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新垣吾郎
しおりを挟む新垣と別れて、家に帰り自室でギターを弾き始めていた。
まぁ、習いたいことは習いたいが。
今は、練習しかないと思っていた。
まだまだ、自己満足の世界で完璧な演奏には遠く及んでいなかった。
まぁ、実際。
小遣いを3000円貰っても、弦とかその他で2000円は消えていて。
自由なお金は1000円にも、満たないくらいだった。
母が帰宅する前に、風呂に入り少し濃くなってきている脇毛も剃っていた。
そう言えば、少しブラもキツくなり始めていた。
父はだいたい夕飯は食べなく、用意したツマミでお酒を飲むのが好きだった。
麗奈達は、4人でいつも夕飯を8時少し前から食べ始めていた。
麗奈は夕飯の片付けをすると、自分の部屋に閉じこもっていた。
部屋は、殺風景だった。
狭い部屋にベッドと机・洋服タンスとクローゼット・後は本棚だった。
本棚には教本が何冊かと、ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、キース・リチャーズ、ジェフ・ベックなど、多数のミュージシャンのCDが並べてあった。
中には、ビートルズやクイーンなども入っていた。
CDをかけてイヤホンで聞いては、ギターでコピーをし始めていた。
9時頃、父が帰宅してリビングで晩酌をしようとするとチャイムが鳴っていた。
ヘッドホンをしてる麗奈には、聞こえるはずもなかった。
「夜分遅くに失礼します。初めまして、新垣と言います。少し娘さんの事でご相談がありまして、昼間お話したら、9時でないとお父様の方が帰宅してないと言われてこんな時間に訪問してしまいました。本当にすいません。」
新垣は、立ち話もなんだからと、リビングに通されていた。
「ちょっと、散らかってますけど、座ってくださいね。ところで娘にって、どっちの娘でしょうか?うちには、高2の娘と中2の娘がいますけど。」
「小さいおとなしい方のお嬢さんです。」
「麗奈ですね。なんか、あの娘がご迷惑おかけしましたか?」
「いえいえ。私は、夏の祭典からファンになりましてね。ちょっとした追っかけですよ。でも、心配しないでくださいね。不謹慎な意味では、ないですからね。」
「あら、またあの娘が変なことしたと思ったから、よかったわよね。お父さん。」
「私も一時は、プロのギターリストにまでなろうとしてた1人です。今は自営業を営んでいますので、是非娘さんの指導をしたいと思って伺ったわけです。」
「でも、まだ中2ですよ。あんな子供に教えるよりももっと素敵な演奏者がいるんじゃないのかしら?」
「私の妻も、音大を出てまして声楽家です。娘さんの音域の広さと声量に妻も惚れ込んじゃいましてね。今から基礎から徹底的に仕込めば素晴らしくなると私達は考えてまして。ご両親の承諾を得たくて来たんですが。如何でしょうか?」
「それで、月何回のレッスンで月謝とかは?娘がやりたいなら、反対はしませんけど。」
「そうですね。こちらとしてはタダでもいいんですが、それではそちらも困るでしょうから、月に5000円の月謝で。毎日でもいいっていうのは如何でしょうか?ちょうど、私達も引っ越してきたばかりで、お宅から100メートル離れた場所に家はありますので。」
「お父さん、どうしますか? 麗奈呼んできましょうかね。」
「その前に環境とか見たいので、お子様のお部屋を少し拝見できますでしょうか?どれだけ熱心にやってるのか、部屋を見るとわかりますから。」
「あ わかりました。それではこちらに来てくださいね。」
母は麗奈の部屋をノックしたが、返事はなかった。
「おかしいわね。寝てるのかしら?」
「ちょっと、まってください。」
新垣はドアに耳を当てて、中の音を聞いていた。
カシャ カシャと、リズミカルな音が聞こえていていた。
「練習してて、聞こえてないみたいですよ。お母さんが開けてください。」
母が、ドアを開けても気が付かず必死に練習をしていた。
母は、麗奈の肩を叩き気づかせていた。
麗奈は、ヘッドホンを外し。
新垣も一緒にいるので、びっくりしていた。
「あ すいません 気が付かなくって。」
「ちょっと、部屋見せてもらっていいかな? 見るだけだからね。」
「はい なにもないですよ。変わったものなんかこの部屋には。」
「そこがいいんじゃないか、余計な物が無くてね。勉強机とロックのCDとベッドとギターこれしか無いからね。想像してた通りだったから安心したよ。ちょっと、リビングでご両親と一緒にお話ししたいから来てくれるかな?」
「はい、 すぐ行きます」
母と新垣は先に行き、麗奈はギターを立ててドアを閉めてリビングに行った。
今ままでの話しを父から説明されて、凄く驚いていた。
「多分、途中までしかレッスン受けれないと思いますけどいいですか?」
「あれ、なんでかな? 俺は全部教える気だよ。」
「えっと多分、月謝が20ヶ月分しか無いから。バイトすればなんとかなりますけど。」
「麗奈。月謝はお父さんが出してあげるから、心配しなくていいから教えてもらいなさい。」
少しきつい口調で、父は麗奈に言っていた。
「家は、地図書いたからね。うちは、妻と私の二人暮らし。完璧な防音設備の部屋もあるしね。私がいない時は、妻に歌のレッスンをしてもらってくださいね。多分、最初は発声練習からだと思うけどね。ギターも、また基礎からな。変な癖もついてるから、直していこう。それじゃ、私は夜も遅いので、これで失礼しますね。そうそう、今月は残り半月だから無料体験で明日から毎日来なさいね。」
3人で新垣を見送り、リビングに戻った。
姉の茉莉子が、リビングに走ってきて。
「ねえねえ、今の新垣吾郎でしょ?」
「お姉ちゃん、なんで知ってるの? 知り合いなの?」
「ギターやってて、あの人知らない人いないわよ。私でも知ってるからね。日本人でも、あれだけのテクニックと速弾きとかは、だれにも負けないからね。でも、プロにならなくて声楽家の女性と結婚したのよね。それが、なんでうちなんかに来てるのよ?」
「驚かないでよ。新垣さんが、タダでもいいから麗奈を教えたいって来たのよ。新垣さんが用事でいない時とかは、奥さんに歌のレッスンもってね。毎日のレッスンで月謝が月5000円だから、お父さんも出してくれたのよ。」
「凄いわね、麗奈。認められたのね。でも、また新垣さんだから基礎から叩き込まれるわね。逃げないで、たっぷりしごかれなさいよ。」
「みんな、ありがとう。今まで独学だったけど、先生に教えて貰うのって小学校以来だから緊張するけど。がんばります。」
その日は、話しが多くて練習ができなかったので6時間の練習と1時間の勉強が終わったのは2時を過ぎていた。
次の日も普段どおり起きて、シャワーを浴びると。
リビングで、寛いでいた。
朝食を済ませて、支度をし登校した。
授業は真面目に聞いていたし、理解もしていた。
毎日家で勉強もしてるので、大丈夫だった。
昼休み 弁当をいつもの様に1人で食べるとのんびりしていた。
「おーい 田中。これ持ってきたんだけど、ちょっとやってくれないか?」
「チューニングですか? いいですよ」
麗奈は簡単に音を鳴らし始め、合わせていった。
アコステって、こんなに弾きやすいんだと思っていた。
「終わったけど、ペグが緩いから交換しないとダメみたいですよ。演奏しててチューニングが狂ってくるから。」
「へえ そうなんだ。じゃ、一曲だけ弾いてくれよ。【雨上がりの夜空に】」
「どんなの?今、聴ける?知らない曲だから、わからないけど。聞けば弾けるから。」
1人が携帯を出して、1曲丸々聞かせていた。
どうせ、聞いてもできないだろうと。
みんなは、少しニヤニヤして見ていた。
「アコスティックギターも始めてだし、曲もだけど、歌無しでいいわね。弾きます。」
イントロからAメロBメロサビ・間奏と、難なく弾き熟していた。
1曲弾き終わると、クラスに他のクラスからも集まってきていた。
「ちょっと、間違えちゃったけど。こんな感じだったでしょ?すぐ出来るようになるわよ。」
「できないって お前じゃないんだから。無理だろし。」
「音楽って、音を楽しむって書くでしょ? ギターも楽しくやるとうまくなりますよ。練習も楽しくなりますからね。嫌々だと、途中で辞めちゃって弾けないで終わるけど。」
「しかし、俺の持ってたギターこんないい音したんだな。」
「ギターはそこそこの音出してくれるから、楽器屋さんに行って、ペグ変えるか購入するか相談するといいですよ。商店街の楽器屋さん知り合いなので、言えば相談にノッてくれますよ。」
クラスでは、1人も友達がいないのに。
学校以外で意外と交友関係があるんだとみんなは思っていた。
ギターバカには、違いないだろうがと思っていた。
やっと、放課後になり部活の時間になっていた。
一応、1年の二組の演奏を聞いてみた。
あすかは、口を開いて1年に小言を言い出していた。
「ねえ、入部してから8ヶ月経つわよね。その間に悔しい思いもたくさんしたでしょ?それなのに、いつも何時間練習してるのかしら? この3年間でそこそこ弾ける様になればいいって程度の演奏でしたよ。おーい 麗奈。あんた週何時間やってるの?」
「私はみんなの足を引っ張らないようにしようと思っているだけですから、そんなにはしてませんよ。来年は受験もありますからね。今は、週に50時間ちょっとしかやってないから少ないですよ。」
「まぁ、文化部で活動も学祭くらいしかやってないから。実質来年の学祭が、私達の部活の卒業ですけどね。その後は、どうするのかしら?みんな、他にやることあるでしょうけどね。勉強以外は、遊ぶ時間は練習に当てたら良いと思いますよ。」
「今の演奏だと、多分1日に1~2時間でしょ?」
葉月は、1年に問いかけていた。
「1時間とかだと、進歩ないのよね。通常進歩するのは3時間くらいかしらね。そうそう、これは私の場合ですけどね。」
「取り敢えず、一週間後にまた聞きますから。がんばってくださいね。今日よりも良い演奏を期待してますよ。」
その日は、麗奈達は少し音合わせをして部活を終わっていた。
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