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7.呪われしアルストメリー
新しい呼び名
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「おい、時間と空間を司る魔人」
背後から、アルフィーに声をかけられて気づいた。
「あの……私を呼ぶとき、毎回それ言うんですか?」
「それ、とは……?」
「時間と空間を司る魔人って……」
毎回、ひらがなで合計17文字を、私を呼ぶごとにこの人は言うのか。
「お前のことに決まってるだろう」
「いや、そうじゃなくて」
「じゃあなんだ」
「……毎回、それ言うの?」
「それ?」
「私を呼ぶ時に、時間と空間を司る魔人って……」
「それ以外、なんと呼べばいいんだ?」
(確かに)
一応、今まではカサブランカのフリをしていたから、カサブランカと呼ばれ、反応もできるようにした。
だけど、ここにいる2名には、中身は違う人物であるとカミングアウト済み。
それに……カサブランカが好きでたまらない人間の前で「カサブランカと呼んでください」とか言おうものなら、ブーイングが飛んでくるだろう。
(それなら……)
「ランカと、呼んでくれませんか?」
「ランカ……だと?」
「はい、ランカで」
「ふむ……」
(や、やっぱまずいだろうか……)
アルフィーだけでなくエディ王子まで考え始めた。
何故、そんなに難しい顔をしているのだろう。
「では、ランカと呼ばせてもらおう」
「は、はい」
考える時間はとてもとても長かったが、結果的にアルフィーからはまずOKを貰った。
問題は……。
「あのぉ……王子……何か問題でも……」
「いや……待て……」
(何を待つと言うのか)
「その名前……どこかで……」
「え?」
「いや、なんでもない。気のせいかもしれないし」
(何なんだ……?)
「……お前のことを、ランカと呼べばいいのか」
エディ王子が、確認をするように言ってくる。
「……大丈夫?」
エディ王子の表情は、すごく嫌そうだった。
エディ王子は苦笑いしながら
「見た目はこんなにもカシーなのに、違う名を呼ばないといけないと思うとな」
「あ……」
エディ王子が言いたいことが分かった気がした。
私は、ポンっとエディ王子の肩を叩きながら
「そのために、あなたにも頑張ってもらうから」
と、エディ王子に声をかけてから、もう1度アルフィーの方を見た。
「それで、何ですか?」
「何、とは?」
「私に話しかけた理由」
「ああ、それのことなんだが……」
アルフィーが指差したのは、私の右手にあるブツだった。
「っ!?」
「お前は、何故そんなものを持っている」
(まずい……)
アルフィーのような実直な男にとって、こういう性的な道具は刺激が強すぎるかもしれない。
もしくは、そう言うものを持っている女のことを、見下す可能性も十分ある。
自分は楽しいものを持っているにも関わらず。
そういう男は結構多かった。
前世基準では。
「これはですねーペンもどきと言いますか」
男のアソコに酷似しているものをペンという表現でしか誤魔化せない、自分の語彙力が悲しくて死にたくなった。
既に死んでいるし、幽霊みたいなものだけど。
「いや……そうではなく……」
「え?」
「それから、魔人の力を感じるのだが」
背後から、アルフィーに声をかけられて気づいた。
「あの……私を呼ぶとき、毎回それ言うんですか?」
「それ、とは……?」
「時間と空間を司る魔人って……」
毎回、ひらがなで合計17文字を、私を呼ぶごとにこの人は言うのか。
「お前のことに決まってるだろう」
「いや、そうじゃなくて」
「じゃあなんだ」
「……毎回、それ言うの?」
「それ?」
「私を呼ぶ時に、時間と空間を司る魔人って……」
「それ以外、なんと呼べばいいんだ?」
(確かに)
一応、今まではカサブランカのフリをしていたから、カサブランカと呼ばれ、反応もできるようにした。
だけど、ここにいる2名には、中身は違う人物であるとカミングアウト済み。
それに……カサブランカが好きでたまらない人間の前で「カサブランカと呼んでください」とか言おうものなら、ブーイングが飛んでくるだろう。
(それなら……)
「ランカと、呼んでくれませんか?」
「ランカ……だと?」
「はい、ランカで」
「ふむ……」
(や、やっぱまずいだろうか……)
アルフィーだけでなくエディ王子まで考え始めた。
何故、そんなに難しい顔をしているのだろう。
「では、ランカと呼ばせてもらおう」
「は、はい」
考える時間はとてもとても長かったが、結果的にアルフィーからはまずOKを貰った。
問題は……。
「あのぉ……王子……何か問題でも……」
「いや……待て……」
(何を待つと言うのか)
「その名前……どこかで……」
「え?」
「いや、なんでもない。気のせいかもしれないし」
(何なんだ……?)
「……お前のことを、ランカと呼べばいいのか」
エディ王子が、確認をするように言ってくる。
「……大丈夫?」
エディ王子の表情は、すごく嫌そうだった。
エディ王子は苦笑いしながら
「見た目はこんなにもカシーなのに、違う名を呼ばないといけないと思うとな」
「あ……」
エディ王子が言いたいことが分かった気がした。
私は、ポンっとエディ王子の肩を叩きながら
「そのために、あなたにも頑張ってもらうから」
と、エディ王子に声をかけてから、もう1度アルフィーの方を見た。
「それで、何ですか?」
「何、とは?」
「私に話しかけた理由」
「ああ、それのことなんだが……」
アルフィーが指差したのは、私の右手にあるブツだった。
「っ!?」
「お前は、何故そんなものを持っている」
(まずい……)
アルフィーのような実直な男にとって、こういう性的な道具は刺激が強すぎるかもしれない。
もしくは、そう言うものを持っている女のことを、見下す可能性も十分ある。
自分は楽しいものを持っているにも関わらず。
そういう男は結構多かった。
前世基準では。
「これはですねーペンもどきと言いますか」
男のアソコに酷似しているものをペンという表現でしか誤魔化せない、自分の語彙力が悲しくて死にたくなった。
既に死んでいるし、幽霊みたいなものだけど。
「いや……そうではなく……」
「え?」
「それから、魔人の力を感じるのだが」
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