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7.呪われしアルストメリー
朝食での出来事
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私は、与えられたパンをちまちまかじりながら、この部屋にいるメンバーをちらちら見る。
私の横に座って、甲斐甲斐しく
「この果物は採れたてで美味しいんですのよ」
と世話をしてくれるのがプルメリア。
テーブルを挟んで向かい側の椅子に腰掛け、目の前のお皿に載せられた果物にも手をつけず、気まずそうに私とプルメリアを見ているのがアザレア。
そして、テーブルから少し離れた広い場所では……
「ノアー!肩車!肩車!」
「また後で」
「えー!」
「やだやだーノアに抱っこされたいー」
「しょうがないね。よいしょっと」
「きゃー!!!」
「次!私もやって!」
小さな子供たちたちに囲まれて、肩車をしてやっているノアが、ニコニコ楽しそうにしている。
(ノアって……子供に人気なんだなぁ……)
そんな事を考えていると
「カサブランカ様はノアが気になるんですの?」
「いえ、そんなことは……」
とか言いながらも、事実ノアのことは気になっている。
だけど気になっているのは、それだけではない。
(この3人は、一体何なんだ……)
ノアとアザレアは、城で接点があっても不思議ではない。
プルメリアとアザレアは……小説での繋がりがあるから、まあわからなくは、ない。
ノアと、プルメリア。
この2人は一体どういう接点なのか、検討もつかない。
「もう、よろしいんですの?カサブランカ様、パンだけしか食べていないようですけれど」
「あ……はい……パン……美味しかったです……」
ふっくらもふもふした、焼きたてのパンは、前世の諸事情によりだいぶご無沙汰だったので、口に入れる度に、甘いミルクの香りもふわっと口の中に香り、ほんのり幸せを感じていた。
「そのパン、気に入っていただきましたのね。私が焼いたんですの」
「へえ……そうなんですか……って、え!?」
(せ、聖女様が……パンを……!?)
「そんなに驚くことですの?」
「だっ、だって……聖女さまって、この教会で特別な人でしょ!?そんな人がパンを焼くなんて……」
「あら、ここにいる人は、誰でもパンを焼けますわ」
(ここにいる人……ということは……)
「アザレアとノアも……?」
私が聞くと
「勿論ですわ」
と、プルメリアが答える。
それと同時に
「「嘘をつかないでください!」」
と、アザレアとノアが同時にプルメリアにツッコミを入れた。
「あら、冗談ですのに」
「でも聖女様は、隙あらば私たちにパン作りだけでなく、ありとあらゆることをさせようと思っていますよね」
ノアは、何を考えているかわからない、あの笑みを浮かべながら言った。
それに対して、プルメリアも負けていない。
「あらあら、失礼ですわね。隙あらばだなんて。ただ、教会の中では、どんな出自であろうと、誰もが、平等であると、お伝えしたはずですが?」
「それはあくまで、教会で生活する子たちは、とおっしゃってましたよね?」
「神の前では、誰もが神の御子ですわ」
(あ、あれ……気のせいだろうか。この2人、ちょっとトゲがあるぞ?)
この2人の空気に耐えられなかったのか
「す、すみません!お茶!入れて来ます……!!」
アザレアが青ざめた顔で立ち上がり、どこかへ行ってしまった。
アザレアが出て行った出口は、先ほど子供たちがパンや果物を持ってこの場所に入って来たところでもあるから、台所か何かに繋がっているのだろうか。
「あら、どうしたのかしら」
「さ、さあ……」
(アザレア……私は気持ち分かるぞ……。だから頼む、次はどうか私を誘ってくれ)
プルメリアは、くすくすと、本当に楽しそうに私を見ながら笑った。
「では、アザレアが戻って来たら、色々お話しましょう?」
「はぁ……」
一体、どんな話がこの聖女様から出てくるのだろうか。
まるで底が見えない、プルメリアの表情を見ながら、私はプルメリアが勧めた果物を一口かじってみた。
「うまっ!!」
私の横に座って、甲斐甲斐しく
「この果物は採れたてで美味しいんですのよ」
と世話をしてくれるのがプルメリア。
テーブルを挟んで向かい側の椅子に腰掛け、目の前のお皿に載せられた果物にも手をつけず、気まずそうに私とプルメリアを見ているのがアザレア。
そして、テーブルから少し離れた広い場所では……
「ノアー!肩車!肩車!」
「また後で」
「えー!」
「やだやだーノアに抱っこされたいー」
「しょうがないね。よいしょっと」
「きゃー!!!」
「次!私もやって!」
小さな子供たちたちに囲まれて、肩車をしてやっているノアが、ニコニコ楽しそうにしている。
(ノアって……子供に人気なんだなぁ……)
そんな事を考えていると
「カサブランカ様はノアが気になるんですの?」
「いえ、そんなことは……」
とか言いながらも、事実ノアのことは気になっている。
だけど気になっているのは、それだけではない。
(この3人は、一体何なんだ……)
ノアとアザレアは、城で接点があっても不思議ではない。
プルメリアとアザレアは……小説での繋がりがあるから、まあわからなくは、ない。
ノアと、プルメリア。
この2人は一体どういう接点なのか、検討もつかない。
「もう、よろしいんですの?カサブランカ様、パンだけしか食べていないようですけれど」
「あ……はい……パン……美味しかったです……」
ふっくらもふもふした、焼きたてのパンは、前世の諸事情によりだいぶご無沙汰だったので、口に入れる度に、甘いミルクの香りもふわっと口の中に香り、ほんのり幸せを感じていた。
「そのパン、気に入っていただきましたのね。私が焼いたんですの」
「へえ……そうなんですか……って、え!?」
(せ、聖女様が……パンを……!?)
「そんなに驚くことですの?」
「だっ、だって……聖女さまって、この教会で特別な人でしょ!?そんな人がパンを焼くなんて……」
「あら、ここにいる人は、誰でもパンを焼けますわ」
(ここにいる人……ということは……)
「アザレアとノアも……?」
私が聞くと
「勿論ですわ」
と、プルメリアが答える。
それと同時に
「「嘘をつかないでください!」」
と、アザレアとノアが同時にプルメリアにツッコミを入れた。
「あら、冗談ですのに」
「でも聖女様は、隙あらば私たちにパン作りだけでなく、ありとあらゆることをさせようと思っていますよね」
ノアは、何を考えているかわからない、あの笑みを浮かべながら言った。
それに対して、プルメリアも負けていない。
「あらあら、失礼ですわね。隙あらばだなんて。ただ、教会の中では、どんな出自であろうと、誰もが、平等であると、お伝えしたはずですが?」
「それはあくまで、教会で生活する子たちは、とおっしゃってましたよね?」
「神の前では、誰もが神の御子ですわ」
(あ、あれ……気のせいだろうか。この2人、ちょっとトゲがあるぞ?)
この2人の空気に耐えられなかったのか
「す、すみません!お茶!入れて来ます……!!」
アザレアが青ざめた顔で立ち上がり、どこかへ行ってしまった。
アザレアが出て行った出口は、先ほど子供たちがパンや果物を持ってこの場所に入って来たところでもあるから、台所か何かに繋がっているのだろうか。
「あら、どうしたのかしら」
「さ、さあ……」
(アザレア……私は気持ち分かるぞ……。だから頼む、次はどうか私を誘ってくれ)
プルメリアは、くすくすと、本当に楽しそうに私を見ながら笑った。
「では、アザレアが戻って来たら、色々お話しましょう?」
「はぁ……」
一体、どんな話がこの聖女様から出てくるのだろうか。
まるで底が見えない、プルメリアの表情を見ながら、私はプルメリアが勧めた果物を一口かじってみた。
「うまっ!!」
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