変な声が出てしまった。

「なに焦ってんだよ! 変な目付きでやたら生徒たちを見つめてるし……あ、まさかお前、ナンパ相手でも探してんじゃねーだろうな!?」

「い、いや違うよ、なんだか懐かしいなあと、ちょっと昔を思い出しただけで……」

「ランゼちゃん、ヒロさんのこと『兄ちゃん』なんて呼んじゃダメだよ、ボクたちのパートナーとして来てもらったんだから」

「ふん、仕方ねー『ヒロ』って呼んでやるよ。でも今日だけだからな」

「私も呼んであげるから、今日は頑張ってねヒロくん」

 いたずらっ子みたいな笑みを浮かべながら、クリスティがランゼの横に並ぶ。
 からかい方を見る限りじゃ、3人の中ではこの子が一番マセているかも?

 しかし、ヒロかあ……年下にそんな呼ばれ方されるとちょっと恥ずかしいな。
 僕が少し戸惑ってるのを見て、ランゼとクリスティはどこか勝ち誇ってるような顔をしている。
 なんかもうこんな子たち相手でも頭が上がる気がしないよ。
 女の子は強い……。

「なんだ、君たちパートナーが見つかったのか? まさか、こんな落ちこぼれたちの師匠になる酔狂なヤツがいたとはね」

 僕が軽く脱力していると、ふと後ろからサイファたちに声をかけてきた男子がいた。
 おっと、金髪のかなりのイケメンだ。
 ひょっとして3人の誰かが付き合ってる彼氏かと思ったけど、今の挑発的な言葉といい、彼女たちを見下すような目付きといい、好意的な関係にはとても見えなかった。

「デミトフ! お前わざわざそんなこと言いに来やがったのか!?」

「クラスメイトとして心配してやったんじゃないか。まあ君たちはここで退学となったほうが幸せだと思うけどね」

「何をっ!」

 デミトフという少年にあおられてランゼが熱くなる。
 クリスティも黙ってられないといった雰囲気で、その様子を見てサイファがハラハラしている。
 間に入って止めたほうがいいか? しかし、部外者の僕がいきなり口出しするのも、逆効果となりそうで難しいところだ。

「デミトフの言う通りだぜ。ホントに諦めの悪い奴らだ。それにこんな若い男じゃ、まだ駆け出しの冒険者じゃねえのか?」

「ゴライアス、お前まで来やがって!」

 成り行きを見守っていると、デミトフの後ろから巨体の少年が現れた。
 これまた友好的とは到底思えない、凶悪そうな笑みを浮かべている。
 なんかイザヤとゴーグを彷彿とさせる2人だな。
 まあイザヤはあれで正義感の強い男だし、ゴーグはこんなつまらない嫌みを言ってくるような小さい男じゃないけどね。

「ランゼ、お前らがいるおかげで、オレたちのクラスの評価が下がっちまうだろ! いい加減とっとと退学しろって」

「まったくだ。育ちが悪いと、他人の迷惑もロクに考えないんだな」

 ゴライアスとデミトフは、続けざまにサイファたちをなじる。
 うーん似たようなことを、僕も学校時代はさんざん言われたっけ。
 他人事には思えないところだ。

 デミトフは身長175㎝くらいで、細身でスタイルのいいイケメンだ。
 持っている能力は『制裁人パニッシャー』というSSランクの称号で、相手から攻撃を喰らうと、そのダメージに応じて戦闘力が上がるというモノ。
 大きなダメージを受ければそれだけ自身も強くなるが、まずは攻撃を喰らわなくちゃいけないのが難点か。

 ゴライアスは黒髪短髪の巨漢で、身長は180㎝ちょっと。
 ゴーグと似たところはあるが、ゴライアスはほんのちょっと肥満気味かな。
 ゴーグは巨体ながらスピードも抜群だったけど、ゴライアスは完全にパワータイプに見える。
 そして持ってる能力は、SSランクの称号『無法者ランペイジ』。
 これは発動すると、なんと戦闘力が10倍にも跳ね上がるらしいけど、ただし敵と味方の区別がつかなくなるというやっかいな能力だ。
 良くも悪くも『狂戦士』の超上位版って感じかな。

「おいオッサン、アンタこんな奴らに雇われないといけないくらい貧乏なのか? みっともない冒険者だぜ」

「なんならこの僕が、あなたにお金を恵んでもいいですよ。彼女たちのパートナーをやめるならね」

 デミトフたちは、僕にまで絡んできた。
 優秀な能力を授かったから、傲慢になっちゃったのかなあ。いや、元クラスメイトたちのことを思い出すと、あんまり関係ないかも?
 誰かこの子たちを叱ってあげられる指導者がいればいいんだけど。

「デミトフさん、ゴライアスさん、もうその辺でいいんじゃないかしら」

 どう対応しようか困っていると、特に大きな声でもないのによく響く、気品のある女性の声が聞こえてきた。
 声の方向を見ると、フィーリアのような輝く銀髪を腰まで伸ばした、とんでもない美少女が現れた。
 銀髪もさることながら、外見もフィーリアに匹敵する美しさだ。
 これはただ者じゃないな。
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