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4.王子の葛藤
湯殿にて
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視界を遮るほどの湯気が立つ湯殿で俺は、1人浴槽に浸かっていた。
人肌より少し高い水温の薬湯は、俺の体に溜まった疲労を、じんわりと溶かしていく。
俺は、そこでいつものように瞼を閉じて、頭を空っぽにする。
伽の時間をあえて長引かせることで、ほとんど睡眠を取らなくなっていた俺は、この湯浴みの時間の中で体力回復に努めるようにしていたから。
うつらうつらと、仮眠状態に入る。
すうーっと、夢の中に落ちていく。
特に、意味がある夢を見るわけではない。
浮遊感を感じたり、心地よいオーラに包まれるなど、そう言うストーリーは存在しない夢。
夢に落ちすぎると、俺は湯の中に引きずりこまれて溺れそうになる。
そうすることで、俺は即座に夢から覚める。
この繰り返しだ。
そうすることで、あの悪夢を見ずに済む。
俺にとっては、ちょうど良い体の休め方になっていたのだが、今日は違った。
いつものように目を瞑るが、脳内にどんどん疑問が浮かび上がり、なかなか仮眠状態に入ることができない。
(今日のカシーは……何かがおかしかった……)
そのことが、ずっと引っかかっていた。
俺と目があった時に、何故か急に「あなたは?」と聞き出した。
妊娠を防ぐための魔法具の意味を、1番自覚させられたはずなのに、そのことをすっかり忘れている。
カシーの、それらの言動1つ1つも気になるが……。
それ以上にやはり気になったのは、ノア。
今まで、伽の時に現れたりはしなかった。
それが、急に今日、あんな窓の外から部屋を覗いていた。
それだけじゃない。
あのノアの言葉。
『まもなくゲームが終わる』
音は窓に封じられていたので聞こえなかった。
でも確かにあいつは、そう言った。
(一体どういうことだ……?)
得体の知れない不安がよぎり、俺はまともに休息を取ることができないまま、浴槽から上がらざるを得なかった。
その予感が、形となったのはそれから数時間後。
本来なら、カシーは眠りについているはずの時間にも関わらず、カシーの部屋でメイド達が慌てているという報告を受けた。
慌てて部屋に向かうと、カシーがこの部屋から居なくなっていたということを聞かされた。
ただ、驚くことはそれだけではなかった。
俺と母親だけが知っている、窓の秘密を使われていた。
これは一体……誰の仕業なのか……!?
そんなことを考える余裕もなく、俺も咄嗟にその窓を使い、外に出た。
カシーを、一刻も早く見つけるために。
人肌より少し高い水温の薬湯は、俺の体に溜まった疲労を、じんわりと溶かしていく。
俺は、そこでいつものように瞼を閉じて、頭を空っぽにする。
伽の時間をあえて長引かせることで、ほとんど睡眠を取らなくなっていた俺は、この湯浴みの時間の中で体力回復に努めるようにしていたから。
うつらうつらと、仮眠状態に入る。
すうーっと、夢の中に落ちていく。
特に、意味がある夢を見るわけではない。
浮遊感を感じたり、心地よいオーラに包まれるなど、そう言うストーリーは存在しない夢。
夢に落ちすぎると、俺は湯の中に引きずりこまれて溺れそうになる。
そうすることで、俺は即座に夢から覚める。
この繰り返しだ。
そうすることで、あの悪夢を見ずに済む。
俺にとっては、ちょうど良い体の休め方になっていたのだが、今日は違った。
いつものように目を瞑るが、脳内にどんどん疑問が浮かび上がり、なかなか仮眠状態に入ることができない。
(今日のカシーは……何かがおかしかった……)
そのことが、ずっと引っかかっていた。
俺と目があった時に、何故か急に「あなたは?」と聞き出した。
妊娠を防ぐための魔法具の意味を、1番自覚させられたはずなのに、そのことをすっかり忘れている。
カシーの、それらの言動1つ1つも気になるが……。
それ以上にやはり気になったのは、ノア。
今まで、伽の時に現れたりはしなかった。
それが、急に今日、あんな窓の外から部屋を覗いていた。
それだけじゃない。
あのノアの言葉。
『まもなくゲームが終わる』
音は窓に封じられていたので聞こえなかった。
でも確かにあいつは、そう言った。
(一体どういうことだ……?)
得体の知れない不安がよぎり、俺はまともに休息を取ることができないまま、浴槽から上がらざるを得なかった。
その予感が、形となったのはそれから数時間後。
本来なら、カシーは眠りについているはずの時間にも関わらず、カシーの部屋でメイド達が慌てているという報告を受けた。
慌てて部屋に向かうと、カシーがこの部屋から居なくなっていたということを聞かされた。
ただ、驚くことはそれだけではなかった。
俺と母親だけが知っている、窓の秘密を使われていた。
これは一体……誰の仕業なのか……!?
そんなことを考える余裕もなく、俺も咄嗟にその窓を使い、外に出た。
カシーを、一刻も早く見つけるために。
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