【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

桜葉詩織

文字の大きさ
317 / 455
8.神から与えられたのは、罰と……

こんなに美しい人を見たのは初めて

しおりを挟む
その日も、アルフィーは魚を釣りに川に出た。
ただ、この日はトラヴィスではなく別の人間がアルフィーと一緒だった。

「アルフィー様、ご一緒させていただいても宜しかったでしょうか?」
「むしろ、あなたにこのような役割をさせてしまって、申し訳ない。ステラさん」

アルフィーは、なぜかステラにだけは敬語を使ってしまう。
気品があり、仕草の1つ1つが美しいステラには、貴族のような風格すら感じられた。
たくさんの知識を持つアルフィーでさえ

「こんなに美しい人を見たのは初めてだ」

と本人を目の前にして言葉を漏らしたほどだった。
ステラ自身は、美しいと言われることに慣れていないようで

「そ、そんなことないです!」

と本気で狼狽えていた。

たくさんの知識を持つアルフィーには、男だからこうするべき、女だからこうするべきといった差別的考え方は持ち合わせていない。
徹底した合理主義。
得意なことだけをすればいいとすら、思っている。
だからこそ、いくら生きるために必要な仕事とはいえ、野蛮なこともするような魚釣りや狩りのような仕事に、ステラは合わないとアルフィーは思っていた。
先日メルキオールの力で作った庭で、お茶でも飲んでくれていた方がよっぽど似合うとすら思った。
ところが、アルフィーの心配をよそに、ステラは美しくはにかんだ。

「いいえ、むしろ嬉しいんです」
「何がです?」
「国にいる頃は、こうして外を歩くことすら、ままならなかったのです」
「どういうことですか?」

ステラは、ほんの少し寂しそうな表情をしてから空を見上げながら

「私は、お家の小さな窓からしか、こうして空を眺めることは許されなかったのです」

と言った。
アルフィーはそこまで聞いて悟るくらいには、空気も読める男だった。

「申し訳ない」
「だから、こうして歩いているのが楽しいんですの」

ステラはそう言うと、またにっこりと微笑んだ。

ステラという人間の魔も、アルフィーにとっては未知のもの。
現時点でアルフィーにわかっていることといえば、目の前にある世界の中に、全く別世界の空間を作り、そこと唯一行き来ができるということ。
それだけでも、正直アルフィーにとっては理解不能だった。
ただ、部屋が増えているというのとは訳が違う。
その空間同士、時間の流れも、空気の流れもまるで違う。
1度だけ、アルフィーはステラが作った空間に足を踏み入れたが、体内がよじれるような、言葉にするのが難しい現象に襲われた。

「時空間酔いですわね……」

自分に合わない時空間に入ってしまうと、その拒絶反応で体がおかしくなるのだと、ステラは泣きながらアルフィーに説明してはいたが、その原理すら、アルフィーには理解ができなかった。
だからこそ、ステラの近くにいて、必要があればステラの魔をもう少し分析してみたいという好奇心も、アルフィーの中に芽生えていた。

そうして、川にたどり着くと、ステラは履いていた靴を脱ぎすて、スカートをたくし上げた。

「え、ステラさん、あなたが川に入るんですか?」
「もちろんですわ。私、入ってみたかったんですの」
「いや……しかし……」

アルフィーは、何度もこの川に来たことがあるから知っている。
男のアルフィーの皮膚でも長時間耐えられるかわからない程、この川の水は冷たい。
そんな水に、ステラのようなちょっと刺激を与えたら壊れてしまいそうな肉体を持つ女が入ってもいいのかと、アルフィーは考えた。

「どうしても、入りたいのですか?」
「もちろんですわ」

2回、もちろんですと言われてしまった。

「私、裸足で水の中に入るのが夢だったんですの」

ここまで言われてしまえば、アルフィーも流石に引き止めることはできなかった。
もしステラに何かがあれば、すぐに自分が対処してあげようと、知識の引き出しを片っ端からアルフィーは開け始めた。
その時だった。


「君たち、何か困ってるのかい?」

アルフィーが振り返ると、背中に手を回したトラヴィスが、息を切らせて立っていた。
しおりを挟む
感想 73

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...