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4.王子の葛藤
真夜中の訪問者
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10歳になるまで、俺はゴードンやメイド達など、大人の誰かと一緒に寝室で眠ることを強制されていた。
母親と引き離されるまでは、その役割は母親だったが……。
だけど、10歳になったことで、ようやくゴードンやメイド達なしで、1人で寝室で眠ることを許された。
ようやく手に入れた、ほんの少しの自由の時間と空間で、俺はずっと覚えたいと思っていた新しい魔法の練習をこっそりと始めていた。
その魔法というのは、訓練のスケジュールには、決して組み込まれることがない、覚えても覚えなくてもどちらでも良いと言われてしまったもの。
だけど、カシーと知り合った直後、偶然その魔法の存在を知ったときから、俺はその魔法を何よりも早く覚えたかった。
(カシーは、この魔法を見たらもっと喜んでくれるかな……)
そんなことを思いながら、毎晩眠くなる限界まで練習を繰り返した。
でも……俺が10歳になってすぐの、カシーが来る前日まで、その魔法をきちんと使いこなすことができなくて、俺は困っていた。
だから……。
「こんにちは。エディ」
「……ノア……くん?」
あの日以来、たまに城の中ですれ違って挨拶をするだけの兄が、いつの間にか部屋に入り込んでいた。
本来、いるはずのない人間が……ここに来ることができるはずのない人間が、目の前に急に現れたことを恐れるよりも、どうやって入ってきたのかを悩むよりも何故か先に、これは救いだと……思ってしまった。
「何をしているの?」
「花を……出したくて……」
「花?」
「カシーが……花がとても好きだと言うから……」
「カシー……ああ……あの子か……」
「ノアくん。カシーのこと、知ってるの?」
「知ってるよ。とっても、可愛い子だよね」
俺は、ノアの言葉に少しだけむかっとした。
「何でノアくんがカシーのことを知ってるの」
「どうして、そんなに怒ってるのさ」
「怒ってない!」
俺がムキになって答えると、ノアは俺に近寄り、俺の手を撫でながら
「ねえ、エディ……君に、花を出すよりも、もっとカシーを喜ばせる方法を教えてあげる」
「えっ!?」
(気になる……!カシーを喜ばせられる方法……!そしたらカシーはもっと俺のことを褒めてくれる……)
俺は、カシーをもっと喜ばせられるという、ノアの言葉が気になり、咄嗟に顔をあげた。
ノアは言葉を話さず、急に俺の唇に自分の唇を押しつけてきた。
母親と引き離されるまでは、その役割は母親だったが……。
だけど、10歳になったことで、ようやくゴードンやメイド達なしで、1人で寝室で眠ることを許された。
ようやく手に入れた、ほんの少しの自由の時間と空間で、俺はずっと覚えたいと思っていた新しい魔法の練習をこっそりと始めていた。
その魔法というのは、訓練のスケジュールには、決して組み込まれることがない、覚えても覚えなくてもどちらでも良いと言われてしまったもの。
だけど、カシーと知り合った直後、偶然その魔法の存在を知ったときから、俺はその魔法を何よりも早く覚えたかった。
(カシーは、この魔法を見たらもっと喜んでくれるかな……)
そんなことを思いながら、毎晩眠くなる限界まで練習を繰り返した。
でも……俺が10歳になってすぐの、カシーが来る前日まで、その魔法をきちんと使いこなすことができなくて、俺は困っていた。
だから……。
「こんにちは。エディ」
「……ノア……くん?」
あの日以来、たまに城の中ですれ違って挨拶をするだけの兄が、いつの間にか部屋に入り込んでいた。
本来、いるはずのない人間が……ここに来ることができるはずのない人間が、目の前に急に現れたことを恐れるよりも、どうやって入ってきたのかを悩むよりも何故か先に、これは救いだと……思ってしまった。
「何をしているの?」
「花を……出したくて……」
「花?」
「カシーが……花がとても好きだと言うから……」
「カシー……ああ……あの子か……」
「ノアくん。カシーのこと、知ってるの?」
「知ってるよ。とっても、可愛い子だよね」
俺は、ノアの言葉に少しだけむかっとした。
「何でノアくんがカシーのことを知ってるの」
「どうして、そんなに怒ってるのさ」
「怒ってない!」
俺がムキになって答えると、ノアは俺に近寄り、俺の手を撫でながら
「ねえ、エディ……君に、花を出すよりも、もっとカシーを喜ばせる方法を教えてあげる」
「えっ!?」
(気になる……!カシーを喜ばせられる方法……!そしたらカシーはもっと俺のことを褒めてくれる……)
俺は、カシーをもっと喜ばせられるという、ノアの言葉が気になり、咄嗟に顔をあげた。
ノアは言葉を話さず、急に俺の唇に自分の唇を押しつけてきた。
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