207 / 455
7.呪われしアルストメリー
ノアが、私に正しい情報を与えていなかったとしたら……?
しおりを挟む
ここで、私はふと……つい昨日のことを思い出した。
濃厚すぎる出来事が続きまくっていたので、記憶の片隅に追いやられていた出来事。
ノアが、私に、カサブランカについて教えてくれたこと……。
カサブランカが、母親の胎内を突き破って生まれ出てきた、恐ろしい魔力を持つため、稀代の魔女と呼ばれる存在だったと言っていたこと。
国1つ簡単に破壊することができる爆弾があるらしいと、言っていたこと。
実際に、とても短い、意味がわからない言葉によって、植木や花々を枯らすデモンストレーションをさせられたこと。
カサブランカの体の魔力は、ノアによって与えられた性的な興奮にて、今最大限まで高められていると、言っていたこと。
そして、その魔力によって……エディ王子の魔力を支え、同時にエディ王子の魔力によって、カサブランカの魔力もより強大になったと、言っていたこと……。
そして、カサブランカの記憶はカサブランカによって必要な情報のみ残されており、カサブランカの魂はどこかへ行ってしまったと言っていたこと……。
私に、カサブランカの中にいるまま、カサブランカの魂を見つけ出してくれと、頼んできたこと……。
これが、ノアと私のやりとり。
私は、そうだとすんなり納得した。
納得するしかなかった。
材料が足りなすぎたから。
この世界を知るための。
だけど、考えてみれば……だ。
たった1人の証言など……果たして……当てになど……なるものだろうか?
ノアの証言が正しいことの証明は、まだきちんと出来ていない。
複数の人間が同じことを言えば、初めて正解に近くなるものではないか……?
それに一方で。
カサブランカが「実は魔人」と呼ばれる存在であり、「時空と空間を操る」という力を持っていることは……恐らく……限りなく正しいのかもしれない。
複数人の人間が頷いていたから。
とはいえ、これもきちんと裏付けが取れているわけでは……ない。
(その可能性は、考えたくないけれど……)
ノアが、私に正しい情報を与えていなかったとしたら……?
その仮説も、もしかすると考えておく必要があるのでは……?
「はぁ……」
私は、大きなため息をついて、溜まっていた脳の疲れを吐き出す努力をした。
人を疑うのは、精神的に疲れること。
前世でも、特に社会人として働き始めてから、何度もそういうことがあった。
2度と、あんな思いはしたくないと、思ったはずなのに……。
(あれ?もう1つ、大きなものを忘れている気がする)
何故だろう。
あんな思いはしたくない。
その言葉を思い浮かべた時、何かが警告した。
その何かが……分からないけれど、思い出すべきだと、思わずにはいられなかった。
私は、すでに疲れ切った脳を再度叩き起こすように……また考え始めようとした時。
(私が忘れていることは、何?)
真剣に、祈った。
記憶の扉をこじ開けるように。
その時だった。
「うっ……!」
急に、胸が苦しくなった。
濃厚すぎる出来事が続きまくっていたので、記憶の片隅に追いやられていた出来事。
ノアが、私に、カサブランカについて教えてくれたこと……。
カサブランカが、母親の胎内を突き破って生まれ出てきた、恐ろしい魔力を持つため、稀代の魔女と呼ばれる存在だったと言っていたこと。
国1つ簡単に破壊することができる爆弾があるらしいと、言っていたこと。
実際に、とても短い、意味がわからない言葉によって、植木や花々を枯らすデモンストレーションをさせられたこと。
カサブランカの体の魔力は、ノアによって与えられた性的な興奮にて、今最大限まで高められていると、言っていたこと。
そして、その魔力によって……エディ王子の魔力を支え、同時にエディ王子の魔力によって、カサブランカの魔力もより強大になったと、言っていたこと……。
そして、カサブランカの記憶はカサブランカによって必要な情報のみ残されており、カサブランカの魂はどこかへ行ってしまったと言っていたこと……。
私に、カサブランカの中にいるまま、カサブランカの魂を見つけ出してくれと、頼んできたこと……。
これが、ノアと私のやりとり。
私は、そうだとすんなり納得した。
納得するしかなかった。
材料が足りなすぎたから。
この世界を知るための。
だけど、考えてみれば……だ。
たった1人の証言など……果たして……当てになど……なるものだろうか?
ノアの証言が正しいことの証明は、まだきちんと出来ていない。
複数の人間が同じことを言えば、初めて正解に近くなるものではないか……?
それに一方で。
カサブランカが「実は魔人」と呼ばれる存在であり、「時空と空間を操る」という力を持っていることは……恐らく……限りなく正しいのかもしれない。
複数人の人間が頷いていたから。
とはいえ、これもきちんと裏付けが取れているわけでは……ない。
(その可能性は、考えたくないけれど……)
ノアが、私に正しい情報を与えていなかったとしたら……?
その仮説も、もしかすると考えておく必要があるのでは……?
「はぁ……」
私は、大きなため息をついて、溜まっていた脳の疲れを吐き出す努力をした。
人を疑うのは、精神的に疲れること。
前世でも、特に社会人として働き始めてから、何度もそういうことがあった。
2度と、あんな思いはしたくないと、思ったはずなのに……。
(あれ?もう1つ、大きなものを忘れている気がする)
何故だろう。
あんな思いはしたくない。
その言葉を思い浮かべた時、何かが警告した。
その何かが……分からないけれど、思い出すべきだと、思わずにはいられなかった。
私は、すでに疲れ切った脳を再度叩き起こすように……また考え始めようとした時。
(私が忘れていることは、何?)
真剣に、祈った。
記憶の扉をこじ開けるように。
その時だった。
「うっ……!」
急に、胸が苦しくなった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる