136 / 455
6.想定外だった彼の想い
アザレア
しおりを挟む
伽用の衣装に着替え、例のチョーカーをつけさせられ、豪華な天蓋付きベッドの上で待機させられた。
最初はすでに身につけた状態だったから、あまり意識していなかったが……このチョーカーというのがとても重い。
メイドの手によって首につけられる時、じっくりと眺めてみた。
宝石はそんなに詳しくないので、この種類だろう……と名前が瞬時に出てはこなかった。
でも、色を見た時に真っ先に思った事があった。
(生理の時の経血の色に似ている……)
少し黒くて、重々しい鈍い光を放つ赤色に、私は得体のしれない恐怖を感じていた。
「それでは、エディ王子の準備が整うまで、お待ちください」
私に衣装を着せたメイドは私にそう言うと、鏡の向こう側の部屋に入ってしまう。
私の側には今、アザレアだけが付かず離れずの距離で立っているだけ。
(彼女……アザレアは、ただのメイドではないのか……)
小説の中だけでいえば、聖女のサポート役としてカサブランカを裏切り、聖女とエディ王子が結ばれる一端を担った。
その理由は、小説の中では明かされていない。
ただ、わかっていることはある。
彼女の行動がきっかけで、確実にカサブランカが破滅させられたということ。
(この子は、ちょっと気をつけておいた方が良いかも……)
最初は、少しでも味方がいる方が自分の状況把握に役立つかもしれないと思った。
でも……今はノアという強力な味方ができたこともあるので、極力危険因子は避けておいた方が良いだろう。
とはいえ、カサブランカの記憶の中には、アザレアについては特に印象的な記憶もなく、淡々とお互い義務をこなす側、受け入れる側を徹底しているだけ。
何がきっかけで、アザレアはカサブランカを陥れるようになったのか。
今のところ、小説にはないエピソードばかりが積み重なっており、全く予測ができない状態ではあるが、何かきっかけになる出来事が起こるかもしれない。
ノアは
「明日までに整えておきます」
と言っていたが……このままじっとしているのも性に合わない。
まだ、王子がくる気配がない。
私はもう1度、起きた出来事について、理解できる範囲で脳内で整理を始めようと、あるものを探した。
最初はすでに身につけた状態だったから、あまり意識していなかったが……このチョーカーというのがとても重い。
メイドの手によって首につけられる時、じっくりと眺めてみた。
宝石はそんなに詳しくないので、この種類だろう……と名前が瞬時に出てはこなかった。
でも、色を見た時に真っ先に思った事があった。
(生理の時の経血の色に似ている……)
少し黒くて、重々しい鈍い光を放つ赤色に、私は得体のしれない恐怖を感じていた。
「それでは、エディ王子の準備が整うまで、お待ちください」
私に衣装を着せたメイドは私にそう言うと、鏡の向こう側の部屋に入ってしまう。
私の側には今、アザレアだけが付かず離れずの距離で立っているだけ。
(彼女……アザレアは、ただのメイドではないのか……)
小説の中だけでいえば、聖女のサポート役としてカサブランカを裏切り、聖女とエディ王子が結ばれる一端を担った。
その理由は、小説の中では明かされていない。
ただ、わかっていることはある。
彼女の行動がきっかけで、確実にカサブランカが破滅させられたということ。
(この子は、ちょっと気をつけておいた方が良いかも……)
最初は、少しでも味方がいる方が自分の状況把握に役立つかもしれないと思った。
でも……今はノアという強力な味方ができたこともあるので、極力危険因子は避けておいた方が良いだろう。
とはいえ、カサブランカの記憶の中には、アザレアについては特に印象的な記憶もなく、淡々とお互い義務をこなす側、受け入れる側を徹底しているだけ。
何がきっかけで、アザレアはカサブランカを陥れるようになったのか。
今のところ、小説にはないエピソードばかりが積み重なっており、全く予測ができない状態ではあるが、何かきっかけになる出来事が起こるかもしれない。
ノアは
「明日までに整えておきます」
と言っていたが……このままじっとしているのも性に合わない。
まだ、王子がくる気配がない。
私はもう1度、起きた出来事について、理解できる範囲で脳内で整理を始めようと、あるものを探した。
10
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる