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「取材? 小説のネタのために?」
作家の京塚夏彦から取材させてほしいという連絡が来て、水川は驚いた。
ただ、有名小説家と言われても、普段から小説など読まない水川には実感がない。
それがなんだ、というのが正直なところだった。
断ってもいい。
そう思ったが、京塚に「友人だろう」と言われて、水川は黙った。
高校三年のとき、一年だけ同じクラスだった。
それだけの関係だ。
卒業してからは、ほとんど会っていない。
水川は高校を出て、あちこちの工場で修業の日々、反対に京塚は大学に進んで、突然、新人賞を受賞した。
商業作家としてデビューしたのだ。
断るつもりだった。
だが、礼はすると言われ、それならと思った。
「おしゃれな恋愛、需要がないわけじゃないんです」
女性編集者、野崎の言葉に京塚は頷いた。
「ここ最近は若手が恋愛小説をガンガンと書いてます」
机上に山積みされたのは資料として買ってきたと言われる単行本のタイトルを見て、京塚は溜息を漏らした。
敏腕弁護士、私にだけドクターは甘すぎる、ホテル王の溺愛。
世の中に、そんなハイスペックな男がどれほどいるというのか。
しかも、出てくる男たちは、二十代から三十代の若く、顔立ちも海外スター並みに整っている。
現実味がないと言えば、それまでだが、これが女性には受けるのだろう。
京塚はこれまで、大人の男女の恋愛を書いてきた。
派手な設定はない。だが、静かな情感と、現実に足をつけた関係性が受け、一部の女性読者からは根強く支持されていた。
若手作家のものよりは少し大人びた内容のものだ。
それで人気が出たのだが、ネタは永遠に続くわけではない。
「若手読者の意見が辛辣なんですよ」
野崎がスマホの画面を突き付けた。
「男の願望が丸出し」
「主人公が女を理解していない」
「顔が良くても生活力がない男は無理」
「大人の恋というより、都合のいい女を書いているだけ」
辛辣な意見だ。
「大人の恋を書いているのに、リアリティがないって意見もあります」
「そうか」
「いきなりのジャンル替えも難しいと思います。だから、舞台を変えませんか」
「まさか夢のようなシンデレラ・ストーリーを僕に書けというのかい」
野崎は首を振った。
「舞台を変更です」
「先生の強みは、大人の距離感を書くところです。そこは残しましょう。変えるのは、舞台です」
野崎は言葉を続けた。
「先生の恋愛は、軽くないんです。舞台だけ現実に寄せれば、今の読者にも届きます」
シンデレラストーリーは短編が多い。空いたスキマ時間にすぐ読める。
それは利点で強みでもある。
だが、野崎は京塚の書くものを、そんな形にはしたくない。
じっくりと読める、電子でも書籍でも、そういう形にしたいと思っているのだ。
「取材?小説のネタの為に」
作家の京塚夏彦から取材させてほしいという連絡に水川は驚いた。
普段から小説など読んだこともない水川は何故と思った。
小説家の取材と言われても、それがなんだという感じだ。
断ってもいいのだが、友人だろうと言われて無言になった。
高校三年のとき一年だけ同じクラス、それだけの関係だ。
卒業してから殆ど会ったこともない。
自分は高校を出て色々なところで修行の日々。
京塚は大学に行き、突然、本を出して商業作家としてデビューした。
断ろうと思ったが、礼は、すると言われて水川は、それならと思った。
昼を過ぎた頃、京塚は秘書と一緒にやってきた。
広くない場所だし鉄くずの匂いもする。
「野崎君、帰っていいよ。一人で大丈夫だ。終わったら二人で飲みに行く約束をしているんだ。久しぶりに友人と会うんだ」
気を利かせてくれと言われて野崎はわかりましたと頷く。
「期待してますよ、先生」
「分かっている」
女に対する気遣い口のうまさはさすが、作家だなと水川は呆れた。
タブレットを片手に京塚は工場内を水川と一緒に歩き出した。
「町工場を取材して小説を書くのか」
「ああ、恋愛小説だ」
水川はすぐには返事ができず、驚いたように京塚を見た。
「リアルな恋愛小説を書こうと思っているんだ」
「こんなところで、恋が芽生えるのか」
「こんなところで恋なんか始まるのか」
水川は呆れているのかもしれない。
「テレビの中にはいるんじゃないか」
京塚は笑った。
「金持ちで優しい、スタイルも顔も芸能人、韓国俳優みたいな美形、そんな男が現実にどれくらいいると思っている」
「芸能や小説の中からいるんじゃないか」
ふいに京塚の足が止まった。
「おい、あれ」
京塚は、床に敷かれたマットとクッション、その上に丸まっている毛の塊に気づいた。
「犬を飼いはじめたのか」
「違う、猫だ」
水川の言葉に京塚は、えっと声を漏らした。
「おい、触るなよ。従業員が連れてきている猫なんだ」
構うなよと水川は言おうとした。
京塚は驚いたようだ。
「日本の猫じゃないな」
たしかに、京塚の知る猫よりも一回り大きい。長い毛が床に広がり、顔だけ見れば小さな獣のようだった。
近寄って上から見ていても眠っているのか、身動きもしない。
「Es ist fast Zeit fürs Abendessen.」
そろそろご飯にしようか。
背後から聞こえた女性の声に、京塚は振り返った。
「水川社長、夕方に少しお時間をいただけますか」
ミサキの言葉に水川は一瞬驚いた顔になった。
「会社のホームページを見たんですけど、最近、あまり更新されていないみたいで」
「ああ。実は、社員がひとり辞めてしまってね。その人間が更新を担当していたんだ」
「そうだったんですね」
ミサキは一度、言葉を選ぶように視線を落とした。
「更新作業って、やっぱりパソコンでされていたんですか」
水川は苦笑した。
「俺はパソコンに関しては、あまり詳しくない」
「余計なことだったらすみません」
ミサキは少し考えてから、慎重に口を開いた。
「知り合いに詳しい人がいるんです。一度、相談だけしてみても構いませんか」
水川は驚いた。
翌日の夕方、工場を訪ねてきたのは、一人の若い男だ。
相撲取りのような体格、三桁行きそうだなと思った。
丸い顔、けれど、目だけは妙に鋭い。
「ミサキさんに呼ばれて来ました。熊谷です。ホームページの件で」
男は見た目に似合わない軽い足取りで工場内の片隅に向かった。
ホームページの管理画面を見たいというので、水川も同席した。
熊谷は椅子に腰を下ろすなり、太い指でマウスを器用に動かした。
その指の動きが、思ったよりずっと速い。
水川は、男の腹ではなく、指先を見るようになった。
熊谷はホームページを上から下まで確認し、水川に尋ねた。
「これ、業者に作ってもらったんですか」
水川は頷いた。
ミサキが横から声をかける。
「問題がありますか」
熊谷はきっぱり、問題はないと言った。
「問題がない、そこだ」
「引っかかるんですね」
ミサキの言葉に、男はちらりと彼女を見た。
男は水川に向けて、画面を指した。
「綺麗には作ってあります。でも、更新する人間のことは考えてない。こっちに知識がないと分かって、これくらいでいいだろうって作った感じがします」
そこで男は、ミサキに視線を戻した。
「舐めてんだよ。適当な仕事でいいって思っているのが、丸わかりだ」
男の言葉に、ミサキはちらりと水川を見た。
「もっと簡単に出来ませんか。社員の人たちが、スマホでも簡単に更新できた方がいいと思った」
男は目を細めた。
「お前にしては上出来だ」
水川は、男の態度に少し驚いた。
自分に向ける言葉は、まだ礼儀を保っている。
だが、ミサキに対してはまるで違う。
小馬鹿にしているというより、長年の付き合いで遠慮が消えている。そんな口ぶりだった。
「お前、正社員じゃないのか」
「一週間のお試しで、今日が三日目です」
熊谷は考え込むように、しばらく黙った。
さっきまで軽かった目つきが、少しだけ仕事の顔になる。
「俺が家で下地を作る。骨組みだけなら半日でいける」
「えっ、結構大変じゃ」
「大変なのは、お前だ」
熊谷は画面を指で叩いた。
「お前がトップと他のページを作れ。社員の意見を聞くんだ、誰でもスマホで更新できる形にする。現場の人間が使えないサイトなんか意味がない」
熊谷は気をつけろ、注意しろと言葉を続けた。
「いいか、会社の内部情報とか取引先の名前は気をつけろ。そこをミスる奴は駄目だ」
ミサキと熊谷の会話を、側で聞いていた水川は驚いていた。
ただの若い者同士の雑談ではない。
仕事の話だ。
しかも、自分が見落としていた仕事の話だった。
試用期間三日目、友人から紹介された女性を見る水川の視線は、このとき少し変わっていた。
