82 / 101
第24章 四年次・8月(2)
しおりを挟む
会計を済ませると、店を出たところで茂が笑って「ご馳走様」と言ってきた。その表情を眺めていると、茂が気付く。
「ん? 何」
「いや」
そのまま、どちらともなく茂の部屋の方向へと歩き出す。
「藤代、たまに人の顔じっと見てくるよな」
「え? そうか?」
「うん」
通り道にいつも寄るコンビニが見えたので、そのまま中に入り、真っ直ぐにドリンクのコーナーへと向かった。
茂はよく笑う。しかしその笑顔の裏でいつも高志には想像できないことを考え、その笑顔に似つかわしくないことを平気で口にする。こうやって外でその表情を見ればただ気の良い友達にしか見えないのに、部屋に行けばおそらく今日も高志に何かおかしなことを言ってくるのだろう。
「それ、見ながらいつも何考えてんの?」
「何も考えてない。というか見てるつもりがなかった」
「無意識かよ」
缶ビールと缶チューハイを何本か持ってレジに向かう。できれば何も言わないで欲しいのだけど、そんなに都合良くはいかないだろうな、と高志は諦めと共に思った。
茂の部屋に入ると、既にぷよぷよがセットされていた。真夏に閉めきっていた部屋はひどく暑い。
「やっとゲーム解禁か」
茂が嬉しそうに言いながら、エアコンをつける。
「お前、先にシャワー浴びちゃえば? その間に涼しくなってると思うし」
「……うん」
何でもないように言う茂に対して、高志は少し躊躇ってから頷いた。この後のことを考えて少しずつ気が滅入ってきたのを、何とか顔に出さずに隠す。
昨日返信しなかったにも関わらず、茂は今日泊まるかどうかを高志に確認してこない。そのことに違和感を覚える。茂のことだから全て分かってやっているのだろう。しかし高志自身、一応は泊まるための準備をしてきていたので、結局はそのままバスルームに向かった。
そしてふと、こういう高志の言動はもしかしたらそれほど嫌がっていないように見えるのかもしれない、ということに初めて思い至った。
「ん? 何」
「いや」
そのまま、どちらともなく茂の部屋の方向へと歩き出す。
「藤代、たまに人の顔じっと見てくるよな」
「え? そうか?」
「うん」
通り道にいつも寄るコンビニが見えたので、そのまま中に入り、真っ直ぐにドリンクのコーナーへと向かった。
茂はよく笑う。しかしその笑顔の裏でいつも高志には想像できないことを考え、その笑顔に似つかわしくないことを平気で口にする。こうやって外でその表情を見ればただ気の良い友達にしか見えないのに、部屋に行けばおそらく今日も高志に何かおかしなことを言ってくるのだろう。
「それ、見ながらいつも何考えてんの?」
「何も考えてない。というか見てるつもりがなかった」
「無意識かよ」
缶ビールと缶チューハイを何本か持ってレジに向かう。できれば何も言わないで欲しいのだけど、そんなに都合良くはいかないだろうな、と高志は諦めと共に思った。
茂の部屋に入ると、既にぷよぷよがセットされていた。真夏に閉めきっていた部屋はひどく暑い。
「やっとゲーム解禁か」
茂が嬉しそうに言いながら、エアコンをつける。
「お前、先にシャワー浴びちゃえば? その間に涼しくなってると思うし」
「……うん」
何でもないように言う茂に対して、高志は少し躊躇ってから頷いた。この後のことを考えて少しずつ気が滅入ってきたのを、何とか顔に出さずに隠す。
昨日返信しなかったにも関わらず、茂は今日泊まるかどうかを高志に確認してこない。そのことに違和感を覚える。茂のことだから全て分かってやっているのだろう。しかし高志自身、一応は泊まるための準備をしてきていたので、結局はそのままバスルームに向かった。
そしてふと、こういう高志の言動はもしかしたらそれほど嫌がっていないように見えるのかもしれない、ということに初めて思い至った。
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
貢がせて、ハニー!
わこ
BL
隣の部屋のサラリーマンがしょっちゅう貢ぎにやって来る。
隣人のストレートな求愛活動に困惑する男子学生の話。
社会人×大学生の日常系年の差ラブコメ。
※この物語はフィクションです。
※現時点で小説の公開対象範囲は全年齢となっております。しばらくはこのまま指定なしで更新を続ける予定ですが、アルファポリスさんのガイドラインに合わせて今後変更する場合があります。(2020.11.8)
■2025.12.14 285話のタイトルを「おみやげ何にする? Ⅲ」から変更しました。
■2025.11.29 294話のタイトルを「赤い川」から変更しました。
■2024.03.09 2月2日にわざわざサイトの方へ誤変換のお知らせをくださった方、どうもありがとうございました。瀬名さんの名前が僧侶みたいになっていたのに全く気付いていなかったので助かりました!
■2024.03.09 195話/196話のタイトルを変更しました。
■2020.10.25 25話目「帰り道」追加(差し込み)しました。話の流れに変更はありません。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる