PrettyGirls(可愛い少女達)ーレディースバンドの物語ー【学生時代とセミプロ時代】

本庄 太鳳

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退部届

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麗奈は、葉月と共に新垣の家に行った。
疲れたーと、思っていた。   
リビングに通されて、紅茶を飲んだ。

「おい、麗奈。お前ってやつは、本当にこっちが恥ずかしくなっちゃったぜ。」

「そうよ。この人ったら。あんな事初めてだったから感激してたけどね。」

「しかし、俺は、まだあんな技法教えてないぞ。どこで習ったんだ?」

「えっと、昔コピーしたのとか、ですね。なんか興奮しちゃって滅茶苦茶でしたけど、すいません。」

「ああ 無茶苦茶もいいとこだぜ。技法を多様すればいいってもんでもないしな。その場その場の雰囲気とかで使うんだよ。コピーだと、譜面見てないだろ。これからは、コピーと譜面と連動してやるからな。」

「はい、すいません」

「まぁ、それでもあの2曲は卒部感動したけどね。良かったわよ。ちょっと泣けてきちゃったものね。」

「先生達泣いてるの見てましたよ。」

「バーカ 俺は泣いて無いからな。」

「知ってますよ。優さんにハンカチで涙拭かれてた吾郎さん。」

「お前、どんだけ視力よくって。歌ってる最中に客席観察してんだよ。」

「えっと、スローなのは大体見えますね。」

「今度は隠れて見ないとな。変装でもして行くかな。そろそろ練習するか、今日は軽めな。」

軽めと言われても、ボイトレ1時間とギター2時間で課題も出されていた。
明日も、朝からの特訓だった。  
急いで、家に帰った。
姉の茉莉子は、麗奈のステージを見てからすぐに戻ったらしい。
いつもの様に帰ってきて、部屋にギターを置くと。
洗面所でうがいをして手を洗って、ダイニングに行った。
幸平は、まだ小学生なので先に食べて自分の部屋で寝たみたいだった。
両親は帰りを待っててくれて、3人で食事をした。
昨日はすき焼き・今日はしゃぶしゃぶ。
まるで、上流階級の家みたいだった。

「昨日といい、今日のしゃぶしゃぶといい、凄いご馳走ですね。お母さん。」

「お父さんが機嫌よくてお肉買ってきたからね。」

「ありがとう お父さん。」

田中家では、記憶の中では2度目のしゃぶしゃぶだった。

「今日はお父さん大変だったのよ。泣いちゃってね。お母さんも泣きたかったけど、お父さんが泣くから、泣けなかったわよ。」

「おい、いいじゃなかよ。」

「新垣先生も、2人泣いてたわよ。」

「麗奈も、人を感動させる歌を歌える様になったのね。ところで、あれって聞いたことないけど誰の曲なのかしら? 色々調べたんだけどね。」

「あれは、私が作ったの。作詞も作曲もね。アレンジとかは、葉月さんにやってもらったけどね。」

「そうそう、麗奈が1人で歌っててみんなが途中から入ってきた曲あったでしょ?あれって、みんなが音を合わせてるの?」

「音程は最初から決まってるから、そのまま入ってくるだけです。テンポもスローなので簡単ですよ。」

「麗奈は音大とか行かないの?それだけできるなら。」

「音大ってクラッシクとか多いでしょ?だから、私には無理だと思うのね。普通の大学でも、今までのように楽しめればいいかなって。でも、その前に高校の受験あるけど。」

「受験頑張って、4人で一緒に入学できるといいわね。」

美味しい夕食を終え、疲れているので勉強を2時間してから練習を始めていた。
2時間練習をそれでもしてから、就寝した。

朝が来て、今日は少し遅く目を覚ましたが6時だった。
シャワーを浴びて、リビングで寛ぎ朝食を食べた。
朝から、ハイテンションな幸平の質問攻めだった。
幸平も茉莉子の影響で、去年から教室に通ってペットを演奏していた。