だが、自分では気づいていなかった。
ただ、有名小説家と言われても、普段から小説など読まない水川には実感がない。
それがなんだ、というのが正直なところだった。
断ってもいい。
そう思ったが、京塚に「友人だろう」と言われて、水川は黙った。
高校三年のとき、一年だけ同じクラスだった。
それだけの関係だ。
卒業してからは、ほとんど会っていない。
水川は高校を出て、あちこちの工場で修業の日々、反対に京塚は大学に進んで、突然、新人賞を受賞した。
商業作家としてデビューしたのだ。
断るつもりだった。
だが、礼はすると言われ、それならと思った。
「おしゃれな恋愛、需要がないわけじゃないんです」
女性編集者、野崎の言葉に京塚は頷いた。
「ここ最近は若手が恋愛小説をガンガンと書いてます」
机上に山積みされたのは資料として買ってきたと言われる単行本のタイトルを見て、京塚は溜息を漏らした。
敏腕弁護士、私にだけドクターは甘すぎる、ホテル王の溺愛。
世の中に、そんなハイスペックな男がどれほどいるというのか。
しかも、出てくる男たちは、二十代から三十代の若く、顔立ちも海外スター並みに整っている。
現実味がないと言えば、それまでだが、これが女性には受けるのだろう。
京塚はこれまで、大人の男女の恋愛を書いてきた。
派手な設定はない。だが、静かな情感と、現実に足をつけた関係性が受け、一部の女性読者からは根強く支持されていた。
若手作家のものよりは少し大人びた内容のものだ。
それで人気が出たのだが、ネタは永遠に続くわけではない。
「若手読者の意見が辛辣なんですよ」
野崎がスマホの画面を突き付けた。
「男の願望が丸出し」
「主人公が女を理解していない」
「顔が良くても生活力がない男は無理」
「大人の恋というより、都合のいい女を書いているだけ」
辛辣な意見だ。
「大人の恋を書いているのに、リアリティがないって意見もあります」
「そうか」
「いきなりのジャンル替えも難しいと思います。だから、舞台を変えませんか」
「まさか夢のようなシンデレラ・ストーリーを僕に書けというのかい」
野崎は首を振った。
「舞台を変更です」
「先生の強みは、大人の距離感を書くところです。そこは残しましょう。変えるのは、舞台です」
野崎は言葉を続けた。
「先生の恋愛は、軽くないんです。舞台だけ現実に寄せれば、今の読者にも届きます」
シンデレラストーリーは短編が多い。空いたスキマ時間にすぐ読める。
それは利点で強みでもある。
だが、野崎は京塚の書くものを、そんな形にはしたくない。
じっくりと読める、電子でも書籍でも、そういう形にしたいと思っているのだ。
「取材?小説のネタの為に」
作家の京塚夏彦から取材させてほしいという連絡に水川は驚いた。
普段から小説など読んだこともない水川は何故と思った。
小説家の取材と言われても、それがなんだという感じだ。
断ってもいいのだが、友人だろうと言われて無言になった。
高校三年のとき一年だけ同じクラス、それだけの関係だ。
卒業してから殆ど会ったこともない。
自分は高校を出て色々なところで修行の日々。
京塚は大学に行き、突然、本を出して商業作家としてデビューした。
断ろうと思ったが、礼は、すると言われて水川は、それならと思った。
昼を過ぎた頃、京塚は秘書と一緒にやってきた。
広くない場所だし鉄くずの匂いもする。
「野崎君、帰っていいよ。一人で大丈夫だ。終わったら二人で飲みに行く約束をしているんだ。久しぶりに友人と会うんだ」
気を利かせてくれと言われて野崎はわかりましたと頷く。
「期待してますよ、先生」
「分かっている」
女に対する気遣い口のうまさはさすが、作家だなと水川は呆れた。
タブレットを片手に京塚は工場内を水川と一緒に歩き出した。
「町工場を取材して小説を書くのか」
「ああ、恋愛小説だ」
水川はすぐには返事ができず、驚いたように京塚を見た。
「リアルな恋愛小説を書こうと思っているんだ」
「こんなところで、恋が芽生えるのか」
「こんなところで恋なんか始まるのか」
水川は呆れているのかもしれない。
「テレビの中にはいるんじゃないか」
京塚は笑った。
「金持ちで優しい、スタイルも顔も芸能人、韓国俳優みたいな美形、そんな男が現実にどれくらいいると思っている」
