【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

文字の大きさ
180 / 455
7.呪われしアルストメリー

朝食での出来事

しおりを挟む
私は、与えられたパンをちまちまかじりながら、この部屋にいるメンバーをちらちら見る。
私の横に座って、甲斐甲斐しく

「この果物は採れたてで美味しいんですのよ」

と世話をしてくれるのがプルメリア。
テーブルを挟んで向かい側の椅子に腰掛け、目の前のお皿に載せられた果物にも手をつけず、気まずそうに私とプルメリアを見ているのがアザレア。
そして、テーブルから少し離れた広い場所では……

「ノアー!肩車!肩車!」
「また後で」
「えー!」
「やだやだーノアに抱っこされたいー」
「しょうがないね。よいしょっと」
「きゃー!!!」
「次!私もやって!」

小さな子供たちたちに囲まれて、肩車をしてやっているノアが、ニコニコ楽しそうにしている。

(ノアって……子供に人気なんだなぁ……)

そんな事を考えていると

「カサブランカ様はノアが気になるんですの?」
「いえ、そんなことは……」

とか言いながらも、事実ノアのことは気になっている。
だけど気になっているのは、それだけではない。

(この3人は、一体何なんだ……)

ノアとアザレアは、城で接点があっても不思議ではない。
プルメリアとアザレアは……小説での繋がりがあるから、まあわからなくは、ない。
ノアと、プルメリア。
この2人は一体どういう接点なのか、検討もつかない。

「もう、よろしいんですの?カサブランカ様、パンだけしか食べていないようですけれど」
「あ……はい……パン……美味しかったです……」

ふっくらもふもふした、焼きたてのパンは、前世の諸事情によりだいぶご無沙汰だったので、口に入れる度に、甘いミルクの香りもふわっと口の中に香り、ほんのり幸せを感じていた。

「そのパン、気に入っていただきましたのね。私が焼いたんですの」
「へえ……そうなんですか……って、え!?」

(せ、聖女様が……パンを……!?)

「そんなに驚くことですの?」
「だっ、だって……聖女さまって、この教会で特別な人でしょ!?そんな人がパンを焼くなんて……」
「あら、ここにいる人は、誰でもパンを焼けますわ」

(ここにいる人……ということは……)

「アザレアとノアも……?」

私が聞くと

「勿論ですわ」

と、プルメリアが答える。
それと同時に

「「嘘をつかないでください!」」

と、アザレアとノアが同時にプルメリアにツッコミを入れた。

「あら、冗談ですのに」
「でも聖女様は、隙あらば私たちにパン作りだけでなく、ありとあらゆることをさせようと思っていますよね」

ノアは、何を考えているかわからない、あの笑みを浮かべながら言った。
それに対して、プルメリアも負けていない。

「あらあら、失礼ですわね。隙あらばだなんて。ただ、教会の中では、どんな出自であろうと、誰もが、平等であると、お伝えしたはずですが?」
「それはあくまで、教会で生活する子たちは、とおっしゃってましたよね?」
「神の前では、誰もが神の御子ですわ」

(あ、あれ……気のせいだろうか。この2人、ちょっとトゲがあるぞ?)

この2人の空気に耐えられなかったのか

「す、すみません!お茶!入れて来ます……!!」

アザレアが青ざめた顔で立ち上がり、どこかへ行ってしまった。
アザレアが出て行った出口は、先ほど子供たちがパンや果物を持ってこの場所に入って来たところでもあるから、台所か何かに繋がっているのだろうか。

「あら、どうしたのかしら」
「さ、さあ……」

(アザレア……私は気持ち分かるぞ……。だから頼む、次はどうか私を誘ってくれ)

プルメリアは、くすくすと、本当に楽しそうに私を見ながら笑った。

「では、アザレアが戻って来たら、色々お話しましょう?」
「はぁ……」

一体、どんな話がこの聖女様から出てくるのだろうか。
まるで底が見えない、プルメリアの表情を見ながら、私はプルメリアが勧めた果物を一口かじってみた。

「うまっ!!」
しおりを挟む
感想 73

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...