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7.呪われしアルストメリー

ノアへの疑い

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カサブランカの執事として、1年近く共にいたノア。
実はエディ王子の兄だと、後で知った。
カサブランカは、誰も触れたことのない体の部分を、ノアによって開発された……。

細くてしなやかな指が、このカサブランカの胎内をかき混ぜていく。
カサブランカの内側から透明な蜜が、泉のごとく湧き出てノアの手を濡らしていき、カサブランカは快感で身をよじらせる。
そして、カサブランカは深い眠りについて、1日を終える。
それが、ノアとカサブランカの日常。
カサブランカが城に入るまで、欠かすことなく繰り返されていた。

カサブランカから、ノアに触れるということはなかったので、触れ合いという言葉はきっと正しくはないだろうが、濃厚接触的な関係だったことは、間違いない。

だけど、プルメリアはさっき言っていた。
ノアとは距離を死守しろ。
極力2m以上。

そして……中身イケオジのアザレアもまた、ノアに向かってこう言い放っていた。

「お前も、こうして次々と他人の細胞をいじったのか?」
「この中に、お前がいじった犠牲者はいるのか」
「私がいる娘の肉体も…………お前…………いじっているな?」

今あるヒントは、この3つ。
ここから……頑張って私なりに推理してみる。

プルメリアが示した2mという数は……恐らく確実に触れられない距離を示しているのではないだろうか……?
そして、ノアは、人体を操る魔人だと言われていた。
さらに、中身イケオジのアザレアは、細胞をいじる、と言う言葉を使っていた。

つまり……触れた相手の細胞に、なんらかの影響を与えることができるのが、ノアの力……だということ?
そして、細胞をいじられた相手のことを、犠牲者と呼んでいた。
アザレアもまた、何かの細胞をいじられている……らしい。


(何を、いじられたら、犠牲者と呼ばれる……?)


優しい、中性的な微笑みをする綺麗な男性。
エディ王子とは、全く違うタイプのイケメン。
そして私が、カサブランカの体の中にいるだけの別人だと知っている男性。
味方だと、思っている。
今でも、思いたい。
だけど……。


私は、大きな仮説をここで立ててみることにした。



(カサブランカの体がもしも、ノアによっていじられていたとしたら……?)
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