「僕もお姉ちゃんみたいにギターにしようかなぁー」

「せっかくペットやってるんだから、ダメよ。お姉ちゃんみたいに上手くなれないんだからね。」

「そうなの?お姉ちゃん、ちょっと練習すればできるんでしょ?」

「あ そうね ちょっと練習すればできるけどね。」

「こら、麗奈。あんた週に50時間は練習してるでしょ?そんな簡単にできるわけないんだから。幸平なんてペットの練習だって週に5時間くらいなんだから。」

そうだった。
ギターをやり始めて、すでに練習時間は6千時間を超えていた。
しかも、新垣から指導受けるようになってから質も向上していた。

朝から新垣の家に行き、練習をしていた。
休みの日はボイトレが合計3時間と、ハードだった。
新垣夫妻が、なにで生計を立ててるのか疑問だった。
夫婦で、気ままに頼まれた曲のアレンジを手掛けたり。
講師として大学で講義したり、音楽分野で幅広く活躍をしていた。
2人とも音大を卒業してるので、色々と頼まれたりもして昼間はそんな仕事もしていた。
麗奈達は、聞くこともなかったので。
敢えて夫妻は、言わなかった。
これから部活もなくなるので、ここでの練習時間も増えることとなった。

次の日から、麗奈は4時ちょっと過ぎから8時まで。
葉月は少し遠いので4時半過ぎから8時までレッスンを受けていた。
2学期も終わり、冬休みに入り。
地獄の虎の穴のレッスンが、続けられた。
イブの日だけ、2人は後輩を見に行くと夕方までのレッスンになっていた。
商店街では、みんながセッティングをしていた。
後輩に声をかけ、部長に色々と葉月は聞いていた。

「あの4人は、来年の夏の祭典が終わるまでは人前での演奏は禁止って言ったでしょ?どうして守れないの?多分、お客さんいなくなるわよ。商店街にも、迷惑かけるしね。もう、引退したからこれ以上言わないけどね。今日でわかるわよ。」

あすかや彩香も集まってきて、みんなで話していた。

「まぁ、ドジったら今年最後なのかもね。ここのライブも。確かに少しは上手いけど、感動がないのよね。なんか足りないのよね。」

演奏がスタートして、みんな下手なりに一生懸命楽しんで演奏をしていた。
通りすがりの通行人も、聞きながら歩いていた。
5組の演奏と部長から聞いていた。    
問題の4人組は、3組目に出場してきた。
麗奈達4人は、腕を組んで演奏を聞いていた。  
選曲も、クリスマスの曲ではなかった。
春や夏の曲なども、入っていた。   
出てきて、挨拶もなく次第に客は離れていった。
夏の時のように、道路に向かって吠えていただけだった。
今までいたお客様は、商店街に消えて行ったり家路についていた。

「ほらね。後ろの組が可愛そうだわね。だから出すなって言ったのにね。」

部長が近づいてきて、オロオロしていた。

「もう、私達はOGですからね。責任者は貴方よ。さっきも忠告したわよね。どうして出したの?」

「いや、辞めさせようとしたんですけど、強引だったので。」

「退部届あるでしょ? それ顧問の美羽先生に渡しちゃいなさいよ。それなら、なんとかしてあげるわよ。このままじゃ、後ろの二組は可愛そうですからね。いいでしょ?みんな。」

「まぁ、あすかが言うなら良いけどね。その前にあの4人引っ張っておいで。」

4人は、演奏途中で部長に連れられてきた。

「ねえ、夏の祭典終わるまではライブに出さない約束で入部したのよね? そして、でたらこのザマなのかしら?夏から変わってないわね。」

「どこが悪いのかわからないですよ。」

「頭、足りないんじゃないの?クリスマスなのに夏の歌歌ってだれが感動するのよ。私達だって、ここでは誰もが知ってるような曲しか歌ってないわよ。だから、あんた達の音楽って聞けって感じになってて、感動もないのよね。部長に言っといたから退部しなさいね。」

麗奈達4人は、それぞれ楽器を後輩から借りてステージに立った。

「【クリスマスキャロルの頃には】いくよーーー」

4人が音を奏で始めると、再び人が集まりだしてきた。
ベースソロ・ギターソロなどたくみにアレンジしながら演奏を始めていた。
歌い終わり。

「メリーーーーーーーーークリスマーーーーーーーーーーーーース
良い子に今日はサンタさんがきますよねーーーーーーーーーーーーー
でも、今年色々悪いことした僕も大丈夫よーーーーーーーーーー
ちゃんと来年は良い子になりますっておねがいしてたらーーーーーー
きっとサンタさんがきますよーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【恋人はサンタクロース】レッツゴー」

Aメロを歌うと、麗奈はお客さんの中にマイクを持って入っていき。
マイクを、お客さんに向けて一緒に歌っていた。
そう、ちょうど30代や40代の女性などに。
そして口を動かしている、女子高生にも。 
ギター演奏は、まるでなかった。

「みなさーーーーーーーーーーーーーーーん 
ご協力ありがとーーーーーーーーーーーーーー
今年も良いクリスマスになりましたぁーーーーーーーーーーーーーー
次いくよーーーーーーーーーーーーーー  【恋人たちのクリスマス】」

今度はギターテクニックを、発揮して魅了していた。
観客から、拍手が湧き上がっていた。 
4人は、笑顔で手を振っていた。

「平和のメッセージをも込めてーーーーーーーー
次の曲は今は亡きジョン・レノンの曲でーーーーーーーーーす   
きいてください  【Happy Xmas】」

定番中の定番だった。
聞いたことの無い人など、いなかった。
曲の名前は知らなくても、メロディーや聞こ覚えのある歌詞だった。
観客は、じっと立ち止まり聞きいいっていた。

「みんなーーーーーーーーーーーーー  
寒い中聞いてくれてありがとーーーーーーーーー
まだまだ、これから私達の後輩が湧き上がっていた二組演奏しまーーーーす
お時間の許す限りきいてくださいねーーーーーーーーーーーーーーー
まだまだ、下手ですけど、今日の為にみんな練習をしてきましたーーーーーーーーーー
私達からの最後の曲でーーーーーーーーーーーーーす
【クリスマス・イブ】   イェーーーーーーーーーーイ!!」

4人は笑いながら、観客にお辞儀をしながら演奏をしていた。
麗奈は再び、マイクを持ってお客さんの中に飛び込んでいった。
マイクをお客さんに向けて、一緒に歌った。
間奏ではマイクを持ってもらっていて、お客さんの前で演奏をしていた。
ギターを持ち、頭の上で手拍子をしながら回っていた。
メンバー達も演奏しながら、歌っていた。
楽しい時間だった。
麗奈はお客様の中でエンディングを迎えて、急いでステージにマイクを持ってあがってきていた。

「どうもーーーーーーーーーーーーーー 
ありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
みんなだいすきーーーーーーーーーーーーー 
まだまだ続くよーーーーーーーー
後輩カモン!!  
バトンタッチよーーーーーーーーーーーーーー
後はよろしくねーーーーーーーー」

麗奈と彩香は、ギターとベースを渡していた。
あすかも、スティックを渡した。
4人は手を繋いで、中央で挨拶をしてお辞儀をして手を振っていた。

その後、麗奈達が盛り上げたのでライブは大成功となった。
まぁ、その後あすかに説教されてる部長と副部長がいたのは言うまでもなかった。
麗奈達も、それぞれ家路を急いでいた。 
なんか雪の降り出しそうな、夜だった。
9時半に家に着くと、遅いと怒られてしまっていた。
遅くなるなら、電話をすれば迎えに行くと言われた。
しかし、この時代。携帯が普及してて。
公衆電話は、見当たらなかった。

「おかあさん、公衆電話。そんなにないです。コンビニくらいしか今は。」

「あら、そうなの?まぁ、いいわ手を洗ってきなさい。」

手を洗いうがいをしてダイニングに戻り、3人で夕飯を食べ始めた。
珍しく、クリスマスらしい料理だった。
と言ってもフライドチキンとフライドポテトとハンバーガーだったのだが・・・・・・  
田中家では、初めてだった。

「お父さん、どうします?麗奈に携帯は早いわよね。」

「そうだな、高校の受験に受かったら買ってやろう。無駄使いするなよ。」

「大丈夫よ。友達って、あすかさんと葉月さんと彩香さんだけだもの、掛ける所ないし、今までも家にもたまにしかかかって来なかったわよ。」

「麗奈。友達作りなさいね。まぁ、いっぱいいるからっていいものでもないけどね。その3人の親友は大事にしなさいよ。」

その日は、練習を3時間して。
勉強を2時間したので、3時になってしまっていた。

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