238 / 455
7.呪われしアルストメリー
さ○子でも見ているのだろうか
しおりを挟む
「ちょっまっ……!」
とか言っている間に、もうすぐ鼻の先にくる。
こんなもん当たった日には、カサブランカの高い鼻でさえ、ぺちゃんこにされる。
(それはよろしくない)
ぎりぎりのところで、どうにか回避できたものの、頬を本がかすってしまったせいで、目の下あたりに痛みが走る。
そして本はというと、アザレアの近くまで猛スピードで行ったかと思うと、ふわりとその近くに落ちた。
自然現象では、明らかに起こり得ない。
明らかに、何者かの力がそれを起こしている。
そしてもう、私はその力に心当たりがある。
「アザレア!起きて!!」
しかし心当たりがあったとして、気づいた時には遅いとはよく言ったもので。
本を動かしている何者か達の狙いは、やはりアザレアだったようで、するすると本の中から無数の髑髏がアザレアの小さくか細い体に入り込んでいく。
「あっ……あっ……」
と目を白黒させながら、苦しそうな声をあげている。
助けなきゃ、と思った。
だけど、いくらカサブランカが魔人の1人だからと言っても……
(具体的に、何を、どうすればいいのかなんて、聞いてない!!)
ありがたいことに、先ほどまでのステラとの会話はちゃんと覚えている。
でも、教科書のような知識を教え込まれたところで、人はその知識を生かすことまではできない。
知識を活かすためには、トレーニングが必要だ。
このカサブランカの体を使い、ノアによってよくわからない魔法っぽいものを使ったのが、直近では最後。
それからの、今。
結局知識があったところで、方法を知らなければ、この体が人間以外だったとしても、私本人はただの人間と同じなのだ。
「呪われろ……呪われろ……」
色々なことを考えている内に、アザレアの口から、ありとあらゆる声による、呪いの言葉が部屋中に響く。
私が見ているのはなんだ。
ホラー映画か。
さ○子でも見ているのだろうか。
さ○子の映画も、1度見たら夢に出るくらいにはトラウマだったが……私が見ているのは紛れもない現実。今の私、にとって。
夢を見るどころの話じゃ、ないかもしれない。
再びの死の予感が、一気に身体中を駆け巡った。
(逃げよう)
咄嗟の判断で、私はすぐさま扉に近づき
「誰か!誰かいませんか!!」
と力一杯叩いた。
でも、誰の声も聞こえない。
「呪われろ」
集団の声以外は。
(どうする?扉を壊す?)
考えているゆとりなんてない。
やってから、考える。
前世で、上司に言われてすっごく嫌だったけど、今この時だけは感謝する。
「どりゃああああ!」
内心、この美しい体でこんなことしてごめんなさい、と思わなくはないが、私の安全には変えられない。
思いっきり蹴飛ばしてみると、あっさり扉が開いた。
目の前には、細長い廊下が広がっており、道の終わりはここからは見えなかった。
とか言っている間に、もうすぐ鼻の先にくる。
こんなもん当たった日には、カサブランカの高い鼻でさえ、ぺちゃんこにされる。
(それはよろしくない)
ぎりぎりのところで、どうにか回避できたものの、頬を本がかすってしまったせいで、目の下あたりに痛みが走る。
そして本はというと、アザレアの近くまで猛スピードで行ったかと思うと、ふわりとその近くに落ちた。
自然現象では、明らかに起こり得ない。
明らかに、何者かの力がそれを起こしている。
そしてもう、私はその力に心当たりがある。
「アザレア!起きて!!」
しかし心当たりがあったとして、気づいた時には遅いとはよく言ったもので。
本を動かしている何者か達の狙いは、やはりアザレアだったようで、するすると本の中から無数の髑髏がアザレアの小さくか細い体に入り込んでいく。
「あっ……あっ……」
と目を白黒させながら、苦しそうな声をあげている。
助けなきゃ、と思った。
だけど、いくらカサブランカが魔人の1人だからと言っても……
(具体的に、何を、どうすればいいのかなんて、聞いてない!!)
ありがたいことに、先ほどまでのステラとの会話はちゃんと覚えている。
でも、教科書のような知識を教え込まれたところで、人はその知識を生かすことまではできない。
知識を活かすためには、トレーニングが必要だ。
このカサブランカの体を使い、ノアによってよくわからない魔法っぽいものを使ったのが、直近では最後。
それからの、今。
結局知識があったところで、方法を知らなければ、この体が人間以外だったとしても、私本人はただの人間と同じなのだ。
「呪われろ……呪われろ……」
色々なことを考えている内に、アザレアの口から、ありとあらゆる声による、呪いの言葉が部屋中に響く。
私が見ているのはなんだ。
ホラー映画か。
さ○子でも見ているのだろうか。
さ○子の映画も、1度見たら夢に出るくらいにはトラウマだったが……私が見ているのは紛れもない現実。今の私、にとって。
夢を見るどころの話じゃ、ないかもしれない。
再びの死の予感が、一気に身体中を駆け巡った。
(逃げよう)
咄嗟の判断で、私はすぐさま扉に近づき
「誰か!誰かいませんか!!」
と力一杯叩いた。
でも、誰の声も聞こえない。
「呪われろ」
集団の声以外は。
(どうする?扉を壊す?)
考えているゆとりなんてない。
やってから、考える。
前世で、上司に言われてすっごく嫌だったけど、今この時だけは感謝する。
「どりゃああああ!」
内心、この美しい体でこんなことしてごめんなさい、と思わなくはないが、私の安全には変えられない。
思いっきり蹴飛ばしてみると、あっさり扉が開いた。
目の前には、細長い廊下が広がっており、道の終わりはここからは見えなかった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる