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4.王子の葛藤
ご苦労だった ※
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あいつが、木の上から俺たちを見下ろしている。
(いつからいた……!?)
全く……気づかなかった。
あいつの目線の先には、俺と、カシーの裸がある。
俺は、カシーの裸があいつから見えないように、そっと隠すように動こうとするが、今日のカシーは予測不能な行動をしてくる。
(くそっ……ノアの狙いはなんだ……!)
俺の視線に気づいたであろうノアが、唇を動かした。
『カサブランカはもう、僕のものだ。まもなくゲームが終わる』
と、言っているように……俺には見えた。
(……冗談じゃない!)
俺は、その場でカシーの体を捕まえた。
あえてノアの目の前で、カシーの胸を揉んでやる。
「あんっ……ちょっ……何……」
「そんな姿を見せるのが悪い」
(ノアになんかに……!!)
「……え!?」
「勃った。挿れさせろ」
(ノア……お前は、これをすることができなかったんだろ……!?)
「あんっ……」
(どうだノア……!お前のその肉棒では、カシーからこんな風に可愛い啼き声を出すことなど、できなかっただろう……!?)
「いくぞ……」
「あっ……んあっ……あんっ……」
「はぁ……くっ……」
「やだっ、王子……あん、あん、あああん!」
(どうだノア……!俺はもう……お前よりもずっと、カシーをよがらせられる……!気持ちよくさせられるし、カシーももう、俺なしの体ではいられなくなった……はずだ……!!)
「くっ……!」
カシーを、あえてあいつの前で犯すことで、俺は安心したかったはずなのに……。
ノアはちっとも動じる様子を見せない。
それどころか、むしろ余裕を無くした俺を嘲笑っているようだ……。
「王子!いつまでしているんです!!もう起床の時間です!」
(なっ……!!)
伽の最中、普段は途中で入ってくるということはない。
鬼気迫る俺の状態に、何かを感じたのだろう。
焦りの表情を、ゴードンは隠さなかった。
(ゴードン……一体何を考えてるんだ……!!)
「あと1回で、今日は終わりにする……」
(だから、早くこの部屋から出ていけ……!)
「また昨日、すぐに始められなかったんですか……」
(くそっ……どうしてこのタイミングで、あえてその話をしようとする……!!)
「仕方がないっ……ん……だろう……」
「もしかして……また昨日もですか……」
「ああ、そうだ……っ……くっ」
(またの意味なんて……お前には今更だろう、ゴードン……!!後で覚えてろ……!!)
「それならばまあ……必要なこと、ですから、あと10分で終わりにしてください」
その言葉で、俺は窓の外がいつの間にか明るくなっていることに気づいた。
ノアはもう、消えていた。
「そういうわけ……だっ……もうすぐ出るから……そしたらすぐ……支度だ……」
「御意」
俺は、最後の力を振り絞り、自分の中に再び溜まった精液を放つべく、腰を振る。
「あああああああっ……」
「出るっ……!!!」
どくんっと波打つ。
カシーの体に、自分の細胞をまた送り込む。
それと同時に、カシーの体から自分の細胞が新しい形で戻ってくる。
魔力が、高まってくる。
と、同時に、頭はどんどん冷えていく。
理性が戻る。
自分がした事、された事が脳内に次々戻ってくる。
その度に俺はまた、カシーに対する罪悪感に支配されていく。
「ご苦労だった」
義務としてのセックスだと、周囲に見せるためにわざと使うようにした言葉。
もう、どれだけの回数、この言葉を使っているのだろうか。
冷たい、ナイフのような言葉だと……我ながらいつも、思う。
カシーがどんな表情でこの言葉を聞いているのかは知らない。
知りたくなかった。
何故ならいつも、カシーの顔を見る前に湯浴みへと逃げるから。
(いつからいた……!?)
全く……気づかなかった。
あいつの目線の先には、俺と、カシーの裸がある。
俺は、カシーの裸があいつから見えないように、そっと隠すように動こうとするが、今日のカシーは予測不能な行動をしてくる。
(くそっ……ノアの狙いはなんだ……!)
俺の視線に気づいたであろうノアが、唇を動かした。
『カサブランカはもう、僕のものだ。まもなくゲームが終わる』
と、言っているように……俺には見えた。
(……冗談じゃない!)
俺は、その場でカシーの体を捕まえた。
あえてノアの目の前で、カシーの胸を揉んでやる。
「あんっ……ちょっ……何……」
「そんな姿を見せるのが悪い」
(ノアになんかに……!!)
「……え!?」
「勃った。挿れさせろ」
(ノア……お前は、これをすることができなかったんだろ……!?)
「あんっ……」
(どうだノア……!お前のその肉棒では、カシーからこんな風に可愛い啼き声を出すことなど、できなかっただろう……!?)
「いくぞ……」
「あっ……んあっ……あんっ……」
「はぁ……くっ……」
「やだっ、王子……あん、あん、あああん!」
(どうだノア……!俺はもう……お前よりもずっと、カシーをよがらせられる……!気持ちよくさせられるし、カシーももう、俺なしの体ではいられなくなった……はずだ……!!)
「くっ……!」
カシーを、あえてあいつの前で犯すことで、俺は安心したかったはずなのに……。
ノアはちっとも動じる様子を見せない。
それどころか、むしろ余裕を無くした俺を嘲笑っているようだ……。
「王子!いつまでしているんです!!もう起床の時間です!」
(なっ……!!)
伽の最中、普段は途中で入ってくるということはない。
鬼気迫る俺の状態に、何かを感じたのだろう。
焦りの表情を、ゴードンは隠さなかった。
(ゴードン……一体何を考えてるんだ……!!)
「あと1回で、今日は終わりにする……」
(だから、早くこの部屋から出ていけ……!)
「また昨日、すぐに始められなかったんですか……」
(くそっ……どうしてこのタイミングで、あえてその話をしようとする……!!)
「仕方がないっ……ん……だろう……」
「もしかして……また昨日もですか……」
「ああ、そうだ……っ……くっ」
(またの意味なんて……お前には今更だろう、ゴードン……!!後で覚えてろ……!!)
「それならばまあ……必要なこと、ですから、あと10分で終わりにしてください」
その言葉で、俺は窓の外がいつの間にか明るくなっていることに気づいた。
ノアはもう、消えていた。
「そういうわけ……だっ……もうすぐ出るから……そしたらすぐ……支度だ……」
「御意」
俺は、最後の力を振り絞り、自分の中に再び溜まった精液を放つべく、腰を振る。
「あああああああっ……」
「出るっ……!!!」
どくんっと波打つ。
カシーの体に、自分の細胞をまた送り込む。
それと同時に、カシーの体から自分の細胞が新しい形で戻ってくる。
魔力が、高まってくる。
と、同時に、頭はどんどん冷えていく。
理性が戻る。
自分がした事、された事が脳内に次々戻ってくる。
その度に俺はまた、カシーに対する罪悪感に支配されていく。
「ご苦労だった」
義務としてのセックスだと、周囲に見せるためにわざと使うようにした言葉。
もう、どれだけの回数、この言葉を使っているのだろうか。
冷たい、ナイフのような言葉だと……我ながらいつも、思う。
カシーがどんな表情でこの言葉を聞いているのかは知らない。
知りたくなかった。
何故ならいつも、カシーの顔を見る前に湯浴みへと逃げるから。
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