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4.王子の葛藤
始まった悪夢 ※
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それならせめて、外に連れ出そうと思った。
カシーは、城の庭を駆け回るのが大好きだった。
いつもスカートが汚れるのも気にしていなかった。
それは、カシーが大好きな、カラフルに咲き乱れた花々がたくさんあるから。
だが、それも
「カサブランカ様は、城で厳重にお守りしなくてはなりませんので」
という理由でダメだった。
少なくとも俺は、公務や武芸の訓練で外に出ること自体はできる。
例え、スケジュールに自由が無かったとしても、まだ息を吸えるゆとりは残っていた。
しかし、カシーは言うなれば……籠の鳥よりも、厳しい生活を強いられている。
カナリアでさえ、歌……鳴くことは強制されない。
カシーは、強制されてしまう。啼くことを。
全ては、俺のパートナーになったせい。
……俺は、カシーにどう思われているのだろう……。
初めての拒絶の日から、どれだけの間、彼女の目を見られなくなったのか。
透き通ったカシーの空色の目は、俺の薄汚れた欲望をも見透かす気がしたから。
だから俺はカシーと言葉を交わすのを恐れた。
伽の最中も、早く終わらせないといけないと、必死だった。
もしカシーに言葉を話すきっかけを与えてしまったら
「あなたなんか嫌い」
と、言われてしまうのではないかと。
だから俺は、彼女の想いを音にすることを拒否するかのように、カシーの口を自分の口で、塞ぎながら行為をするようになった。
カシーの舌に、自分の舌を絡めようとすると、カシーの舌も応えてくれるようになった。
だけど、カシーのそれは……とても初めて行うと言うものでは無かった。
あの女達、と同じ……いや、それよりもずっと、俺に深い快楽を与えこむものだった。
それを教えた人間がいるという事実を、否が応でも思い出させる。
カシーの舌を味わうたびに、自分だけが知っている味ではないのだと考えるたび、俺はあいつへの憎しみが募っていく。
いっそ、カシーの愛らしい舌を、噛み切ってしまおうか。
そうすれば、あいつの跡が1つ、カシーの体から消える。
いつしか、そんな夢を、伽の後見るようになっていた。
まずは舌を、次に乳首を、カシーの入り口を……あいつが触れたカシーの場所を、俺が奪い、自分のものにする。
夢の中で、カシーは血に濡れながら、俺を憐れむかのようで見ていた。
その時のカシーの空色の瞳は、鈍色に変わっていた。
カシーは、城の庭を駆け回るのが大好きだった。
いつもスカートが汚れるのも気にしていなかった。
それは、カシーが大好きな、カラフルに咲き乱れた花々がたくさんあるから。
だが、それも
「カサブランカ様は、城で厳重にお守りしなくてはなりませんので」
という理由でダメだった。
少なくとも俺は、公務や武芸の訓練で外に出ること自体はできる。
例え、スケジュールに自由が無かったとしても、まだ息を吸えるゆとりは残っていた。
しかし、カシーは言うなれば……籠の鳥よりも、厳しい生活を強いられている。
カナリアでさえ、歌……鳴くことは強制されない。
カシーは、強制されてしまう。啼くことを。
全ては、俺のパートナーになったせい。
……俺は、カシーにどう思われているのだろう……。
初めての拒絶の日から、どれだけの間、彼女の目を見られなくなったのか。
透き通ったカシーの空色の目は、俺の薄汚れた欲望をも見透かす気がしたから。
だから俺はカシーと言葉を交わすのを恐れた。
伽の最中も、早く終わらせないといけないと、必死だった。
もしカシーに言葉を話すきっかけを与えてしまったら
「あなたなんか嫌い」
と、言われてしまうのではないかと。
だから俺は、彼女の想いを音にすることを拒否するかのように、カシーの口を自分の口で、塞ぎながら行為をするようになった。
カシーの舌に、自分の舌を絡めようとすると、カシーの舌も応えてくれるようになった。
だけど、カシーのそれは……とても初めて行うと言うものでは無かった。
あの女達、と同じ……いや、それよりもずっと、俺に深い快楽を与えこむものだった。
それを教えた人間がいるという事実を、否が応でも思い出させる。
カシーの舌を味わうたびに、自分だけが知っている味ではないのだと考えるたび、俺はあいつへの憎しみが募っていく。
いっそ、カシーの愛らしい舌を、噛み切ってしまおうか。
そうすれば、あいつの跡が1つ、カシーの体から消える。
いつしか、そんな夢を、伽の後見るようになっていた。
まずは舌を、次に乳首を、カシーの入り口を……あいつが触れたカシーの場所を、俺が奪い、自分のものにする。
夢の中で、カシーは血に濡れながら、俺を憐れむかのようで見ていた。
その時のカシーの空色の瞳は、鈍色に変わっていた。
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