「芸能や小説の中からいるんじゃないか」
ふいに京塚の足が止まった。
「おい、あれ」
京塚は、床に敷かれたマットとクッション、その上に丸まっている毛の塊に気づいた。
「犬を飼いはじめたのか」
「違う、猫だ」
水川の言葉に京塚は、えっと声を漏らした。
「おい、触るなよ。従業員が連れてきている猫なんだ」
構うなよと水川は言おうとした。
京塚は驚いたようだ。
「日本の猫じゃないな」
たしかに、京塚の知る猫よりも一回り大きい。長い毛が床に広がり、顔だけ見れば小さな獣のようだった。
近寄って上から見ていても眠っているのか、身動きもしない。
「Es ist fast Zeit fürs Abendessen.」
そろそろご飯にしようか。
背後から聞こえた女性の声に、京塚は振り返った。
「水川社長、夕方に少しお時間をいただけますか」
ミサキの言葉に水川は一瞬驚いた顔になった。
「会社のホームページを見たんですけど、最近、あまり更新されていないみたいで」
「ああ。実は、社員がひとり辞めてしまってね。その人間が更新を担当していたんだ」
「そうだったんですね」
ミサキは一度、言葉を選ぶように視線を落とした。
「更新作業って、やっぱりパソコンでされていたんですか」
水川は苦笑した。
「俺はパソコンに関しては、あまり詳しくない」
「余計なことだったらすみません」
ミサキは少し考えてから、慎重に口を開いた。
「知り合いに詳しい人がいるんです。一度、相談だけしてみても構いませんか」
水川は驚いた。
翌日の夕方、工場を訪ねてきたのは、一人の若い男だ。
相撲取りのような体格、三桁行きそうだなと思った。
丸い顔、けれど、目だけは妙に鋭い。
「ミサキさんに呼ばれて来ました。熊谷です。ホームページの件で」
男は見た目に似合わない軽い足取りで工場内の片隅に向かった。
ホームページの管理画面を見たいというので、水川も同席した。
熊谷は椅子に腰を下ろすなり、太い指でマウスを器用に動かした。
その指の動きが、思ったよりずっと速い。
水川は、男の腹ではなく、指先を見るようになった。
熊谷はホームページを上から下まで確認し、水川に尋ねた。
「これ、業者に作ってもらったんですか」
水川は頷いた。
ミサキが横から声をかける。
「問題がありますか」
熊谷はきっぱり、問題はないと言った。
「問題がない、そこだ」
「引っかかるんですね」
ミサキの言葉に、男はちらりと彼女を見た。
男は水川に向けて、画面を指した。
「綺麗には作ってあります。でも、更新する人間のことは考えてない。こっちに知識がないと分かって、これくらいでいいだろうって作った感じがします」
そこで男は、ミサキに視線を戻した。
「舐めてんだよ。適当な仕事でいいって思っているのが、丸わかりだ」
男の言葉に、ミサキはちらりと水川を見た。
「もっと簡単に出来ませんか。社員の人たちが、スマホでも簡単に更新できた方がいいと思った」
男は目を細めた。
「お前にしては上出来だ」
水川は、男の態度に少し驚いた。
自分に向ける言葉は、まだ礼儀を保っている。
だが、ミサキに対してはまるで違う。
小馬鹿にしているというより、長年の付き合いで遠慮が消えている。そんな口ぶりだった。
「お前、正社員じゃないのか」
「一週間のお試しで、今日が三日目です」
熊谷は考え込むように、しばらく黙った。
さっきまで軽かった目つきが、少しだけ仕事の顔になる。
「俺が家で下地を作る。骨組みだけなら半日でいける」
「えっ、結構大変じゃ」
「大変なのは、お前だ」
熊谷は画面を指で叩いた。
「お前がトップと他のページを作れ。社員の意見を聞くんだ、誰でもスマホで更新できる形にする。現場の人間が使えないサイトなんか意味がない」
熊谷は気をつけろ、注意しろと言葉を続けた。
「いいか、会社の内部情報とか取引先の名前は気をつけろ。そこをミスる奴は駄目だ」
ミサキと熊谷の会話を、側で聞いていた水川は驚いていた。
ただの若い者同士の雑談ではない。
仕事の話だ。
しかも、自分が見落としていた仕事の話だった。
試用期間三日目、友人から紹介された女性を見る水川の視線は、このとき少し変わっていた。
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