【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

8.神から与えられたのは、罰と……

こういう時の最終手段

「は！？」
「ちょっと待てどういうことだ！？」

同時に2人から大声を出されたので

「しー！！！」

と左手の人差し指は自分の唇にあてて、エディ王子の腕を掴んでいたはずの右手を拳骨にして、エディ王子だけを思いっきり殴った。
なお、アルフィーは接触すると諸々問題が起きそうなので、代わりにエディ王子にもう一発食らってもらった。

「静かに！」

と言ったものの、時すでに遅く

「誰かいらっしゃいますのね」

プルメリアはこちらに気づいたようだった。

「ああ……どうしよう……」

説明している時間は、正直あまりない。
というより、逃げると言っておきながら、どう逃げるかすら決めてない。
プルメリアがこちらに来ようとしているのは、この部屋にたった1つしかない扉。
つまり普通であれば、もうこれでゲームオーバー。
でも……だからこその、エディ王子。
私は、もう1度エディ王子の手首を、これでもかと強い力で握りしめた。

「な、何だ……？何を考えているんだ？」
「黙って」

私は、プルメリアが近づいてくる足音を右耳で聞きながら、左耳で別の音を聞く。
そして目を瞑り、意識を集中させた。

上か。
右か。
左か。
それとも下か。

私は、カサブランカの脳にもう1度語りかける。
空間がもしあるのなら。
きっとカサブランカの魔の何かしらが作用すると思ったから。


しゅーっしゅーっ。

カサブランカの脳に響く音が、ずっと聞こえていたのだ。
この部屋のどこかから。
そして、これは、聞いたことがある音だと思っていた。



それは、風の音。
空気が流れる音。
1つか２つかわからないけれど、どれかの壁の向こうには、空気が通っている。
その壁を探りあてさえすれば、ここから逃げ出すのは簡単。
ただ、プルメリアの足音が限りなく近くなってしまったので、ここから先、推理する時間はもう取れない。
でもまだ、解決策は決まっていない。
けれど、次に進まないといけない。
こういう時の最終手段は……。