【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

4.王子の葛藤

白紙の子

「何故ですか！父上！！」
「……この国を守るためだ……」
「守るため！？俺とカシーは守るためにパートナーになるんじゃなかったのか！！」

幼い頃、あの儀式の部屋で言ったことは嘘だったのか……！？

「それは必要なことだ」

きっぱりと父親は言った。

「だったら……」
「お黙りなさい！！」

正妃が口を挟んできた。

「王に対して、その口の聞き方は何ですか！恥を知りなさい！」
「こら、やめんか」

王が正妃を嗜めるが

「はあ……汚らわしい……本当に……」

持っていた扇で顔を隠しながらではあるが、明らかに汚物を見る目で俺を蔑んできた。

（何でそこまで言われないといけないのか……！）

俺は怒りで手が震えていた。
その様子に気づいたのか気づいていないのか

「少し、席を外してくれんか。話が進まん」

父親は正妃に対して言った。

「まあ！私の縁で決めてきた婚約なのに、私なしで話すのですか！！」

ヒステリックに声を荒げる正妃。
甲高い声が耳に障る。
許されるなら、今すぐ耳を塞いでしまいたい。
でないと頭痛が酷くなる。
そんな事を思っている時だった。

「母上」

どこからともなくノアが現れた。
やはり、つかみどころのない笑みをたたえていた。

「まあ、私のノア、どうちたの？」

いきなり声が甘くなった正妃。
明らかに幼児に対しての語り口調に、違和感があった。

「エディが困っています。母上は私と一緒にお茶でもしましょう」
「まあ、ノアが私なんかを誘ってくれるなんてうれちいわ！」

そう言うと、正妃は急いでノアの元に駆け寄っていった。
ノアは、正妃がベタベタくっついているのを気にもとめないように

「お騒がせしました。父上、エディ。お二人でどうぞ、話を進めていてください」

と一礼すると、正妃をエスコートして優雅に去っていった。
まるで、嵐のような出来事。

「……すまないな」
「え」
「正妃は、自分が魔力を全く持たない、白紙の子を産んでしまった事で、少々病んでいてな……」
「はあ……」

病んでいる。
その言葉で片付けていいものなのだろうか。
俺と……俺の母親への言葉の数々は。
そしてもう1つ気になった。

「父上。白紙の子というのは」
「ノアのことだ。あいつは、私の長男として産まれたが、魔力の欠片も持たずに生まれてきた」
「そんなこと……この国であり得るのですか」

城下の民でさえ、日常生活を営むためには魔力が不可欠だ。
多少なりとも皆素質があると聞く。

「白紙の子は、稀に生まれてくることがある。それは王族だけ」
「……王族……だけ……」
「理由はわからん。ただ、白紙の子が生まれた時、必ずあることが起きると……伝わっていることがある」
「何なんですか、それは……」

それから父親は、俺に父としてではなく、王として衝撃な事実を語り始めた。