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4.王子の葛藤
母の現在
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「……俺が王位を継ぐ事に、お前に何の意味がある?」
俺が尋ねると、ノアの目が、ほんの少し揺らいだ気がした。
「君には、本当に感謝しているんだよ、エディ」
「……感謝……だと?」
「いや……違うな……君の母君こそ、僕が感謝をするべき相手……かな……」
「……どういうことだ……俺の母上の何を、お前は知ってるんだ?」
「そうだな……正妃から生まれた僕が白紙の子だと分かってから、父上が怯えるよう母上を避け、国中の女を手当たり次第に犯した結果、唯一妊娠した教会の娘……というくらいかな」
……知らなかった。
そんなこと、誰からも聞いたことがない。
「君を産んだ後……君の母君は父上の寵姫として迎え入れられたらしい。父上は君の母君に夢中になっていたね。父上の寝所で、獣のような父上の欲望を毎晩のように受け止めていたよ」
俺は、薄れた母親の記憶をたぐり寄せる。
いつも、子守唄を歌ってくれた、美しい声を持つ女性。
甘い、クセになるような優しい匂いがする女性。
だけど……朝、俺が目が覚めた時は、一緒に寝ていたはずの母親がいつもどこかに消えていた。
次の記憶は……あの日。
「どうして、そんな魔法を覚えたの!」
と殴られ、それからどこかへ行ってしまった日。
母親に関する記憶は、たったこれだけ。
実の息子はそれだけなのに、何故この男は、そんなことまで知っているのか……。
「僕はね、君の母君にすごく親切にしてもらったんだ。頭を撫でてくれたり、褒めてくれたり。優しい人だった。君が、とても羨ましかったよ」
「羨ましい……?」
「君の母君の方が、僕の母上よりずっと父上のパートナーとして相応しい。僕はそう考えた。だから思いついたんだ。君に、王位継承権をあげれば、君の母君が、僕の母上の代わりに正妃になってくれるんじゃないかってね。でも、結局それは、逆に働いてしまったけど」
「逆……だと……?」
「僕の母……正妃は、元々孤児院出身の君の母君を、酷く嫌っていたからね。君が王位継承権に移ってすぐ……俺の母上は、君の母親をかの国の王家に貢物として送ってしまったそうだよ」
「何だって……!?」
俺が尋ねると、ノアの目が、ほんの少し揺らいだ気がした。
「君には、本当に感謝しているんだよ、エディ」
「……感謝……だと?」
「いや……違うな……君の母君こそ、僕が感謝をするべき相手……かな……」
「……どういうことだ……俺の母上の何を、お前は知ってるんだ?」
「そうだな……正妃から生まれた僕が白紙の子だと分かってから、父上が怯えるよう母上を避け、国中の女を手当たり次第に犯した結果、唯一妊娠した教会の娘……というくらいかな」
……知らなかった。
そんなこと、誰からも聞いたことがない。
「君を産んだ後……君の母君は父上の寵姫として迎え入れられたらしい。父上は君の母君に夢中になっていたね。父上の寝所で、獣のような父上の欲望を毎晩のように受け止めていたよ」
俺は、薄れた母親の記憶をたぐり寄せる。
いつも、子守唄を歌ってくれた、美しい声を持つ女性。
甘い、クセになるような優しい匂いがする女性。
だけど……朝、俺が目が覚めた時は、一緒に寝ていたはずの母親がいつもどこかに消えていた。
次の記憶は……あの日。
「どうして、そんな魔法を覚えたの!」
と殴られ、それからどこかへ行ってしまった日。
母親に関する記憶は、たったこれだけ。
実の息子はそれだけなのに、何故この男は、そんなことまで知っているのか……。
「僕はね、君の母君にすごく親切にしてもらったんだ。頭を撫でてくれたり、褒めてくれたり。優しい人だった。君が、とても羨ましかったよ」
「羨ましい……?」
「君の母君の方が、僕の母上よりずっと父上のパートナーとして相応しい。僕はそう考えた。だから思いついたんだ。君に、王位継承権をあげれば、君の母君が、僕の母上の代わりに正妃になってくれるんじゃないかってね。でも、結局それは、逆に働いてしまったけど」
「逆……だと……?」
「僕の母……正妃は、元々孤児院出身の君の母君を、酷く嫌っていたからね。君が王位継承権に移ってすぐ……俺の母上は、君の母親をかの国の王家に貢物として送ってしまったそうだよ」
「何だって……!?」
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