呪われた王女は黒狼王の牙に甘く貫かれる

四葉 翠花

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21.口づけ

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 デイネストの唇がセレディローサの唇に重ねられる。
 されるがままにぎゅっと目を閉じていると、今度は舌で唇をなぞられて、セレディローサはびくっと身を引いてしまう。

「ご……ごめんなさい……」

 俯き加減にセレディローサはぼそぼとそ謝る。デイネストはセレディローサのためにしてくれているというのに、この反応は失礼だと自らを恥じる。

「いや、可愛いよ」

 デイネストはくすりと笑うと、セレディローサのドレスに手をかけた。持っている中では一番上等なものとはいえ、簡素な部類に入るドレスはさほどの手間もなく脱がされる。
 生まれて初めて下着姿を男の目に晒したセレディローサは、羞恥に俯くことしかできなかった。
 だが、今度はその下着にすら手をかけられる。

「やっ……」

 思わず拒絶の声を漏らせば、デイネストの手が止まった。

「あ……ごめんなさい……」

 またもわがままでデイネストに迷惑をかけているようだ。肌を晒すことの羞恥と、自らの情けなさでセレディローサは泣きそうだった。

「そ……そうだわ。私の口を塞いで、縛って目隠ししてもらえばいいのよ。それならあなたに迷惑をかけなくてすむわ」

「……いや、初体験からそれって、いろいろまずいだろ……。それとも、そういうのが好きなの?」

「え? え?」

 混乱しながらデイネストを見上げれば、困ったような苦笑が浮かんでいた。

「……まあ、そういうのに興味があるんだったら、今後ゆっくりと開拓していこうか。とりあえず今日は普通にしよう。迷惑だとかは考えなくていいよ。俺は混乱しているセレディローサを見るのも楽しいから」

 下着も剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿となったセレディローサの頬をデイネストの唇がかすめる。

「んっ……」

 乾いた手が胸を這い、先端を押しつぶされると、戸惑った呻きがセレディローサから漏れる。
 くすぐったいような、もぞもぞとするような、今まで味わったことのない感覚だった。

「あっ……」

 指先が胸の先端を捉えると、ぴりっと痺れるような刺激が走り、思わず声を上げてしまう。

「大丈夫だよ。優しくするからね」

 優しい言葉をかけられて、ほっとしたようにセレディローサが微笑むと、デイネストの顔が近づき再び唇を重ねられた。先ほどとは違い、今度はおそるおそるではあったが自ら口を開き、受け入れる。
 そして今度は舌が入り込み、口腔内を蹂躙していく。歯茎を舐められ、舌同士を絡ませられ、呼吸の仕方さえ忘れそうになるほどの濃厚な口づけに翻弄された。
 唇を離されると、荒くなった息を整える暇もなく、次の瞬間には胸に新たな快感が生まれていた。
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