【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

5.私の本当のミッション

そもそも魔法は、使えたっけ？

私はまた１つ、咳払いをしてから

「じゃあ……一度この話は終わりにするとして……」

そう。
ここから先の方が、よっぽど重要だ。
カサブランカが、自分の記憶を消したという話。
そして、カサブランカの体に、カサブランカ自身が別の魂を入れたという……この２つについて。

何故、カサブランカがそんなことをしたのか。
何故、それをノアはカサブランカから聞くことができたのか。

ノアの話が、仮に本当だとすれば。
カサブランカは……名付けるならこの「たまいれ作戦」についてをわざわざノアにだけ打ち明けた……ということだろうか？

うーん……。
この2人、一体どういう関係性なんだ？
必要な記憶だけ残すというのなら……カサブランカはノアとの……セックス指南のことじゃなくて、むしろこっちを残すべきだったんじゃない……か？
それに……。

「何か、他にもお困りごとですか？」

困りごとしか、ございませんが。
私はもう1度記憶をよーく洗い出してみる。
そして、このタイミングで聞くには、間抜けな質問をするしかなかった。

「カサブランカって……そもそも魔法自体は、使えたっけ？」

あの小説の中での、カサブランカの出番が少なかった……ということもあるにはあるが、カサブランカは確か、こんな設定だった。

王子と最初に出会った時は、魔法の練習をしたことがない。
自分に魔力があることすら、知らなかった。
その後も、魔力を持つ王子のサポートをするためという名目で、魔力という存在についての知識は、本や家庭教師を通じては学んでいる。
だけど、やっぱりどこにもないのだ。

カサブランカが、魔法を使う小説のシーンも、そして頭の中の記憶も。

「カサブランカは……どうやって魔法を覚えたの？」

それを聞いた途端、ノアの表情が、雰囲気が一気に変わった。
私の背筋を凍らせるような……冷たい微笑みをした。