342 / 455
8.神から与えられたのは、罰と……
アルフィーがルカに落ちるのはこれだけで十分
しおりを挟む
アルフィーが最初に出会った魔の仲間でもあるルカ。
最初アルフィーはルカのことをとても苦手に思っていた。
特別な力を持つ魔人として、人々から奇異な目で見られ続けたアルフィーが、人間という存在に対して懐疑心を持つことは当然だった。
お互いに疑い合い、メリットだけを奪う。
それがアルフィーにとっての、人間関係における基礎だった。
けれど、ルカは違った。
アルフィーが性悪説で生きているのなら、ルカは完全に性善説で生きているのだ。
メルキオールもトラヴィスも、穏やかで女らしいステラの虜になったが、ステラの中にも人を疑うという心は残っている。
だから警戒もするし、特別扱いもする。
メルキオールという人間に恋をし、体を捧げると決意をしたのも、自分にとって良い人間と悪い人間の区別をステラの中で無意識にしているからだ、とアルフィーは考えている。
そしてトラヴィス、メルキオールは言わずもがな。
霊を司る魔人のリーサだけは、ほとんど会話もしないで正確なことは分からないが、自分と会話をしないということは、疑っていることとイコールなのだろう、とアルフィーは仮説を立ててはいた。
だけど、ルカは違う。
誰に対しても基本は平等。
何を根拠にしているのかは分からないが、とにかく相手を信頼するのだ。
どんな人間でも善の心は持っている、というのがルカの持論だということを1度アルフィーは聞いたことがあった。
何故そんな風に信じられるのか、ついアルフィーは聞いてしまった。
キョトンと、大きな目をさらに見開き、首を傾げたルカを見て、自分が発した質問が愚問だったと悟ったアルフィーは
「やっぱりいい!忘れて!」
と質問を撤回しようとした。
でも、ルカはアルフィーが立ち去ろうとした瞬間
「信じたいと思ってるから」
と言葉にした。
「どうして、信じたいと思ってる?」
聞く必要がなかったかもしれない。
でも聞いてみたかった。
あまりにもルカの目が透き通っていたから。
ルカは、アルフィーに近づいてきた。
一歩、二歩と近づくと、あっという間に目と鼻の先の位置にルカがいた。
なんの匂いかはわからないが、ふんわり甘い香りがルカの髪の毛から漂ってきて、アルフィーは驚いた。
なんだろう、この甘さは。
嗅いだこともない、心地の良い匂いにアルフィーがくらくらした時だった。
「信じたら、もっと仲良くなれるから」
そう言いながら、アルフィーに見せた笑顔は、いつもの小動物の可愛らしさではなく、女としての綺麗さを含んでいた。
たったこれだけではあるが、アルフィーがルカに落ちるのはこれだけで十分。
その日から、アルフィーにとってルカは特別な女になっていた。
そんなルカの笑顔を、ステラの中に自分の雄を入れそうになった瞬間思い出したアルフィーは咄嗟にステラを突き飛ばした。
「きゃっ!!」
と倒れるステラの声に、安堵の色が含まれていたことに、アルフィーは気づいてしまった。
最初アルフィーはルカのことをとても苦手に思っていた。
特別な力を持つ魔人として、人々から奇異な目で見られ続けたアルフィーが、人間という存在に対して懐疑心を持つことは当然だった。
お互いに疑い合い、メリットだけを奪う。
それがアルフィーにとっての、人間関係における基礎だった。
けれど、ルカは違った。
アルフィーが性悪説で生きているのなら、ルカは完全に性善説で生きているのだ。
メルキオールもトラヴィスも、穏やかで女らしいステラの虜になったが、ステラの中にも人を疑うという心は残っている。
だから警戒もするし、特別扱いもする。
メルキオールという人間に恋をし、体を捧げると決意をしたのも、自分にとって良い人間と悪い人間の区別をステラの中で無意識にしているからだ、とアルフィーは考えている。
そしてトラヴィス、メルキオールは言わずもがな。
霊を司る魔人のリーサだけは、ほとんど会話もしないで正確なことは分からないが、自分と会話をしないということは、疑っていることとイコールなのだろう、とアルフィーは仮説を立ててはいた。
だけど、ルカは違う。
誰に対しても基本は平等。
何を根拠にしているのかは分からないが、とにかく相手を信頼するのだ。
どんな人間でも善の心は持っている、というのがルカの持論だということを1度アルフィーは聞いたことがあった。
何故そんな風に信じられるのか、ついアルフィーは聞いてしまった。
キョトンと、大きな目をさらに見開き、首を傾げたルカを見て、自分が発した質問が愚問だったと悟ったアルフィーは
「やっぱりいい!忘れて!」
と質問を撤回しようとした。
でも、ルカはアルフィーが立ち去ろうとした瞬間
「信じたいと思ってるから」
と言葉にした。
「どうして、信じたいと思ってる?」
聞く必要がなかったかもしれない。
でも聞いてみたかった。
あまりにもルカの目が透き通っていたから。
ルカは、アルフィーに近づいてきた。
一歩、二歩と近づくと、あっという間に目と鼻の先の位置にルカがいた。
なんの匂いかはわからないが、ふんわり甘い香りがルカの髪の毛から漂ってきて、アルフィーは驚いた。
なんだろう、この甘さは。
嗅いだこともない、心地の良い匂いにアルフィーがくらくらした時だった。
「信じたら、もっと仲良くなれるから」
そう言いながら、アルフィーに見せた笑顔は、いつもの小動物の可愛らしさではなく、女としての綺麗さを含んでいた。
たったこれだけではあるが、アルフィーがルカに落ちるのはこれだけで十分。
その日から、アルフィーにとってルカは特別な女になっていた。
そんなルカの笑顔を、ステラの中に自分の雄を入れそうになった瞬間思い出したアルフィーは咄嗟にステラを突き飛ばした。
「きゃっ!!」
と倒れるステラの声に、安堵の色が含まれていたことに、アルフィーは気づいてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる