298 / 455
7.呪われしアルストメリー
俺は、王家の奴隷みたいなもの
しおりを挟む
エディ王子から出てきたその言葉は、私も小説で読んだことがないフレーズだった。
「なんだ、それは?」
アルフィーも、知らない様子だった。
「そうか、お前でも知らないのか」
「少なくとも、俺は聞いたことがない」
「……そうか……」
アルフィーの言葉に、エディ王子は肩を落としたようだった。
「白紙の子って何?」
「ああ、それは……」
エディ王子が言うには、白紙の子というのは王家にしか生まれない存在らしく、最も大きな特徴は、魔力を一切持たないこと。
ノアは、まさに白紙の子であり、魔力持つことが条件でもある王位継承権を剥奪されたらしい。
そんな白紙の子供が生まれた時、必ずアルストメリー国は外の国から侵略され、滅亡の危機になってきたらしい。
アルストメリーの歴史上、白紙の子供が生まれたのは3回。
隣の国が侵略することもあれば、奴隷にさせられたこともあった。
前回の時は、国民の大半が隣の国の兵士によって殺されたらしい。
その事実は、王族だけに隠された国の秘密の1つ……らしい。
「そ、そんな事が……?」
私は、アルフィーに視線を送る。
アルフィーもまた、信じられないといった顔をしていた。
「ねえ、アルフィーさん、本当に知らないの?」
「少なくとも、俺が本の中にいた間のことであれば……見ることはできないから……俺が知らない出来事とはいえ、なかったとは……言えない」
つまり、本の中からは外の世界の情勢を知ることは不可能、と言うこと。
新しい情報を、また1つ得る事ができた……と思うことにする。
「そもそも、エンディーとやら。お前は何故そんな事を知っているんだ?王族だけに隠された秘密……とのことだが」
(しまった……!)
私も、新事実の方ばかりに気を取られて、すっかり頭から抜けていた。
エディ王子が王家の一員だと、今このタイミングでアルフィーにバレるとまずいのだと、ほんの10分程前に説明したばかりじゃないか。
「あー……それはですね、エンディーは……そのぉ……」
どう言えば、王家じゃない、エンディーという存在が、王家の秘密を知っていても不思議じゃないのだろうかと、私が悩んでいるとエディ王子が、チラリと私の方を見てから
「俺は、王家の奴隷みたいなものだ」
と言った。
(ど、奴隷……!?よりによって、どうしてそのチョイス!?)
まだ、王子の侍従とか、執事とかなら分かる。
相談相手にも、もしかしたらなり得る存在だ。
王家だけと言っておきながら、こういう中枢を担う存在が、王家以上に秘密を握っていると言うのもフィクションではよくあることではないか。
エディ王子が、私の顔色を窺って「王子だ」と名乗らなかったのは褒めてやりたいが、選んだチョイスがツッコミどころしかない。
(奴隷なんて、1番情報が降りてこない下の層ではないか……)
不自然極まりないエディ王子の説明に、アルフィーは疑問を抱かないはずがないだろうと思い、頭を抱えたくなった。
ところが。
「お前も……苦労したんだな」
(はあ!?)
見ると、アルフィーがボロボロ泣いているではないか。
「あの、根性腐ったメルキオールの子孫かもと考えると、奴隷として働かされたお前の苦労は想像がつきすぎる。今度、酒でも飲もう」
(何故)
「すまない。俺はまだ成年はしていないから酒は飲めない」
「そうか。ならばとりあえず、飯を食おう。そして語り合おう」
(性的なことは思いっきりしとるがな……って、それはこの際どうでもいいか、もう)
「あの……アルフィーさん」
「何だ」
(ちゃんと聞くのが怖かったから、このタイミングまで聞かないようにしていたけれど……このテンションだったら、もう、聞いてもいいの、かな?)
私は、準備のための咳払いを1つしてから
「アルフィーさんにとっての、その……自然を司る魔人って、一体どんな人だったのかな……ははは……」
と、軽いノリで聞いてしまった。
それが、まずかった。
「なんだ、それは?」
アルフィーも、知らない様子だった。
「そうか、お前でも知らないのか」
「少なくとも、俺は聞いたことがない」
「……そうか……」
アルフィーの言葉に、エディ王子は肩を落としたようだった。
「白紙の子って何?」
「ああ、それは……」
エディ王子が言うには、白紙の子というのは王家にしか生まれない存在らしく、最も大きな特徴は、魔力を一切持たないこと。
ノアは、まさに白紙の子であり、魔力持つことが条件でもある王位継承権を剥奪されたらしい。
そんな白紙の子供が生まれた時、必ずアルストメリー国は外の国から侵略され、滅亡の危機になってきたらしい。
アルストメリーの歴史上、白紙の子供が生まれたのは3回。
隣の国が侵略することもあれば、奴隷にさせられたこともあった。
前回の時は、国民の大半が隣の国の兵士によって殺されたらしい。
その事実は、王族だけに隠された国の秘密の1つ……らしい。
「そ、そんな事が……?」
私は、アルフィーに視線を送る。
アルフィーもまた、信じられないといった顔をしていた。
「ねえ、アルフィーさん、本当に知らないの?」
「少なくとも、俺が本の中にいた間のことであれば……見ることはできないから……俺が知らない出来事とはいえ、なかったとは……言えない」
つまり、本の中からは外の世界の情勢を知ることは不可能、と言うこと。
新しい情報を、また1つ得る事ができた……と思うことにする。
「そもそも、エンディーとやら。お前は何故そんな事を知っているんだ?王族だけに隠された秘密……とのことだが」
(しまった……!)
私も、新事実の方ばかりに気を取られて、すっかり頭から抜けていた。
エディ王子が王家の一員だと、今このタイミングでアルフィーにバレるとまずいのだと、ほんの10分程前に説明したばかりじゃないか。
「あー……それはですね、エンディーは……そのぉ……」
どう言えば、王家じゃない、エンディーという存在が、王家の秘密を知っていても不思議じゃないのだろうかと、私が悩んでいるとエディ王子が、チラリと私の方を見てから
「俺は、王家の奴隷みたいなものだ」
と言った。
(ど、奴隷……!?よりによって、どうしてそのチョイス!?)
まだ、王子の侍従とか、執事とかなら分かる。
相談相手にも、もしかしたらなり得る存在だ。
王家だけと言っておきながら、こういう中枢を担う存在が、王家以上に秘密を握っていると言うのもフィクションではよくあることではないか。
エディ王子が、私の顔色を窺って「王子だ」と名乗らなかったのは褒めてやりたいが、選んだチョイスがツッコミどころしかない。
(奴隷なんて、1番情報が降りてこない下の層ではないか……)
不自然極まりないエディ王子の説明に、アルフィーは疑問を抱かないはずがないだろうと思い、頭を抱えたくなった。
ところが。
「お前も……苦労したんだな」
(はあ!?)
見ると、アルフィーがボロボロ泣いているではないか。
「あの、根性腐ったメルキオールの子孫かもと考えると、奴隷として働かされたお前の苦労は想像がつきすぎる。今度、酒でも飲もう」
(何故)
「すまない。俺はまだ成年はしていないから酒は飲めない」
「そうか。ならばとりあえず、飯を食おう。そして語り合おう」
(性的なことは思いっきりしとるがな……って、それはこの際どうでもいいか、もう)
「あの……アルフィーさん」
「何だ」
(ちゃんと聞くのが怖かったから、このタイミングまで聞かないようにしていたけれど……このテンションだったら、もう、聞いてもいいの、かな?)
私は、準備のための咳払いを1つしてから
「アルフィーさんにとっての、その……自然を司る魔人って、一体どんな人だったのかな……ははは……」
と、軽いノリで聞いてしまった。
それが、まずかった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる