1 / 13
自分には好きな女がいると、だが、それは後悔の始まりだった
しおりを挟む
相手が決まったと両親から聞かされたとき、男は断るつもりだった、自分には好きな女がいるのだ、だから結婚はしないと。
だが、両親は我が儘だと許さなかった。
子供の頃から自分が欲しいもといえば大抵の者は買ってもらえたし、我が儘もきいてもらえたので男は正直、驚いた。
だが、おまえはいずれは跡目を継ぐのだと言われては流石に反論する事はできなかった。
決して理解のない猟人ではない、ただ息子が好きだという相手の女は下町の平民の娘なのだ。
ちゃんとした貴族の娘なら多少、家柄に難ありでも反対はしなかっただろう。
純粋な娘なんですと、だが、それは息子の贔屓目だ、貴族の両親から見たら、一体何故、こんな娘を好きにってしまったのかと驚くほどだ、甘やかして育てた結果、そのツケが回ってきたと思った。
パーティやサロンの集まりで、息子のことを聞かれると愛想笑いで答えなければならない。
恥をかかされたと息子に言うと、自分たちは純粋な愛情で結ばれている。
やっかんでいるのだという始末だ、貴族の立場というものをわかっていない態度に相談した結果、王命での結婚が決まった。
流石の息子も王の命令には逆らえない。
だが、相手の女性がどんな人間かと聞いて驚き、落胆した。
二十半ばの自分より八歳も年上、そして夫を亡くした、つまり未亡人だ。
そんな女を妻に迎えることになるなんて、自分は不幸だと思わずにはいられなかった。
結婚式は簡素なものだった、互いの名前を書類にサインするだけだった。
それというのも妻の両親、親族は多忙で国外にいたのだ、いや、それだけではないだろう、王の命令で急に決まったということもあるのかもしれない。
「僕には好きな人がいる」
結婚した、その日の夜、男は妻となった女性に、あることを提案した、白い結婚だ。
貴族の間では珍しいことではない、反対されるかと思ったが、妻となった女性、ジュティーナはあっさりと受け入れた。
「あなたにも不満はおありでしょう、そここで私からの提案です、別邸で好きな女性と暮らしてはどうですか」
「ただし、その女性との間に子供ができても跡取りにはしない、そして、こちらの館には顔を出さないでください」
「どういう意味だ、それは」
「娼館の女ならともかく、ただの平民の娘と貴族の恋愛など醜聞以外のなにものでもありません」
自分は暇ではないと言われて男は驚いた、国王から政策、領地、領民の暮らしがよりよ良いものになるよう、色々なことをしなければならないと言われている。
「ウェスラーの領地は、領民の生活、領地の作物、決して良いとはいえません、私はそのお手伝いをしなければ」
あなたは、まさか、私が嫁いできて何もしないと思っていたのですか、男は言葉を飲み込んだ、反論できなかった。
国王からの命令で嫁いできただけのただのお飾りの妻だと思っていたのだ。
そして男は両親と妻の住む館を離れることになる、だが、このとき、自分が後悔することになろうとは思いもしなかった。
だが、両親は我が儘だと許さなかった。
子供の頃から自分が欲しいもといえば大抵の者は買ってもらえたし、我が儘もきいてもらえたので男は正直、驚いた。
だが、おまえはいずれは跡目を継ぐのだと言われては流石に反論する事はできなかった。
決して理解のない猟人ではない、ただ息子が好きだという相手の女は下町の平民の娘なのだ。
ちゃんとした貴族の娘なら多少、家柄に難ありでも反対はしなかっただろう。
純粋な娘なんですと、だが、それは息子の贔屓目だ、貴族の両親から見たら、一体何故、こんな娘を好きにってしまったのかと驚くほどだ、甘やかして育てた結果、そのツケが回ってきたと思った。
パーティやサロンの集まりで、息子のことを聞かれると愛想笑いで答えなければならない。
恥をかかされたと息子に言うと、自分たちは純粋な愛情で結ばれている。
やっかんでいるのだという始末だ、貴族の立場というものをわかっていない態度に相談した結果、王命での結婚が決まった。
流石の息子も王の命令には逆らえない。
だが、相手の女性がどんな人間かと聞いて驚き、落胆した。
二十半ばの自分より八歳も年上、そして夫を亡くした、つまり未亡人だ。
そんな女を妻に迎えることになるなんて、自分は不幸だと思わずにはいられなかった。
結婚式は簡素なものだった、互いの名前を書類にサインするだけだった。
それというのも妻の両親、親族は多忙で国外にいたのだ、いや、それだけではないだろう、王の命令で急に決まったということもあるのかもしれない。
「僕には好きな人がいる」
結婚した、その日の夜、男は妻となった女性に、あることを提案した、白い結婚だ。
貴族の間では珍しいことではない、反対されるかと思ったが、妻となった女性、ジュティーナはあっさりと受け入れた。
「あなたにも不満はおありでしょう、そここで私からの提案です、別邸で好きな女性と暮らしてはどうですか」
「ただし、その女性との間に子供ができても跡取りにはしない、そして、こちらの館には顔を出さないでください」
「どういう意味だ、それは」
「娼館の女ならともかく、ただの平民の娘と貴族の恋愛など醜聞以外のなにものでもありません」
自分は暇ではないと言われて男は驚いた、国王から政策、領地、領民の暮らしがよりよ良いものになるよう、色々なことをしなければならないと言われている。
「ウェスラーの領地は、領民の生活、領地の作物、決して良いとはいえません、私はそのお手伝いをしなければ」
あなたは、まさか、私が嫁いできて何もしないと思っていたのですか、男は言葉を飲み込んだ、反論できなかった。
国王からの命令で嫁いできただけのただのお飾りの妻だと思っていたのだ。
そして男は両親と妻の住む館を離れることになる、だが、このとき、自分が後悔することになろうとは思いもしなかった。
10
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる